こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】毎日杯 2022 における勝負の明暗
【11R】 第69回毎日杯
3歳・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝・外 1800m 10頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 4 | ピースオブエイト | 牡3 | 56 | 藤岡佑介 | 1.47.5 | 01-01 | 35.6 | 4 | 6.5 | 466 | -2 | (栗)奥村豊 | |
2 | 7 | 7 | ベジャール | 牡3 | 56 | 藤岡康太 | 1.47.6 | 3/4 | 02-04 | 35.4 | 9 | 107.4 | 564 | +4 | (美)田中博康 |
3 | 1 | 1 | ドゥラドーレス | 牡3 | 56 | 戸崎圭太 | 1.47.7 | 1/2 | 06-07 | 35.2 | 1 | 2.1 | 492 | 0 | (美)宮田敬介 |
4 | 3 | 3 | セイウンハーデス | 牡3 | 56 | 幸英明 | 1.47.9 | 1 1/4 | 04-05 | 35.6 | 7 | 37.1 | 476 | +4 | (栗)橋口慎介 |
5 | 6 | 6 | リアド | 牡3 | 56 | 福永祐一 | 1.48.0 | クビ | 05-02 | 35.9 | 2 | 5.6 | 470 | -2 | (栗)友道康夫 |
6 | 5 | 5 | ホウオウプレミア | 牡3 | 56 | 岩田康誠 | 1.48.3 | 2 | 09-07 | 35.7 | 6 | 11.3 | 482 | -8 | (美)奥村武 |
7 | 7 | 8 | テンダンス | 牡3 | 56 | 鮫島克駿 | 1.48.7 | 2 1/2 | 06-05 | 36.4 | 3 | 5.6 | 494 | -4 | (栗)中竹和也 |
8 | 2 | 2 | コマンドライン | 牡3 | 57 | 岩田望来 | 1.48.9 | 1 | 06-07 | 36.4 | 5 | 8.3 | 524 | -6 | (美)国枝栄 |
9 | 8 | 9 | スーサンアッシャー | 牡3 | 56 | 横山典弘 | 1.48.9 | クビ | 02-02 | 36.8 | 8 | 53.0 | 452 | -6 | (栗)鈴木孝志 |
10 | 8 | 10 | ディープレイヤー | 牡3 | 56 | 松若風馬 | 1.49.2 | 1 3/4 | 09-07 | 36.7 | 10 | 161.2 | 468 | -4 | (美)大和田成 |
衝撃の活躍!日本代表
毎日杯の回顧の記事だが、少しだけスペースを使わせてもらい、日本時間の26日(土)夜からスタートした
「ドバイワールドカップデー」
についてお話をさせていただきたい。
日本調教馬が出走した8レースのうち、なんと怒涛の5勝!
以下、実際に勝利を収めた面々だ。本当におめでとう!
◆ゴドルフィンマイル⇒バスラットレオン(矢作)
◆ドバイゴールドカップ⇒ステイフーリッシュ(矢作)
◆UAEダービー⇒クラウンプライド(新谷)
◆ドバイターフ⇒パンサラッサ(矢作)
◆ドバイシーマクラシック⇒シャフリヤール(藤原英)
実は今年に限らず、ここ数年、ドバイワールドカップデーでの日本調教馬の活躍が目立つ。
では、どうして、これだけ活躍できるようになったのか?
答えは非常に単純
考え方は様々あるかもしれないが、私なりの考えを申し上げるならば
単純だが、これに尽きると思う。
90年代、大種牡馬サンデーサイレンスの登場により、一気にレベルが上昇したと言われる日本競馬。
その最高傑作であるディープインパクトは2006年【凱旋門賞】に出走し3着入線(失格)に終わったが、改めて申し上げるまでもなく、当時ディープの体調は非常に良くなかった。
また欧州の馬場とディープインパクトの持ち味はいかにも合っていない。
それを思えば、3着入線という結果に関してタラレバを言うつもりはないが「競走馬としての中身」では、既にディープの時点で世界の頂点にあったと私は考えている。
そんなディープが種牡馬になった。
そして、そのディープとしのぎを削ったハーツクライらも同じ時代に種牡馬をしているのだ。
全体的な底上げは物凄いことになっていると思うし、大げさではなく世界最高峰だと思う。
だからこそ、もう馬場が合わない欧州競馬のことは気にせずに、デンと構えていれば良いとは思うのだが(笑)皆様ならどうお考えだろうか。
シャフリヤールを輩出した毎日杯
前置きが非常に長くなってしまい申し訳なかった。
ただ、実はドバイワールドカップデーと【毎日杯】は決して無関係ではない。
というのも、昨年の【毎日杯】を制し、また【ダービー】でもエフフォーリアを退けて優勝したシャフリヤールが【ドバイシーマクラシック】を勝ったからだ。
わずか1年の間に世界トップクラスにまで上り詰めたシャフリヤール。
当然、今年の出走馬の中にも
という思いをもって、レース回顧をする必要があるだろう。
ということで、レースの主役になった勝ち馬を中心に、上位3頭についての振り返り、そして今後への期待について記してみたい。
1着ピースオブエイト⇒競馬センス抜群
まずはもちろん、優勝したピースオブエイトから。
重賞初制覇おめでとう。関係者の方々には心より祝福を申し上げたい。
新馬戦&未勝利戦を共に上がり3ハロン最速の末脚を繰り出して連勝。
そんな中で迎えた3戦目だった。
上がり最速とはいえ、どちらも34秒台だった点からもわかるように、いわゆる「キレキレの脚」を使うタイプではない。良い意味で重厚さを感じる。
それだけに、今回の稍重の馬場が向いた面はあったかもしれないが、それ以上に魅力を感じた点がある。
それは「圧倒的な競馬センス」だ。
レース後、鞍上が次のような話をしている。
事実、この通り前半から先頭を走って押し切ったのだが、何より、経験の浅い3歳馬が、オーダーに応えて(鞍上の支持の通りに)スムーズに走り、尚且つ力を出し切れること自体が素晴らしい。
今後、今回以上にハイレベルな混戦を戦うことになるだろう。
わずかな差が命取りとなる場面において、鞍上の支持通りに走れるセンス(つまりロスなく走れること)はかなり大きなアドバンテージになると思う。
それでいて、直線では一度2着馬に前に出られながら、差し返す根性もある。かなりの可能性を秘めているのではないだろうか?
個人的には、順調に成長してくれたら【菊花賞】あたりで面白い存在になると思うのだが。
ぜひ、注目してほしい。
2着ベジャール⇒激走に感謝!今後にも期待
9番人気という低評価を覆して2着に激走したベジャール。
実はキングスポーツの予告の☆穴馬でもあり、YouTubeでも激走を断言していた。
参考にして下さった方もいるだろうか!?ベジャールには感謝している。
参考⇒毎日杯のYouTube
では、どうして人気薄の馬を指名できたのか?以下、実際の解説文の一部抜粋だ。
この2戦は共に狭い中山コース。540キロを超える大型馬で器用に立ち回ることができなかったので参考外。だが舞台が東京に替わった前走はスタートの立ち遅れで後手に回り、ソラを使いながらも最速の上がりで勝利!広いコースが合っており、外回りの阪神芝1800mはピッタリ!
しかもこの時は560キロで緩かった馬体が締まりつつあるまだまだ力を付けてくる可能性は高く将来性も感じさせた。中7週になるが、3月はハードは美浦坂路を中心に稽古を積んでいた。雄大な馬体をしているので、見た目は太く感じるがパワフルな走りで鋭く伸びていたので成長が見られた。
まさにこの通りではないだろうか。
東京での前走は相当強烈な走りだったが、中山凡走のイメージで舐めていた方が多かったのだろう。だからこその9番人気だったのだ。
だから、私たちに言わせれば「広いコースなら今回くらいは走って当たり前」
今後も、狙えるレースは限られると思うが、この先G2勝ちくらいなら十分に狙えると思う。引き続き注目していきたい。
未来の主役はこの馬!
3着ドゥラドーレス⇒やはり大器
もったいなかったのは、やはり断然の1番人気を裏切ってしまったドゥラドーレス。
レース後の鞍上の戸崎騎手のコメントが全てだろう。
決して力負けではないし、タラレバは禁物で、スムーズなら勝利まであっても驚けなかったとは思う。
つまり、歴代の【毎日杯】勝ち馬と同様の、未来のG1馬候補だろう。
とはいえ、直線で前が開いた後、もっと「ビュン」と伸びるかもしれなかったが、意外とエンジンのかかりが遅かった。
これが馬場適性によるものなのか、能力的なものなのか、もう少し精査は必要だろが、過大評価のしすぎは禁物だと思う。
今後を冷静に見守っていきたい。
【毎日杯 2021】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 ピースオブエイト(藤岡佑介騎手)
「調教では折り合う馬でしたが、レースでは少しゲートが遅かったり、道中力みが強くなると聞いていましたので、どういう形で乗ろうかなと思っていましたが、調教時から今日は馬場も考えて少し前めでというオーダーでしたから、逆らわずに乗りました。残り1ハロン過ぎで一回、2着馬に前に出られているのですが、そこからグッと食いしばって、もう一度前に出てやろうという馬の気持ちがあったので、本当に馬の力に助けられたという感じですね。まだまだ成長の余地を残している中で、非常に素晴らしい動きをしてくれる馬ですし、色々な形で勝てているのも良いと思います。出世レースですし、非常に楽しみな馬だと思います。距離については、成長と共にではあると思いますが、色々な可能性を秘めた馬だと思います」
2着 ベジャール(藤岡康太騎手)
「レース前に聞いていたより馬は落ち着いていて、スタートも上手く出てくれました。ポジションを取りに行くレースをしましたが、しっかり脚を使ってくれました。最後の直線では一旦前へ出たのですが、差し返される形になりました。この馬もよく頑張っています」
3着 ドゥラドーレス(戸崎圭太騎手)
「枠順が内で、下げて運んでもと思いました。馬群に入って運びましたが、(馬群が)ばらけず、追い出しが遅くなりました。でも力はあるところは証明出来ました。でも人気に応えられず、申し訳ありませんでした」
4着 セイウンハーデス(幸英明騎手)
「能力のある馬ですが、物見をしたり、他馬を嫌がったりして、リズム良く走らせることが出来ませんでした。そのあたりが上手くいくようになれば、今後楽しみな馬です」
5着 リアド(福永祐一騎手)
「4コーナーの手前で躓いて、そこからのめるような感じになりました。それでも最後は地力で頑張ってくれているのですが、現状ではこういう馬場では踏ん張り切れないところがあります」
7着 テンダンス(鮫島克駿騎手)
「重心の低い良いフォームで走る馬なのですが、今日は馬場に脚を取られる感じで、この馬の良い走りを見せることが出来ませんでした」
8着 コマンドライン(岩田望来騎手)
「良い形で進めることが出来ましたが、3、4コーナーでごちゃついて、そこで集中が切れたのか、進みが悪くなりました。それでも最後は伸びてくれました。課題のゲートも出てくれました。次に繋げられたらと思います」
10着 ディープレイヤー(松若風馬騎手)
「良い背中をしています。これから走ってきそうな能力を感じました。コーナーも手応え良く回ってこれましたが、最後は一杯になってしまいました。これから伸びしろはある馬と感じました」
(via ラジオNIKKEI )
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