こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】京王杯2歳ステークス 2019 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 4 | タイセイビジョン | 牡2 | 55 | ルメール | 1.20.8 | 06-06 | 33.5 | 1 | 2.1 | 460 | +4 | (栗)西村真幸 | |
2 | 7 | 8 | ビアンフェ | 牡2 | 55 | 藤岡佑介 | 1.21.1 | 2 | 01-01 | 34.4 | 3 | 5.4 | 534 | +24 | (栗)中竹和也 |
3 | 5 | 5 | ヴァルナ | 牡2 | 55 | スミヨン | 1.21.4 | 2 | 04-03 | 34.3 | 4 | 6.5 | 476 | -16 | (栗)寺島良 |
4 | 8 | 10 | グランチェイサー | 牡2 | 55 | 田辺裕信 | 1.21.5 | クビ | 02-03 | 34.5 | 6 | 22.7 | 448 | 0 | (美)矢野英一 |
5 | 3 | 3 | グレイトホーン | 牡2 | 55 | 藤田菜七 | 1.21.8 | 1 3/4 | 06-06 | 34.6 | 5 | 19.2 | 472 | -6 | (美)根本康広 |
6 | 8 | 9 | カップッチョ | 牡2 | 55 | 江田照男 | 1.21.8 | クビ | 06-06 | 34.6 | 8 | 136.0 | 448 | +8 | (美)高市圭二 |
7 | 7 | 7 | カイトレッド | 牝2 | 54 | 柴田大知 | 1.22.1 | 1 1/2 | 09-09 | 34.6 | 7 | 31.9 | 448 | +2 | (美)和田雄二 |
8 | 6 | 6 | セイラブミー | 牝2 | 54 | 三浦皇成 | 1.22.3 | 1 1/4 | 10-10 | 34.7 | 9 | 156.2 | 452 | -6 | (美)伊藤大士 |
9 | 2 | 2 | マイネルグリット | 牡2 | 55 | 国分優作 | 1.22.5 | 1 1/4 | 04-03 | 35.5 | 2 | 4.0 | 480 | +2 | (栗)吉田直弘 |
10 | 1 | 1 | アポロニケ | 牝2 | 54 | 津村明秀 | 1.23.0 | 3 | 02-02 | 36.1 | 10 | 167.8 | 454 | 0 | (美)岩戸孝樹 |
京王杯2歳ステークスといえば、かつてはグラスワンダー、近年ならタワーオブロンドンなど、競馬史に残るような名馬を数多く輩出してきた。
そういったレースだけに、このレースでの勝ち負けもさることながら
今後、大きくはばたけそうな馬はいるのか?
という視点でレースを見る必要があると考えていた。
タイセイビジョンはどうだ?
そんな伝統の重賞を今年制したのがルメール騎乗の1番人気馬タイセイビジョン。
強烈な走りっぷりに度肝を抜かれた方は多かっただろう。
上がり3ハロン最速となる33秒5の脚で豪快な差し切り!
ちなみに、上がりのタイムは2番目の馬より0.8秒も速かった。
一頭だけ古馬が混じっているような雰囲気さえあった。
2歳馬離れした走りを見せた一方、レース前半では激しくかかる場面も見られた。
そのため、競馬ファンの方の中からは
「確かに凄い走りをするけど、1400Mでこれでは、、、気性の荒さから、名スプリンター候補かな」という声も出ているようだ。
だが、私はそうは思わない。
何故なら、一度はかかったものの、少したつと折り合いがついていたから。
経験が浅い馬ばかりの2歳戦だけに
3歳戦や古馬のレースと比べると、2歳戦では、思わず行きたがる馬は決して少なくない。
それは2歳馬は実戦経験が少ないため「慣れないペースに戸惑う」からだ。
だから、多少かかった程度で「気性が荒い馬」と判断してはいけない。
問題は、そのままかかり続けるか?
鞍上の指示に指示にしたがって冷静さを取り戻せるか?
前者は「気性が荒い馬」だが、後者は「素直な馬」
タイセイビジョンは紛れもなく後者だ。
ルメールが示した自信
もちろん、鞍上のルメールはそれをわかっているのだと思う。
だからこそ、レース後のインタビューでは
「マイルでもやれる」
という旨をハッキリと語ったに違いない。そしてもちろん同感だ。
さすがにクラシックの距離となると簡単ではないかもしれないが、マイルから1800Mくらいまでは守備範囲として戦っていくだろう。
2着馬ビアンフェはスプリンター
一方、前半からスピードの違いを見せてガンガン飛ばした2着馬ビアンフェ。
直線でタイセイビジョンに捕まりはしたが、初めて経験する東京の長い直線をものともせずに、よく粘った。
コチラに関しては、タイセイとは違い、完全にスプリンターだろう。
良い意味で前向きな気性をしているようだし、鞍上が無理に抑えようとしない点から、陣営も短いところで戦わせる覚悟を決めているのではないか。
いずれにせよ、この2頭はレコード勝ち、そしてそのレコードを演出したのだから、かなりの大物の可能性が高い。(芝の状態がよかったにせよ)
近い将来「伝説の京王杯」なんて言われる日がくるかも!?
楽しみにしようじゃないか。
4着・グランチェイサー
たかが1ハロン、されど1ハロン
ということだろうか。
前走の【新潟2歳ステークス】(1600M)ではリズムに乗れず、16着に惨敗した馬が、新馬勝ちを収めた得意の東京芝1400Mに戻ると、強豪を相手に4着にまとめたのだから。
馬にとっての距離適性とは非常に深く、また難しいものだ。
鞍上の田辺はレース後
と語っていた。誰よりもグランチェイサーが1400M向きの馬であることを実感しているに違いない。
条件つきにはなるが、再び芝1400Mに出走なら、しかもG3やオープンで今回より相手のレベルが落ちるなら、十分に勝ち負けになる馬。
覚えておいてほしい。
【京王杯2歳ステークス 2019】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 タイセイビジョン(C.ルメール騎手)
「今日のスタートは良かったです。ただ少し引っ掛かっていて、コントロールするのが難しかったです。3~4コーナーでリラックスしてからは、良い脚を使ってくれました。リラックスして走れれば、GI、1600mでも大丈夫です。次はもっとリラックスして走れると思います」
(西村真幸調教師)
「函館2歳Sを使ったあと、ルメール騎手から『もう少し距離の長い、直線の長いコースの方が良い』とアドバイスがあって、すぐにこのレースを目標にしていました。元々気持ちが前向きなところがあるので、その点が今後の課題だと思います。次走はオーナーと相談して決めることになります」
2着 ビアンフェ(藤岡佑介騎手)
「スタートが課題でしたが、今日はクリアしてくれて、良いスタートを切れました。スムーズに行って、初物尽くしの中、よく粘っていたと思います。体は24キロ増えていましたが、成長分です。またこれから良くなると思います」
3着 ヴァルナ(C.スミヨン騎手)
「かかるところがあると聞いていましたが、そんなことは全くなかったです。むしろ道中フラフラしたり、物見をしていました。まだ子供っぽいところがあり、これから変わってくると思います」
4着 グランチェイサー(田辺裕信騎手)
「前走は1600mでチグハグな競馬になりましたが、今日は枠順も良くスムーズに行けました。最後の粘りも出ました」
5着 グレイトホーン(藤田菜七子騎手)
「今日はレース前のテンションが高く、イレ込みもきつかったです。ゲートの中でもうるさくて、タイミングが合わず、うまく出られませんでした。1400mは問題なくこなしていました。最後はジリジリと伸びていました」
(via ラジオNIKKEI )
勝負の明暗バックナンバーは下記をクリック