こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください！
勝負の明暗 はここだった！
【回顧】シルクロードステークス 2019 における勝負の明暗
| 着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 調教師 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| １ | 1 | 2 | ダノンスマッシュ | 牡4 | 56.5 | 北村友一 | 1.08.3 | 05-05 | 34.2 | 1 | 2.0 | (栗)安田隆行 | |
| ２ | 4 | 8 | エスティタート | 牝6 | 53 | 浜中俊 | 1.08.5 | 1 1/4 | 14-09 | 33.9 | 11 | 45.1 | (栗)松永幹夫 |
| ３ | 8 | 18 | ティーハーフ | 牡9 | 57 | 国分恭介 | 1.08.5 | クビ | 16-15 | 33.7 | 12 | 71.6 | *(栗)西浦勝一 |
| ４ | 8 | 16 | アンヴァル | 牝4 | 53 | 松山弘平 | 1.08.5 | クビ | 08-07 | 34.2 | 3 | 10.5 | (栗)藤岡健一 |
| ５ | 8 | 17 | アレスバローズ | 牡7 | 57.5 | 川田将雅 | 1.08.7 | 1 1/4 | 09-05 | 34.3 | 10 | 37.1 | (栗)角田晃一 |
| ６ | 7 | 13 | ダイメイプリンセス | 牝6 | 55 | 秋山真一 | 1.08.8 | 3/4 | 13-12 | 34.3 | 8 | 20.6 | *(栗)森田直行 |
| ７ | 5 | 9 | ペイシャフェリシタ | 牝6 | 54 | 三浦皇成 | 1.08.9 | 3/4 | 09-14 | 34.5 | 6 | 17.6 | (美)高木登 |
| ８ | 3 | 5 | ビップライブリー | 牡6 | 55 | 高倉稜 | 1.09.0 | 1/2 | 05-07 | 34.8 | 14 | 93.5 | (栗)清水久詞 |
| ９ | B4 | 7 | リョーノテソーロ | 牡4 | 54 | 坂井瑠星 | 1.09.2 | 1 1/4 | 09-12 | 34.8 | 7 | 19.8 | (美)武井亮 |
| 10 | B6 | 12 | ライトフェアリー | 牝7 | 53 | 川須栄彦 | 1.09.2 | ハナ | 05-09 | 34.9 | 17 | 323.0 | (美)石毛善彦 |
| 11 | 1 | 1 | ナインテイルズ | 牡8 | 56 | 福永祐一 | 1.09.3 | 3/4 | 09-09 | 35.0 | 4 | 14.5 | (栗)中村均 |
| 12 | 6 | 11 | サイタスリーレッド | 牡6 | 57 | 田中健 | 1.09.5 | 1 | 14-17 | 34.7 | 16 | 138.9 | (栗)池添兼雄 |
| 13 | 2 | 4 | キングハート | 牡6 | 56 | 中谷雄太 | 1.09.5 | 頭 | 18-17 | 34.7 | 15 | 111.7 | (美)星野忍 |
| 14 | 3 | 6 | ラインスピリット | 牡8 | 56.5 | 森一馬 | 1.09.6 | クビ | 02-02 | 35.7 | 9 | 30.1 | (栗)松永昌博 |
| 15 | B7 | 14 | セイウンコウセイ | 牡6 | 58 | 池添謙一 | 1.09.6 | 頭 | 01-01 | 36.3 | 5 | 15.7 | (美)上原博之 |
| 16 | 2 | 3 | フミノムーン | 牡7 | 54 | 国分優作 | 1.09.6 | クビ | 16-15 | 34.9 | 13 | 79.7 | *(栗)西浦勝一 |
| 17 | 7 | 15 | トウショウピスト | 牡7 | 55 | 古川吉洋 | 1.09.7 | 1/2 | 04-04 | 35.7 | 18 | 347.3 | (美)土田稔 |
| 18 | 5 | 10 | ラブカンプー | 牝4 | 54 | Ｍ．デム | 1.10.8 | 7 | 02-02 | 36.9 | 2 | 4.3 | *(栗)森田直行 |
今回のレースの詳細に行く前に。
私たちがレース前に公開した「シルクロードステークスの狙い」において、以下のような内容を書かせて頂いた。一部、転載したい。
短距離戦は「馬」を信じるんだ！
ということでご覧頂きたいのが下記のデータ。
今回の【シルクロードステークス】の舞台でもある、京都芝1200Ｍにおける騎手ランクだ。
京都芝1200Ｍにおける騎手ランク（2014年以降の約５年）
| 騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 福永祐一 | 11- 8- 5- 28/ 52 | 21.2% | 36.5% | 46.2% |
| 幸英明 | 8- 13- 8- 74/103 | 7.8% | 20.4% | 28.2% |
| 岩田康誠 | 8- 6- 9- 39/ 62 | 12.9% | 22.6% | 37.1% |
| 松山弘平 | 7- 2- 2- 79/ 90 | 7.8% | 10.0% | 12.2% |
| 藤岡佑介 | 6- 5- 4- 40/ 55 | 10.9% | 20.0% | 27.3% |
| 川田将雅 | 6- 4- 5- 26/ 41 | 14.6% | 24.4% | 36.6% |
| 藤岡康太 | 6- 4- 3- 51/ 64 | 9.4% | 15.6% | 20.3% |
| 浜中俊 | 5- 10- 7- 42/ 64 | 7.8% | 23.4% | 34.4% |
| 和田竜二 | 5- 5- 15- 74/ 99 | 5.1% | 10.1% | 25.3% |
| 北村友一 | 5- 4- 5- 30/ 44 | 11.4% | 20.5% | 31.8% |
| 酒井学 | 4- 7- 2- 58/ 71 | 5.6% | 15.5% | 18.3% |
| 武豊 | 4- 6- 4- 43/ 57 | 7.0% | 17.5% | 24.6% |
| 国分優作 | 4- 5- 5- 63/ 77 | 5.2% | 11.7% | 18.2% |
| 四位洋文 | 4- 4- 1- 33/ 42 | 9.5% | 19.0% | 21.4% |
| 菱田裕二 | 4- 1- 2- 26/ 33 | 12.1% | 15.2% | 21.2% |
| 古川吉洋 | 4- 1- 1- 40/ 46 | 8.7% | 10.9% | 13.0% |
| Ｍ．デム | 3- 3- 3- 13/ 22 | 13.6% | 27.3% | 40.9% |
| 国分恭介 | 3- 3- 1- 41/ 48 | 6.3% | 12.5% | 14.6% |
| 藤田伸二 | 3- 2- 1- 16/ 22 | 13.6% | 22.7% | 27.3% |
| 田中健 | 3- 2- 1- 17/ 23 | 13.0% | 21.7% | 26.1% |
| 岩崎翼 | 3- 2- 0- 22/ 27 | 11.1% | 18.5% | 18.5% |
| ルメール | 3- 1- 1- 19/ 24 | 12.5% | 16.7% | 20.8% |
勝利数に関しては、騎乗数によるところが大きいから問題視する必要はないが、注目は勝率や連対率。
殆どのコースにおいて独走状態だったルメール＆デムーロが、京都芝1200Ｍにおいては全くそうではないことがわかる！それどころかルメールの連対率は
同じ勝利数（３勝）の田中健騎手や岩崎翼騎手を下回っているじゃないか。
要するに
ということ。
外国人騎手が苦戦！だから荒れる！
「とりあえずルメール」とか「困ったらデムーロ」といったような考え方で予想に挑んでいる方がいるとすれば、少なくとも短距離戦に関しては、それは頭から捨て去った方が賢明！
一方で、このデータを知らない競馬ファンは、やはり外国人騎手頼みになるだろう。当然売れる！だが、上記データの通り、外国人騎手の騎乗馬も今回に関しては「ただの１頭」に過ぎない。
それどころか、例えばデムーロ騎乗のラブカンプーなどは、実績が抜けている分ハンデも背負う。簡単な戦いにならないだろう。
ということだ。
そして結果は案の定！
Ｍデムーロ騎手のラブカンプーが沈み、国分恭介騎手がまたがっていた超大穴が３着に入り、３連単で24万馬券が飛び出した。
データがすべてではないけれど
誤解のないように申し上げておくが、今回は私たちがご紹介したデータ通りの結果だったとはいえ、基本的には、競馬予想の世界においてデータがすべてだとは思っていない。
だが
データを知っている上で自ら判断して使わないか
と
データを全く知らないで予想に臨むか
では全く意味が違うと考えている。
キングスポーツはそれを徹底しているから、長年に渡って競馬予想業界を歩んでこられているのだと自負している。
今後も、レース前のコラムでは、面白そうなデータなどを公開していけたらと考えているので、皆様も忘れずにチェックして頂きたい。
前置きが大変長くなってしまい申し訳ない。本題はシンプルに
とにかく強かったダノンスマッシュ
昨年行われた国内短距離Ｇ１の【高松宮記念】＆【スプリンターズＳ】を２連勝！
「短距離界の絶対王者」への道を歩みつつあったファインニードルが引退を発表した時はガッカリした方も多かったに違いない。もちろん私たちもそうだ。（1/8に発表。馬主サイドより「世界で戦うのは難しいのではないか」という判断があったようだ。今後は種牡馬に）
だが！
というものなのかもしれない。
またもや最強４歳世代から！スプリント界のニュースター候補が誕生した！とにかく強かったダノンスマッシュ！
現時点では隙が見えない
勝ちタイムの１分８秒３は、直近５年の中で最も遅かった昨年と同じ。つまり、決して速くはない。だが、内容に強さを感じる。
前半から先頭争いをしたラインスピリット、セイウンコウセイ、ラブカンプーがいずれも二桁着順に終わっている。当然、先頭だけではなく、好位でレースをした面々にとっては、やや厳しい展開。（実際に、３着に入った伏兵ティーハーフは、４角15番手から上がり最速の脚で追い込んでいる）
そんな中、前半から好位でレースを運び４角は５番手で通過、やや窮屈になる場面もあった、それでもアッサリと抜け出し、２着馬に１馬身1/4という短距離戦では決定的な差をつけたのだ。
自らにとって「向く展開」で強さを発揮するのは普通の一流馬だろう。
だろう。そういった意味で、ダノンスマッシュは超一流の資格を十分に備えていると思うし、現時点では隙らしい隙がみえない。
【シルクロードＳ】ダノンスマッシュが豪快に伸びてＶ – サンスポZBAT！競馬 https://t.co/Ljk45HxZB1
— サンスポZBAT！競馬 (@sanspoyosouou) January 27, 2019
父の背中は近くはないけれど
ダノンスマッシュの父親は、言わずと知れた最強スプリンター・ロードカナロア。
アーモンドアイを輩出するなど種牡馬としても最強への道を歩み始めている。
ハッキリ言って偉大過ぎる父。
だが、そんな父親が2012年にこのレースを勝った時のタイムが今回と全く同じ１分８秒３、管理するのも同じ安田隆行厩舎と、両馬には何か運命的なものを感じる。
父の背中は近くはないだろうが、ひょっとしたら何かをやってくれるんじゃないか？そんな期待を持ちながら、今後もロードカナロアに注目していきたい。
次走こそ狙え！この馬が未来の主役だ！
今回の「未来の主役」としてご紹介するのは
４着のアンヴァル
【 #シルクロードＳ 】ロードカナロア産駒の牝馬アンヴァルは４着 松山「外から早めにこられて…」 https://t.co/qkCGTGyeNd #競馬 #keiba #スポーツ報知
— スポーツ報知 競馬取材班 (@hochi_keiba) January 27, 2019
上位の馬たちは、いずれも良い競馬をしていた。だが「今後大きく伸びていきそうだ」という期待値込みなら４着のアンヴァルだろうか。
というのも、今回の結果云々とは別に、このところ調教での動きがグングン良くなっているのだ。
４歳馬らしく、伸び盛りなのだろう。馬体にも力強さが出てきているし、同期のダノンスマッシュと共に、今後のスプリント戦線を引っ張っていってほしいと思う。
【シルクロードステークス 2019】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【みんなのKEIBA 次回2月3日(日)】
「シルクロードＳ・ＧⅢ」を制したのは1番人気②ダノンスマッシュ。
こちらも昨年11月の京阪杯に続いての重賞2連勝！
2着は11番人気の⑧エスティタート、3着は12番人気⑱ティーハーフ。
3連単は248250円の払い戻し。#フジテレビ競馬 #みんなのKEIBA pic.twitter.com/WiPt1HAtJC— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) January 27, 2019
【シルクロードステークス 2019】のレース後の関係者のコメント
～レース後のコメント～
１着 ダノンスマッシュ（北村友一騎手）
「前走とは違い、今回は負けられないという気持ちでした。これで本番にいい形で向かえますから、勝ててホッとしています。今日はスタートが良く、馬も落ち着いていました。ラブカンプーを見ながらのレースでしたが、（ラブカンプーの）手応えが怪しくなり、外に切り替えたのが良かったです。その切り替える時に、馬が落ち着いて反応が良かったことが収穫です。大舞台を目標に無事にここまで来ることが出来ました。次も期待を持って、人馬ともに頑張りたいです」
２着 エスティタート（浜中騎手）
「前の馬が飛ばして展開が向くかと思ったのですが、今日は勝ち馬をほめるしかありません。でも、これだけ実績のあるメンバーの中での２着ですから、本当に頑張っています」
３着 ティーハーフ（国分恭介騎手）
「馬は状態が良いと聞いていて、具合さえ良ければこれくらいは走ると思っていました。９歳ですが、体も柔らかく、賢い馬です」
４着 アンヴァル（松山騎手）
「中団のいい位置で脚をためて、いい形だったのですが、後続の馬に早めに来られて、思っていたより早いタイミングで動いて苦しい展開になりました。その中で盛り返しているのですから頑張っています」
５着 アレスバローズ（川田騎手）
「負担重量、枠順も厳しかったのですが、近走を考えればよく頑張っています。このレースが次につながればと思います」
７着 ペイシャフェリシタ（三浦騎手）
「ゲートは出ましたが、他の馬に寄られて位置取りが悪くなってしまいました。ラストは前が空くと伸びていただけにもったいなかったですね。状態も良かったですから」
８着 ビップライブリー（高倉騎手）
「ゲートで両サイドから寄られて、コーナーに入るまで馬がエキサイトしてしまいました。直線、ハミも外れて、最後に向かって気持ちが向かない不完全燃焼のレースになってしまいました。残念です」
９着 リョーノテソーロ（坂井瑠星騎手）
「ゲートは出て、道中もリズム良く運べました。最後のコーナーでは突き抜けそうな脚は残っていましたが、進路を見出すことが出来ませんでした」
１１着 ナインテイルズ（福永騎手）
「勝ち馬の後ろで脚をためてレースを運びましたが、反応がありませんでした。勝ち馬について行けませんでした」
１５着 セイウンコウセイ（池添騎手）
「ブリンカーが利きすぎて、ハミをがっつり噛んでオーバーペースになってしまいました」
１８着 ラブカンプー（Ｍ.デムーロ騎手）
「スタートは良く、いいポジションは取れましたが、コンディションがあまり良くなかったです。イレ込んでいて耳を絞って走っていました」
（via ラジオNIKKEI ）
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