こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】スプリンターズステークス 2018 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 8 | ファインニードル | 牡5 | 57 | 川田将雅 | 1.08.3 | 06-08 | 34.5 | 1 | |
2 | 5 | 9 | ラブカンプー | 牝3 | 53 | 和田竜二 | 1.08.3 | クビ | 02-02 | 35.1 | 11 |
3 | 1 | 1 | ラインスピリット | 牡7 | 57 | 武豊 | 1.08.4 | 1/2 | 03-04 | 35.0 | 13 |
4 | 3 | 6 | ダイメイプリンセス | 牝5 | 55 | 秋山真一 | 1.08.5 | クビ | 12-09 | 34.4 | 10 |
5 | 5 | 10 | レッツゴードンキ | 牝6 | 55 | 岩田康誠 | 1.08.6 | 3/4 | 13-11 | 34.3 | 4 |
6 | 2 | 3 | ワンスインナムーン | 牝5 | 55 | 石橋脩 | 1.08.7 | クビ | 01-01 | 35.7 | 3 |
7 | 6 | 12 | ナックビーナス | 牝5 | 55 | モレイラ | 1.08.7 | 頭 | 03-02 | 35.3 | 2 |
8 | B4 | 7 | キャンベルジュニア | 牡6 | 57 | 田辺裕信 | 1.08.9 | 1 1/4 | 09-11 | 34.9 | 12 |
9 | 1 | 2 | ヒルノデイバロー | 牡7 | 57 | 四位洋文 | 1.08.9 | ハナ | 06-06 | 35.1 | 15 |
10 | 8 | 16 | レッドファルクス | 牡7 | 57 | 戸崎圭太 | 1.09.0 | 1/2 | 13-14 | 34.7 | 5 |
11 | 7 | 13 | ティーハーフ | 牡8 | 57 | 国分優作 | 1.09.0 | クビ | 15-11 | 34.6 | 16 |
12 | 6 | 11 | セイウンコウセイ | 牡5 | 57 | 池添謙一 | 1.09.2 | 1 | 03-04 | 35.7 | 8 |
13 | 8 | 15 | ムーンクエイク | セ5 | 57 | ルメール | 1.09.2 | クビ | 15-16 | 34.7 | 7 |
14 | 3 | 5 | アレスバローズ | 牡6 | 57 | 藤岡佑介 | 1.09.5 | 1 3/4 | 06-06 | 35.8 | 6 |
15 | 2 | 4 | スノードラゴン | 牡10 | 57 | 大野拓弥 | 1.10.3 | 5 | 09-09 | 36.4 | 14 |
止 | B7 | 14 | ラッキーバブルズ | セ7 | 57 | プレブル | 09-14 | 9 |
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まずは、優勝したファインニードル、並びに関係者の方々に対して、心からのおめでとうを申し上げたい。
僅かなミスが致命傷になるスプリント路線において、春秋G1の完全制覇は、心技体の全てにおいて、よほど抜けていなければ不可能だろう。文句なしの現役最強だ!
それどころか、タイキシャトルやロードカナロアなど、歴代の名スプリンターと比較しても、それほど差のないところまできているのではないだろうか。
この先のローテーションがどうなるかはまだわからないが、例え海外挑戦となっても、日本のレースに相応しい走りをしてくれるだろう。楽しみだ。
ここからは具体的な回顧に入ろう。【スプリンターズS】に限った話ではないが、私たちはG1を予想する際には、常にこういった考えを持つようにしている。
G1だからこそシンプルに!
実際に、会員様には以下のような解説文をご紹介していた。
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■キーワードは
「GⅠだからこそ」
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今、多くの競馬ファンの不安に思う点は「台風の影響で(日)中山の馬場はどうなるのだろう??」ということではないだろうか。確かに馬場状態は予想の礎になる部分でもあり、そのように思う気持ちを否定するつもりはない。
しかし、私たちキングスポーツは、今回の悪天候によって指定する穴予想が天と地ほど違うというイメージには決してならない。
なぜならGⅠ競走というレースは言わば「最強を決める一戦」だけに、多少の条件悪化を言い訳にするような馬が、勝てるとは思っていないからだ。何より「走る条件は皆、同じ」という概念が根底にある。
つまり、「G1」という大レースだからこそ、シンプルに「今強く、速く、そして絶頂期にある馬」を指名すれば良いというのが私たちの結論なのだ。
ということで、「道悪」「先行有利の馬場」などの目先の条件に翻弄されることなく、実直に勝負した。もちろん、ファインニードルは3連単フォーメーション1着軸の1頭だった。予想通りの強さを示してくれた。
同時に「断言!あの人気2頭は相手まで!」で記したよう、人気のレッツゴードンキやレッドファルクスの評価を下げたところまでのプランは間違いではなかった。
だが、ラブカンプーの評価を上げきれなかった。その理由について、今後へ向けての自らの糧とするためにも、振り返っておきたい。
勝負の明暗はダイメイプリンセスとラブカンプーの取捨だった
予告の穴馬でラブカンプーと同厩の☆ダイメイプリンセスも4着に頑張ってくれた。ダイメイプリンセス&ファインニードルの馬連も指定していたが、惜しくも馬券にはならず。
結果論にはなるが、そのダイメイプリンセスと、同じ森田厩舎のラブカンプーの取捨が勝負を分けた。ここがキングスポーツにとっての「勝負の明暗」だった。
というのも「北九州記念 2018【回顧】2度のまぐれはない!上位3頭の力は本物!」でも記したように、今年のスプリンターズSで穴を開けるのは【北九州記念】組と踏んでいたから。
当然ラブカンプーも☆穴馬候補の一頭だと考えていたが・・・
明らかに疲れが残りそうな激走の反動&経験の浅い3歳馬にはハードなローテーション、更に前走からの1キロ増などから、評価を下げざるを得なかった。
ましてや、同厩のダイメイプリンセスが【セントウルステークス】をスキップするという理想的なローテーションで本番を迎えていただけに、ダイメイを穴馬に指名する決断を下したのだ。
そういった悪条件を乗り越えて2着に激走したのだから、ラブカンプーの強さには唸らずにいられない。牝馬は「一気に強くなって、一気に力を落とす」というケースが多々あるだけに、難しい部分もあるが、順調なら次代の日本短距離エースの最右翼だろう。
更に、猛暑の激戦を戦い抜き、秋G1で2着、4着の森田厩舎の手腕は感嘆に値する。しかも今回が厩舎にとって初G1挑戦だと言うのだから物凄い
ちなみに、モットーは「うちは良血の高馬なんていない。上位厩舎と同じようにやっていてはダメ」とのこと。確かに、ダイメイプリンセスは初勝利を挙げるまでの7戦を擁しているし、ラブカンプーも新馬戦の時は5番人気に留まっている。良馬ともに、エリートではない。そんな馬達が、G1で上位争いをするまでになるのだ!
やり方ひとつで道は開ける。
競馬の世界に限らず、森田厩舎のスタイルは参考になることが多いかもしれない。
ちなみに、今回の2頭以外にも、同じ1200M~1400M路線のダイメイフジなど、力のある馬が複数いるだけに、これからも追いかけていくべき厩舎だ!
次走こそ狙え!この馬が未来の主役だ!
今回の「未来の主役」としてご紹介するのは
14着のアレスバローズ
実は今回のレースにおけるキングスポーツの☆穴馬の一頭だった。
道悪が良いとは言えない馬であることはわかっていた。
それでも、冒頭でも記した通りG1だからこそ「今強く、速く、そして絶頂期にある馬」を指名すべきと考え、アレスバローズはそれに相応しい馬だと判断した。
結果的に惨敗しているのだから、理由はどうであろうと、現時点ではG1を勝てる馬ではなかったと言わざるを得ない。私たちも反省している。
その点を認めた上で、やはり道悪が合っていなかったことも事実。夏の重賞2連勝の内容からもポテンシャルは超一級品だし、次走以降、良馬場でのG2、G3に出走なら巻き返し確実!更に、もう少し実戦経験を積んでいけば、例え道悪でも大きいところを勝てる馬になれるのではないか?それくらい期待をしている。今回の借りを未来のどこかで返してもらえると信じている。
【スプリンターズステークス 2018】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【みんなのKEIBA 10月7日(日) 午後3時】
秋のGⅠ開幕戦「スプリンターズS」を制したのは、
1番人気⑧ファインニードル!
高松宮記念に続いて同レースを制し、13年のロードカナロア以来、
史上5頭目となる同一年のスプリントGⅠ春秋制覇の偉業を成し遂げました。 pic.twitter.com/3nXih3YXYg— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) September 30, 2018
【スプリンターズステークス 2018】のレース後の関係者のコメント
1着 ファインニードル(川田将雅騎手)
「思いのほか良い流れにならなかったのですが、この馬の力でよくつかまえてくれました。この馬より外に行く馬が多くいたので、どうなるかなと思いましたが、スムーズにやり過ごすことができました。ただ、アレスバローズに取りたい位置を取られてしまい、少し苦しい競馬になりました。4コーナーではあまり良い雰囲気ではありませんでしたが、直線に入ると自分の脚を使い出して、『何とか届いてくれ』と願いながら一緒に頑張って追いました。春に続いて着差は僅かでしたが、GIを勝ち切ってくれたのがこの馬の素晴らしさでしょう。これで春秋のスプリントGIを連覇して、国内のスプリント界で一番強い馬と言えると思います。(夏にイギリスで騎乗して)またゴドルフィンの勝負服で勝つことができて、とても光栄です」
2着 ラブカンプー(和田竜二騎手)
「行ければハナに行くことも考えていましたが、うまく流れに乗って、道中息も入りましたし、この流れでよく頑張りました。馬の状態が良く、勝負に行ったのですが、最後は負けの形になりました」
3着 ラインスピリット(武豊騎手)
「直線で前の2頭の間が開きそうで開かず、追い出しを待たされてしまいました。開いていればもっと際どかったと思います。レースとしてはある程度思い通りのレースができました」
4着 ダイメイプリンセス(秋山真一郎騎手)
「夏にレースを使い詰めて走ってきて、良い状態を何とかキープして臨んだレースでしたが、GIでよく頑張りました。来年は絶好調でGIに挑戦させたい馬です」
6着 ワンスインナムーン(石橋脩騎手)
「調教の感じが良かったですし、馬場を味方に楽に先頭に立ってレースができました。3コーナーで少し速くなりましたが、スピードを生かしたレースに徹しました。差は少しですし、よくやったと思います」
7着 ナックビーナス(J.モレイラ騎手)
「馬場のせいなのか、今日はバランスが良くありませんでした。前回のレースの力を出すことができませんでした」
10着 レッドファルクス(戸崎圭太騎手)
「今日は外枠でしたし、勝負どころでラッキーバブルズの故障があり、外を回る不利もありました。いろいろ噛み合いませんでした」
14着 アレスバローズ(藤岡佑介騎手)
「4コーナーで馬場の悪い所に脚をとられてしまいました。もう少し良い馬場なら結果は違ったと思います」
競走中止 ラッキーバブルズ(B.プレブル騎手)
「スタートも良く、ファインニードルを見ながらレースを進めました。手応えも良く、いざ仕掛けようと思ったのですが…」
(via ラジオNIKKEI )
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