こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】北九州記念 2022 における勝負の明暗
2022年 8月21日(日) 4回小倉4日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第57回テレビ西日本賞北九州記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 1200m 18頭立
着 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | ボンボヤージ | 牝5 | 51 | 川須栄彦 | 1.06.9 | 07-05 | 33.5 | 16 | (栗)梅田智之 | |
2 | 3 | タイセイビジョン | 牡5 | 57 | 川田将雅 | 1.07.1 | 1 1/4 | 13-13 | 33.3 | 3 | *(栗)西村真幸 |
3 | 16 | ナムラクレア | 牝3 | 53 | 浜中俊 | 1.07.1 | クビ | 10-08 | 33.6 | 1 | (栗)長谷川浩 |
4 | 2 | アネゴハダ | 牝3 | 49 | 酒井学 | 1.07.2 | 3/4 | 04-03 | 34.1 | 4 | (栗)佐々木晶 |
5 | 9 | モントライゼ | 牡4 | 55 | 幸英明 | 1.07.3 | クビ | 12-11 | 33.7 | 17 | (栗)松永幹夫 |
6 | 15 | フレッチア | 牡7 | 54 | ホー | 1.07.4 | クビ | 07-08 | 34.1 | 14 | (美)木村哲也 |
7 | 4 | テイエムスパーダ | 牝3 | 51 | 国分恭介 | 1.07.4 | クビ | 01-01 | 34.6 | 2 | (栗)五十嵐忠 |
8 | 14 | ディヴィナシオン | 牡5 | 54 | 横山典弘 | 1.07.5 | クビ | 17-13 | 33.5 | 6 | (栗)森秀行 |
9 | 6 | ザイツィンガー | 牡6 | 53 | 今村聖奈 | 1.07.5 | クビ | 15-13 | 33.6 | 13 | (栗)牧田和弥 |
10 | 13 | ファストフォース | 牡6 | 56 | 松山弘平 | 1.07.5 | ハナ | 04-05 | 34.3 | 8 | *(栗)西村真幸 |
11 | 18 | キャプテンドレイク | 牡5 | 55 | 藤岡康太 | 1.07.7 | 1 | 13-13 | 33.9 | 5 | (栗)今野貞一 |
12 | 12 | メイショウチタン | 牡5 | 54 | 和田竜二 | 1.07.7 | ハナ | 02-02 | 34.7 | 10 | (栗)本田優 |
13 | 11 | チェアリングソング | 牡5 | 54 | 団野大成 | 1.07.7 | 頭 | 15-17 | 33.8 | 11 | (美)青木孝文 |
14 | 5 | レジェーロ | 牝5 | 54 | 西村淳也 | 1.07.9 | 1 1/4 | 04-05 | 34.7 | 15 | *(栗)西村真幸 |
15 | 7 | シンシティ | 牝5 | 53 | 富田暁 | 1.08.1 | 1 1/4 | 02-03 | 35.1 | 7 | (栗)木原一良 |
16 | 10 | カレンロマチェンコ | 牡4 | 54 | 松若風馬 | 1.08.2 | 3/4 | 10-11 | 34.7 | 18 | (栗)高柳大輔 |
17 | 17 | ジャンダルム | 牡7 | 58 | 荻野極 | 1.08.9 | 4 | 07-08 | 35.6 | 9 | (栗)池江泰寿 |
18 | 8 | ビオグラフィー | 牝5 | 54 | 北村友一 | 1.09.1 | 1 | 17-18 | 35.1 | 12 | (栗)藤岡健一 |
想像以上の波乱が待っていた
【北九州記念】といえば、誰もが認める「波乱の重賞」ではないだろうか。
何と言っても、昨年までの直近5年の3連単平均配当は28万馬券を超えていた。
今年の場合も、3歳馬のナムラクレアとテイエムスパーダが1&2番人気に推されたが、戦前よりYouTubeチャンネルなどで「彼らで簡単に決まることはない」と断言。
案の定、テイエムスパーダは馬券圏内に入れなかった。
とはいえ!さすがに16番人気馬が優勝するシーンまではイメージできなかった。
まさに「波乱の重賞ここにあり」といったところだろうか。
兎にも角にも、優勝したボンボヤージ&川須騎手、そして関係者の方々には心から祝福を申し上げたい。本当におめでとう!
ボンボヤージはもちろん重賞初勝利だが、川須騎手も7年ぶりの重賞勝ちと、本当に久々だった。
決して忘れられない1日になっただろう。
結果から確信する2つのこと
そんな【北九州記念】だが、結果を受けてレースを振り返り、確信したことが2つある。
今日ははじめに結論から申し上げておこう。それは
2→ナムラクレアは文句なしの大器
特に1番に関しては、レースを振り返る中で初めて感じたこと。
失礼ながら、16番人気馬ということもあり、レース中はほとんどマークしていなかった。
いつの間にか先頭でゴールをしていたような印象で、映像を見直す前までは
「最内枠と、マークされない人気薄が功を奏したか?」
などと思っていたが、必ずしもそうではなかった。
どこを切りとっても軽快そのもの
というのも、レース前半から中盤、そして直線も含めて、どこを切り取っても軽快なフットワークを見せており、特別に「恵まれたな」というシーンは見えなかった。
本当に質の高いレースぶりだったと思う。
そして、それは、数字にもはっきりと表れている。4角5番手と好位でレースを運びながら、上がり3ハロンでもメンバー中で2番目の脚を使っているのだ。
もちろん、距離ロスがなく運べる1番枠や、ハンデ51キロの恩恵はあっただろう。
そうだとしても、これほど質の高いレースぶりはそうそうできるものではない。
だからこそ
という結論に達したのだ。
「こういうこともあるんだ」
ただし!これはあくまでも、レース後に抱くことができた感想。
今後のボンボヤージは決して軽く扱わないが、ただ、もし、今レース前にもう一度戻ったと仮定して、馬柱と睨めっこした結果、ボンボヤージを指名した可能性があったかと問われたら、、、
やはり難しいだろう(笑)
強いて言えば、川須騎手も示唆していた「小倉と相性が良い」という部分か。(3勝クラスを小倉で勝つなど実績あり)
一方で、直近7戦続けて馬券圏外、そのうち6戦で二桁着順という実績はなかなかに厳しい。
だから、こういった時は「こういうこともあるんだ」という割り切りも必要だと思う。
それと同時に、上で記した「レース後に抱いた感想」今後への糧として、自分のものにしようじゃないか!
ナムレクレアは改めて大器
一方で、1番人気を裏切る形で3着に敗れてしまったナムラクレア。
こちらに関しては「結果は残念だが、むしろ改めて大物ぶりを感じさせてもらった」という印象。
レース内容に関しては、ご覧いただいた方ならおわかりの通り。
競馬だから仕方ない面もあるし、だから決して騎手をどうこういうつもりもないが。レース後に浜中騎手自身が残した
ということになるだろう。
だが、それだけライバルたちが、ナムラが走りにくい状況を作っていたことの裏返しだとも思う。
歴戦のトップジョッキーたちも認めた底力、披露するチャンスはまだまだある!
【函館SS】のレース回顧の際にも絶賛したが、思いは変わっていない。未来のスプリント王へ!期待したい。
最後にもう1頭!気になる馬がいた
やはり、この馬を挙げておきたい。私たち自身も期待していた
8着ディヴィナシオン(横山典)
正直に言って、もったいないレースだったと思う。
本来、好位でもレースをできるような馬が、スタートで大きく出遅れて後方追走を余儀なくされる。
まくり気味に位置を上げ、さらに外を回されるロスも大きく、追い上げたものの8着。
それでも、上がり3ハロンではメンバー中で2番目の脚を使っている。
たらればは禁物だし、スタートも含めて競馬であることは承知の上。
それでも「まともにスタートしていたら?」と想像したくなるだけの走りをこの馬がしていたことは確か。
次、もう一度楽しみにしている!未来の主役は決まりだ!
【北九州記念 2022】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 ボンボヤージ(川須栄彦騎手)
「オープンへ上がってから結果が出ていませんでしたが、重賞の強い相手に、1番枠を最大限に生かして乗ろうと思っていました。何度も乗せてもらっていて、オープンでは足踏みをしていましたが、ここ何走か差しの競馬をしたのが生きたと思います。(福岡県)出身ですし、ここで久々に重賞を勝てて嬉しく思います。このきょうだいは頑張って走っていますし、この馬は小倉と相性が良いと思います。枠順や軽ハンデに恵まれた部分はあると思いますが、立派な走りでした。これからも頑張ってくれたらと思います」
2着 タイセイビジョン(川田将雅騎手)
「もう一度タイトルを獲らせてあげたいです。今日は精一杯の走りをしています」
3着 ナムラクレア(浜中俊騎手)
「馬の状態も良く、負けてはいけないレースでしたが、全て自分の責任です。結果を出さなければいけないレースでした。厩舎もよく仕上げてくれていましたし、負けないと思っていました。自分が上手く導いてあげられなかったという、それに尽きます」
4着 アネゴハダ(酒井学騎手)
「内枠だったので、行く馬が行ったらその後ろでと考えていました。考えていた通りの競馬ができました。今日の(馬場の)傾向から、(前に行った馬が)外に出したその内を狙おうと思っていました。幾分、追い出しを我慢しようとは思っていました。直線、ボンボヤージの気配を感じて追い出したのですが、そこから勝ち馬に抜かれていきました。その後も食らいついてはいますが、現状1400mの方が楽に運んでいけそうなので、良いのかなと思います」
5着 モントライゼ(幸英明騎手)
「今日は溜める競馬をということで、中団から後ろのイメージでした。最後に伸びてきていますし、これがきっかけになると良いです」
6着 フレッチア(C.ホー騎手)
「ゲートをスッと出て、リズム良く行きましたが、横の馬のお尻が当たってからは、馬を抑えるのに必死でした。4コーナーも外を回る形になり、そうでなかったら好勝負できていたと思います。すごく良い馬です」
7着 テイエムスパーダ(国分恭介騎手)
「スピードを生かす競馬をしましたが、条件が替わって、ポジション争いが厳しかったです」
9着 ザイツィンガー(今村聖奈騎手)
「4コーナーまでは上手く運べましたが、直線は進路を探しながらの競馬になってしまいました」
10着 ファストフォース(松山弘平騎手)
「スタート良く、良い形で競馬が運べました。最後もしっかり脚を使ってくれました」
14着 レジェーロ(西村淳也騎手)
「思っていたポジションが取れました。最後までよく頑張ってくれました」
16着 カレンロマチェンコ(松若風馬騎手)
「スタートを決めましたが、(道中は)追走で一杯一杯でした。直線に向く時は、手応えが残っていなかったです」
17着 ジャンダルム(荻野極騎手)
「今日はこの馬の本来の力を引き出してあげられませんでした。58kgも堪えたかもしれませんし、外枠も影響したのかもしれません」
(via ラジオNIKKEI )
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