こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】新潟2歳ステークス 2020 における勝負の明暗
2歳・オープン・G3(馬齢) (国際)(特指) 芝・外 1600m 11頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 11 | ショックアクション | 牡2 | 54 | 戸崎圭太 | 1.34.6 | 03-05 | 34.1 | 2 | 4.3 | 490 | +2 | (栗)大久保龍 | |
2 | 7 | 9 | ブルーシンフォニー | 牡2 | 54 | 田辺裕信 | 1.34.9 | 1 3/4 | 07-03 | 34.8 | 1 | 3.9 | 468 | +4 | (美)伊藤圭三 |
3 | 5 | 5 | フラーズダルム | 牝2 | 54 | 福永祐一 | 1.35.0 | 1/2 | 05-07 | 34.2 | 3 | 4.5 | 466 | +12 | (栗)松永昌博 |
4 | 4 | 4 | ファルヴォーレ | 牡2 | 54 | 岩田康誠 | 1.35.6 | 4 | 09-10 | 34.5 | 10 | 43.2 | 430 | +6 | (栗)高橋義忠 |
5 | 1 | 1 | シュヴァリエローズ | 牡2 | 54 | M.デム | 1.35.7 | クビ | 11-11 | 34.4 | 4 | 7.2 | 436 | -2 | (栗)清水久詞 |
6 | 6 | 6 | セイウンダイモス | 牡2 | 54 | 内田博幸 | 1.35.7 | クビ | 07-09 | 34.7 | 9 | 35.4 | 484 | +6 | (美)和田勇介 |
7 | 3 | 3 | ロードマックス | 牡2 | 54 | 岩田望来 | 1.35.8 | 3/4 | 03-03 | 35.5 | 6 | 12.2 | 450 | 0 | (栗)藤原英昭 |
8 | 8 | 10 | ブルーバード | 牝2 | 54 | 柴田大知 | 1.36.4 | 3 1/2 | 02-02 | 36.3 | 5 | 8.3 | 420 | +4 | (美)中舘英二 |
9 | 6 | 7 | ハヴァス | 牡2 | 54 | 丸山元気 | 1.36.7 | 1 1/2 | 01-01 | 37.2 | 7 | 18.5 | 448 | -6 | (栗)橋口慎介 |
10 | 2 | 2 | ジュラメント | 牝2 | 54 | 藤田菜七 | 1.37.1 | 2 1/2 | 09-07 | 36.3 | 8 | 31.4 | 426 | +14 | (美)根本康広 |
11 | 7 | 8 | タイガーリリー | 牝2 | 54 | 三浦皇成 | 1.37.3 | 1 | 05-06 | 36.5 | 11 | 79.5 | 452 | +8 | (美)尾関知人 |
ご存知の通り、これまで、数多くの名馬を輩出してきた出世レース。
ただ、出世レースとはいえ「将来性」だけで勝てるほど甘くはない。
その理由は「新潟芝1600M」という舞台にある。
経験の浅い2歳馬にとって、広く、直線の長い新潟マイルを攻略するのは容易ではない。
それだけに、重要なのは
「(将来性を前提に)現時点での完成度」
だと私たちは考える。
今回、上位争いをした面々は、実際に完成度の高い馬たちだと思うし、特に2歳後半から3歳前半の早い時期では活躍が見られるだろう。
前置きはここまでにして、具体的に上位入線馬を振り返っていこう。
堂々の優勝!ショックアクション
まずは、何と言っても優勝したショックアクション。
2着馬に1馬身3/4という大きな差をつけただけではなく。上がり3ハロンでも最速タイムをマーク。
結果、内容共に完勝
と言い切ってよいだろう。率直に、かなりの逸材だと思う。
重賞初勝利、おめでとう!
直線で見せた爆発的な脚が素晴らしいことは大前提として、この馬の大きな魅力は
鞍上の指示に対して非常に素直な点
ではないだろうか。レース後、鞍上・戸崎は次のように語っている。
名手だからこそ、名手からのアドバイスを信じきれたのかもしれない。
そして、走りやすい場所を探って馬を動かしたが、素直にしたがっていた。
素直だから余計なスタミナロスがない(まさに完成度が高い)。
当然、直線で弾けることになった。
まだ伸びる余地がある!
人馬共に完璧なレースぶりに見えたが、驚くべきは、戸崎騎手が
とも語っていた点。
既にかなりのレベルの爆発力&完成度を見せながら、まだ良くなるとなれば・・・
スタミナもありそうだし、来年のクラシック路線に絡んでくる可能性は高そうだ!
2着馬も素晴らしいが
一方、1番人気ながら2着に敗れたブルーシンフォニー。
レース前の調教の段階から良い動きを見せていたし、当然の結果なのだろう。
ただ「現段階では」勝ち馬とは少々力の差があるか。
レース全体を見ていて、勝ち馬に勝るとも劣らないほどスムーズなレース運びを見せたように思えたが、直線の追い比べで差を広げられた。
それでも、調教で見せる動きには大器の予感が漂っている。
また、ハードな調教をしっかりと詰めるように体質も強そうだ。
上で「現段階では」と書いたように、こうした調教を順調にこなせるなら、力もついていくだろう。
次走、いや更にその次走あたりか。
それだけ成長を遂げるのか、楽しみにしたい。
キングスポーツ流「次走へ向けての一言メモ」
ここからは「私の独り言」だととらえていただきたい。笑
今後へ向けて、気がついたことをメモ帳に走り書きしているようなイメージ。
せっかくなので、それを皆様と共有してみようかと考えた。
今回も気になる2頭をピックアップ!
1頭につき数行程度だが、気になる方は頭にとどめておいてほしい。
3着・フラーズダルム
今回の出走メンバーの中で
最も将来性を感じた馬
かもしれない。だから、迷わず「未来の主役」に指名しようと思う。
そう感じた理由については、鞍上・福永のレース後のコメントを引用するのが良いかもしれない。
さすがは経験豊富なベテラン。
周囲に失礼のないように、うまく言葉を選びながらコメントしているが・・・笑
要するにスムーズなレースができなかった!
ということだろう。
それでも3着。直線の伸びも見どころがあった。
必ず良くなる馬だと確信する!
5着・シュヴァリエローズ
正直言って、上位3頭との差は大きい。
ただ、フラーズダルム以上に、チグハグなレースだったことも確か。
スタートが上手くいかなかったことで馬が集中力を欠いたのか、まともに走ろうという気が感じられなかった。
これが2歳馬の難しい部分なのだろう。
どこまで良くなるか、何とも言えない部分もあるが、とりあえずもう1走見てみたい。
この馬の評価を下すのは、次走以降で良い。
レースを見逃した方はこちらからどうぞ
【みんなのKEIBA 次回9月6日(日)午後3時】
夏の出世レース「新潟2歳S・GⅢ」は2番人気⑪ショックアクションが快勝!直線で力強く抜け出すと後続の追い上げを振り切り、世代最初のマイル重賞を制しました!
2着は1番人気⑨ブルーシンフォニー 、3着は3番人気⑤フラーズダルム
3連単は6810円の払い戻し pic.twitter.com/XuqzwHTGjn— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) August 30, 2020
【新潟2歳ステークス 2020】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 ショックアクション(戸崎圭太騎手)
「福永騎手から、乗りやすい馬だと聞いていました。レースは、位置をある程度取っていこうと思っていました。バラけると思っていましたし、馬場の良い、丁度良い所を走ることができました。先頭に立ってからも、しっかり最後まで走っていました。まだ緩いところもありますから、先々、もっと良くなると思います。テンションが少し高かったので、落ち着けばと思いますし、レースセンスも良く、楽しみだと思います」
2着 ブルーシンフォニー(田辺裕信騎手)
「前回はスタートが遅くなりましたが、盛り返す内容で、今日も流れに乗り切れませんでしたが、コーナーをロスなく回って、上手く挽回できました。ただ、最後の脚は勝ち馬の方が上でした。先々楽しみです」
3着 フラーズダルム(福永祐一騎手)
「2走目で、スタート後、気が入った感じでしたが、馬の後ろでレースをして、感じは悪くなかったので、どれくらいこの馬場で脚が使えるのか楽しみにしていましたが、勝負所で少し置かれる面がありました。瞬発力というより、長く脚を使うタイプかもしれません。今後の距離、レーススタイル含めて、色々見えてきたレースだと思います」
4着 ファルヴォーレ(岩田康誠騎手)
「現時点では、合格点です。この馬の潜在能力は引き出せたと思います。成長すれば、もっと良いパフォーマンスを見せられると思いますし、良いモノを持っています」
5着 シュヴァリエローズ(M.デムーロ騎手)
「スタートが上手くいきませんでしたし、その後もハミを取らず、ずっと追い通しでした。最後はじわじわ伸びていますが、大変でした」
6着 セイウンダイモス(内田博幸騎手)
「前回1200mで押して押しての競馬をした後で、馬もテンションが高く、また初めての距離、回りもあったと思います。上位3頭には離されてしまいましたが、その他とはそんなに差がなく、くらいついていました」
7着 ロードマックス(岩田望来騎手)
「良い感じで競馬をしてくれました。今後に繋がる競馬はできたと思います」
9着 ハヴァス(丸山元気騎手)
「気持ちが強すぎてしまいます。そこだけですね」
11着 タイガーリリー(三浦皇成騎手)
「1600mでも大丈夫かと思っていましたが、終始掛かりっぱなしで、ロスをしてしまいました。馬の走る気持ちはあり、良くなると思います」
(via ラジオNIKKEI )
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