アルテミスステークス 2021【回顧】完勝の勝ち馬を含め「気になる３頭」についての考え方をご紹介

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください！

勝負の明暗 はここだった！

【回顧】アルテミスステークス 2021 における勝負の明暗

言わずと知れた出世レース

改めて申し上げるまでもないが【アルテミスＳ】といえば「出世レース」

2016年の勝ち馬リスグラシューは、その後海外Ｇ１も【有馬記念】も勝った

2017年の勝ち馬ラッキーライラックも、牡馬相手のＧ１【大阪杯】で優勝！

昨年優勝ソダシのその後の活躍についても、改めて語るまでもないだろう。

そうしたレースだけに、私たち観る側の人間としては、馬券的中どうこうもさることながら

という点をチェックする必要が出てくる。

そこで、いつもは「勝ち馬を中心としたレースの全体像」を振り返ることの多いレース回顧だが、今回は個々の馬をピックアップ！

気になる３頭ついての私たちなりの印象を簡単にご紹介してみようと思う。

１着サークルオブライフ⇒名門牧場出身の大器

まずはもちろん、勝ち馬のサークルオブライフから。

重賞初制覇おめでとう！勝ちっぷりもさることながら、やはり出身牧場に目がいった。
かつては、数多くの名馬、特に名牝を輩出してきた名門・千代田牧場だ！

近年は大手の勢いに飲み込まれるかのように、苦戦が続いていた。

しかしながら、そんな中でもしっかりと重賞勝ち馬を輩出するあたり、名門の底力とでもいおうか。

同じ千代田牧場出身で、奇しくも今回と同じ東京マイルの舞台でＧ１も勝っているホエールキャプチャを思わせる（あるいはそれ以上の素材？）力のある末脚で差し切りを決めた。

さて、今回のレースでは単勝７番人気の評価。要するに伏兵の扱いだったのだ。

そんなこともあり、皆様も、そしてもちろん私たちも激走には驚いた。

だが、レースぶりを観る限り、まぎれもなく本物だと言い切りたい！

決してフロックではない

もちろん、ライバルたちを軽々と差し切った末脚は驚異的。
だが、それだけではない。

本物だと私たちが感じる理由の前に、まずは、今回のレースでJRA重賞100勝目を達成したデムーロ騎手のコメントをご紹介してみたい。

どうだろう？皆様は今回のレースを見ていて

「完成度の高い馬だな～」

と思わなかっただろうか？

デムーロ騎手は「直線を向いた時の反応が鈍くて焦った」と語ってはいるものの、前半から見ていて、基本的にはジョッキーの指示通りに走れているように見えたし、また同時に落ち着いているようにも思えた。

だが実は、過去２戦では必ずしもそうではなかったのだ！

弱点を確実に解消できているからこそ

当たり前のことをいうようだが、ごく一部の「何年に一頭の素材」みたいな馬をのぞけば、最初から完成されている競走馬はいない。

どんなに良い脚を持っていたとしても、例えば気性だったり、どこからしらに不安な要素を抱えているものだ。

だが、そこから「弱点を解消できるかできないか？」

この差は本当に大きいし、解消できる馬が、どんどん大きくなっていくのだ。

サークルオブライフは、元々良い脚をもっていたが、デムーロ騎手が語るように、前２走の段階では、正直にいって精神的に幼かった。

少々時間がかかるような雰囲気にも見えた。だが、いとも簡単に弱点を解消！

これこそが、本物の証だと私は思う。

厩舎力も頼もしいだけに

そんなサークルオブライフを管理するのは、アーモンドアイ、アパパネらを筆頭に、数多くの名牝を育ててきた国枝厩舎。

言うまでもなく、キメの細かい調教を施すイメージが強いが、それがサークルオブライフにはまった面もあるのだろう。

そういった点を考慮すると、今後の大きな成長にも期待が持てそうだ。・

国枝調教師はこんなことを語っている。

国枝師らしい、落ち着きの中でも手応えが感じられるコメント。

恐らく年末の【阪神ＪＦ】からクラシック路線という王道を歩むことになるだろうが、師が「距離が延びて良いタイプだと思っていた」と語るように【桜花賞】までで終わる器ではないと思う。

「３冠候補」として、引き続き注目したい。もちろん未来の主役は決まり！

２着ベルクレスタ⇒競馬センス抜群

この馬に関しては、鞍上の松山騎手のレース後のコメントの通りだと思う。

サークルオブライフのレースぶりは確かに桁違いだった。

だが、普通のレベルのレースならこの馬の完勝！

そのくらい、完璧なレース運び。導いた鞍上、それに応えた馬共に素晴らしかった。

個人的には、この馬にとっては、今回は少頭数すぎたかなとも思う。

前にいける脚は、後続の馬がごちゃついてこそ、さらに活きてくる。

それだけに、多頭数が確実のＧ１向きの馬とも言えそうだ！

今後のローテーションはわからないが【阪神ＪＦ】や【桜花賞】に出走なら、かなり面白いのではないだろうか。

ぜひ、参考になさってほしい。

５着フォラブリューテ⇒見限ることはないが

最後に、単勝2.1倍の１番人気を裏切ってしまったフォラブリューテ。

着順が悪かった点に関しては、序盤で他馬にぶつけられたことで、位置取りが後ろになってしまったいう不運も要素のひとつだろう。

だが、それにしても、追われてからの伸びがいまいちだった。

新馬戦の時は、もう少し弾んでいたような気がしたが、、、

正直に言って、現時点では敗因はわからない。まだ見限る必要まではないだろう。

ただ「ぶつけられての５着だから次は買える」という安易な考え方は、少々危険かもしれない。

次走の走り次第で、今回の敗因も見えてくるような気もする。

買うのは、それからでも遅くはないぞ！

【アルテミスステークス 2021】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
１着　サークルオブライフ（Ｍ．デムーロ騎手）
「（鮮やかな差し切り勝ちで）気持ちが良かったです。過去の２戦では、デビュー戦はボーっとしていて、前走はイライラしていて出遅れてしまいました。今回も少しイライラはしていましたが、その中でも落ち着いていて、うまくスタートを出て良いところにつけられました。直線を向いた時は反応が鈍くて焦りましたが、ラスト２００ｍで脚が違い、勝てると思いました。この馬は未勝利を勝った時の勝ち方がとても良かったですし、期待しています」

（国枝栄調教師）
「スイスイ行ける馬ではなく、距離が延びたら良いタイプかなと思っていましたが、よく勝ってくれました。勝負根性がありますし、落ち着きもあります。普段も余裕があるのか、カイ食いも良いです。今年も良い牝馬が出てきてくれたので頑張りたいです」

２着　ベルクレスタ（松山弘平騎手）
「スタートも良く、持ったままであの位置から運べました。ペースも楽なところで収まりましたし、良い形で直線も余裕がありました。追ってからも伸びましたが、勝ち馬の決め手にやられてしまいました。それでもこの馬も成長を感じますし、この先が楽しみです」

３着　シゲルイワイザケ（福永祐一騎手）
「スタートは良い馬ですし、思ったより逃げ馬が引っ張る展開でしたが、自分のタイミングで後ろを待たず、気持ち早めに仕掛けました。この馬は初戦が一番良い走りで、そこにはまだ程遠いのですが、能力は示せたと思います」

４着　シンシアウィッシュ（武豊騎手）
「レース前はイライラしていましたが、レース自体は良い走りをしてくれました。最後もジワジワと詰めきています。現時点でこの感じなら、能力がありそうです」

５着　フォラブリューテ（Ｃ．ルメール騎手）
「スタートでぶつけられて、後ろに引く形になってしまいました。最初は少し行きたがるところがありましたが、折り合いはつきました。吉田隼人騎手の馬（ミント）の後ろでポジションを上げられましたし、直線も頑張ってくれましたが、あまりスピードアップできませんでした。これから力をつけてパワーアップしていくと思います」

（via ラジオNIKKEI ）

 

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