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ホーム勝負の明暗ダイヤモンドステークス 2022【回顧】テーオーロイヤルよ、偉大な祖父に続いて長距離王になってくれ!

ダイヤモンドステークス 2022【回顧】テーオーロイヤルよ、偉大な祖父に続いて長距離王になってくれ!

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】ダイヤモンドステークス 2022 における勝負の明暗

2022年 2月19日(土) 1回東京7日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第72回ダイヤモンドS
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 3400m 14頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
6 9 テーオーロイヤル 牡4 54 菱田裕二 3.30.1 04-04-03-03 34.8 2 4.0 456 0 (栗)岡田稲男
8 14 ランフォザローゼス セ6 54 田中勝春 3.30.5 2 1/2 11-11-11-11 34.5 11 57.5 502 +6 (美)藤沢和雄
4 6 トーセンカンビーナ 牡6 55 石川裕紀 3.30.6  1/2 13-13-11-11 34.6 5 12.6 476 +2 (美)加藤征弘
3 3 ヴァルコス 牡5 54 三浦皇成 3.30.6 クビ 08-07-09-08 34.7 6 12.9 518 +8 (栗)友道康夫
5 7 ヴェローチェオロ 牡4 54 戸崎圭太 3.30.7  3/4 05-05-06-06 35.1 3 4.8 484 +4 (栗)須貝尚介
4 5 カレンルシェルブル 牡4 53 横山和生 3.31.0 1 3/4 08-09-09-08 35.2 8 15.7 500 +2 (栗)安田翔伍
2 2 セントレオナード 牡6 53 丸山元気 3.31.2 1 11-11-13-13 35.0 14 95.8 480 -2 *(美)堀宣行
1 1 グレンガリー セ7 54 大野拓弥 3.31.4 1 1/4 01-01-01-01 36.8 13 91.9 450 +12 (美)萩原清
6 10 レクセランス 牡5 55 横山武史 3.31.4 クビ 10-09-05-04 35.9 1 3.7 488 -6 (栗)池添学
10 B3 4 アドマイヤアルバ セ7 53 団野大成 3.31.5 クビ 13-13-14-13 35.3 12 80.6 480 +4 (美)柄崎孝
11 5 8 アンティシペイト 牡5 55 田辺裕信 3.31.9 2 1/2 02-02-02-02 36.8 4 11.5 512 -2 (美)国枝栄
12 8 13 ゴースト セ6 54 北村宏司 3.32.1 1 1/4 03-03-03-04 36.7 10 18.8 492 +2 (栗)橋口慎介
13 7 12 メロディーレーン 牝6 52 菅原明良 3.32.2 クビ 07-07-08-08 36.4 7 15.4 346 -6 (栗)森田直行
14 7 11 カウディーリョ 牡6 56 M.デム 3.32.2 05-06-06-06 36.6 9 18.6 456 +6 *(美)堀宣行

 

寂しく感じる長距離事情

昨今、日本競馬界における長距離戦の地位低下が叫ばれている。

かつては、長距離戦の象徴【天皇賞春】などは、関西の調教師・騎手を中心に「最も勝ちたいG1のひとつ」だと言われていた。

例えば、テイエムオペラオーを管理していた岩元市三調教師などはその一人。

オペラオーの主戦だった和田竜二騎手は、騎手人生で一番嬉しかったこととして

「オペラオーで春の天皇賞を勝って、岩元先生に喜んでいただいたこと」

と語ったこともあるほどだ。

だが、ここ数年の【天皇賞春】の出走メンバーを見ると、むしろマイナーG1といった雰囲気さえ漂う。

同時に、昨年のエフフォーリアのように【菊花賞】を回避する有力3歳馬も増えている。

 

長距離戦は面白いんだ!

長距離戦の価値低下の理由は極めて単純で、長距離で結果を出しても、種牡馬としての価値が上がらないから。

現代の種牡馬の求められるのは、マイラー寄りのスピードだと言われる。

かつての天皇賞馬テイエムオペラオー

スピードが産駒に伝われば、早い時期から結果が出せるから(2歳の新馬戦や未勝利戦は短い距離のレースが多い)、安定して賞金も稼げる可能性が高くなる。

生産者、馬主側にとってが当然の考え方なのだ。

それでも!レースを見る側にとって、長距離戦は本当に面白い。

単に馬の走力だけではなく、「長距離戦は騎手で買え」という格言があるように、騎手同士の駆け引きなど、見どころが非常に多い。

人間の世界だってそうだ。
日本人にはマラソンが非常に人気があるが、仕掛けどころなどの駆け引きの部分に魅力があるのだろう。

だから、もっともっと熱い長距離戦がみたい!そんなことを思っていたら

久々に長距離界に超大物候補が現れた!

 

心の底から驚いた!

ということで、昇級戦&古馬重賞初挑戦にして、何と2着馬に2馬身半もの大きな差をつけての快勝となったテーオーロイヤル。

菱田騎手や、岡田稲調教師をはじめとした関係者の方々には、心から祝福の思いをお伝えしたい。

レースをご覧いただいた全ての方が同じ感想を抱いたとは思うが

「とにかく強い!桁違いの長距離適性に、心の底から驚いた」

では、どのあたりに長距離適性が感じられたのか?確認しよう。

率直に言って、常識では考えにくい勝利。

まずは着差だ。

2着に2馬身半差は、前走、3勝クラスの【尼崎特別】(芝2400M)を制した時と全く同じ。

だが、3勝クラスと重賞とでは、相手のレベルが全く違うのだ!
それでも同じ着差だから、いかに3400Mという距離が合っているか証だろう。

 

ゴール後も余裕を感じた

続いて展開面だ。

東京の長い直線を完全に自分のものにした

テーオーロイヤル以外の好位組がことごとく失速しているように、決して楽な流れではなかった。

そんな中、テーオーロイヤルは早めに仕掛けて抜け出しながら、後続を離す一方。
しかもゴール後も余裕が感じられたのだから恐ろしい。

2馬身半という着差だが、恐らく中身は、その倍近くに感じる。

久々に、本物のステイヤーを目の当たりにした思いで、興奮させられた。

 

もちろん、長距離適性にはきちんとしたバックボーンがある。血統面だ。

お父さんのリオンディーズは、500キロ前後の大きな馬体を誇った中距離型のイメージ。

それに対して、お母さんのメイショウオウヒという馬は、テーオーロイヤルをほぼ同じ、460キロ前後の馬体だった。

恐らく、テーオーロイヤルはお母さん寄りの馬なのだ。

そして、そのお母さんの父親は(母父は)マンハッタンカフェだ!

 

祖父はマンハッタンカフェ

マンハッタンカフェは、2001年の【菊花賞】優勝馬であり、2002年の【天皇賞春】優勝馬。

また、冒頭でも名前を挙げたテイエムオペラオーらを退けて【有馬記念】を制したこともある。

長距離王マンハッタンカフェ

さらに、産駒のヒルノダムールも2011年の【天皇賞春】を勝っている。

残念ながら2015年に死亡してしまったが、間違いなく日本競馬史に残る長距離王だ。

マンハッタンカフェはもう少し大型の馬だったが、長距離向きを思わせる落ち着きと軽快さを備えたフットワークには、近いものを感じずにはいられない。

 

区切りの年に

まだG3を勝ったばかりとはいえ、くどいようだが桁違いのレース内容、そして長距離適性を誇るのだ。

大一番の【天皇賞春】でも十分に通用するはずだし、それどころか昨年の2着馬(有馬記念も2着)のディープボンドと1番人気を争うことになるだろう。

実は、偉大な祖父が【天皇賞春】を勝ってから、今年で20年。

つまり区切りの年になるのだが、そんな年に、再びマンハッタンカフェの血が躍動することになれば、競馬ファンにとって、こんなに感慨深いことはない。

そして、どんな世界でも同じだが、一人(一頭)のスターの出現により、一気に活気づく!

テーオーロイヤルの存在が長距離路線を再び魅力あるものにしてくれるのでは?

そんな楽しみを抱きながら、今後の彼に注目していきたい。

 

【ダイヤモンドステークス 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 テーオーロイヤル(菱田裕二騎手)
「この馬が一番強いと思っていましたが、プレッシャーもありました。その中で馬が本当に良い走りをしてくれて、とても嬉しいです。レースでかかるところがないのが強みで、この距離でもとてもリラックスして走ってくれました。良い形で直線に向けてとても良い手応えでしたし、直線半ばでも脚色が衰えなかったので、これは勝てるだろうと思いました。師匠の馬で勝てて、日頃から感謝しかないのですが、僕自身本当に嬉しいです。本当にポテンシャルは高い馬だと思うので、僕自身馬に負けないように成長できるよう、頑張っていきたいです」

2着 ランフォザローゼス(田中勝春騎手)
「少し馬がズブくなって、長い距離の方が良いと思っていました。ただ強い馬にあの位置で競馬をされたら、仕方がないです」

3着 トーセンカンビーナ(石川裕紀人騎手)
「ゲートの中で落ち着かず、そこが悔やまれます。長丁場は合っています。じっくり来れば今日のような脚を使えますし、まともに出れば勝ち馬のように競馬を作ることも出来ると思います」

4着 ヴァルコス(三浦皇成騎手)
「絶好の枠で、人気馬を見ながらレースをすることが出来ました。広いコースの方が向いていると思います。馬群を割ってスッと動くことが出来ましたし、次が楽しみです」

6着 カレンルシェルブル(横山和生騎手)
「長い距離はあまり向いていないと思います。もう少し張り切って走ってくれると良いのですが、悪い意味で折り合いすぎというか、ゆっくりのペースを持て余していて、進んでいきませんでした」

7着 セントレオナード(丸山元気騎手)
「スタートして進んでいかなかったです。リズム重視で行きましたが……」

14着 カウディーリョ(M.デムーロ騎手)
「良いところで手応えも良かったのですが……。最後の坂で苦しくなってしまいました」

(via ラジオNIKKEI

 

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