こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】新潟記念 2021 における勝負の明暗
【11R】 第57回農林水産省賞典新潟記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝・外 2000m 17頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 16 | マイネルファンロン | 牡6 | 55 | M.デム | 1.58.4 | 15-15 | 33.4 | 12 | 42.8 | 478 | -4 | (美)手塚貴久 | |
2 | 8 | 17 | トーセンスーリヤ | 牡6 | 57.5 | 横山和生 | 1.58.5 | 1/2 | 10-10 | 33.9 | 3 | 6.0 | 488 | +6 | (美)小野次郎 |
3 | 7 | 13 | クラヴェル | 牝4 | 52 | 横山典弘 | 1.58.5 | ハナ | 13-13 | 33.7 | 2 | 5.5 | 460 | +8 | (栗)安田翔伍 |
4 | 6 | 12 | ヤシャマル | 牡4 | 54 | 菅原明良 | 1.58.5 | 1/2 | 10-10 | 33.9 | 8 | 14.4 | 506 | -2 | (美)尾形和幸 |
5 | 6 | 11 | ラインベック | 牡4 | 54 | 津村明秀 | 1.58.7 | 1 1/4 | 02-02 | 34.6 | 5 | 9.5 | 512 | +6 | *(栗)友道康夫 |
6 | 8 | 15 | プレシャスブルー | 牡7 | 54 | 柴田善臣 | 1.58.8 | クビ | 16-16 | 33.6 | 14 | 55.9 | 434 | -8 | (美)相沢郁 |
7 | 1 | 1 | サトノアーサー | 牡7 | 57 | 石川裕紀 | 1.58.9 | 1/2 | 10-10 | 34.3 | 13 | 48.2 | 490 | -2 | (栗)池江泰寿 |
8 | 7 | 14 | エフェクトオン | 牡5 | 53 | 木幡巧也 | 1.58.9 | クビ | 14-13 | 34.0 | 11 | 41.0 | 450 | 0 | (美)久保田貴 |
9 | 3 | 5 | リアアメリア | 牝4 | 55 | 川田将雅 | 1.59.0 | 1 | 03-03 | 34.8 | 6 | 11.3 | 496 | +10 | (栗)中内田充 |
10 | B2 | 4 | レッドサイオン | セ5 | 53 | 杉原誠人 | 1.59.0 | ハナ | 06-09 | 34.5 | 17 | 216.8 | 440 | 0 | (美)藤沢和雄 |
11 | 3 | 6 | パルティアーモ | 牝5 | 52 | 横山武史 | 1.59.2 | 1 | 06-05 | 34.7 | 4 | 7.9 | 504 | 0 | (美)池上昌和 |
12 | 5 | 10 | ラーゴム | 牡3 | 53 | 池添謙一 | 1.59.3 | 3/4 | 16-17 | 33.9 | 7 | 11.4 | 520 | +14 | (栗)斉藤崇史 |
13 | 1 | 2 | ザダル | 牡5 | 57.5 | 石橋脩 | 1.59.4 | クビ | 06-05 | 35.1 | 1 | 4.1 | 504 | 0 | (美)大竹正博 |
14 | 2 | 3 | ショウナンバルディ | 牡5 | 55 | 戸崎圭太 | 1.59.4 | クビ | 01-01 | 35.4 | 9 | 21.2 | 446 | -2 | (栗)松下武士 |
15 | 5 | 9 | アドマイヤポラリス | 牡5 | 55 | 三浦皇成 | 1.59.4 | クビ | 06-05 | 35.0 | 15 | 58.7 | 480 | -6 | *(栗)友道康夫 |
16 | B4 | 7 | マイネルサーパス | 牡5 | 56 | 柴田大知 | 2.00.0 | 3 1/2 | 03-03 | 35.8 | 16 | 185.5 | 486 | +2 | (美)高木登 |
17 | 4 | 8 | ギベオン | 牡6 | 57.5 | 岩田望来 | 2.01.2 | 7 | 03-05 | 36.9 | 10 | 33.8 | 512 | 0 | (栗)藤原英昭 |
やはり簡単にはいかなかった
「荒れる夏競馬」のフィナーレを飾る重賞【新潟記念】
ハンデ戦ということもあり、一筋縄ではいかないだろうと思われたが、、、案の定。
優勝したのは12番人気の伏兵・マイネルファンロンだった。
2走前の【巴賞】では2着に好走していたとはいえ、重賞では約2年も掲示板に絡めていなかった。
そういった馬が堂々の優勝!
しかも、上がり3ハロン最速となる33秒4の脚を繰り出しているのだ!
改めて、競馬は何が起こるかわからないのだと感じる。
そして、それこそが競馬の楽しさなのかもしれない。
おめでとう!マイネルファンロン
では、そのマイネルファンロンについてチェックしてみよう。
まずは6歳にしての重賞初制覇、おめでとう!
3歳春の段階で重賞【スプリングS】で3着に好走した。
どちらかといえば早咲きの馬だが、そんな馬が6歳まで現役を続け、尚且つ重賞初制覇。
陣営・関係者の努力、そして調教技術の高さを感じずにはいられない。
レース後、鞍上のルメール騎手は次のように語っている。
改めて申し上げるまでもないかもしれないが、このコンビで制した【オークス】のユーバーレーベンは、マイネルファンロンの妹にあたる。
つい、見ている側は「妹の勢いが背中を押した」などというドラマを求めてしまう。
しかし、妹うんぬんを持ち出すのが失礼だと感じるほど、ラストの伸び脚は強烈だった。
マイネルファンロンは本物か?
改めて、素晴らしい勝利だったと思う。
それでも、大事になってくるのはこれから。重賞を勝った以上、当然、この先も注目を集めることになるからだ。
ということで「マイネルファンロンのこの先はどうか?」という点について。
見方、考え方は十人十色だとは思うが、私個人の感覚としては
ということになる。
そう考える理由は、極めて単純で
これまでの敗戦も、実は理由がハッキリとしていたから
スローの流れは厳しいと思われたが
ここで、レース後の手塚調教師のコメントをご紹介したい。
実はこのコメントがすべてなのだ。
私たちも以前から
素晴らしい脚の持ち主だが、折り合えないから力を発揮できないケースが多い馬
だという見方をしていた。
そして、今回のレースの場合も、メンバーを見る限り流れが速くなることは考えにくかった。
「ゆったりとした流れでは折り合いが難しい。厳しいだろう」
だが、いざレースが始まってみると、見事に折り合った!
折り合えれば脚は使える
そして、調教師はジョッキーを褒め称えていたが、レースを見る限り、ジョッキーだけが折り合えた要因だとも思えない。
結果論にはなるが、今振り返ってみれば、調教でもこれまでにない落ち着きを見せていた。
6歳にして、完璧に穏やかになるケースは考えにくいが、それでもこの馬なりに、大きく成長を遂げたと言えるのではないだろうか。
だからこそ、この先のG2、G3でも馬券に絡む可能性があると考えたいのだ。
今回見せた上がり最速の33秒4の末脚は、間違いなく超一級品!
この脚を使えれば、G1以外なら必ず勝負になる!
問題はその脚をいつ使えるかだが、、、この馬の精神状態を確認するためにも、調教はこれまで以上に大事にチェックしたい。
もし、私達が指名している時は「落ち着いているんだな」と思っていただいてOKだ!
2着トーセンスーリヤ⇒やはりここでは別格!
マイネルファンロンの話が長くなりすぎたので、ここからはコンパクトに。
勝ち馬以外に気になる2頭ということで、まずはトーセンスーリヤから。
トップハンデの57.5キロを背負いながら、勝ち馬から半馬身差の2着は立派!
他のトップハンデ2頭(ザダル&ギベオン)が二桁着順に沈んでいるだけに、余計にその価値が際立つ。
それも、鞍上の横山和生騎手が
と語っている通り、不慣れな展開でもあった。それを乗り越えたのだ。
自らが得意な形で力を発揮するのは当たり前。そうでない時に力を出せるのが「本物」だ。
その点、トーセンスーリヤは紛れもなく本物。
前走【函館記念】の完勝ぶりからも「G3でも別格」と考えていたが、その思いはもう揺るがない。
タフさもあるし、勝ち負けになるかは別にして、タイプ的には【有馬記念】に合いそうな気がするのだが、、、
もしも出走することがあれば、警戒したい!
未来の主役はこの馬しかいない!
4着ヤシャマル⇒もっと良くなる!
最後に、今回のレースにおけるキングスポーツの予告の穴馬だったヤシャマル。
馬券には絡めなかったが、8番人気の4着だから、よく頑張ってくれたと思う。心から感謝。
鞍上の菅原騎手もよく乗ってくれた。レース後の
というコメントも、まさにその通りではないだろうか。
ただ、それでも「まだ良くなる余地はありそう」だという気もする。
個人的には、鞍上の追われてからの反応の速さが、重賞で4着に好走できるレベルの馬としては、少々物足りない感じもある。
コンマ1秒を争う競馬の世界では、わずかな反応の差が、勝負の明暗を大きく分けることがある。
それだけに、この点が改善されたら、一気に羽ばたく可能性もあるぞ!
今後についてだが、スタミナもあるし、恐らく2000M~2500Mが合うと思う。
できれば【アルゼンチン共和国杯】あたりで見たいが、、、この先が楽しみだ!
レースを見逃した方はコチラ
【みんなのKEIBA 次回9月12日(日)午後3時】
「新潟記念・GⅢ」は
伏兵12番人気の⑯マイネルファンロンが
直線大外から伸び差し切り勝利!
11度目の挑戦でJRA重賞初制覇となりました2着は3番人気⑰トーセンスーリヤ
3着は2番人気⑬クラヴェル
3連単は26万4560円の払い戻し pic.twitter.com/6jGS03rhL3— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) September 5, 2021
【新潟記念 2021】のレース後の関係者のコメント
1着 マイネルファンロン(M.デムーロ騎手)
「とっても気持ちいいです。嬉しいですね。先生からは気持ちに難しいところがあって引っ掛かるところがある馬だけど良い状態と聞いていましたし、信じていました。スタートは出負けして後ろからになりましたが、離れた後ろでもリズムはとても良かったです。道中で池添騎手と当たって馬に気が入ったのですが、クラヴェルの後ろに入れられたのですごく良かったです。直線も最後まで頑張ってくれました。またこの勝負服で勝てて、先生も同じですから嬉しいです」
(手塚貴久調教師)
「勝因はジョッキーがうまく乗ってくれたことです。難しい馬なのですが、ジョッキーが抑えてくれて上手く脚が溜まりました。向正面での折り合いが全てですね。直線まで我慢できたので脚を使うことができました。本当にうまく乗ってくれました」
2着 トーセンスーリヤ(横山和生騎手)
「いつもとは違う形の競馬になりましたがリズム良く走れました。勝ち馬には斤量差もありましたし、よく頑張って走っています」
4着 ヤシャマル(菅原明良騎手)
「リズム良く大切に行こうと思っていました。よく折り合って走ってくれました。リズム良く行けば長く脚を使ってくれますし、今日もじわじわと伸びてくれました。これからさらに力をつけて頑張って欲しいです」
5着 ラインベック(津村明秀騎手)
「この馬の競馬は出来たと思います。直線半ばまで手応えに余裕がありました。休み明けでしたしこれでまた良くなってくれればと思います」
7着 サトノアーサー(石川裕紀人騎手)
「スムーズな競馬が出来てイメージ通り運べました。ただ最近は1600mを使っていたからかラスト200mぐらいで止まってしまいました。良い馬なのでどこかでやれると思います」
9着 リアアメリア(川田将雅騎手)
「前半は良い内容でしたし、最後も頑張って走ろうとしていました。今できる事を精一杯出せていたと思います」
(via ラジオNIKKEI )
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