こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】弥生賞 2021 における勝負の明暗
【11R】 第58回報知杯弥生賞ディープインパクト記念
3歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定) 芝 2000m 10頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 4 | タイトルホルダー | 牡3 | 56 | 横山武史 | 2.02.0 | 01-01-01-01 | 34.5 | 4 | 17.9 | 466 | -4 | (美)栗田徹 | |
2 | 8 | 10 | シュネルマイスター | 牡3 | 56 | ルメール | 2.02.2 | 1 1/4 | 02-02-02-02 | 34.5 | 2 | 4.9 | 480 | +6 | (美)手塚貴久 |
3 | 2 | 2 | ダノンザキッド | 牡3 | 56 | 川田将雅 | 2.02.3 | クビ | 05-05-05-04 | 34.2 | 1 | 1.3 | 512 | -4 | (栗)安田隆行 |
4 | 7 | 8 | ソーヴァリアント | 牡3 | 56 | 大野拓弥 | 2.02.5 | 1 1/2 | 07-07-06-06 | 34.2 | 8 | 41.4 | 498 | -2 | (美)大竹正博 |
5 | 3 | 3 | テンバガー | 牡3 | 56 | M.デム | 2.02.5 | クビ | 03-04-03-04 | 34.6 | 6 | 25.4 | 512 | +2 | (栗)藤岡健一 |
6 | 7 | 7 | タイムトゥヘヴン | 牡3 | 56 | 三浦皇成 | 2.02.6 | クビ | 03-03-03-03 | 34.8 | 5 | 21.1 | 476 | +4 | (美)戸田博文 |
7 | 6 | 6 | ワンデイモア | 牡3 | 56 | 田辺裕信 | 2.02.9 | 2 | 08-07-08-08 | 34.3 | 3 | 13.9 | 522 | 0 | (美)国枝栄 |
8 | 1 | 1 | ゴールデンシロップ | 牡3 | 56 | 北村宏司 | 2.03.6 | 4 | 06-06-06-07 | 35.4 | 7 | 26.4 | 524 | -8 | (美)木村哲也 |
9 | 5 | 5 | ホウオウサンデー | 牡3 | 56 | 岩田康誠 | 2.03.8 | 1 | 10-10-10-10 | 34.7 | 9 | 83.9 | 450 | -8 | (美)奥村武 |
10 | 8 | 9 | タイセイドリーマー | 牡3 | 56 | 石橋脩 | 2.04.1 | 1 3/4 | 08-09-08-09 | 35.5 | 10 | 116.8 | 492 | +6 | (栗)矢作芳人 |
レース回顧は、本来なら勝ち馬を中心に行うべきだろう。
勝ち馬にフォーカスすることで、レース全体が見えてくると考えるからだ。
ただ、今回の場合、単勝1.3倍のG1馬ダノンザキッドが敗れたのだ!
それだけ売れているということは、それだけ悔しい思いをしている人が多いということ。
やはりダノンについて真っ先に触れたいし、今後の可能性についても考えてみよう。
敗戦は想定内だが、、、
まず大前提として、敗戦は想定内だ。
実際に、キングスポーツをご利用下さっている有料会員様には、以下のように解説した。
ハイレベルな馬が揃った今年の【弥生賞】では、いくらG1馬とはいえ、完璧でなければ簡単なレースにはなるまい。
これがトライアルの難しさであり面白さなのだろう。
前にいった2頭がそのまま粘る展開の中、4角4番手とはいえやや後ろすぎたか。
上がり3ハロンでは最速タイム(最速タイ)を出している。
ある程度の力は示したのだ。
川田騎手も「ガス抜きができれば」という旨を語っていたように、意図はハッキリしている。
ただ!それを認めた上で
ひとつだけ気になることがあったのだ。
無敗馬に乗っている雰囲気がない
あくまでも個人的な感覚にはなるが、気になったのは
「あくまでも世代トップクラスの有力候補の1頭に乗っている」
という雰囲気を川田騎手から感じたこと。
ダノンザキッドはここまで3戦3勝。無敗でG1を制しているほどの馬。
それと同時に
ということでもある。
決して簡単なことではないが、実現すれば日本競馬史に名前が刻まれる偉業だ。
偉業チャレンジのために、先を見据えつつも、もう少し積極的な乗り方をする選択肢もあったはず。
だが、そうはしなかった。
その背景にあるのは、恐らく「先々のために、目先のレースで無理はさせられない」という思い!
もっと言ってしまえば
「魅力的なパートナーだが無敗の3冠を狙える位置にまでは到達していない」
という思いだったのではないだろうか。
今回を糧として
川田騎手は、一見ぶっきらぼうに見えるが、インタビューのコメントなど聞いていても、いつも本音で、誠実に語ってくれている。
競馬の世界に対して非常に真摯な人だし、それは当然、競馬ファンに対しても同じだろう。
だからこそ!
ここで無理させなかった以上、名手のプライドにかけても、全力で巻き返しを狙ってくるとみる!
「今日、馬券で悔しい思いをした人に、今度は馬券でお返しする」
そんな思いが渦巻いているのではないだろうか。
敗戦を糧にしたいダノンザキッドと、燃える鞍上・川田将雅。
今回の結果から評価を下げる人もいるとは思うが
もちろん、軸なのか相手なのかという点は全く決め手いないが、とにかく本番まで、引き続き注目していきたい。
勝ち馬&2着馬について
勝ち馬と2着馬についても触れておこう。
大前提として、トライアルとはいえG1馬に先着している時点で両馬とも素晴らしい。
タイトルホルダーの場合は、代打騎乗とは思えない横山武騎手の積極的な騎乗は素晴らしいが、それも馬自身の能力があればこそ。
本番では警戒されマークもきつくなるだろうから今日のように簡単にはいかないかもしれないが、十分に上位争いが狙える素材だろう。
だが、より一層楽しみなのは、2着シュネルマイスターだろう。
前2走で見せた、中団から、自慢の末脚・爆発力を活かす競馬にチャレンジするのかと思いきや、ゆったりとした流れを読んだルメール騎手が2番手を確保すると、そのまま粘り込んだ。
初挑戦の距離、初挑戦のスタイルでも何ら問題なし。
条件を問わずに高いレベルで力を出せるというのは大物感の証だと考えるし、大一番向きの馬だと思う。
今後の路線は【皐月賞】か【NHKマイルカップ】の2択のようだ。
もちろん【皐月賞】でもそれなりにやるだろうが「ベスト」ということになれば、やはりマイルではないだろうか。
5月を楽しみにしつつ、この馬を未来の主役にしたい。
尚、今回は上位3頭が抜けていたと判断し、敢えて「次走への一言メモ」は行わないことにした。
シンプルに3頭に注目してほしい。
レースを見逃した方はコチラから
【みんなのKEIBA次回3月14日(日)午後3時】
「弥生賞ディープインパクト記念・GⅡ」
4番人気④タイトルホルダーが重賞初制覇2着は2番人気⑩シュネルマイスター、1番人気に支持された2歳王者②ダノンザキッドは3着
3着までに皐月賞の優先出走権が与えられます#みんなのKEIBA pic.twitter.com/rv0vG1b8h1— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) March 7, 2021
【弥生賞 2021】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 タイトルホルダー(横山武史騎手)
「調教で乗って、パワーのある良い馬だと感じていました。カッとしやすいところをどうするかがカギだと思っていました。自分のペースで行けたのが良かったと思います。乗りやすく良い馬ですし、トライアルを勝って良い形で本番へ向かえると思います」
(栗田徹調教師)
「逃げない形が良いかとも思っていたのですが、この馬の良さは前々で長く脚を使える点ですから、今日は好枠と好スタートを生かしてジョッキーが上手く乗ってくれました。馬具を変えた効果もあったと思います。あとは本番に向けてどう仕上げるかですね」
2着 シュネルマイスター(手塚貴久調教師)
「(馬体に関しては)少し余裕がある感じでしたが、競馬では上手く乗ってくれました。マイルを使った後の2000mということで、ある程度位置を取れて、距離も(2000mは)ギリギリもつかなと思いました。競馬の内容は良かったです。ジョッキーの話では、少し硬い馬場の方が良いかもしれないとのことでした。賞金も加算できましたし、権利も取ることができたので、皐月賞とNHKマイルCの2レースのどちらにしようか考えています」
3着 ダノンザキッド(安田隆行調教師)
「勝負どころでモタモタするところがあり、向正面でも掛かりましたが、次につながる競馬になりました。ここを使って良くなると思うので、本番は頑張ります」
6着 タイムトゥヘヴン(三浦皇成騎手)
「前回はハナへ行ったので、今回は馬を前に置いてレースをしようと思っていました。前残りのレースを早めに動いて伸び切れませんでしたが、このレースが今後につながってくればと思います」
7着 ワンデイモア(田辺裕信騎手)
「流れが遅かったこともありますが、現状では力の差を感じました」
8着 ゴールデンシロップ(北村宏司騎手)
「凄くコンディションは良かったです。この枠を生かして、上手く立ち回って馬群の中で競馬をしようと思いましたが、馬群の中で周りに気を遣って、エネルギーを吸い取られて苦しくなりました。未勝利の勝ち方から今回楽しみにしていましたが、甘くありませんでした」
(via ラジオNIKKEI )
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