こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】高松宮記念 2021 における勝負の明暗
【11R】 第51回高松宮記念
4歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 1200m 18頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | 14 | ダノンスマッシュ | 牡6 | 57 | 川田将雅 | 1.09.2 | 10-09 | 34.3 | 2 | 6.0 | 472 | +3 | (栗)安田隆行 | |
2 | 8 | 16 | レシステンシア | 牝4 | 55 | 浜中俊 | 1.09.2 | クビ | 06-07 | 34.5 | 1 | 2.9 | 506 | -2 | (栗)松下武士 |
3 | 5 | 9 | インディチャンプ | 牡6 | 57 | 福永祐一 | 1.09.3 | クビ | 11-09 | 34.5 | 3 | 6.3 | 478 | -6 | *(栗)音無秀孝 |
4 | 7 | 13 | トゥラヴェスーラ | 牡6 | 57 | 鮫島克駿 | 1.09.4 | 3/4 | 11-12 | 34.4 | 16 | 138.4 | 476 | -6 | (栗)高橋康之 |
5 | 2 | 4 | モズスーパーフレア | 牝6 | 55 | 松若風馬 | 1.09.5 | 1/2 | 01-01 | 35.4 | 6 | 13.5 | 498 | -2 | *(栗)音無秀孝 |
6 | 8 | 17 | サウンドキアラ | 牝6 | 55 | 松山弘平 | 1.09.6 | 3/4 | 06-09 | 34.8 | 7 | 23.8 | 462 | +6 | (栗)安達昭夫 |
7 | 4 | 8 | エイティーンガール | 牝5 | 55 | 酒井学 | 1.09.6 | クビ | 16-17 | 34.3 | 12 | 85.4 | 452 | +2 | (栗)飯田祐史 |
8 | 7 | 15 | マルターズディオサ | 牝4 | 55 | 田辺裕信 | 1.09.6 | 頭 | 13-13 | 34.5 | 9 | 31.5 | 452 | +2 | (美)手塚貴久 |
9 | 6 | 12 | セイウンコウセイ | 牡8 | 57 | 幸英明 | 1.09.7 | クビ | 02-03 | 35.2 | 13 | 88.0 | 504 | +4 | (美)上原博之 |
10 | 8 | 18 | ミッキーブリランテ | 牡5 | 57 | 和田竜二 | 1.09.8 | 3/4 | 13-13 | 34.7 | 11 | 50.3 | 480 | +4 | (栗)矢作芳人 |
11 | 3 | 5 | ダイメイフジ | 牡7 | 57 | 菱田裕二 | 1.09.8 | ハナ | 15-15 | 34.6 | 18 | 164.2 | 532 | +10 | (栗)森田直行 |
12 | 3 | 6 | ダノンファンタジー | 牝5 | 55 | 藤岡佑介 | 1.10.0 | 1 | 02-02 | 35.6 | 8 | 24.2 | 470 | -6 | (栗)中内田充 |
13 | 4 | 7 | アストラエンブレム | セ8 | 57 | 杉原誠人 | 1.10.1 | 1/2 | 16-15 | 34.9 | 17 | 157.8 | 486 | 0 | (美)小島茂之 |
14 | 5 | 10 | ラウダシオン | 牡4 | 57 | M.デム | 1.10.1 | 頭 | 02-03 | 35.6 | 5 | 7.1 | 512 | 0 | (栗)斉藤崇史 |
15 | 6 | 11 | カツジ | 牡6 | 57 | 中井裕二 | 1.10.2 | 3/4 | 06-07 | 35.5 | 14 | 113.0 | 506 | +2 | (栗)池添兼雄 |
16 | 1 | 1 | アウィルアウェイ | 牝5 | 55 | 吉田隼人 | 1.10.4 | 1 1/4 | 18-18 | 35.0 | 15 | 114.1 | 480 | +4 | (栗)高野友和 |
17 | 2 | 3 | ライトオンキュー | 牡6 | 57 | 横山典弘 | 1.10.9 | 3 | 06-05 | 36.3 | 4 | 6.5 | 510 | +4 | (栗)昆貢 |
18 | B1 | 2 | レッドアンシェル | 牡7 | 57 | 池添謙一 | 1.11.3 | 2 1/2 | 05-05 | 36.7 | 10 | 39.4 | 480 | +4 | (栗)庄野靖志 |
「良いものを見せてもらったな」これが今の私の率直な思い。
上位人気3頭が、そのまま上位を独占する決着に。
穴党の私たちのとっては「少々堅すぎるな」という気がしなくもないが。笑
競馬の醍醐味は、穴馬券を獲得することだけではない。
力のある馬が、力を存分に発揮するハイレベルなレースを目の当たりにすること!
これもまた、大きな醍醐味ではないだろうか。
上位3頭をはじめ、雨の中、熱いレースを見せてくれた出走各馬には、心からのお礼を申し上げたい。ありがとう!そして、お疲れ様!
意外に評価が上がりきらなかった勝ち馬
さて、そんな【高松宮記念】を制したのは2番人気ダノンスマッシュだった。
2着で1番人気だったレシステンシアとはクビ差の接戦。
ゴール前の追い比べは激しく、また印象的だったが、私の感覚からすれば
「着差以上にダノンスマッシュは強かった!完勝」
そんな印象だ。
実は今回のレースを迎えるにあたり、最も驚いたのが
ということだった。
世界トップレベルの短距離馬が集まる【香港スプリント】を制しているほどの馬が、1200M初挑戦の馬に1番人気を奪われること自体が驚き。
恐らく、過去2年の【高松宮記念】での敗戦から、どうしても大一番で信頼しにくい部分が競馬ファンの頭には残っていたのだろう。また、中京コースとの相性も評価を下げた理由かもしれない。
ひょっとしたら、ダノン軍団があまりG1で強くないと考えた人もいたかな。笑
やはり力は一枚上だった
だが、私たちは「ある理由」からダノンの強さを確信していた。
そこで私たちは、ご会員様やYoutubeチャンネルにおいて
3強の中ならダノンスマッシュ!
ということを断言したのだ。
具体的に理由については、有料会員様にご提供した解説文を、一部抜粋にはなるが転載しよう。
ダノンスマッシュといえば、4歳だった一昨年の【高松宮記念】でも1番人気(4着)に推されるなど、早くからスプリント界の大器と期待されてきた。
一方でなかなかG1を勝つことができず。私たちも「善戦マンで終わるのか?」という見方をしていた時期もあった。
そんなダノンスマッシュが一変したのが、完勝した3走前の重賞【セントウルS】(今回と同じ中京芝1200M)。
スプリント戦において2着馬に1馬身差だから結果自体も素晴らしい。だがそれ以上に内容!
具体的に申し上げると「道中での余裕度がかつてないほど大きかった」
この時は久々の実戦で仕上がり途上。しかし!道中での余裕度が大きいから直線に向いてもまだまだ余力がタップリ。当然のようにゴールへと鋭く伸びた!この時に馬が変わったことを確信した
レース後、当時の鞍上だった三浦騎手(今回は川田騎手)が次のような話をしていた。
▼三浦騎手のコメント▼
「1400mや1600mを使ってきたのが道中のゆとりに繋がったと思いますし、成長してくれていました」
昨年6月には約2年ぶりにマイルに挑戦!ハイレベルなG1【安田記念】ということで8着に終わったが、陣営の意欲的なチャレンジが「進化」に繋がったのだろう。
元々スプリントで実績を残していた馬。そこに「道中での余裕度」つまり精神的な余裕が加わったのだから自ずと結果は出る!前走【香港スプリント】での勝利も納得!また2走前【スプリンターズS】も後ろ有利の流れの中、4番手から2着にまとめている!
走力、精神力、さらに【セントウルS】の勝利からもコース適性に関しても何ら問題なし!
強いて言えば馬場が悪くなりすぎるケースは望まないが、そうなったとしても底力で上位争いに絡んでくるだろう。期待している。
完全に「本物」
上の解説文もあるように、精神的に進化し、道中での余裕度が大きくなった。
それにより、ダノンスマッシュは以前とは完全な別馬になっている!
見ていても、失速しそうな雰囲気が全く見られないのだ。
どちらかと前でレースをした馬が好結果を残してきた【高松宮記念】において、4角9番手。
心配された方もいただろうが、鞍上は良い意味で周りを全く気にしていないように思えた。それだけダノンに対する手応えが大きかったのだろう。百戦錬磨の名手に、そう思わせるだけでも凄いこと。
唯一、馬場が悪くなりすぎるとどうかと思っていたが、なんとか重馬場でとどまったくれた。
もちろん、仮に不良馬場までいってしまっても、上位争いはしただろう。
そう言い切れるほど、今のダノンは本物だ!
長期政権の可能性も
今日の走りを見る限り、怪我さえなければ!
当分の間スプリント路線の主役は譲らないだろう。
唯一【大阪杯】に出走するグランアレグリアが、再びこの路線に戻ってくることだけが気になる。
だが、差し切られた昨秋【スプリンターズS】も、流れ自体はグラン有利だった。
多少でもダノンに流れが向くようなら、逆にあっさりがあっても驚けない。
したがって、長期政権の可能性も出てきたのではないだろうか!?
参考⇒グランアレグリアが出走!大阪杯の狙い
主役がいてこそ競馬界は盛り上がる
圧倒的に強い馬がいると、馬券的には盛り上がらない場合もある。
それでも、3冠馬やアーモンドアイらが人気に応えてくれた昨秋がそうだったように、やはり各路線に圧倒的な主役がいてこそ、競馬界は盛り上がる!
ダノンスマッシュにも、ぜひ彼らに匹敵するような主役になってほしいのだ!
絶対の主役がいて、その主役を倒そうとライバルたちもレベルを上げる。
これまで、日本競馬界において、スプリント路線はどうしても「脇役」的な見られ方をすることが多かった。
だが、ダノンスマッシュの存在がそんなイメージを変えるかも!?
予想家というより、私もひとりの競馬ファンとして!
今後のスプリント路線を楽しみにしようと思う!
キングスポーツ流「次走へ向けての一言メモ」
ここからは「私の独り言」だととらえていただきたい。
今後へ向けて、気がついたことをメモ帳に走り書きしているようなイメージ。
せっかくなので、それを皆様と共有してみようかと考えた。
2&3着馬の強さは誰もがわかっていると思うので、敢えてそれ以外のところから。
6着サウンドキアラ
勝ち馬から0.4秒差の6着。
初めての1200M挑戦ということで、どういった競馬になるか読めない部分もあったが、道中での追走も心地よさそうだったし、決してスピード負けはしていなかった。
レース後、鞍上の松山騎手が
と語っていたが、本当によいレースだったし、内容では文句のつけようがない。
昨年、不調に陥っていた時期もあったが、もう完全に蘇っている。
今後は、最も得意とする1400M~1600Mに再び戻るだろう。
この春の最大の目標が昨年2着【ヴィクトリアM】だとすれば!チャンス十分だとみた!
実績十分の馬だが「未来の主役」に指名したい。
レースを見逃した方はコチラから
【みんなのKEIBA次回4月4日(日)午後3時】
春のGⅠシリーズ開幕戦「高松宮記念・GⅠ」は2番人気⑭ダノンスマッシュが勝利!
香港スプリントに続き父ロードカナロアとの父子初制覇!
1番人気⑯レシステンシアはクビ差の2着
3番人気⑨インディチャンプはさらにクビ差の3着 pic.twitter.com/QBFIk1IrCZ— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) March 28, 2021
【高松宮記念 2021】のレース後の関係者のコメント
1着 ダノンスマッシュ(川田将雅騎手)
「昨年末香港でGIを勝っていましたが、国内でタイトルを重ねられて良かったです。(雨は)大きなポイントになっていましたが、あえて何も考えず、馬の走りたいように走らせました。前にレシステンシアがいて、良いリズムで行けました。4コーナーは抜群の手応えで、道ができて、レシステンシアとの競り合いが長く続いていましたが、意地を見せて勝ち切ってくれて何よりです。昨年は申し訳ない結果でしたが、結果が出たことをありがたく思います。(重賞2日連続勝利は)良い馬に乗せてもらっています。この馬には進むべきところを順調に歩んでほしいです」
(安田隆行調教師)
「この勝利に嬉しさが満ち溢れています。今日の馬場はかなり悪かったので、ここは川田騎手に全面的にお任せするしかないと思いました。そしてその期待通り、ナイスプレーでした。道中のリズムも良く、絶妙なレース運びでしたし、最後もクビ差、抜けてくれました。雨の中、ひと皮むけて力強くなっています。ここに来て素晴らしく強くなったなと改めて認識しました。4月25日の香港、チェアマンズスプリントプライズに登録していますが、疲れがひどいようならリフレッシュしたいと思います」
2着 レシステンシア(浜中俊騎手)
「馬は落ち着いていて、雰囲気は良かったと思います。スタートを五分に出て、行く馬を行かせて控える形でしたが、タメがきいていました。良く伸びたのですが、勝ち馬には及びませんでした。急な乗り替わりで期待に応えたかったのですが、残念です。馬はさすがの力を感じました」
3着 インディチャンプ(福永祐一騎手)
「1200mの流れにも乗れて、反応良く最後まで脚を使いました。1200mでも外を回ることなく、距離ロスのない形でバランス良く走れていました」
4着 トゥラヴェスーラ(鮫島克駿騎手)
「人気はなかったですが、中京のこのコースは合っていると思っていました。もともと能力の高い馬ですし、今日はリズム良く走らせることを考えて、ダノンスマッシュを見ながらレースを進めました。着差があまりなかっただけに悔しい気持ちが大きいです」
5着 モズスーパーフレア(松若風馬騎手)
「内枠から質の良いスタートが切れました。リズム良く運べましたが、4コーナーでは内の悪い馬場に滑りながら加速することになりました。それでもよく頑張っています」
6着 サウンドキアラ(松山弘平騎手)
「力の要る馬場でしたが、そんな中で最後までよく頑張ってくれたと思います」
9着 セイウンコウセイ(幸英明騎手)
「このレースを勝った時と同じくらいの反応を見せてくれたのですが、最後は脚が上がってしまいました」
14着 ラウダシオン(M.デムーロ騎手)
「雰囲気が良く、状態はすごく良く感じました。良い位置を取れたと思ったのですが、行きっぷりが良すぎる感じで、重い馬場に脚をとられていました」
(via ラジオNIKKEI )
勝負の明暗バックナンバーは下記をクリック