こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】七夕賞 2022 における勝負の明暗
2022年 7月10日(日) 2回福島4日 天候 : 曇 馬場状態 : 良
【11R】 第58回七夕賞
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 2000m 16頭立
着 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | エヒト | 牡5 | 54 | 田中勝春 | 1.57.8 | 06-06-05-03 | 34.4 | 6 | (栗)森秀行 | |
2 | 6 | ヒートオンビート | 牡5 | 57 | 池添謙一 | 1.58.2 | 2 1/2 | 10-11-10-08 | 34.3 | 1 | *(栗)友道康夫 |
3 | 11 | アンティシペイト | 牡5 | 56.5 | 武藤雅 | 1.58.3 | 1 | 11-09-08-05 | 34.5 | 2 | (美)国枝栄 |
4 | 4 | エヴァーガーデン | 牝5 | 52 | 松岡正海 | 1.58.6 | 1 3/4 | 04-04-04-03 | 35.4 | 13 | (美)深山雅史 |
5 | 3 | ヒュミドール | セ6 | 56 | M.デム | 1.58.8 | 3/4 | 06-06-07-08 | 35.2 | 3 | (美)小手川準 |
6 | 15 | ヴァンケドミンゴ | 牡6 | 56 | 津村明秀 | 1.58.8 | クビ | 11-12-13-11 | 34.7 | 11 | (栗)藤岡健一 |
7 | 12 | モズナガレボシ | 牡5 | 55 | 戸崎圭太 | 1.58.9 | 1/2 | 15-15-15-15 | 34.6 | 4 | (栗)荒川義之 |
8 | 10 | ヤマニンデンファレ | 牝4 | 50 | 江田照男 | 1.59.0 | 1 | 05-05-05-05 | 35.6 | 5 | (美)辻哲英 |
9 | 13 | プリマヴィスタ | 牡5 | 53 | 内田博幸 | 1.59.1 | クビ | 16-16-15-15 | 34.8 | 8 | (栗)矢作芳人 |
10 | 8 | フォルコメン | セ6 | 55 | 石橋脩 | 1.59.1 | クビ | 03-03-02-02 | 36.2 | 7 | (美)堀宣行 |
11 | 9 | ショウナンバルディ | 牡6 | 57 | 菅原明良 | 1.59.3 | 1 | 08-08-08-10 | 35.5 | 9 | (栗)松下武士 |
12 | 2 | ロザムール | 牝6 | 53 | 丸田恭介 | 1.59.4 | 3/4 | 01-01-01-01 | 36.9 | 12 | (美)上原博之 |
13 | 1 | シークレットラン | 牡6 | 54 | 柴田善臣 | 1.59.5 | 3/4 | 13-12-13-14 | 35.4 | 14 | (美)田村康仁 |
14 | 5 | マウントゴールド | 牡9 | 57 | 永野猛蔵 | 1.59.6 | 1/2 | 08-09-10-11 | 35.7 | 16 | (栗)池江泰寿 |
15 | 7 | レッドジェネシス | 牡4 | 56.5 | 三浦皇成 | 1.59.7 | クビ | 14-14-10-11 | 35.8 | 10 | *(栗)友道康夫 |
16 | 14 | トーラスジェミニ | 牡6 | 57.5 | 原優介 | 2.01.1 | 9 | 02-02-02-05 | 38.3 | 15 | (美)小桧山悟 |
年に一度の高配当ではなかったが
恐らく【七夕賞】に対しては、その名の通り
年に一度の夢馬券
を期待された方が多かったかもしれない。
結果としては、配当的にはそれほどのレベルではなかった。
ただ、2着馬に2馬身半もの大きな差をつけたエヒトの勝ちっぷりからは、なかなか見られないインパクトを感じた。
尚、そんなエヒトを管理する森厩舎は(土)小倉メーンレース【マレーシアカップ】でも、約2年ぶりの実戦だったジャスパーウィンを勝利に導くなど、実力を見せつけた。
また、鞍上の田中勝春騎手も、約3年ぶりの重賞勝ち!
昨今、調教師の世界も、騎手の世界でも若手が台頭する中、実績豊富なベテランが存在感を発揮したという意味で、価値のある、そして忘れられない【七夕賞】になったように思う。
各馬にスポットを当てて
そんな【七夕賞】をこれから振り返っていくのだが、通常のレース回顧は、勝ち馬を中心に、レースの全体像を振り返ることで、今後の勝利馬券へ向けてのヒントを探り、それを皆様と共有してきた。
ただ、春や秋のG1シーズンなどとは違い、夏競馬の重賞の場合、コアな競馬ファンにとっても、さほど馴染みのない馬が出走することも多い。
恐らく今回の【七夕賞】も、また同日の【プロキオンステークス】も同様だろう。
だからこそ、これから数週間は、少々趣向を変えて
をピックアップ。彼らの魅力を課題、そして「私なり」の今後の理想のローテーションなどを書いていけたらと考えている。
きっと、皆様のお役に立つ内容も転がっていると思う。
暑くて、なかなかやる気も出ない毎日だと思うので、気楽にチェックしてほしい(笑)
1着エヒト→恵まれた面もあったが「本物」
まずはもちろん、優勝したエヒトから。
これが重賞初勝利だ。本当におめでとう!
また、勝利に導いた立役者、上でも記した森調教師(を中心とした厩舎関係者)や田中勝春騎手にも心から祝福を申し上げたい。
さて、立役者の一人である田中勝春騎手はレース後、次のように語っている。
このコメントからもわかる通り、レースのどの部分を切り取っても全くスキがなかった。
確かに54キロのハンデは2&3着馬に比べたら恵まれていたとは思う。
だが、例え同じ斤量でも勝っていたのではないか?そう感じた方は多かっただろう。
では、どうしてこれだけの走りができたのか?
色々な考え方はあるだろうが、個人的には、単純に馬が力をつけているということだと思う。
まだ成長途上
全体的に良い走りだったが、中でも3角から4角にかけてまくり気味に上がっていく際の動きは、これまでのエヒトにはできなかっただろう。
5歳夏を迎えて遅ればせながらの本格化!
その名の通り「本物(エヒトは、ドイツ語で本物という意味らしい)」の競走馬になってきたのではないだろうか。
ただ、驚くべきは、これだけの走りをしながら、鞍上曰く
という点だ。
だが、改めて名門の実力を証明した森厩舎なら、今後も着実にエヒトを成長させると思う。
だとすれば、この先、大きな舞台での活躍も見えてくるのではないだろうか?
そこに出走し、活躍できるまで力を伸ばすことを楽しみにしている!
自信をもって未来の主役に指名する。
2着ヒートオンビート→これくらいの距離が
1番人気に評価されたヒートオンビートは2着。
敗因は何か?レース後、友道調教師が
という部分がやはり大きいだろう。勝ち馬が突き抜けていた分、スムーズでも勝ちまで行ったとは思えないが、かなり僅差になっていた可能性は高い。
さすが、前走【天皇賞春】の4着馬だなと感じる。
では、今後はどうだろう?
あくまでも個人的な感覚にはなるが、最近は2500M以上のレースでの活躍も目立つものの、今回のレースでも見せた3角以降、あるいは直線でのキレのある動きなどから、実は2000Mがベストではないかという気がする。
もう少し地力の強化は必要かもしれないが【天皇賞秋】に出てきたら、侮れないかも!?意識しておいてほしい。
5着ヒュミドール→決して折れていない!
昨年は【小倉記念】&【福島記念】と2度の重賞連対を経験。
誰もが認める能力の高さを秘める一方、直近2走【中山記念】&【大阪杯】は、いずれも勝ち馬に1秒以上の大きな差をつけられる完敗を喫した。
こういう負け方が続くと、気持ちが折れてしまう馬も少なくない。
だから今回のヒュミドールは、楽な戦いにはならないとも考えていた。
そして結果は5着。結果だけをみるともうひとつ。
だが、中身は全く違うということを強調させてほしい!
レース後、デムーロ騎手が
と語っているように「闘志」も見せていた!
ならば、改めて期待できるだろう。G1となると簡単ではないかもしれないが、2000M〜2500MあたりのG2までなら!
レースを見逃した方はコチラから
【七夕賞 2022】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 エヒト(田中勝春騎手)
「馬の具合が良く、外枠も良かったと思います。これまでで一番良いスタートが切れて、すんなりと良い位置が取れました。道中は良いペースで、抜群に良い手応えでした。道中は馬なりで上がって行けましたし、反応も良く、これなら勝てるかなと思いました。元々良い馬なのですが、緩いところがありますし、力がついてもう一段パワーアップすれば楽しみです」
2着 ヒートオンビート(友道康夫調教師)
「力を見せてくれました。3200mを走った後で、ついていけないところがありましたが、ゴール前はしっかりと伸びてくれました。賞金を加算することが出来て良かったです」
3着 アンティシペイト(武藤雅騎手)
「今日は平均的に流れて、リズム良く行けましたが、あのポジションになりました。流れていたので、道中で脚を溜める必要があるかと思っていました。最後は脚を使ってはいますが、ハンデ差もあったと思います。馬は良くなっています」
4着 エヴァーガーデン(松岡正海騎手)
「2歳の頃から、夏は良いようです。ハイペースを追走してなだれ込むような形でしたが、良い競馬でした」
5着 ヒュミドール(M.デムーロ騎手)
「状態が良く、返し馬の感じも良かったです。スタートも決まりましたが、4コーナーでゴチャつきました。スムーズだったら、もっと上位に行けたと思います。一度落ちた状態から再浮上してきたので、これから楽しみです」
9着 プリマヴィスタ(内田博幸騎手)
「今日は進んで行きませんでした。無理して脚を使ってもいけないと思っていましたが、最後は伸びて来ていました」
10着 フォルコメン(石橋脩騎手)
「ある程度の位置を取って行き、勝負どころで上がって行く感じは良かったです。最後までやめることなく、集中して走りましたが、勝った馬が強かったです」
(via ラジオNIKKEI )
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