こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】金鯱賞 2021 における勝負の明暗
【11R】 第57回金鯱賞
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 2000m 10頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 5 | ギベオン | 牡6 | 56 | 西村淳也 | 2.01.8 | 01-01-01-01 | 36.8 | 10 | 227.3 | 508 | +8 | (栗)藤原英昭 | |
2 | 1 | 1 | デアリングタクト | 牝4 | 55 | 松山弘平 | 2.01.8 | クビ | 06-06-06-06 | 36.1 | 1 | 1.4 | 470 | -4 | (栗)杉山晴紀 |
3 | 8 | 10 | ポタジェ | 牡4 | 56 | 北村友一 | 2.01.9 | 1/2 | 03-03-03-03 | 36.4 | 6 | 19.8 | 464 | 0 | *(栗)友道康夫 |
4 | 4 | 4 | グローリーヴェイズ | 牡6 | 57 | 川田将雅 | 2.01.9 | ハナ | 03-03-04-03 | 36.4 | 2 | 4.5 | 468 | +4 | (美)尾関知人 |
5 | 7 | 7 | キセキ | 牡7 | 57 | M.デム | 2.02.0 | 1/2 | 10-10-10-10 | 35.9 | 3 | 10.0 | 504 | -12 | (栗)辻野泰之 |
6 | 2 | 2 | サンレイポケット | 牡6 | 56 | 秋山真一 | 2.02.0 | クビ | 08-09-08-08 | 36.1 | 7 | 33.1 | 480 | +8 | (栗)高橋義忠 |
7 | 8 | 9 | サトノフラッグ | 牡4 | 56 | ルメール | 2.02.2 | 1 1/4 | 02-02-02-02 | 36.9 | 5 | 18.2 | 498 | -2 | (美)国枝栄 |
8 | 7 | 8 | ペルシアンナイト | 牡7 | 57 | 大野拓弥 | 2.02.6 | 2 1/2 | 07-07-07-06 | 36.9 | 8 | 51.6 | 500 | 0 | (栗)池江泰寿 |
9 | 6 | 6 | ジナンボー | 牡6 | 56 | 菱田裕二 | 2.03.4 | 5 | 08-08-08-08 | 37.5 | 9 | 65.4 | 488 | +2 | (美)堀宣行 |
10 | 3 | 3 | ブラヴァス | 牡5 | 56 | 福永祐一 | 2.03.6 | 1 1/2 | 03-03-04-03 | 38.1 | 4 | 11.7 | 492 | +4 | *(栗)友道康夫 |
衝撃的なレースになってしまったね。
3冠牝馬が出走するようなハイレベルなレースで、無欲の先行策がハマった部分はあったにせよ、まさか単勝最下位人気の馬が優勝するとは、、、
これもまた競馬ということなのだろう。
ただ、ひとつ確かなことは、例え流れに恵まれようと「勝利」は素晴らしいこと。ましてや重賞だ!
2018年12月【中日新聞杯】以来の勝利を挙げたギベオン、そして関係者の皆様には心からの祝福を送りたい。
若い西村淳騎手も重賞初勝利。自信になっただろう。
本当におめでとう!
デアリングタクトをどう評価すべきか?
さてここからは、やはりデアリングタクトに触れたい。
昨年、無敗の3冠を達成したデアリングタクト。
唯一の敗戦となった【ジャパンカップ】も先着を許したのは3冠馬2頭だけ。
当然、今回のメンバーの中なら1枚、いや2枚は実績が上。
参考⇒ジャパンカップ 2020 回顧
しかも、レース前の段階で、管理する杉山調教師は次のように語っていた
「史上初で無敗の牝馬三冠になった去年より、さらに強いデアリングタクトにしていかなければ。という気持ちです。応援よろしくお願いします」
杉山調教師はまだ39歳と非常に若いが、以前から
競馬界全体のことを、そしてファンのことを考えられる調教師
だと私たちは考えている。
「デアリングタクトはただ強いだけの牝馬ではない。
競馬界を背負って立つスターの1頭!」
こうした事実を真正面から受け止めて、ファンの期待を裏切らないように、休み明けとはいえ意欲的な調教に取り組んでいることがハッキリとうかがえた。
結果は気にしなくてよいが
だが、終わってみれば2着。
逃げた馬が人気薄だったこと、最大のライバルだと思われたグローリーヴェイズをマークしていたことから、やや仕掛けが遅れた面はあったのだろう。
だから、敗戦は残念だが、結果自体に関しては重く受け止めることはない。
仮に同じメンバーともう一度戦えば、きっと勝利するだろう。
それでも!
どうしても期待していた分、気になることが出てしまう点をご容赦いただけるのであれば、ひとつだけ申し上げておきたい。
あくまでも個人的な感想にはなるが
気になった「反応」
仕掛けられてからの反応の速さは、デアリングタクトの真骨頂だ。
例えば昨年の【オークス】。
スムーズさを欠いて苦しい状況に追い込まれながらも勝利を得られた要因のひとつは
前が開いた瞬間、すぐに追い出した鞍上の仕掛けに反応できたから
あそこでもたついていたら、前にいた2着ウインマリリンに押し切られていただろう。
逆に、今回はもたついた分、あと一歩前を捕まえきれなかった。
理由はどこに
では、どうしてもたついた(ように私には見えた)のだろう?
率直に申し上げるが、現時点ではハッキリとした理由を断言はできない。
考えられる可能性としては、次の4つあたりか。
◆以前から左回りよりも右回り向きという声があった
◆中身までは仕上がっていなかった
◆昨年秋がピークだった
もちろん4つ目だとは思いたくないが。
理由についてはじっくりと精査して、デアリングタクトの次走までには結論を出し、穴馬や買い目に反映させるつもりだ。
春の大目標のひとつが【ヴィクトリアマイル】だという話もある。
そうだとすると、特に左回り云々についてはしっかり考える必要がありそうだ。
ぜひ、キングスポーツのコラムやYoutubeをチェックしてほしい!
穴はどこにでも転がっている
尚、今回のレースに関しては、特に想像以上の走りをした馬も、特に想像以下の走りをした馬もいなかった。皆、それなりに力を出したように思う。
だから「未来の主役」については言及しないことにした。
ご了承いただきたい。
それよりも、今回のレースで改めて学ばせてもらったのは
ということ。
力のある馬が多く出走すると、つい穴を諦めがちになる。
だが、決して諦めてはいけない。
最下位人気の馬だって重賞を勝てるのだ!
このことを肝に銘じて、波乱の春競馬、引き続き積極的に攻めていきたい。
レースを見逃した方はコチラから
【みんなのKEIBA次回3月21日(日)午後3時】
3冠牝馬の2021始動戦「金鯱賞・GⅡ」
断然の1番人気①デアリングタクトは
直線追い上げるも届かず2着。勝ったのはシンガリ人気⑤ギベオン
2年3カ月ぶりの復活勝利となりました!3着には6番人気⑩ポタジェ
3連単は78万3010円の払い戻し#みんなのKEIBA pic.twitter.com/U1Es2TmljP— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) March 14, 2021
【金鯱賞 2021】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 ギベオン(西村淳也騎手)
「追い切りに乗った時の状態も良く、自信を持って乗りました。藤原先生と枠順が決まってからも相談して、このメンバーならハナに行ってという話もありました。ゲートを出てからでないとわからない部分もありましたが、ゲートもスムーズでハナに行こうと思いました。3~4コーナーで手応えが怪しくなりましたが、4コーナーで直線に向かってからはまた伸びてくれたので、あとは何とかしのいでくれという思いで乗っていました。(デアリングタクトとは)内外離れていたので、勝ち負けはわかりませんでした。後輩が重賞を勝っているので勝てて嬉しいです。今回は重賞を勝たせていただいて、これからも頑張りますのでよろしくお願いします」
2着 デアリングタクト(松山弘平騎手)
「今は前残りの馬場なのでできれば逃げ馬の後ろが欲しかったのですが、ポジションが取れず、それでも2列目で折り合いもつきましたし、良い形かなとは思いました。しっかり脚も溜まっていました。ただ思った以上に馬場が悪く、3~4コーナーで少し苦しくなってしまいました。それでも最後は詰めてくれましたし、これだけ強いメンバー相手に力があるところは見せてくれました。ただ、人気に支持していただいたので、結果として申し訳ありませんでした」
3着 ポタジェ(北村友一騎手)
「レース前は本当に落ち着きがありますし、すごく優等生という感じでした。少しまだ頼りなさがあるせいか、直線で手前を替える時も向正面で手前を替える時もふらつく面がありました。そういったところが解消してきたら良いと思います。ラストまで頑張ってくれました」
4着 グローリーヴェイズ(川田将雅騎手)
「休み明けという感じの雰囲気で、馬場の分より、きつい競馬になってしまったと思います。それでもよく頑張ってくれているので、次はさらに良い状態で出られると思います」
5着 キセキ(M.デムーロ騎手)
「久しぶりだったので、気が入ってきませんでした。ゲートの中でもボーっとしていました。スタートも出て行きませんでした。出していきましたがリズムに乗ってきませんでした。向正面でハミをとるかと思いましたが、全然ハミをとりませんでした。ズブい感じでした。それでも位置的には悪くないとは思い、目の前のデアリングタクトとともに上がって行ければと思っていましたが、もう少し脚を使って欲しかったですね。馬場の悪い所を走っていましたが、よく伸びてくれました」
(via ラジオNIKKEI )
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