こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】デイリー杯2歳ステークス 2020 における勝負の明暗
2歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定) 芝・外 1600m 8頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
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1 | 2 | 2 | レッドベルオーブ | 牡2 | 55 | 福永祐一 | 1.32.4 | 05-05 | 34.0 | 1 | 1.3 | 468 | -2 | (栗)藤原英昭 | |
2 | 1 | 1 | ホウオウアマゾン | 牡2 | 55 | 松山弘平 | 1.32.4 | 頭 | 02-02 | 34.2 | 2 | 4.5 | 498 | +12 | *(栗)矢作芳人 |
3 | 3 | 3 | スーパーホープ | 牡2 | 55 | 川田将雅 | 1.32.6 | 1 1/4 | 06-05 | 34.2 | 4 | 11.4 | 510 | -2 | (栗)藤岡健一 |
4 | 8 | 8 | ビゾンテノブファロ | 牡2 | 55 | 原優介 | 1.33.2 | 3 1/2 | 08-08 | 34.5 | 8 | 288.5 | 468 | -4 | (美)小桧山悟 |
5 | 6 | 6 | カイザーノヴァ | 牡2 | 55 | 坂井瑠星 | 1.33.3 | 1/2 | 02-02 | 35.1 | 3 | 9.3 | 462 | +10 | *(栗)矢作芳人 |
6 | 4 | 4 | シティレインボー | 牡2 | 55 | 池添謙一 | 1.33.4 | 1/2 | 06-05 | 34.9 | 6 | 31.6 | 476 | +10 | (栗)池添兼雄 |
7 | 7 | 7 | コスモアシュラ | 牡2 | 55 | 国分優作 | 1.34.6 | 7 | 04-04 | 36.3 | 7 | 147.7 | 500 | +4 | (美)中野栄治 |
8 | 5 | 5 | スーパーウーパー | 牝2 | 54 | 武豊 | 1.35.7 | 7 | 01-01 | 37.6 | 5 | 18.5 | 460 | +2 | (栗)森秀行 |
後のG1馬アドマイヤマーズなどを輩出している出世レース。
その割に、今年は8頭立てという寂しいメンバー構成。
それでも!レース内容は見どころ十分!
勝ち馬に目がいきがちだが、他にも面白い馬がいた。
ということで、振り返っていこうと思う。
兄弟での連覇!おめでとう!
まずは何より、優勝したレッドベルオーブ&関係者の皆様の対して、心からの祝福を伝えたい。
昨年の勝ち馬で、同じ藤原英厩舎に所属していた兄のレッドベルジュールに続いての優勝!
残念ながら、兄は喉の不安によりわずか3戦での引退を余儀なくされた。
それだけに、関係者の喜びは大きいはずだ。
となると、早速気の早い競馬ファンが注目するのは
兄が果たせなかったG1制覇はかなうのか?
という点ではないだろうか。
兄はここで勝った後にG1【朝日杯フューチュリティステークス】に出走したが3着に敗れている。
今回のレッドベルオーブは、レース後にかなり疲労が見られたようなので、暮れのG1に出走するかどうかはわからない。
ということで
という点を、個人的な視点にはなるが見てみたい。
レコード自体は鵜呑みにできないが
まず、レコードタイムでの優勝となった点について。
レッドベルオーブは前走新馬戦についてのレコード勝ち。
率直に言って素晴らしいことだと思う。
だが「レコード」自体を高く評価する必要はないだろう。
先週の【ファンタジーS】でもレコードが出ていたが、今の阪神競馬場の芝はかつてないほど速い。
他の上位入線馬も似たようなタイムで走っている事実もある。
ひとまず、レコードタイムは抜きにして考えよう。
▼参考⇒ファンタジーS 2020 回顧▼
だが、それでもレッドベルオーブは
非常に魅力的な素材
だと確信する。G1での勝ち負けとなればまだまだ克服する材料は多いが、これからも追いかけてみたい。
そう考える理由について記してみよう。
直線を見てほしい
2歳馬は、経験の浅さゆえにレースに集中できないことが多い。
好素質馬であっても、折り合いを欠いたり。だが、経験のの浅さは、いずれ解消できる。
そこで、私の持論として
「2歳馬の評価は直線の動きだけを重視」
ほぼすべての馬が、直線で追われてからは集中して走るからだ。
今回のレッドベルオーブは前半は全く集中できていなかった。
かなりのスタミナロスがあったはずだ。
それでも直線では歯を食いしばるように渋太く伸びた!上がり3ハロンでは最速タイムをマーク!
レース後に、鞍上が
と語るほどの状態の中、最後まで走り抜いたのだ。
大一番向き!
苦しい中でも上がり最速で走りきり、重賞勝ちを収めるのだから、走力はもちろん、精神的な強さが素晴らしい!
こういったタイプは、間違いなく
「大一番向き」
上でも記したが、G1での勝ち負けとなればまだまだ克服する材料は多いが、それでも、いずれ必ず大舞台に出てくる素材だと確信する。
ぜひ、覚えておいていただきたい。
キングスポーツ流「次走へ向けての一言メモ」
ここからは「私の独り言」だととらえていただきたい。
今後へ向けて、気がついたことをメモ帳に走り書きしているようなイメージ。
せっかくなので、それを皆様と共有してみようかと考えた。
今回は少頭数だったし、何頭も語ろうとは思わない。
2着馬ホウオウアマゾンについてだけ、簡単に振り返ろう。
2着・ホウオウアマゾン
一言で表すなら
センスの良い馬
ということになるのではないだろうか。
レース後の、鞍上・松山騎手のコメントをご紹介したい。
この時期の2歳馬のレースとしては、殆ど問題がなかったように思う。
それでも敗れたのは、素材の差かもしれないが、恐らくどういった条件でも大崩れしないだろう。
馬券を買う側としては勝ち馬より頼れるかも
未来の主役に指名し、今後も注目したい。
【デイリー杯2歳ステークス 2020】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 レッドベルオーブ(福永祐一騎手)
「とても速いタイムが出やすい馬場状態で、速いタイムの決着になるかなと思っていました。思った以上に厳しい戦いで、走破時計も速い決着になって、相当疲労が溜まっている感じでした。厩舎でしっかりケアしてもらって、次の戦いに備えてもらいたいです。(レースでは)頭を上げていましたね。調教では見せなかったのですが、次への修正点として、厩舎と話し合って改善したいです。大きいレース、GIで活躍できると思いますし、ここ2戦は素晴らしい脚です。次が楽しみです」
2着 ホウオウアマゾン(松山弘平騎手)
「スタート良く出て、良い形で脚を溜めて運べました。着差が着差だけに、もう少し何としたかったのですが……。でもよく頑張って力を見せてくれました」
3着 スーパーホープ(川田将雅騎手)
「リズム良く走ってくれて、現状できる精一杯の力を出してくれました」
4着 ビゾンテノブファロ(原優介騎手)
「ここ3戦乗せていただいていますが、使うたびに行儀の面でも良くなり、レースセンスもどんどん良くなっています。ずっと1200mで使っていた馬なので、折り合いは前半苦戦しましたが、うまく後ろから運びました。状態もどんどん良くなって、先々が楽しみです」
5着 カイザーノヴァ(坂井瑠星騎手)
「馬場は時計が速く、ゲートを出てあの位置(3番手)からのレースでした。道中まだ手前を替えなかったりと幼さがありますが、その辺りが解消されれば、もっと反応が良くなってくると思います」
8着 スーパーウーパー(武豊騎手)
「1600mだと引っ掛かってしまいます。1200mもそうですが、ダートも試してみたいですね」
(via ラジオNIKKEI )
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