こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】NHKマイルカップ 2020 における勝負の明暗
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 1600m 18頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 11 | ラウダシオン | 牡3 | 57 | M.デム | 1.32.5 | 02-02 | 34.4 | 9 | 29.6 | 494 | 0 | (栗)斉藤崇史 | |
2 | 2 | 3 | レシステンシア | 牝3 | 55 | ルメール | 1.32.7 | 1 1/2 | 01-01 | 34.7 | 1 | 3.0 | 476 | -6 | (栗)松下武士 |
3 | 3 | 6 | ギルデッドミラー | 牝3 | 55 | 福永祐一 | 1.32.8 | 3/4 | 06-05 | 34.2 | 6 | 19.0 | 468 | 0 | (栗)松永幹夫 |
4 | 1 | 2 | タイセイビジョン | 牡3 | 57 | 石橋脩 | 1.32.8 | ハナ | 03-03 | 34.5 | 2 | 4.9 | 468 | -6 | *(栗)西村真幸 |
5 | 7 | 14 | ルフトシュトローム | 牡3 | 57 | レーン | 1.33.0 | 1 1/4 | 15-14 | 34.0 | 4 | 5.9 | 482 | 0 | (美)堀宣行 |
6 | 3 | 5 | シャインガーネット | 牝3 | 55 | 田辺裕信 | 1.33.1 | 頭 | 08-05 | 34.5 | 7 | 20.6 | 464 | +4 | (美)栗田徹 |
7 | 8 | 18 | ウイングレイテスト | 牡3 | 57 | 横山武史 | 1.33.1 | ハナ | 18-18 | 33.7 | 8 | 27.0 | 486 | -4 | (美)青木孝文 |
8 | 5 | 9 | ラインベック | 牡3 | 57 | 武士沢友 | 1.33.1 | ハナ | 08-05 | 34.6 | 11 | 54.0 | 468 | -8 | (栗)友道康夫 |
9 | 6 | 12 | ボンオムトゥック | 牝3 | 55 | 田中勝春 | 1.33.4 | 1 3/4 | 06-05 | 34.9 | 12 | 63.9 | 450 | 0 | (栗)高橋亮 |
10 | 7 | 15 | ソウルトレイン | 牡3 | 57 | 藤井勘一 | 1.33.5 | 1/2 | 12-14 | 34.5 | 15 | 177.6 | 462 | -2 | *(栗)西村真幸 |
11 | 4 | 7 | メイショウチタン | 牡3 | 57 | 吉田豊 | 1.33.5 | 頭 | 10-10 | 34.7 | 18 | 338.1 | 454 | -2 | (栗)本田優 |
12 | 8 | 16 | ストーンリッジ | 牡3 | 57 | 松田大作 | 1.33.5 | 頭 | 03-03 | 35.2 | 13 | 107.7 | 456 | 0 | (栗)藤原英昭 |
13 | 8 | 17 | サトノインプレッサ | 牡3 | 57 | 武豊 | 1.33.7 | 1 1/4 | 17-14 | 34.7 | 3 | 5.1 | 482 | -6 | (栗)矢作芳人 |
14 | 4 | 8 | サクセッション | 牡3 | 57 | 横山典弘 | 1.33.8 | 1/2 | 10-10 | 35.1 | 5 | 12.0 | 514 | +4 | (美)国枝栄 |
15 | 2 | 4 | プリンスリターン | 牡3 | 57 | 原田和真 | 1.33.9 | 1/2 | 03-05 | 35.4 | 10 | 32.0 | 450 | 0 | (栗)加用正 |
16 | 1 | 1 | シャチ | 牡3 | 57 | 木幡育也 | 1.34.1 | 1 1/4 | 12-13 | 35.2 | 16 | 262.3 | 456 | 0 | (美)小桧山悟 |
17 | 5 | 10 | ハーモニーマゼラン | 牡3 | 57 | 大野拓弥 | 1.34.3 | 1 1/4 | 12-10 | 35.5 | 14 | 130.8 | 510 | -6 | (美)牧光二 |
18 | 7 | 13 | ニシノストーム | 牡3 | 57 | 江田照男 | 1.34.7 | 2 1/2 | 15-17 | 35.4 | 17 | 305.0 | 486 | -6 | (美)杉浦宏昭 |
「今年の3歳馬は一筋縄ではいかない」
これまで何度も、私たちは申し上げてきた。
その象徴とも言えるのが、先月行われた【桜花賞】&【皐月賞】。
「上位人気で堅い」と言われながら、それぞれ3着馬には9番人気&8番人気の伏兵が飛び込んでいる。高配当が出たこともあり、キングスポーツは連勝することができた。
また5月9日(土)に行われた【京都新聞杯】も忘れてはいけない。
大器・アドマイヤビルゴが、単勝1.4倍の圧倒的な評価を裏切り馬券圏外へ沈んでいる。
ちなみに、レース回顧では、アドマイヤの敗因について、キングスポーツなりの考え方を記したので、ぜひチェックしてほしい。
それだけに「4強対決」を言われた今回の【NHKマイル】においても、波乱濃厚だと考えていた。
結果は、案の定といったところだろう。
4強のうち、馬券圏内に飛び込んだのは2着レシステンシアのみ!
優勝したのは9番人気の伏兵・ラウダシオン!
今年の3歳世代を象徴するような結果となった。
キングスポーツ指名の好調教馬が堂々の激走!
9番人気馬の優勝ということで驚かれた競馬ファンの方は多いかもしれない。
だが、キングスポーツのYoutubeチャンネルやコラムをチェックして下さっている方なら「納得の勝利」ではないだろうか。
何と言っても、レース前の段階から
激走必至の好調教馬
としてラウダシオンを断言していたからだ。
実際に、以下のように記していた。該当部分を転載してみよう。
激走必至 ➡ 11番ラウダシオン(デムーロ・斎藤)
1番人気に推された前走【ファルコンステークス】は無念の2着に敗戦。
だが、冷静に振り返りたい。当時の鞍上・武豊騎手が「理想の位置(4番手追走)につけられましたし、良いレースでした」と語るほどのレース運びながら、前にいった馬には厳しいハイペースだった。
それでも大崩れせずに2着に粘り抜いた。内容では、流れに恵まれた勝ち馬と互角以上だったはず。
だが、更に強調したいのは
「そこから、さらに1ランク力を上昇させている」
という点だ。
この中間、負荷のかかる栗東CWで、立て続けに長めから追われた。その効果がハッキリと表れているようで、調教をこなすごとに、グングン動きがよくなってきた。
中でも、1週前追い切りを見る限り「G1でも上位争いが狙えるレベルに到達した」と確信している。4強を崩して上位争いに絡むのは、この馬しかいない!
ということで、ラウダシオン&関係者の皆様、本当におめでとう。
レースをご覧の方ならおわかりの通り、道中での行きっぷり、直線での伸び&渋太さ共に文句なしで、決してハマっての勝利ではない。
能力の高さを見せつけての完勝と言って良いだろう。
この先、世代を超えて、マイル路線の先頭を走っていける1頭ではないか。
それほどの馬だけに「ここが強い」「あそこが強い」などと語る必要性を感じない。
それより、今私たちが改めて思うことは
ということ。
調教の考え方とは?
上でご紹介したラウダシオンについての解説を思い出してほしい。
私たちは、後半部分で、以下のような書き方をしている。
だが、更に強調したいのは
「そこから、さらに1ランク力を上昇させている」
という点だ。
この中間、負荷のかかる栗東CWで、立て続けに長めから追われた。その効果がハッキリと表れているようで、調教をこなすごとに、グングン動きがよくなってきた。
中でも、1週前追い切りを見る限り「G1でも上位争いが狙えるレベルに到達した」と確信している。4強を崩して上位争いに絡むのは、この馬しかいない!
ここで皆様に強調したいのは、私たちは「好調教馬」としてラウダシオンの名前を挙げながら「能力の上昇」を最も強調しているということ。
ここに、キングスポーツが指名する好調教馬が次々と激走する秘密が隠されている。
調教には能力強化がハッキリと表れる
恐らく、競馬ファンの方の多くは
「調教の良い馬=体調や状態の良い馬」
という考え方をするだろう。ひょっとしたら、専門家の中にもそういった方も多いだろうか。
それは決して間違いではないが、厳密には
「調教の良い馬=体調や状態の良い馬&前走時から力を伸ばしている馬」
だと私たちは確信している。
ラウダシオンは、確かに体調も良さそうだったが、前走時からの進化がメンバー中でダントツに見えた。だから迷わず好調教馬に指名、案の定の激走だったのだ。
そういえばあの馬も
この考え方、特に成長途上の3歳馬で大事にしたい部分ではあるが、実は古馬でも通用する。
私たちは1週前の【天皇賞春】でも伏兵スティッフェリオを好調教馬に指名!
2着に激走し、波乱の主役になったことを覚えている方も多いだろう。
能力拮抗の現代競馬だからこそ!
長年、競馬予想の世界に携わってきた私たちがこのところ強く感じているのは
昨今の競馬界は各馬の能力が非常に拮抗している
ということ。
それこそ「史上最強級」とまで言われるアーモンドアイが、仕上げ不十分だったにせよ【有馬記念】で9着に敗れるような世界だ。
(※アーモンドアイは今週ヴィクトリアマイルに出走予定)
つまり、単純な能力比較ばかりをしていたら、なかなか馬券を獲れない。
やはり見るべきは「ここにきていかに力をつけているか」という点だろう。
それが、全て表れるのが調教なのだ。
ぜひ、皆様も調教チェックの訓練を重ねてほしい。必ず馬券的中に繋がるはずだ。
また、私たちキングスポーツは、これからも積極的に好調教馬を指名していくつもりだ。
ちなみに、今週【ヴィクトリアマイル】の好調教馬も、既にYoutubeで公開中!
勝ちたい方は、チェックしてみてほしい。
2着・レシステンシア
十分に実績のある馬だし「今さら未来の主役に指名する馬!?」というご意見もあるかもしれない。
だが、それを承知の上で
想像以上にレベルの高い馬
だと感じたという意味で、記しておきたい。
皆様は、G1の時だけ発表される「調教後馬体重」をご存知だろうか?
実はレシステンシア、その時「500キロ」だった。
だが、レース当日は476キロ。何と輸送だけで24キロも馬体を減らしているのだ。
正直に言って、私の感覚では「これほど馬体を減らして、まともに走れるのか?」
だが、、、終わってみれば2着。本当に素晴らしい。
既に強いが、ラウダシオンと共に、世代を超えたマイル路線の主役になる日は近い!
【NHKマイルカップ 2020】のレース後の関係者のコメント
1着 ラウダシオン(M.デムーロ騎手)
「前回、良い競馬ができていましたし、ある程度同じペースで走る馬なので、スタート良く、いい位置を取りたいと考えていました。今日は一番良いスタートが切れて良いポジションで、手応え抜群でレースができました。直線では差し切れると思いました。風の強い中のレースでしたが馬も強かったと思います。無観客は寂しく、ガッツポーズも出ませんでしたが、嬉しい勝利でした」
(斉藤崇史調教師)
「装鞍所、パドックから落ち着いていて、良い感じだなと思っていました。ジョッキーも先週、今週と追い切りに乗ってこの馬のことを分かってくれていましたし、短い所を使っていたので、スタートを出てくれれば良い位置につけられると思いましたが、その通り楽に良い位置が取れました。直線は良い手応えでしたし、交わしてくれ、という思いと、逆に後ろから何も来ないで、という気持ちで見ていました。ゴールの時には、人気もなかったですし、これだけ走ってくれて本当に偉い馬だなという思いでした。朝日杯ではマイルで結果が出なかったのですが、一戦ごとにたくましくなっていましたし、体重はそれほど変わっていなくても、筋力がついて良い馬になりました。どこかで(大きいところを)と思っていましたが、ここで勝てて良かったです。味方になると本当に頼もしいジョッキーですね。今後については状態を見て決めようと思います。マイルはギリギリかなと思っていたのですが、今日は時計も速かったですし、この勝ち方ならこなせると思います」
2着 レシステンシア(C.ルメール騎手)
「惜しいレースでした。初の東京で左回りのレースに馬が驚いて物見していました。その分リラックスして、良いペースで行けました。ダイワメジャー産駒らしく、直線で加速しているのですが、勝ち馬のトップスピードが上でした。でも男馬相手に良いレースをしています」
3着 ギルデッドミラー(福永祐一騎手)
「狙った感じの競馬はできましたが、ペースが遅かったです。そうした中でも、よく差し込んで来ています。2走前にクリアできたことを覚えていて、ペースが遅い中でも上手く立ち回ってくれています。これからもっと良くなるでしょうから、来年のヴィクトリアマイルが楽しみです」
4着 タイセイビジョン(石橋脩騎手)
「落ち着いていて、馬の雰囲気は良かったです。前が止まらない馬場でしたし、枠も良かったのでポジションを取りに行こうと考えていました。スタートを決めてその通りになったのですが、出負けした馬が突っ込んできて、少しゴチャつきました。それでも我慢してくれて、ペースが緩い中でもしっかりと走れていました。直線では良いところから追い出しましたが、前が止まりませんでした。ゴチャついたり、ペースが遅かったりしましたが、よく頑張っています」
5着 ルフトシュトローム(D.レーン騎手)
「スタートして出負けして後ろからになりました。3コーナーあたりでスローな流れになり、ポジションが後ろになってしまったことが、マイナスとなりました」
7着 ウイングレイテスト(横山武史騎手)
「終いは必ず脚を使ってくれると思っていました。期待に応えて直線でよく差を詰めてくれました。よく頑張って走っています」
(via ラジオNIKKEI )
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