こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】小倉2歳ステークス 2022 における勝負の明暗
2022年 9月 4日(日) 4回小倉8日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第42回小倉2歳S
2歳・オープン・G3(馬齢) (国際)(特指) 芝 1200m 13頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 1 | ロンドンプラン | 牡2 | 54 | 松山弘平 | 1.08.1 | 13-13 | 33.1 | 4 | (栗)宮本博 | |
2 | 7 | 11 | バレリーナ | 牝2 | 54 | 団野大成 | 1.08.2 | 3/4 | 06-05 | 34.6 | 9 | (栗)清水久詞 |
3 | 8 | 13 | シルフィードレーヴ | 牝2 | 54 | 西村淳也 | 1.08.3 | 1/2 | 09-09 | 34.2 | 11 | (栗)西園正都 |
4 | 6 | 9 | プロトポロス | 牡2 | 54 | 福永祐一 | 1.08.4 | クビ | 03-05 | 35.0 | 1 | (栗)西村真幸 |
5 | 7 | 10 | ゴールデンウィンド | 牝2 | 54 | 坂井瑠星 | 1.08.4 | 頭 | 03-03 | 35.0 | 7 | (栗)高柳大輔 |
6 | 5 | 6 | メイショウヒュウガ | 牡2 | 54 | 北村友一 | 1.08.6 | 1 1/4 | 09-09 | 34.6 | 6 | (栗)安達昭夫 |
7 | 8 | 12 | ウメムスビ | 牡2 | 54 | 角田大河 | 1.08.8 | 1 1/2 | 06-05 | 35.2 | 12 | (栗)新谷功一 |
8 | 4 | 4 | メイショウコギク | 牝2 | 54 | 和田竜二 | 1.08.9 | 3/4 | 03-02 | 35.5 | 5 | (栗)南井克巳 |
9 | 6 | 8 | ニシノトキメキ | 牝2 | 54 | 亀田温心 | 1.09.1 | 1 1/4 | 02-03 | 35.8 | 10 | (栗)北出成人 |
10 | 5 | 7 | ミカッテヨンデイイ | 牝2 | 54 | 今村聖奈 | 1.09.3 | 1 | 11-11 | 34.9 | 3 | (美)堀内岳志 |
11 | 4 | 5 | クリダーム | 牡2 | 54 | 武豊 | 1.09.4 | 3/4 | 01-01 | 36.2 | 2 | (栗)須貝尚介 |
12 | 2 | 2 | アウクソー | 牝2 | 54 | 横山典弘 | 1.09.4 | ハナ | 06-05 | 35.8 | 8 | (栗)安田隆行 |
13 | 3 | 3 | ゴーツウキリシマ | 牝2 | 54 | 富田暁 | 1.10.1 | 4 | 11-11 | 35.7 | 13 | (栗)牧田和弥 |
小倉のスプリント戦は何故荒れる?
小倉芝1200Mといえば「波乱」そんなイメージをお持ちの方は多いと思う。
例えば、先日行われた【北九州記念】などは、その典型かもしれない。
何と、単勝16番人気のボンボヤージが優勝を収めている。
では、どうして小倉1200Mは荒れるのだろう?
考え方は様々あるだろうが、私なりに思うことをひとつご紹介。
直線が平坦で短い分、逃げ先行馬は積極的にガンガンいく。
当然、ペースは上がって、前の馬が粘りこみを果たそうとする中、一方で後ろの馬にも差すチャンスが出てくる。
そんなこともあって展開から結果を読むのが難しい。
よもやの伏兵が台頭するケースもあるが、ある意味では「平等な舞台」と言えるのかもしれない。
まさに小倉のスプリント戦
そんな舞台で行われた【小倉2歳ステークス】
上にも記したが、難解な舞台だが、ある意味では平等な舞台。
それだけに【小倉2歳ステークス】で好走した馬は、その時点での人気にかかわらず、その後も結果を残している馬が少なくない。
例えば昨年の優勝馬ナムラクレア。
3歳になった今年、古馬相手の【函館SS】を快勝!そして【北九州記念】も着順こそ3着だったが、ジョッキーが「自分の責任」だという旨を語るほど、スムーズさを欠いていた。
間違いなく、今やスプリント界の新星候補No1だが、そんな彼女も、ここでは「4番人気」だった。
また昨年3着で【北九州記念】でも4着に好走したアネゴハダも、当時は「8番人気」だった。
それだけに、今年の上位勢の能力、素質も本物だと思うし、素直に期待して良い面々ではないだろうか。
2歳重賞恒例「できるだけ多くの馬をピックアップ」
ということで、ここからは2歳重賞の恒例ということで
「できるだけ多くの馬をピックアップ」
させてもらおうと思う。(同じく今週行われた札幌2歳ステークスの回顧も同様の方針で)
通常のレース回顧では、勝ち馬を中心にレースの「全体像」を振り返ることで、できるだけ未来に繋がるような考え方を見出し、皆様と共有してきた。
だが、2歳重賞の場合、それ以前の問題として
という方が大半ではないかと思う。重賞を経験したとはいえ、まだデビューから時間が経っていない馬たち。材料に乏しいのだから仕方がない。
そこで、今回はレースぶりに魅力を感じた3頭をピックアップ!
ごくごく簡単ではあるが、3頭の特徴を私たちなりの視点で解説するので、今後の予想に役立てていただけると幸いだ。
尚、上位勢の能力の高さは「大前提」なので、1着のロンドンプラン以外は「着順の上では凡走だけど、今後へ期待が持てそう」と思える面々をご紹介してみたい。
1着ロンドンプラン→率直に言って驚いた
まずはロンドンプランから。重賞初制覇、おめでとう!
今回のレースにおける、私たちの「3連単軸の1頭」でもあっただけに、スタートで大きく出遅れた時は青ざめたが(笑)
それでも、終わってみれば4角最後方からの差し切り勝ち!
しかも、上がりのタイム(もちろん最速の33秒1)は、上がり2番目の馬に1秒1という大きな差をつけるもの。
長年に渡る予想家生活の中で様々は馬を見てきたし、それだけに、どれだけ凄いレースぶりをする馬がいても「想定内」というケースが大半。
だが、上でも記した通り、今回の脚は、そんな私の想像を超えた!
だからこそ、私の予想家としての感性に誓って「昨年のナムラクレア以上も狙える素材」だと言い切りたい!
松山騎手曰く「距離を延ばしても大丈夫」だということのようだし、来年あたりには
「マイルくらいまでならロンドンプラン」
という時代が来るかも!?楽しみにしたい!
4着プロトポロス→ジョッキーの一言に注目
1番人気だったプロトポロスは4着に敗れた。
レースぶりは極めてスムーズだったように思う。レース後、福永騎手は
本当に、ラストで伸びないのが不思議なほどのレースぶりに思えた。
一方で、福永騎手はこうも語っていた。
福永騎手というのは、川田騎手などと同様に、思っていることを率直に、正直に誠実に語る騎手。それだけに、自分に明らかに非がなければ、わざわざ申し訳ないとも言わないと思う。
だが(私から見ると)非がないにもかかわらず、その一言が出たということは「そう言わずにはいられないほど馬の可能性を感じていた」ということだと受け止めた。
それだけに、もう一度見てみたい。次走、どこに出走するにせよあっさりと結果を出すようなら、一気に突き抜ける可能性も!要注目。
6着メイショウヒュウガ→もっとやれる馬!
私たちも期待していた1頭、メイショウヒュウガは、終わってみれば勝ち馬から0.5秒差の6着。
6番人気の6着だから「妥当」と見る向きもあるかもしれないが、
「もったいないレースだった。もっとやれたのでは!?」
というのが、私たちの率直な思いだ。
敗因という点では、レース後に北村友騎手が語った通り。
もちろん、北村友騎手も、レース中においては、その時点での全力を尽くしてくれているのだから、それに関してどうこう言うことはできない。
ただ、はたからレースを見ているこちらからすると、まさに北村友騎手が語っている通りだと思うし、つまり、力を出しきれないままにレースを終えていることは間違いない。
だからこそ、上でご紹介したプロトポロス同様、もう一度見たい。
こちらは、レース前の段階から陣営が「もっと距離があっても良い」という旨を示唆していた。
まず1400Mで!出てくることがあれば、必ずもう一度期待するつもりだ。未来の主役はこの馬!
【小倉2歳ステークス 2022】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 ロンドンプラン(松山弘平騎手)
「すごい末脚を使ってくれて、馬が非常に強かったと思います。蹄鉄が外れてしまって、時間も遅れてしまって、他の馬にも迷惑をかけてしまいましたし、馬自身も少しそこで苦しがるようなところがあって、そのぶんゲートでも苦しがってしまって、少し出られなくなってしまいました。そうした精神面の弱さはあると思うのですが、力のある馬で、弱さをくつがえすようなしっかりとした末脚で、強かったと思います。乗り味もいいですし、まだまだ良くなっていける馬だと思います。距離が延びても大丈夫だと思いますし、頑張ってくれると思います。今日は勝っていなかったので、しっかりメインを勝ちたいなと思っていましたし、出遅れてはしまいましたが、馬が最後まで一生懸命走ってくれました。たくさんの関係者に恵まれて、本当に感謝したいです」
2着バレリーナ (団野大成騎手)
「スタート次第と思っていました。良いポジションを取って、自分の競馬をしましたが、勝ち馬が強すぎました。ただ、まだ若くて右にモタれたリ道中のハミもおさまりにくかったです」
3着 シルフィードレーヴ(西村淳也騎手)
「スタートで後手を踏んで出遅れました。最後は勝ち馬の勢いがすごかったですね」
4着 プロトポロス(福永祐一騎手)
「手応え良く進められましたし、直線も進路は確保できました。手応えほど思ったほどスパッとは抜けてくれませんでした。馬のできも良かったですしスタートも上手に出て、流れにも乗ってくれていたので自信があっただけに申し訳なかったです」
6着 メイショウヒュウガ(北村友一騎手)
「あの位置(後方より)になったので、もう一つ我慢して外を狙っても良かったかなと思います。小出しに脚を使って追走したので、その分もう少し切れるような脚が使えずジリッぽくなってしまったところで前が壁になってしまったのだと思います」
7着 ウメムスビ(角田大河騎手)
「力みが今までで一番なく、とてもリラックスして走ってくれました。次に繋がる競馬になりました。ただ、結果が伴わず申し訳なかったです。でも納得のいく競馬が自分の中ではできました」
10着 ミカッテヨンデイイ(今村聖奈騎手)
「テンションが高すぎました。本来の走りが出来ませんでした。きっちりと仕上げて下さったスタッフには感謝です」
11着 クリダーム(武豊騎手)
「楽に行ってそんな速すぎるペースではありませんでした。止まりすぎましたからね。本来の出来ではなかったのかもしれません」
(via ラジオNIKKEI )
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