こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】武蔵野ステークス 2021 における勝負の明暗
【11R】 第26回東京中日スポーツ杯武蔵野S
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1600m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
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1 | 8 | 16 | ソリストサンダー | 牡6 | 56 | 戸崎圭太 | 1.35.0 | 07-07 | 36.0 | 3 | 6.6 | 482 | +2 | (栗)高柳大輔 | |
2 | 7 | 14 | エアスピネル | 牡8 | 56 | 田辺裕信 | 1.35.2 | 1 1/4 | 05-05 | 36.5 | 2 | 6.4 | 482 | +1 | (栗)笹田和秀 |
3 | 6 | 11 | オメガレインボー | 牡5 | 56 | 横山和生 | 1.35.3 | 1/2 | 15-13 | 35.7 | 6 | 8.7 | 460 | 0 | *(栗)安田翔伍 |
4 | 5 | 10 | ブルベアイリーデ | 牡5 | 56 | 丸山元気 | 1.35.4 | 3/4 | 12-10 | 36.1 | 4 | 7.3 | 492 | -2 | (栗)杉山晴紀 |
5 | 3 | 6 | スリーグランド | 牡4 | 56 | 津村明秀 | 1.35.4 | 頭 | 07-08 | 36.3 | 11 | 21.8 | 474 | 0 | (栗)高橋義忠 |
6 | 1 | 1 | タガノビューティー | 牡4 | 56 | 石橋脩 | 1.35.6 | 1 1/4 | 10-10 | 36.3 | 1 | 4.9 | 518 | +2 | (栗)西園正都 |
7 | B2 | 3 | ワンダーリーデル | 牡8 | 56 | 横山典弘 | 1.35.7 | 1/2 | 13-13 | 36.1 | 5 | 8.7 | 528 | -2 | *(栗)安田翔伍 |
8 | B8 | 15 | ダイワキャグニー | セ7 | 56 | 内田博幸 | 1.35.9 | 3/4 | 03-03 | 37.3 | 8 | 16.3 | 492 | 0 | (美)菊沢隆徳 |
9 | 2 | 4 | テイエムサウスダン | 牡4 | 57 | 岩田康誠 | 1.35.9 | クビ | 05-05 | 37.2 | 9 | 17.9 | 544 | +8 | (栗)飯田雄三 |
10 | B6 | 12 | ワイドファラオ | 牡5 | 58 | 柴田善臣 | 1.36.0 | 1/2 | 10-08 | 36.9 | 15 | 60.1 | 512 | +7 | (栗)辻野泰之 |
11 | 5 | 9 | スマッシャー | 牡3 | 56 | 坂井瑠星 | 1.36.2 | 1 1/4 | 09-10 | 36.9 | 7 | 12.9 | 476 | 0 | (栗)吉岡辰弥 |
12 | 1 | 2 | リアンヴェリテ | 牡7 | 56 | 国分恭介 | 1.36.5 | 1 1/2 | 01-01 | 38.0 | 16 | 135.1 | 474 | -12 | (栗)中竹和也 |
13 | 4 | 8 | バスラットレオン | 牡3 | 57 | 菅原明良 | 1.36.7 | 1 1/4 | 03-03 | 38.1 | 10 | 21.7 | 484 | -2 | (栗)矢作芳人 |
14 | 4 | 7 | レピアーウィット | 牡6 | 57 | 横山武史 | 1.37.0 | 1 3/4 | 16-16 | 36.1 | 13 | 44.4 | 542 | -12 | (美)堀宣行 |
15 | B3 | 5 | ヒロシゲゴールド | 牡6 | 57 | 亀田温心 | 1.37.7 | 4 | 02-02 | 39.2 | 12 | 31.9 | 478 | -5 | (栗)北出成人 |
16 | 7 | 13 | サトノアーサー | 牡7 | 56 | 岩田望来 | 1.37.7 | ハナ | 13-13 | 38.1 | 14 | 58.2 | 480 | -10 | (栗)池江泰寿 |
荒れ続ける古馬ダート路線
皆様もご存知だとは思うが、現在の古馬ダート路線は、とにかく荒れまくっている。
例えば6月の交流G1【帝王賞】は衝撃の238万馬券決着!
大井競馬場を得意とする1番人気オメガパフュームがあっさりと馬群に沈んだ。
また、先日の【JBCクラシック】も、強力な中央勢を抑えて、地方馬のミューチャリーが優勝をはたした。
「堅く決まりやすい」と言われてきた交流重賞において波乱が起き続けている点は見逃せない。
また、中央に目を向けても、1週前に行われた【みやこステークス】でも36万馬券決着!
上位人気3頭は、全て馬券圏外へと沈んでいる。
参考⇒みやこステークス 2021 回顧
武蔵野Sも荒れるかと思ったが
さて、これだけダート路線が荒れ続けてきた。
それにもかかわらず【武蔵野ステークス】だけ、突然堅く収まると考える方が不自然だ。
「ここも簡単な決着にはならないだろう」と考えていたが、、、
意外にも2&3番人気のワンツーフィニッシュ!
また、3着オメガレインボーも6番人気とはいえ、単勝配当は8.7倍だから、どちらかといえば人気サイド寄りだと見られていた馬。
3連単配当も2万馬券台という、比較的堅い決着に終わった。
では、この結果をどう受け止めればよいのだろうか?
答えは極めてシンプル
結論は極めてシンプルで、混戦続くダート路線だが
今回の上位勢は素直に強さを認めるべき!
さて、ここで「どうして能力拮抗の混戦の場合は荒れるのか」という部分のロジックを考えたい。
いかなるレースにおいても、上位人気馬(特に1〜3番人気馬)というのは、必ずライバルたちからのマークを集める。
マークを集めれば、心身ともに100%の力を出し切るのは難しい。
それでも、他馬との力の差が大きければ、問題なく勝ち負けできるだろう。
だが、能力拮抗の混戦における「押し出された上位人気馬」の場合は簡単ではない。
「他馬との力の差は大きくないが、それでもマークはうけて、凡走へ」
上位人気が沈み、結果的に伏兵が浮上し、高配当が飛び出すのだ。
力の差は明白!
今回、上位人気を争った3頭はどうだっただろう?
勢いを評価されて1番人気に推されたタガノビューティーは不利があったにせよ、6着に敗れているから、やはり「混戦の中の1頭」だった。
だが、優勝したソリストサンダー(3人気)と2着エアスピネル(2人気)はそうではない。
難しい立場を乗り越えて、きっちりと結果を出した!
特に2着エアスピネルなどは、鞍上の田辺騎手が
と語るなど、大きな不利を乗り越えての好走。
馬券を買っていた人は冷や汗ものだっただろうね(笑)
8歳というベテランだが、全く衰え知らずだと感心した。
実は昨年も好走していた2頭
尚、ソリストサンダーとエアスピネルは、昨年の【武蔵野ステークス】の2&3着馬でもある。
そして彼らは、翌春の【フェブラリーS】にも出走。
エアスピネルが2着に激走したように、やはり同じ舞台で行われる2つの重賞は繋がっているのだ。
一方で、昨年と今年の【武蔵野ステークス】には違いもある。
「昨年は2頭とも人気薄だったが、今年は人気に推されていた」
気楽に走れる立場での好走だった昨年と、マークを受けての今年では意味が違う!
間違いなく、両馬とも昨年以上に力をつけていると考えてOK!
そうした点を踏まえて、上で
と記したのだ。
特に期待は、やはりエアスピネル
では最後に上位2頭を比較。
両馬ともに素晴らしいことを大前提に、私ならエアスピネルに、魅力を感じる。
上でも不利があったことを記したが、本当に「ここからグッと伸びそうだ」という場面で全く追うことができなかった。
一度完全に減速してからの再点火では、スムーズに伸びていたソリストサンダーに食い下がるのは難しかったように思う。
それでも2着は譲らなかった点に、能力の高さを感じずにはいられない。
レース前半の行きっぷりなどを見ていても、8歳秋の馬とは思えないし、それがここから3ヶ月の間に急下降することはないだろう。コースとの相性が抜群である点も含めて、本当に楽しみだ。
明けて9歳の馬に、今さら「未来」と言われても困るかもしれないが(笑)
それでも期待を込めて、未来の主役に指名しておきたい!
【武蔵野ステークス 2021】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 ソリストサンダー(戸崎圭太騎手)
「今まで重賞で惜しい競馬が続いていたので良かったです。抜け出しが早いと思いましたが、頑張ってくれました。前が流れていて、後ろで構えられればと思っていたので、イメージ通りの競馬が出来ました。夏に少し体調を崩していましたが、体調も上がってきて、次のレースに向けて良い流れになってきたと思います」
(高柳大輔調教師)
「外枠だったので、内の馬を見ながらレースができると思っていました。持ったまま早めに抜け出してきましたが、後ろから差してくる馬が強いと思っていたので、心配して見ていました。エルムステークスの時は暑さにやられてしまいましたが、南部杯を使ってから体調も良くなってきました。1800mは少し長いと思いますが、馬の状態を見て、この後はチャンピオンズカップに向かう予定です」
2着 エアスピネル(田辺裕信騎手)
「良い位置につけられていたのですが、4コーナーで前にいた4頭が下がってきたため、進路の変更を強いられました。その間に勝ち馬に抜け出され、こちらは踏み遅れる形になりました。ラストに差を詰めているだけに、あそこがスムーズだったらと思います」
3着 オメガレインボー(横山和生騎手)
「形としてはロスなく走り切っていますし、直線では、これならと思ったのですが...。これまで毎回良い所まで来ていて、重賞を勝ってもおかしくない馬なのですが、気持ちや肉体の面でもう一つ壁があるのでしょうか」
4着 ブルベアイリーデ(丸山元気騎手)
「直線に向くまでは良い感じでしたが、外から馬が来ると、耳を絞ってしまいます。併せる形が良くないのか、突き抜けそうで、伸びていきません」
5着 スリーグランド(津村明秀騎手)
「初めてのマイルで、力むところがありましたが、それでも最後にはしぶとく伸びています。これなら距離の融通が利きそうです」
6着 タガノビューティー(石橋脩騎手)
「道中は良い感じでしたが、4コーナーでゴチャついて、取りたい進路を取れませんでした。脚を使っているだけに、4コーナーが痛かったです」
(via ラジオNIKKEI )
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