こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】ローズステークス 2021 における勝負の明暗
【11R】 第39回関西テレビ放送賞ローズS
3歳・オープン・G2(馬齢) (牝)(国際)(指定) 芝 2000m 18頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 12 | アンドヴァラナウト | 牝3 | 54 | 福永祐一 | 2.00.0 | 06-06-06-06 | 33.8 | 4 | 5.8 | 436 | +2 | (栗)池添学 | |
2 | 5 | 10 | エイシンヒテン | 牝3 | 54 | 松若風馬 | 2.00.2 | 1 1/4 | 01-01-01-01 | 34.8 | 12 | 49.2 | 452 | +2 | (栗)渡辺薫彦 |
3 | 7 | 14 | アールドヴィーヴル | 牝3 | 54 | 松山弘平 | 2.00.3 | 1/2 | 08-09-09-09 | 33.9 | 1 | 3.6 | 430 | +8 | (栗)今野貞一 |
4 | 4 | 7 | ストゥーティ | 牝3 | 54 | 吉田隼人 | 2.00.5 | 1 1/2 | 03-03-03-05 | 34.4 | 7 | 20.5 | 422 | -6 | *(栗)奥村豊 |
5 | 8 | 16 | タガノディアーナ | 牝3 | 54 | 和田竜二 | 2.00.5 | ハナ | 14-14-15-09 | 34.0 | 6 | 17.0 | 436 | 0 | (栗)長谷川浩 |
6 | 8 | 17 | オヌール | 牝3 | 54 | 川田将雅 | 2.00.5 | クビ | 12-12-11-12 | 33.9 | 5 | 8.5 | 414 | +10 | (栗)友道康夫 |
7 | B1 | 2 | エンスージアズム | 牝3 | 54 | 岩田望来 | 2.00.7 | 3/4 | 12-12-13-14 | 34.0 | 13 | 60.1 | 424 | +4 | (栗)安田翔伍 |
8 | 2 | 3 | アイコンテーラー | 牝3 | 54 | 亀田温心 | 2.00.7 | 頭 | 04-04-03-03 | 34.7 | 17 | 126.1 | 458 | 0 | (栗)河内洋 |
9 | 6 | 11 | プリュムドール | 牝3 | 54 | 武豊 | 2.00.7 | ハナ | 10-10-09-09 | 34.2 | 10 | 33.2 | 460 | +2 | *(栗)奥村豊 |
10 | 2 | 4 | スパークル | 牝3 | 54 | 藤岡佑介 | 2.00.9 | 1 1/4 | 04-05-03-03 | 34.9 | 11 | 39.7 | 478 | +2 | (栗)中内田充 |
11 | 3 | 5 | クールキャット | 牝3 | 54 | ルメール | 2.00.9 | クビ | 16-14-13-15 | 34.1 | 3 | 5.5 | 524 | +14 | (美)奥村武 |
12 | 5 | 9 | タガノパッション | 牝3 | 54 | 岩田康誠 | 2.00.9 | クビ | 10-11-11-12 | 34.3 | 2 | 5.3 | 470 | +14 | *(栗)鮫島一歩 |
13 | 7 | 13 | コーディアル | 牝3 | 54 | 鮫島克駿 | 2.01.0 | 1/2 | 18-17-15-17 | 34.1 | 8 | 24.8 | 494 | +4 | (栗)高野友和 |
14 | 7 | 15 | オパールムーン | 牝3 | 54 | 横山典弘 | 2.01.0 | クビ | 02-02-02-02 | 35.1 | 15 | 84.8 | 436 | 0 | (栗)昆貢 |
15 | 3 | 6 | メイショウオニユリ | 牝3 | 54 | 池添謙一 | 2.01.1 | 1/2 | 08-08-06-06 | 34.9 | 16 | 117.4 | 428 | -6 | (栗)池添兼雄 |
16 | 8 | 18 | レアシャンパーニュ | 牝3 | 54 | 浜中俊 | 2.01.2 | 1/2 | 16-17-17-15 | 34.4 | 14 | 78.2 | 462 | +4 | (栗)音無秀孝 |
17 | 1 | 1 | イリマ | 牝3 | 54 | 幸英明 | 2.01.3 | クビ | 07-06-06-08 | 35.0 | 9 | 27.8 | 456 | +10 | (栗)高橋亮 |
18 | 4 | 8 | オータムヒロイン | 牝3 | 54 | 古川吉洋 | 2.01.4 | 3/4 | 14-14-18-17 | 34.4 | 18 | 214.2 | 460 | -6 | *(栗)鮫島一歩 |
明日のスターがここにいる
【ローズステークス】といえば
ということになるだろう。
数多くの牝馬たちが、ここでの好走をステップに【秋華賞】、あるいはその先で活躍してきた。
それだけに【ローズステークス】攻略へ向けては
「先の活躍まで見込める素質馬」
という部分を大事にして、☆穴馬の発掘、そして予想へと挑んだ。
結果として、私たちが1週前から有料会員様やYouTubeでもご紹介した4番人気☆アンドヴァラナウトが優勝してくれた。
重賞初勝利、おめでとう!そして、激走に心から感謝だ。
参考⇒アンドヴァラナウトを公開したYouTube
率直に言って「自信」があった
さて、そのアンドヴァラナウトだが、良血馬としてデビュー前から期待を集めてきた。
母親は2012年の【マーメイドS】を制した、重賞ウイナーのグルヴェイグ
そして、その母はあのエアグルーヴだ。華麗なる一族の出身とでも言えるだろうか。
競馬ファンなら、必ず飛びつきたくなるような存在。ましてや、鞍上は先週の【紫苑ステークス】を制するなど絶好調の福永祐一。
それにもかかわらず4番人気にとどまった。
やはり、前走で1勝クラスを勝ったばかりという戦歴に対して、半信半疑という方も多かったのだろう。
だが、率直に申し上げて、私たちは「確信」があっての☆穴指名&軸指名だった。
その理由とは?
やはり3冠騎手は違う
私たちが確信を持って指名できた理由とは?
もちろん、細かい点を見ていけば色々とあるのだが、最大の理由は
鞍上・福永祐一の見解
ということになる。
では、ここで、実際に会員様にご紹介した解説文を転載(一部抜粋で)したい。
私たちの考え方をハッキリと記しているので、目を通していただけると幸いだ。
「まだ体ができていないし、バランスも取れていないが、ポテンシャルは高いと思う」と絶賛!
ちなみに、福永祐一騎手の見立ては、極めて信頼度が高いと私たちは考えている。
例えば先週の【紫苑ステークス】を完勝したファインルージュについて。
4月の【桜花賞】では0.1秒差の3着だったが、当時こんなことを言っていた。
「勝ち馬とは完成度の違いだと思います。この馬の伸びしろを感じました。(中略)今後が本当に楽しみです。」【桜花賞】終了の時点では、誰もが上位2頭は飛び抜けた存在だと考えていたはず。だが、福永騎手の見立ては「完成度の違い」!要するに「素質自体は2頭と互角」だと言い切ったのだ。
案の定、ファインルージュは力を伸ばしてきた。【紫苑ステークス】の完勝振りから、同じ2000Mの【秋華賞】でも確実に上位争いに加わるだろう。さすが、3冠ジョッキーの見立ては違う!当然、アンドヴァラナウトも、近い将来、かなりのレベルにまで到達はず。その通過点として、G1トライアルあたりで躓く訳にはいかない!
名手=見立ての鋭い騎手
上の解説文にもあるように、特にファインルージュの例から、福永祐一騎手の見立てのレベルの高さを確信していた。
それだけに、同じく絶賛していたアンドヴァラナウトに関しても、高く評価すべきだという結論に至ったのだ。
この「見立て」というのは実は非常に重要で、少し上の世代でいえば、武豊騎手の見解やコメントはかつて非常に重宝されていた。
また、下の世代でいえば、川田騎手の見解も非常に精度が高いと考えられる。
厩舎関係者も、ジョッキーの見解や進言を重視して、今後の方向性を決めることが少なくないそうだ。
それだけに、その見解の精度が高い騎手に対しては「信頼できる騎手=厩舎の期待馬を回したい」という考え方になるだろう。
その騎手たちの成績は当然伸びる。
ぜひ皆様も、特にリーディング上位の騎手がレース後に残すコメントは必ず目を通してほしい。
間違いなく、ヒントの宝庫なのだから。
当然、先まで期待したい
となれば、注目したいのは、今回のレース後のコメント。
福永騎手は、アンドヴァラナウトに対してどのような評価をしたのか?
以下の通りだ。
まだまだこれからの馬ですが、そういった状態でもGIIを勝ってくれましたので、GIの舞台でも十分勝負できるだけの馬だと思っています。僕自身もそうですが皆さんも楽しみにしていただけたらと思います
前走に続いて、再びの絶賛ということになった。
このコメントを聞いてしまえば、これからに期待しない訳にはいかない。
後は気性がもう一段階成長すれば!
当然、体調に問題がなければ、この後は【秋華賞】に向かうのだろう。
正直に言ってソダシや【紫苑ステークス】を勝ったファインルージュのレベルは高い。
それでも「ひょっとしたらそこに割って入れるかも」と期待したくなる。
実際、福永騎手のコメントを抜きにしても、上がり3ハロン最速の脚を繰り出して、4角6番手から差し切りを決めたシーンは圧巻だった。
強いて言えば、やはり気性面の若さだろう。
広い中京とは違い、今年の本番の舞台となる阪神の内回り2000Mは狭く、ごちゃつく可能性も高い。
そうなった時でも、落ち着いたレースができるのか?
その点、私たちは引き続き彼女の調教をチェック、精神面の成長を見守りたい。
「問題なし」と判断すれば、再び指名する可能性もあるかも?ぜひ、楽しみにしていてほしい。
3着アールドヴィーヴル⇒1番人気の難しさ
ここまで長くなってしまったので、最後に、1頭だけ勝ち馬以外で気になった馬をご紹介。
ということで3着のアールドヴィーヴルだ。
今回、レース前の段階から混戦だと見られていたし、私たちも、自信の軸馬アンドヴァラナウトを除けば、同様の考え方。
それだけに「1番人気に推される馬はかわいそうだな、、、」と思っていた。
それほど他馬との能力差が大きくないのに、1番人気の分だけ、必要以上にマークを背負うことになるからだ。
そして、アールドヴィーヴルはまさにそれだった。
管理する、今野調教師のコメントをご紹介しておこう。
まさにその通りだと思う。
この敗戦で【秋華賞】では人気を落とすだろう。今度は気楽に走れるに違いない。
逆に、無欲の一撃があるかも?未来の主役に推しておきたい。
レースを見逃した方はコチラ
【みんなのKEIBA 次回9月26日(日)午後3時】
秋華賞トライアル「ローズS・GⅡ」は
4番人気の⑫アンドヴァラナウトが
直線で力強い末脚をみせ
重賞初挑戦で初制覇!2着に12番人気⑩エイシンヒテン
3着に1番人気⑭アールドヴィーヴル
上位3頭は秋華賞・GⅠの優先出走権を獲得しました pic.twitter.com/B8a4yVmkCh— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) September 19, 2021
【ローズステークス 2021】のレース後の関係者のコメント
1着 アンドヴァラナウト(福永祐一騎手)
「初のコーナー4つのコースでどういう走りを見せてくれるか半信半疑ではありましたが、非常にうまく対応してくれて良い走りをしてくれたと思います。もう少しスローペースになるかと思いましたが、思ったより引っ張ってくれる馬がいて、むしろこの馬にはその方がありがたかったです。馬の後ろに入ることができましたし、一番いいポジションで脚を溜めることができていました。有力馬は後ろからなので自分ではまだ動いてなかったのですが、4コーナー手前で後方から馬が進出してきましたので外に誘導したところ、非常に鋭い反応を見せてくれました。とても良い内容で勝ってくれたと思います。成長したのは上手に息を入れて走ることが出来るようになってきたことですね。デビュー戦から乗せて貰っていますが、身体が整っていない割に気持ちだけで走ってしまうところをどう上手く心身のバランスを取ってフィットさせていくかがこの馬の大きな課題でした。それはずっとデビュー戦から継続騎乗することができていますので、少しづつ馬に伝えていったことが今日こうやって実を結んだと思います。まだまだこれからの馬ですが、そういった状態でもGIIを勝ってくれましたので、GIの舞台でも十分勝負できるだけの馬だと思っています。僕自身もそうですが皆さんも楽しみにしていただけたらと思います」
(池添学調教師)
「完璧な騎乗でした。デビューからずっと乗ってもらい、毎回馬に教えてくれています。気の入りやすい馬ですが、落ち着きが出てきました。前走の勝ちっぷりから絶対重賞でも通用すると思っていました」
2着 エイシンヒテン(松若風馬騎手)
「スタートが速く先行できました。前半から右に張る感じで外に行きそうになりましたが、そうなりながらも2着。力はあると思いました。まだまだ課題はありますが、そういう面が今後出なければと思います」
3着 アールドヴィーヴル(今野貞一調教師)
「4コーナーで他馬に被されてかなり絞られました。そのため自分のタイミングで追い出せなくなって厳しい形になりました。それでも伸びてくるのですから気持ちのしっかりした馬ですね。4コーナーがもう少しスムーズだったらと悔やまれます」
5着 タガノディアーナ(和田竜二騎手)
「外枠でしたし、ゲートを出ず展開も向きませんでしたが、権利を取るために動きました。最後脚を使っていますが、今日は展開と枠に泣かされました」
6着 オヌール(川田将雅騎手)
「調教や返し馬では素晴らしい走りができるようになっていますが、まだ競馬でそれが使えるほど成長が伴っていない感じです。もう少し時間をかければレースでも良い走りができると思います」
11着 クールキャット(C.ルメール騎手)
「休み明けで状態はフレッシュでしたが、スタートがあまり良くなく、またこの競馬場では大きなストライドが使えませんでした。最後少しきましたが、坂を上がって疲れてしまいました」
(via ラジオNIKKEI )
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