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ホーム勝負の明暗NHKマイルカップ 2022【回顧】「真のマイル王」誕生の予感!

NHKマイルカップ 2022【回顧】「真のマイル王」誕生の予感!

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】NHKマイルカップ 2022 における勝負の明暗

2022年 5月 8日(日) 2回東京6日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第27回NHKマイルカップ
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 1600m 18頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
8 18 ダノンスコーピオン 牡3 57 川田将雅 1.32.3      07-06 34.3 4 7.1 460 +2 (栗)安田隆行
1 1 マテンロウオリオン 牡3 57 横山典弘 1.32.3 クビ    17-16 33.5 3 6.8 484 -2 (栗)昆貢
5 10 カワキタレブリー 牡3 57 菅原明良 1.32.4 クビ    15-14 33.8 18 229.1 420 -12 (栗)杉山佳明
2 4 セリフォス 牡3 57 福永祐一 1.32.6 1 1/4    05-06 34.6 1 3.9 490 +4 (栗)中内田充
6 11 インダストリア 牡3 57 レーン 1.32.7 クビ    10-08 34.6 2 4.0 486 -2 *(美)宮田敬介
3 5 キングエルメス 牡3 57 坂井瑠星 1.32.8  3/4    03-03 35.1 9 18.4 488 +4 (栗)矢作芳人
7 13 ジャングロ 牡3 57 武豊 1.32.9  1/2    18-18 33.8 6 14.5 464 +4 (栗)森秀行
3 6 トウシンマカオ 牡3 57 戸崎圭太 1.33.1 1 1/4    01-01 35.7 11 32.2 448 -4 (美)高柳瑞樹
4 8 アルーリングウェイ 牝3 55 藤岡佑介 1.33.3 1 1/2    14-14 34.7 5 14.4 460 +6 (栗)藤岡健一
10 4 7 タイセイディバイン 牡3 57 松若風馬 1.33.4  1/2    05-04 35.6 10 29.4 514 -2 (栗)高野友和
11 2 3 ソリタリオ 牡3 57 鮫島克駿 1.33.5 クビ    10-12 35.1 13 45.8 486 +8 (栗)西村真幸
12 5 9 ダンテスヴュー 牡3 57 吉田隼人 1.33.5 ハナ    12-12 35.1 12 39.9 456 0 (栗)友道康夫
13 8 17 ステルナティーア 牝3 55 池添謙一 1.33.6 1    09-09 35.4 14 53.7 436 -4 (美)木村哲也
14 6 12 セイクリッド 牝3 55 菊沢一樹 1.33.7 クビ    16-16 34.9 17 202.7 450 -2 (栗)大根田裕
15 8 16 プルパレイ 牡3 57 M.デム 1.33.9 1 1/2    12-11 35.6 8 17.8 496 +2 (栗)須貝尚介
16 7 15 オタルエバー 牡3 57 横山和生 1.34.0  1/2    02-02 36.4 15 87.0 480 +10 (栗)中竹和也
17 1 2 ソネットフレーズ 牝3 55 横山武史 1.34.6 4    07-09 36.4 7 17.6 474 +8 (美)手塚貴久
18 7 14 フォラブリューテ 牝3 55 大野拓弥 1.35.7 7    03-04 37.9 16 96.1 446 +4 *(美)宮田敬介

 

2つの大きな潮流

ここ15年くらいの【NHKマイルカップ】には

2つの大きな潮流

があったように私は感じていた。

一つは「大波乱の流れ」

元々【NHKマイルカップ】は「クラシック出走の権利がない外国馬に大舞台を!」という思いから出来上がったG1。

しかし外国馬もクラシックに参戦できるようになってからは、その意義を失い「超一線級には少し足りない馬が集うレース」になっていた混迷の時期があった。

それゆえ、レースも波乱が続き、例えば2007年などは、衝撃の973万馬券が飛び出している。

 

2007年のNHKマイル

一方で、近年は違う。

「真の世代最強マイラー(スプリンター)を輩出する流れ」

後に世界の舞台でも活躍するアドマイヤマーズが勝った2019年など、近年は真のトップホースが次々と出ている。

「外国馬うんぬん」とは違うが、レースのレベル、価値という部分では、元々の存在意義に近いと言えるのかもしれない。

 

2つの流れが混じり合った!

そんな中で迎えた今年の【NHKマイルカップ】

レースを終えた今の率直な感想は

「レースを作り上げてきた2つの流れが混じり合った、レースの象徴とも言える1戦!」

とでも言えるのではないだろうか。

後ほどご紹介させてもらうが、優勝したダノンスコーピオンは、紛れもなく

真のマイル王候補

だと思う。その一方で、3着には最低18番人気のカワキタレブリーが突っ込むという大荒れ。

先ほど、2007年の大荒れの話をしたが、実はその時の3着馬も、同じ18番人気のムラマサノヨートーだった。

(※余談だが、ムラマサノヨートーに跨っていた小林淳一騎手の息子さんが、現在4年目の小林凌大騎手だ)

 

そういった意味でも、見応えのある一戦だったように思う。

ということで、まさに「レースの歴史と魅力が存分につまった一戦」を振り返ってみよう。

 

G1とはいえクラシックではないだけに

さて【NHKマイルカップ】はG1とはいえクラシックではない。

そのため、レースが終わった今でも、なかなか馴染みのない馬が多いと思う。

そこでここからは、私が特に注目したい3頭をピックアップ!

期待と共に、今後使ってほしいレースなど、独断と偏見で記したいく。

何かしら、皆様の参考になることもあると思うので、ぜひ、頭に入れておいてほしい。

まずはもちろん、優勝したダノンスコーピオンからいこう!

 

1着ダノンスコーピオン→王者の風格を漂わせ

実はレース後、1番人気セリフォスに跨っていた福永騎手がこんなことを言っていた。

芝の状態は最内か外が良かったので、どちらかの進路を取ろうと思っていました。

まさにその通り、福永騎手が最内を、2着に激走したマテンロウオリオンの横山典弘騎手が大外から脚を伸ばす中、ちょうど両馬の真ん中あたりを堂々と鋭伸!

「小細工はいらないぜ!」

とばかりに東京の直線を駆け抜ける姿からは、瞬発力だとか、息の長い末脚だとか、そういったことが気にならないほどの「王者の風格」あるいは「ライバルたちとのモノの違い」を感じた。

大器の予感

レース後のインタビューの終盤で、川田騎手が

「ホッとした」

という旨の言葉を立て続けに口にしたのだ。

数々の名馬の背中を知る名手だからこそ「王者になれる器」であることをはっきりと理解していたのだろうし、自分の中では「勝って当たり前=うまく導けてホッとした」ということになるのだろう。

 

王道を歩むべき馬

安田隆厩舎にとっては、かつての厩舎の顔だったロードカナロアの産駒でもあるだけに、喜びは一層大きいだろう。

ちなみに安田隆師はレース後、次のように語っている。

今後ますます楽しめると思います。

その口ぶりにははっきりとした自信が感じられた。

だからこそダノンスコーピオンには、奇をてらわずに、マイル路線の王道を歩んでほしい。

今日漂わせた王者の風格をそのままに、マイルG1を狙い続ければ、自ずと相当な結果がついてくるのではないだろうか。

グランアレグリアの引退により、絶対王者が不在のマイル路線だが、次の王者がこの馬になる可能性は高いと思う。まずは怪我のないように!ゆっくりと馬体を休めてほしい。

 

2着マテンロウオリオン→距離を延ばしても

マークした上がり最速の脚(33秒5)は、上がり2番目のそれを0秒3も上回る圧倒的なもの!

馬場が伸びる外側に上手く鞍上が導いたプラス面はあったにせよ、追われてから反応するまでの速度が素晴らしい点も含め、やはり勝ち馬に近い素材だと考えて良いだろう。

また、素晴らしいのは、これだけの脚を使いながら、管理する昆調教師いわく

馬はまだ完成していません。成長の余地があります

とのこと。【マイルCS】あたりで、勝ち馬との再戦が見たいものだ。

ただし!個人的には「もう少し距離があっても良いように思う」

同じ馬主で同厩舎のマテンロウレオ(クラシック路線)との兼ね合いもあるとは思うし、これまでがそうであるように、本来どの位置でもレースができる馬だが、それを承知で、もう少しゆったりとした流れの中で走らせたら、さらに脚を溜められるような気がする。

母の母にオークス馬レディパステルがいるという先入観が私の中にあるのかもしれないが、ハマるような気がしてならない。皆様はどうだろうか?

そんなところも含めて、注目!

 

4着セリフォス→ダイワメジャー産駒らしさ

昨年末【朝日杯FS】2着以来の実戦ながら1番人気に推されたセリフォスだったが、勝ち馬から0.3秒差の4着に終わった。

レース後、福永騎手はこんなことを言っている。

「スタートが思いのほか良くて、良い位置が取れました。芝の状態は最内か外が良かったので、どちらかの進路を取ろうと思っていました。直線はスムーズで進路もありましたが、伸びあぐねてしまいました。周りに馬がいればまた違ったと思います。馬は落ち着いていて、良い仕上がりでした」

レース直後ということもあったかもしれないが、このコメントだけを聞くと、鞍上も、少し敗因をはかりかねているようにも思える。

もちろん、周りに馬がいれば違っていたかもしれないが、ここまでの戦績を見ると、そういったことを超越する馬のようにも思えたが、、、

だが、改めて血統を確認すれば納得。この馬のお父さんはダイワメジャーだ。

実は、ダイワメジャーが勝った5つのG1は、最高でも2着に0.2秒差。特に引退年の2つのG1勝ちは、いずれも2着馬と同タイムの接戦。テイエムオペラオーなどもそうだが、圧勝するより、ライバルとの競り合いの中、最後にひとつ抜け出す馬だった。

セリフォスも、そういった面が出てきているのかもしれない。

だとすれば、次走以降はそういった面を心がけて鞍上は乗ると思う。当然、見直しは必要!未来の主役に指名して、逆襲の瞬間を楽しみにしている。

レースを見逃した方はこちら

【NHKマイルカップ 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 ダノンスコーピオン(川田将雅騎手)
「たくさんのお客さんの前で、久しぶりにこういう気持ちの良い時間を過ごさせていただきました。差は僅かで外の勢いがとても良かったですし、何とか凌いでくれと思いながらのゴールだったので、ゴールに入ってから勝った感触はありましたが、改めてターフビジョンを見てこの馬が映っていたので、勝ったことを確信しました。返し馬はとても具合が良かったですし、今までで一番具合が良く、レースを迎えることができたと思います。なので自信を持って競馬に向かって、流れの中で対応しようと思っていました。とてもリズム良くバランス良く走れていたので、道中も問題なく走ってくれていたと思います。共同通信杯があまりにも苦しい状態で使わざるを得なくなりましたし、その後立て直して、前回ある程度の状態で競馬を終えることができて、それが良い刺激となり、今回さらに良い状態で、期間は短かったですが、より良い状態でここに向かっていることを返し馬でも道中でも感じることができました。元々ポテンシャルの高い馬なので、このNHKマイルCを目標にするのがデビューからの想いでしたし、そこをきっちりと勝ち切れて本当にホッとしています。これだけ素晴らしい馬に乗せてもらっていますので、それが一番ありがたく思います。何よりこの馬自身がGI馬になれたことにとてもホッとしています」

1着 ダノンスコーピオン(安田隆行調教師)
「本当に嬉しいです。(レース前は)すごく落ち着いていて、堂々としていて、やってくれるだろうと思っていました。18番枠にはアーッと思いましたが、良いスタートから中団でロスなく、ジョッキーが上手くリカバーしてくれました。4コーナーで良い手応えで回ってきたので、いけるかなと思いました。ゴール前で差は詰められましたが、押し切れる感覚はありました。(弟子の)川田騎手でGIを勝てて最高ですし、ロードカナロアの子供でダノンスマッシュ、ダノンスコーピオンとGIを勝てて嬉しいです。今後ますます楽しめると思います。今後は馬の状態を見て決めようと思います」

2着 マテンロウオリオン(昆貢調教師)
「突き抜けるかと思うくらいの脚は使いましたが、前に1頭いました。堅実に走るということは能力があるということです。でも負けるということは課題があるのだと思うので、試行錯誤しながらやっていきます。馬はまだ完成していません。成長の余地があります」

3着 カワキタレブリー(菅原明良騎手)
「ゲートで出遅れてしまいましたが、焦らずスムーズに行こうと思って、じっくり溜めていきました。最後は良い脚を使ってくれました」

4着 セリフォス(福永祐一騎手)
「スタートが思いのほか良くて、良い位置が取れました。芝の状態は最内か外が良かったので、どちらかの進路を取ろうと思っていました。直線はスムーズで進路もありましたが、伸びあぐねてしまいました。周りに馬がいればまた違ったと思います。馬は落ち着いていて、良い仕上がりでした」

5着 インダストリア(D.レーン騎手)
「良いスタートが切れて、ポジションも良かったです。直線の手応えも良かったですが、瞬発力の差がありました。最後まで馬は一生懸命走ってくれました」

6着 キングエルメス(坂井瑠星騎手)
「やりたい競馬はできて、現状の力は出し切れました。上位とはそこまで差が無いですし、まだこれから良くなると思います」

7着 ジャングロ(武豊騎手)
「ゲートに入った時からゲートを出ようとしていて、ゲートを突進してしまいました。後方から進んだら、かえって折り合うことができたので、収穫はあったと思います」

8着 トウシンマカオ(戸崎圭太騎手)
「今日はスピードを生かしてハナに行きましたが、最後は苦しくなって、バラバラになった感じです」

14着 セイクリッド(菊沢一樹騎手)
「初めての芝のレースでしたが、芝の走りは悪くなかったです。最後もバテずにジリジリ伸びていました。芝でもダートでもどちらでも走ってきそうです」

15着 プルパレイ(M.デムーロ騎手)
「道中は良い感じで、折り合いはつきました。流れが速くなったらもっと切れる脚がある感じです」

(via ラジオNIKKEI

 

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