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ホーム勝負の明暗安田記念 2020【回顧】アーモンドアイの敗因をどう考えるべきか?

安田記念 2020【回顧】アーモンドアイの敗因をどう考えるべきか?

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】安田記念 2020 における勝負の明暗

2020年 6月 7日(日) 3回東京2日 天候 : 晴  馬場状態 : 稍重
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 1600m 14頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
7 11 グランアレグリア 牝4 56 池添謙一 1.31.6      08-07 33.7 3 12.0 492 +6 (美)藤沢和雄
4 5 アーモンドアイ 牝5 56 ルメール 1.32.0 2 1/2    11-11 33.9 1 1.3 488 +2 (美)国枝栄
4 6 インディチャンプ 牡5 58 福永祐一 1.32.1  1/2    09-07 34.1 2 7.0 480 +4 (栗)音無秀孝
3 3 ノームコア 牝5 56 横山典弘 1.32.1 クビ    12-13 33.8 7 49.9 466 0 *(美)萩原清
5 8 ケイアイノーテック 牡5 58 津村明秀 1.32.3 1 1/4    12-07 34.3 11 177.6 464 -4 (栗)平田修
6 9 アドマイヤマーズ 牡4 58 川田将雅 1.32.3 クビ    03-03 34.7 6 20.2 476 +6 (栗)友道康夫
2 2 ダノンキングリー 牡4 58 戸崎圭太 1.32.4  3/4    06-05 34.6 5 12.9 456 0 *(美)萩原清
8 14 ダノンスマッシュ 牡5 58 三浦皇成 1.32.4 ハナ    01-01 35.1 8 73.6 476 +4 (栗)安田隆行
5 7 ペルシアンナイト 牡6 58 田辺裕信 1.32.7 1 3/4    09-11 34.6 10 142.4 502 0 (栗)池江泰寿
10 8 13 ヴァンドギャルド 牡4 58 岩田望来 1.32.7 クビ    06-07 34.8 9 110.0 474 0 *(栗)藤原英昭
11 6 10 ミスターメロディ 牡5 58 北村友一 1.33.2 3    02-02 35.7 12 181.9 504 +5 *(栗)藤原英昭
12 7 12 セイウンコウセイ 牡7 58 内田博幸 1.33.4 1    03-05 35.6 14 343.3 506 -8 (美)上原博之
13 1 1 ダノンプレミアム 牡5 58 レーン 1.33.6 1 1/4    03-03 36.0 4 12.7 506   (栗)中内田充
14 3 4 クルーガー 牡8 58 石橋脩 1.33.8 1 1/4    14-13 35.4 13 209.3 532 +2 (栗)高野友和

 

私たちは、レース前の段階で公開したコラムやYoutubeチャンネルにて、次のような話をした。

仮に大きな不利などがあっても、連までは固いと断言する

 

結果はその通り。

スタートでの出遅れだから、厳密にいえば不利とは言わないかもしれないが、ロスがあったものの2着でゴールした。

だが!それでも「内容」は私たちの想像を超えていた。

まさか勝ち馬に2馬身半もの差をつけられるとは、、、

 

大きな差がつきにくい短い距離のレースにおける2馬身半差は「決定的」と言ってよいだろう。

2走前の【有馬記念】は惨敗したとはいえ、海外遠征の熱発回避があったように仕上げが完全ではなかった。

 

一方、今回に関しては全く問題なし。

力を出せる状態で出走し(出遅れがあったとはいえ)2馬身半差。

競馬は何が起こるかわからない

と改めて感じたし、それと同時に

まともにぶつかっての完敗をどのようにとらえれば良いのか?

という点についても考えていかねばならないだろう。

 

アーモンドアイの敗因をどうみる?

もしも敗因を考えるとしたら?

候補は複数あると思う。主なところを私なりにピックアップしてみよう。

【力はあるが条件が合わなかった派】
・出遅れに加えて、緩い馬場がこの馬向きではなく力を出しきれなかった

・去年も安田記念では負けているように、そもそもマイルは短すぎる

【力が衰えた派】
・前走は強かったが牝馬限定戦だった。今回は勝ち馬を別にしても、その他の馬にも大きな差をつけた訳ではない。
強いことは強いが、昨年秋以前ほどではなくなった

【勝ち馬が強すぎ】
・グランアレグリアがとにかく強かった。仮にアーモンドアイがまともに走っていたとしてもグランアレグリアが勝っていた

皆様ならどのように考えるだろう?

受け止め方は十人十色だと思うが、私だったら「2&4」だろうか。

 

道悪は決定的なマイナスとは思えない

恐らく

「緩い稍重の馬場が合わなかったのでは?」

と考える方は非常に多いだろう。

この点について、個人的には「道悪がプラスだとは言わないが、決定的なマイナスだったとは思えない」と考えている。

道中を振り返ってみても、明らかにフットワークが小さくなっていたようなこともなさそうだ。

 

ちなみに、これはあくまでも参考に過ぎないが、アーモンドアイの父ロードカナロアは

芝の道悪を得意とする産駒を数多く輩出している

事実がある。頭に入れておくと役立つことがあるかもしれない。

道悪(稍重・重・不良)の種牡馬勝率ランク(2016年以降)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率
ロードカナロア 68- 51- 32- 321/ 472 14.4% 25.2% 32.0%
Frankel 8- 7- 5- 40/ 60 13.3% 25.0% 33.3%
ディープインパクト 189- 170- 162-1050/1571 12.0% 22.9% 33.2%
リアルインパクト 7- 4- 5- 43/ 59 11.9% 18.6% 27.1%
ジョーカプチーノ 6- 4- 3- 39/ 52 11.5% 19.2% 25.0%
ディープスカイ 7- 4- 2- 48/ 61 11.5% 18.0% 21.3%
フレンチデピュティ 6- 1- 3- 44/ 54 11.1% 13.0% 18.5%
ハーツクライ 103- 77- 89- 664/ 933 11.0% 19.3% 28.8%
ワールドエース 6- 3- 6- 41/ 56 10.7% 16.1% 26.8%
エピファネイア 13- 20- 14- 76/ 123 10.6% 26.8% 38.2%
ダイワメジャー 78- 67- 76- 552/ 773 10.1% 18.8% 28.6%
オルフェーヴル 37- 40- 25- 279/ 381 9.7% 20.2% 26.8%
ルーラーシップ 50- 49- 39- 380/ 518 9.7% 19.1% 26.6%
ハービンジャー 78- 67- 79- 607/ 831 9.4% 17.4% 27.0%
ヨハネスブルグ 14- 2- 8- 129/ 153 9.2% 10.5% 15.7%
コンデュイット 11- 5- 8- 97/ 121 9.1% 13.2% 19.8%
キズナ 13- 12- 9- 110/ 144 9.0% 17.4% 23.6%
ショウナンカンプ 10- 5- 6- 90/ 111 9.0% 13.5% 18.9%
タートルボウル 11- 4- 10- 98/ 123 8.9% 12.2% 20.3%
スクリーンヒーロー 23- 28- 18- 192/ 261 8.8% 19.5% 26.4%
ヴィクトワールピサ 36- 25- 30- 333/ 424 8.5% 14.4% 21.5%
エイシンフラッシュ 25- 17- 22- 232/ 296 8.4% 14.2% 21.6%
マンハッタンカフェ 37- 28- 33- 353/ 451 8.2% 14.4% 21.7%
ケイムホーム 5- 3- 2- 51/ 61 8.2% 13.1% 16.4%
サクラバクシンオー 5- 4- 4- 49/ 62 8.1% 14.5% 21.0%
ゴールドシップ 5- 6- 10- 42/ 63 7.9% 17.5% 33.3%
アドマイヤムーン 28- 25- 21- 279/ 353 7.9% 15.0% 21.0%
バゴ 9- 9- 7- 90/ 115 7.8% 15.7% 21.7%
ジャスタウェイ 15- 14- 19- 145/ 193 7.8% 15.0% 24.9%
キングカメハメハ 52- 69- 67- 483/ 671 7.7% 18.0% 28.0%
ステイゴールド 55- 61- 58- 593/ 767 7.2% 15.1% 22.7%

 

ということで、馬場よりも距離かな?というのが率直な印象。

 

アーモンドアイのベストパフォーマンスは?

これまでのアーモンドアイのベストパフォーマンスは?

着差やタイムではなく、最も余裕をもってゴールしたレースはどれだろう?私なりに考えてみた。

牝馬限定だった前走を別にすれば

昨年の【天皇賞秋】ではないか

完全に他馬を子供扱いしていたし、全くスキがなかった。

 

その点から、私は、アーモンドアイのベストは2000Mだと考えている。

底力のある馬だから様々な距離をこなすだろうが、それでもベストから400M短いマイルがプラスとは言えないだろう。

秋にはベストディスタンスで!もう一度、G1・8勝目を目指してほしい。

 

もっとも、距離が合わなくても強い

そう思っていた。

想定外だったのがグランアレグリアの桁違いの走りだ!

 

本当に強すぎた!

常々、レース回顧において申し上げていることだが

「圧倒的な走りをした馬に対して“ここが強い・あそこが素晴らしい”などと語るほど野暮なことはない。そんなことは、見ればわかるのだから」

これが私の考え方。

強い馬の走りは分析するのではなく堪能すればよい

 

今回のグランアレグリアもそうだったと思う。

前半、中盤、直線、どこをとっても完璧!

脚質や距離の守備範囲こそ違えど、父親のディープインパクトのレースを見ているかのようだった。

今日の走りを常にできるなら、恐らくマイル路線なら二度と負けないはず。

 

唯一、ディープ同様、気性面の難しさを指摘されている。

レース後、藤澤師はこんなことを言っていた。

穏やかになっているとはいえ、難しいところもあるので間隔を空けつつ使っていくことになると思います。

心配されるファンの方も多いと思うが、私はその点に関しては心配していない。

その理由は、管理する藤澤調教師の存在にある。

 

研ぎ澄まされた名調教師

今回の【安田記念】勝利により、調教師としての通算勝利数が1461勝!

これは、尾形藤吉元調教師に続く歴代2位という大記録だ。

そんな大調教師も、今年9月で69歳。調教師生活のゴールが見え始めた。

「集大成」ということではないのだろうが、昨今はこれまで以上に!管理馬たちの仕上げが研ぎ澄まされているように見える。

着順の良し悪しにかかわらず、各馬が自分なりの力をキッチリと出し切っている!

このような印象を受けるのだ。

 

こうした時期の藤澤師に出会えたことは、難しい部分のあるグランアレグリアにとっては最大の幸運かもしれない!

研ぎ澄まされた大調教師による「心身両面での渾身の仕上げで」

これからも激走を見せてくれるに違いない。

 

今回こそ敗退するも未来で期待が持てる穴馬は必ず埋もれている!!近い将来に高確率で爆走するだろう穴馬をお知らせしています。

4着・ノームコア

レース後に、鞍上・横山典弘騎手が残した

「まだまだこの先良くなりそうな馬です」

というコメントが印象的。

レース後のコメントを大事にする私たちは、各騎手の特徴を掴んでいるつもりだ。

横山典弘騎手の場合は

良くも悪くもストレートに語ってくれる人

名手の思いを素直に信じたいし、実際に昨今の調教などを見ていると、フットワークの力強さ、馬体の迫力などが進化している印象。

追いかけていこうじゃないか!

 

レースを見逃した方はコチラからどうぞ

 

【安田記念 2020】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 グランアレグリア(池添謙一騎手)
「しっかり、本当に良い状態に仕上げてくれていた事を返し馬で感じました。追い切りは、杉原騎手が乗って、良い状態に仕上げてくれて、まずはそこに感謝しています。道中は折り合いに気を付けて進めていこうと思っていました。良いリズムの中で、あの位置になり、あとはタイミング一つだと思っていました。有力馬が後ろにいると感じていましたが、自信を持って動かして行き、そこからしっかり反応して、直線抜け出してからもしっかり踏ん張ってくれました。必死で追っていましたから、どれくらい差がついているのか分かりませんでしたし、後ろから来るのかヒヤヒヤでしたし、アーモンドアイは来ると思っていましたが、最後までしのいでくれて、グランアレグリアが頑張ってくれました。アーモンドアイだけでなく、このすごいメンバーの中で勝てた事で、本当にこの馬の価値は上がったと思いますし、その勝利を手助けできて良かったです。また、藤沢調教師の馬でGIを勝てて良かったです。今日GIを勝つことができて僕の仕事はしっかりできたと思いますし、これからチャンスがあるなら、この馬にずっと乗っていたいと思います」

(藤沢和雄調教師)
「アーモンドアイを含めてたくさんGIを勝っている馬がいて大変だと思っていましたが、スタートも良く、上手にレースをして頑張ってくれました。中団あたりから手応え良く進めて、4コーナーでは安心して見ていられました。デビューから50kg近く馬体も増えて良い馬になってきています。ただ、穏やかになっているとはいえ、難しいところもあるので間隔を空けつつ使っていくことになると思います。夏場は適当なレースがないので、様子を見ながら考えていこうと思います」

2着 アーモンドアイ(C.ルメール騎手)
「スタートは良くなったのですが、道中はスムーズでした。勝ち馬の後ろから行って、直線追い出しましたが、いつものような脚ではありませんでした。コンディションは良かったのですが...」

3着 インディチャンプ(福永祐一騎手)
「ゲート内で隣の馬が突進した影響もあってスタートは良くありませんでした。その後はリズム良くいい形でレースができました。勝ち馬に並ぶところまで行ったのですが、勝ち馬は最後まで止まりませんでした。緩い馬場でしたが、気にせず上手く立ち回っています」

4着 ノームコア(横山典弘騎手)
「馬はよく頑張っていると思います。まだまだこの先良くなりそうな馬です」

5着 ケイアイノーテック(津村明秀騎手)
「やりたいレースはできました。前半はゆっくり進めて、後半一気にスピードアップして長く脚を使いました。一旦勝ち馬に並んで見せ場を作れました。久々にこの馬の良い競馬をしてくれました」

8着 ダノンスマッシュ(三浦皇成騎手)
「リズム良くレースを進めることができました。最後の300mで甘くなりましたが、距離が少し長い分もあったかもしれません」

13着 ダノンプレミアム(D.レーン騎手)
「馬場の内側が傷んでいて、そこを気にしていました。チークピーシーズを付けて、手応えは良かったのですが、残り500mぐらいのところで、馬場に脚を取られてしまいました。昨日の雨がこの馬には痛かったです」

14着 クルーガー(石橋脩騎手)
「(隣のアーモンドアイに)つられる形でスタートをあおってしまいました。その後も馬と離れてしまって気持ちが乗っていませんでした。馬群に入っていれば違ったのでしょうけど、今日は集中していない感じでした」

(via ラジオNIKKEI 

 

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