こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】根岸ステークス 2022 における勝負の明暗
【11R】 第36回根岸S
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1400m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 11 | テイエムサウスダン | 牡5 | 57 | 岩田康誠 | 1.23.1 | 08-07 | 35.8 | 6 | 11.5 | 554 | +10 | (栗)飯田雄三 | |
2 | B4 | 7 | ヘリオス | セ6 | 56 | 武豊 | 1.23.3 | 1 | 04-04 | 36.3 | 4 | 6.7 | 470 | +4 | (栗)寺島良 |
3 | 4 | 8 | タガノビューティー | 牡5 | 56 | 津村明秀 | 1.23.4 | 1/2 | 16-15 | 35.4 | 2 | 4.7 | 518 | -4 | (栗)西園正都 |
4 | 3 | 6 | ジャスティン | 牡6 | 57 | 坂井瑠星 | 1.23.4 | クビ | 01-01 | 37.2 | 12 | 74.0 | 504 | +14 | (栗)矢作芳人 |
5 | B3 | 5 | オメガレインボー | 牡6 | 56 | 横山和生 | 1.23.5 | クビ | 11-11 | 35.9 | 3 | 5.3 | 468 | +6 | (栗)安田翔伍 |
6 | 6 | 12 | タイムフライヤー | 牡7 | 56 | M.デム | 1.23.7 | 1 1/4 | 12-12 | 36.0 | 7 | 13.5 | 480 | +4 | (栗)橋口慎介 |
7 | 2 | 3 | モジアナフレイバー | 牡7 | 56 | 真島大輔 | 1.23.7 | クビ | 12-12 | 36.0 | 9 | 20.3 | 514 | 0 | [地]福永敏 |
8 | 2 | 4 | スリーグランド | 牡5 | 56 | 岩田望来 | 1.23.8 | クビ | 06-06 | 36.6 | 8 | 18.3 | 476 | -2 | (栗)高橋義忠 |
9 | 5 | 9 | ソリストサンダー | 牡7 | 57 | 戸崎圭太 | 1.23.8 | クビ | 09-09 | 36.3 | 1 | 3.9 | 486 | +4 | (栗)高柳大輔 |
10 | 8 | 16 | エアアルマス | 牡7 | 57 | ルメール | 1.23.8 | ハナ | 07-07 | 36.4 | 5 | 9.4 | 488 | -2 | (栗)池添学 |
11 | 8 | 15 | ジャスパープリンス | 牡7 | 56 | 川田将雅 | 1.23.9 | 3/4 | 02-02 | 37.2 | 10 | 40.3 | 496 | (栗)森秀行 | |
12 | 1 | 2 | レピアーウィット | 牡7 | 57 | 大野拓弥 | 1.24.2 | 1 1/2 | 15-14 | 36.3 | 11 | 62.6 | 552 | -2 | (美)堀宣行 |
13 | 7 | 13 | サクセスエナジー | 牡8 | 58 | 石川裕紀 | 1.24.3 | 1/2 | 09-09 | 36.8 | 14 | 143.7 | 548 | +2 | (栗)北出成人 |
14 | 1 | 1 | オーロラテソーロ | 牡5 | 56 | 秋山真一 | 1.24.7 | 2 1/2 | 12-15 | 36.7 | 13 | 83.0 | 506 | +6 | (美)畠山吉宏 |
15 | B7 | 14 | トップウイナー | 牡6 | 56 | 横山琉人 | 1.25.0 | 1 3/4 | 04-04 | 38.0 | 16 | 302.9 | 476 | -2 | (栗)鈴木孝志 |
16 | 5 | 10 | リアンヴェリテ | 牡8 | 56 | 国分恭介 | 1.25.2 | 1 1/4 | 02-02 | 38.5 | 15 | 162.9 | 484 | +10 | (栗)中竹和也 |
良くも悪くも「調教」
今回の【根岸ステークス】の結果を受けて、まず最初に(改めて)思ったのは
「良くも悪くも厳寒期は調教重視が必須」
だということだ。
例えば、YouTubeをご覧下さった方であれば、キングスポーツが指名した好調教馬が、4番人気ながら2着に好走したヘリオスであることはご存知だと思う。
逃げ馬に見られがちながら、敢えて4番手で追走し、隠れた持ち味である「自在性」を活かした鞍上・武豊騎手の騎乗は見事!
何より、その手綱さばきに応えたヘリオスが見事だった。
参考⇒ヘリオスを公開したYouTube番組
「良くも」がヘリオスであれば「悪くも」は1番人気を裏切って9着に敗れてしまったソリストサンダーではないだろうか?
敗因は「距離だけではない」
東京マイルで行われた昨秋の重賞【武蔵野ステークス】を完勝したほどの実力派。
それほどの馬が9着に敗れたのだから「原因は距離(1400m)?」と考える人も多いだろう。
もちろんそうした面もゼロではないだろうが、私たちの感覚でいえば
最大の敗因は間違いなく仕上がり!!
ハッキリ言って本来のデキではなかったし、実際に、私たちはキングSの有料会員様に対して
だと断言させてもらった。
以下、有料会員様に実際にご提供した「消える理由」だ。
(略)
やはり仕上がりが非常に気になる。単純に最終追いだけを見れば、キレのある動きをしていたようにも思える。だが、私たちの目には「格好をつけた」ように映った。
実は、1週前の動きに本来の軽快さ、迫力がなかったのだ。
昨今の調教のトレンドは「1週前の段階で仕上げて、最終追いは疲れを残さない程度に軽めに」
調教技術の進化により、最終追いまでガッツリやらずとも、きちんと仕上げられるようになっている。
確かに、厳寒期の場合は、多少それとは異なる部分があるが、それにしても仕上がりの速度が遅く見えた。繰り返しになるが、最終追いは「格好をつけた」のだと判断する。したがって、あくまでも、狙いは本番なのだろう。力は認めた上で、今回は評価を下げたい。
そして、案の定の9着だった。
評価を落とす必要はない
ちなみに、レース後、戸崎騎手はこんなことを言っていた。
原因ははっきりしないと語っているが、何と言っても百戦錬磨の名手だ。
あくまでも私の個人的な推測にはなるが、恐らく、デキが足りないことには気づいていたのではないだろうか!?その上で、陣営に気をつかったのではないかという気がするのだが、、、。
それはともかく、敗因はハッキリしているから、ここで評価を落とす必要はない。
もちろん、順当に状態が上がることが前提だが、得意の東京マイルの舞台に臨める本番では、巻き返すだろう。
「前走の着順」が人気に反映されやすい昨今だけに「美味しい穴馬」になることに期待したい。
意識しておきたいこと⇒G1への鉄板データ
では、ここからは「今回の結果を受けて確認しておきたい事柄」について。
それは「根岸S⇒フェブラリーSの関連性」だ。
実は根岸Sは、6年連続で本番フェブラリーSの馬券圏内馬を輩出(合計7頭)!
そして7頭全てが、単に【根岸ステークス】をステップにしているのではなく、好走(全て2着以内)の勢いを本番での激走に繋げているのだ。
以下、実際のデータ。
直近6年 フェブラリーSの上位3頭&前走レース名
日付 | レース名 | 馬名S | 性齢 | 騎手 | 前走レース名 |
---|---|---|---|---|---|
210221 | フェブラG1 | カフェファラオ | 牡4 | ルメール | チャンピG1 |
210221 | フェブラG1 | エアスピネル | 牡8 | 鮫島克駿 | チャンピG1 |
210221 | フェブラG1 | ワンダーリーデル | 牡8 | 横山典弘 | 根岸SG3(2着) |
200223 | フェブラG1 | モズアスコット | 牡6 | ルメール | 根岸SG3(1着) |
200223 | フェブラG1 | ケイティブレイブ | 牡7 | 長岡禎仁 | 川崎記G1 |
200223 | フェブラG1 | サンライズノヴァ | 牡6 | 松山弘平 | 武蔵野SG3 |
190217 | フェブラG1 | インティ | 牡5 | 武豊 | 東海SG2 |
190217 | フェブラG1 | ゴールドドリーム | 牡6 | ルメール | 東京大G1 |
190217 | フェブラG1 | ユラノト | 牡5 | 福永祐一 | 根岸SG3(2着) |
180218 | フェブラG1 | ノンコノユメ | セ6 | 内田博幸 | 根岸SG3(1着) |
180218 | フェブラG1 | ゴールドドリーム | 牡5 | ムーア | チャンピG1 |
180218 | フェブラG1 | インカンテーション | 牡8 | 三浦皇成 | 東京大G1 |
170219 | フェブラG1 | ゴールドドリーム | 牡4 | M.デム | チャンピG1 |
170219 | フェブラG1 | ベストウォーリア | 牡7 | 戸崎圭太 | 根岸SG3(2着) |
170219 | フェブラG1 | カフジテイク | 牡5 | 津村明秀 | 根岸SG3(1着) |
160221 | フェブラG1 | モーニン | 牡4 | M.デム | 根岸SG3(1着) |
160221 | フェブラG1 | ノンコノユメ | 牡4 | ルメール | チャンピG1 |
160221 | フェブラG1 | アスカノロマン | 牡5 | 太宰啓介 | 東海SG2 |
データ通りにいけば!
今回の1&2着馬、テイエムサウスダンかヘリオスのうち、少なくとも1頭は、フェブラリーSで3着以内に入るということになる!
あくまでもデータはデータだが
あくまでも過去のデータは過去のデータ。
とはいえ、たかが2年や3年のデータではない。
ましてや、戦歴から「1400M向き」と思われる上位2頭だが、今回のレースを見ても、スピード一辺倒ではなく、しっかり溜めてから脚を使えていた。
マイルまでなら対応できる可能性も十分にある。
だから、実際に【フェブラリーS】でテイエムやヘリオスを重視するかどうかは別にして、頭に入れておいて損はないデータだとは思う。
迷った時の参考材料にしてほしい。
最後に気になった1頭
では、最後に上位2頭以外から気になった1頭をチョイス
6着タイムフライヤー
結果は勝ち馬から0.6秒差の6着。だが、実は敗因がハッキリしている。
レース後のデムーロ騎手のコメントをご紹介したい。
まさにその通りだと思う。
スムーズなら3着争いくらいまではあったかもしれない。
実は今回のレースにおける好調教馬の1頭(ヘリオスと共に有料会員様に公開)したように仕上がりが良かったこともあるが、それにしても、バランスを取り直した後の伸び脚は鋭く、重賞でバリバリやっていた一昨年あたりを思い起こさせた。
7歳ながら、極端な力の衰えは意識しなくて良さそう。
さすがにG1での好走のイメージまではないが、2年前に勝っている【エルムS】あたりでは再びチャンスはあるかも?年齢の分、未来の主役とはしないが、もう少し追いかけてみたい。
レースを見逃した方はコチラ
【みんなのKEIBA 次回2月6日(日)午後3時】
「根岸ステークス・GⅢ」は
6番人気の⑪テイエムサウスダンが勝利!フェブラリーS・GⅠの優先出走権を獲得!
1番人気のソリストサンダーは9着
2着は4番人気⑦ヘリオス
3着は2番人気⑧タガノビューティー3連単は3万4910円の払い戻し pic.twitter.com/38X3ww2IIQ
— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) January 30, 2022
【根岸ステークス 2021】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 テイエムサウスダン(岩田康誠騎手)
「昨年から調教に参加しています。一戦一戦、力をつけているところですが、このメンバーを相手にどこからでも行ける調教が出来ました。この馬のパワフルな走りを見せられたと思います。1600mでの敗因は分かっているので、その距離が長くないことを証明したいです」
(飯田雄三調教師)
「砂を被ってもムキにならなかった前走の経験が役立ちました。直線でジョッキーが外を狙っていたので、手応えがあるのだと思いました。使うごとに強くなっています。この後は厩舎で調整して、フェブラリーステークスへ向かう予定です」
2着 ヘリオス(武豊騎手)
「ハナに行く気はなくて、丁度いい所で運べました。手応えも良かったですし、最後も止まっていないので、惜しかったですね」
3着 タガノビューティー(津村明秀騎手)
「チャンスをもらっていただけに残念でした。終いの3ハロンに脚を使う競馬を考えていました。動き出しの反応が抜群で、やれるかと思いましたが、残り100mで脚が上がってしまいました。上位の馬は強かったですが、この馬の切れ味も良かったです」
4着 ジャスティン(坂井瑠星騎手)
「近走に比べて今日は良い状態でした。スムーズに運べればやれるというところを見せられたと思います」
5着 オメガレインボー(横山和生騎手)
「前走、短いところを使って、ブリンカーの効果もあったのでしょうか、返し馬から良い感じでした。昨年勝った時のイメージで、狭い所から集中力を維持させるような形で運びました。うまくいきましたし、内容的には良かったと思うのですが...」
6着 タイムフライヤー(M.デムーロ騎手)
「スタートが遅く、後ろから行きました。直線で外から他馬に来られてバランスを崩してしまい、改めてバランスをとるのに時間がかかりました。最後に脚を使っているだけにもったいなかったです」
9着 ソリストサンダー(戸崎圭太騎手)
「勝った馬の後ろで競馬が出来ました。道中リズム良く行けて、感じも良かったです。勝負所から勝ち馬についていけず、原因がはっきりしません。久々の1400mに戸惑ったのかもしれません」
10着 エアアルマス(C.ルメール騎手)
「勝った馬の隣で丁度いい所にいましたが、ずっとワンペースでした」
(via ラジオNIKKEI )
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