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ホーム勝負の明暗NHKマイルカップ 2018【回顧】競馬には「流れ」があるんだ

NHKマイルカップ 2018【回顧】競馬には「流れ」があるんだ

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】NHKマイルカップ 2018 における勝負の明暗

第23回NHKマイルカップ

2018年 5月 6日(日) 2回東京6日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 1600m 18頭立

馬 名 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F
6 11 ケイアイノーテック 藤岡佑介 1.32.8      17-15 33.7 6
5 9 ギベオン M.デム 1.32.8 クビ    05-04 34.5 2
8 17 レッドヴェイロン 岩田康誠 1.32.8    11-12 34.1 9
8 16 ミスターメロディ 福永祐一 1.33.0  3/4    02-02 34.9 7
3 5 プリモシーン 戸崎圭太 1.33.0 クビ    15-15 34.0 5
5 10 パクスアメリカーナ 川田将雅 1.33.2 1 1/4    09-09 34.7 4
4 8 ダノンスマッシュ 北村友一 1.33.2 クビ    02-02 35.2 13
1 1 カツジ 松山弘平 1.33.5 1 3/4    09-09 35.0 8
7 14 デルタバローズ 石橋脩 1.33.5 ハナ    18-18 34.2 16
10 7 15 カシアス 浜中俊 1.33.5 クビ    05-04 35.2 17
11 3 6 リョーノテソーロ 吉田隼人 1.33.7 1 1/4    11-11 35.1 15
12 4 7 タワーオブロンドン ルメール 1.33.8 クビ    11-12 35.1 1
13 2 4 フロンティア 内田博幸 1.33.8 クビ    05-04 35.5 12
14 2 3 テトラドラクマ 田辺裕信 1.33.9 クビ    01-01 35.9 3
15 1 2 ファストアプローチ 蛯名正義 1.34.0  3/4    02-04 35.8 14
16 7 13 ルーカス ボウマン 1.34.5 3    15-15 35.5 10
17 6 12 アンコールプリュ 藤岡康太 1.34.6  1/2    14-12 35.8 18
18 8 18 ロックディスタウン 池添謙一 1.36.3 大差    05-04 38.1 11

 

何よりも、まずは優勝したケイアイノーテックに、そしてG1初制覇を成し遂げた藤岡佑介騎手に心からの「おめでとう」を贈りたい。

特に藤岡佑介騎手は、弟の康太騎手が09年のこのレースをジョーカプチーノで制してから9年、また同期の川田将雅騎手がバンバンG1を勝っていたりと、かなりの我慢を強いられていただけに、嬉しさもひとしおだろう。

 

そういえば、かつての名手・安藤勝己氏がレース後、ツイッターで以下のようなことを語っていた。

まさに私も似たようなことを思っていて、競馬には、関わる人や血など根拠のない不思議な「流れ」がある。

今年、次々よ有力馬の依頼が舞い込むなど追い風が吹いている藤岡佑介、そしてかしわ記念勝った平田厩舎。3着レッドヴェイロンの岩田もレインボーラインでの【天皇賞春】勝ちからの流れがあった。また【新潟大賞典】を勝った三浦騎手も今年は色々と流れが良い。

だが、その流れは決して偶然などではなく、自ら引き寄せているものだと思う。

彼らに共通していることは「逆境からの巻き返し」であること。特に騎手の3人は、怪我、失敗、挫折、苦悩など、誰よりも多くの壁を乗り越えてきているのではないだろうか。強い執念や意思が、流れを引き寄せたのだ。

そういえば、順風満帆にトライアルを鮮やかに勝った馬よりも、負けたとしても明るい未来に向かって挑戦を恐れず、次に繋がる失敗をした馬や人の方が、後に活躍していることが多かったりする。
もちろん、これは競馬に限らず、一般社会に生きる私たちにも当てはまることだと思う。だからこそ、どんな時でも、全力で前を向いていたい!そんなことを思わされた。

 

1着ケイアイノーテック・・・マイルにこだわってほしいが

前置きが大変長くなってしまったね。笑

ここからは今後が気になる馬を簡単に解説していこうと思う。まずは、もちろん優勝したケイアイノーテックから。

とにかく、人馬ともに見事な勝利だった。行き脚がつかずに、後方からの勝負になっても焦ることなく腹を括った鞍上、そして鞍上の思いに応えた馬の爆発的な末脚。上がり3ハロン最速となる33秒7の脚を使ったが、見た目ではそれ以上のスピードを感じた。それだけ勢いがあったのだ。

優勝おめでとう!

強い馬だからこそ気になることがある。それは、レース後に陣営が「秋には距離を延ばしていきたい」と語っていたことだ。もちろん、選択肢としてはありだろう。

ただ、陣営がデビューから一貫してマイルを使っていることまた、今日のレースが完璧な形での勝利だったことも含めて「完成したマイラー」なのかなと、個人的には思っている。

あくまでも部外者の意見(願望)だが、せっかく出来上がった「形」を崩すことなく、マイル(前後)にこだわってもらえると、とんでもないマイラー誕生の瞬間が見られるのではないだろうか。

尤も、どういった選択をしようとも、今の充実した鞍上・藤岡佑介なら、キッチリと馬を導いてくれるだろうが。今後も注目していきたい。

 

2着ギベオン・・・ダービー出走でも

ギベオンは本当に惜しかった。精神的に幼い面があるのか、先頭に立った段階で少々フワフワしてしまったようだ。外から、ケイアイノーテックがあれほどの脚を使ってくることも想定外だっただろう。鞍上のデムーロを含め、陣営にとっても想定外だったに違いない。

間違いなく先のある馬

だが、未来に目を向ければ、決して悲観する必要もないと思う。幼い面があることは、ノビシロがあることの裏返しでもあるからだ。だからこそ、レース後、陣営からダービー挑戦のプラン(もちろん賞金を確保できたという面もあるだろうが)が出てきたのだろう。

この馬の好位抜け出しのレーススタイルは、非常にダービー向きだと思う。東京芝2400Mにおける後方からの差し切りは。例えばディープインパクトのようによほど力が抜けているならともかく、基本的にはロスなく運べる可能性の高い好位組が圧倒的に有利。

中2週というタイトなローテーションが楽ではないことを理解しつつも、出走するなら注意が必要かもしれない。

 

4着ミスターメロディ・・・東京以外ならマイルでも

最後に、4着のミスターメロディについても触れておきたい。

行きたがる難しい気性を抑えながら、好位で運んだ鞍上・福永の手綱捌きは見事だったと思う。それでもラストでぱったりと脚が止まってしまったのは、単純に距離適性の問題だろう。直線が長くタフな東京のマイルはこの馬には長すぎた。

それでも、脚が止まるまでのレースぶりは間違いなく一級品。前向きな気性を活かすなら1200Mでも良さそうだし、東京コース以外ならマイル戦までもたせることも可能だろう。

悔しい結果にはなっただろうが、今後の方向性がハッキリしたという意味においては、意義あるレースだったのではないだろうか。

 


 

【NHKマイルカップ 2018】を見逃した方は下記からご覧下さい。

【NHKマイルカップ 2018】のレース後の関係者のコメント

~レース後のコメント~
1着 ケイアイノーテック(藤岡佑騎手)
「嬉しいです。決してうまく乗れたわけではないのですが、馬の能力に助けられました。思ったより勢いがつかず、横風に煽られ、ゴールするまで分からないという感じでしたが、馬がよく頑張ってくれました。感謝しかありません。まだまだ可能性がある馬ですし、距離が延びても良さそうです」

2着 ギベオン(M.デムーロ騎手)
「残念でした。最後フワッとしていてまだ子供っぽいです。それでももう一回頑張ってくれていますし、能力は十分です」

3着 レッドヴェイロン(岩田騎手)
「流れには乗れましたが、着差が着差だけに残念でした。もう少しスムースに行けたら良かったと思います」

4着 ミスターメロディ(福永騎手)
「ペースが遅く、行きたがりましたが、調教から抑えが利くように調整してもらってきたので何とかこらえられました。最後まで頑張りましたが、もう少しでした」

6着 パクスアメリカーナ(川田騎手)
「左回りということがあり、直線では強く内にササっていました。ここが今後の課題となるでしょう」

12着 タワーオブロンドン(ルメール騎手)
「スタートで躓いてポジションを取ることが出来ず、後ろからになりました。道中、内でレースを進めて、直線ではやっと空いたと思った時に前を遮られてしまいました。ほとんど追うことが出来ず、残念でした。距離は大丈夫そうです」

14着 テトラドラクマ(田辺騎手)
「思っていた競馬が出来て、道中も力まずに行けました。ただGIということもあり、容赦なく他の馬が来て甘くなかったですね」

15着 ファストアプローチ(蛯名騎手)
「脚があったにもかかわらず、行こうとした時に2度遮られました。トビの大きい馬なので急に動くことが出来ず、かわいそうなレースになりました」

16着 ルーカス(ボウマン騎手)
「中団につけたかったのですが、ダッシュがつかず後方からでした。勝ち馬と同じようなポジションにいてグーンと上がって行けましたが、直線、残り僅かのところで急にガス欠になって止まりました。能力ではなく、メンタル面に原因があるかもしれません」

(via ラジオNIKKEI 

 

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