こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】大阪杯 2019 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | B3 | 3 | アルアイン | 牡5 | 57 | 北村友一 | 2.01.0 | 04-03-04-04 | 35.2 | 9 | |
2 | 4 | 6 | キセキ | 牡5 | 57 | 川田将雅 | 2.01.0 | クビ | 02-02-02-02 | 35.4 | 2 |
3 | 2 | 2 | ワグネリアン | 牡4 | 57 | 福永祐一 | 2.01.1 | クビ | 07-07-08-08 | 35.1 | 4 |
4 | 1 | 1 | マカヒキ | 牡6 | 57 | 岩田康誠 | 2.01.2 | 3/4 | 14-14-11-11 | 34.9 | 10 |
5 | 6 | 9 | エアウィンザー | 牡5 | 57 | 浜中俊 | 2.01.2 | クビ | 07-07-08-08 | 35.2 | 5 |
6 | 5 | 7 | ブラストワンピース | 牡4 | 57 | 池添謙一 | 2.01.3 | 1/2 | 11-12-08-08 | 35.3 | 1 |
7 | 8 | 13 | スティッフェリオ | 牡5 | 57 | 田辺裕信 | 2.01.5 | 1 1/4 | 02-03-02-03 | 35.9 | 13 |
8 | 4 | 5 | ムイトオブリガード | 牡5 | 57 | 横山典弘 | 2.01.6 | クビ | 09-10-11-14 | 35.1 | 14 |
9 | 8 | 14 | ダンビュライト | 牡5 | 57 | 松若風馬 | 2.01.6 | クビ | 06-05-04-04 | 35.8 | 11 |
10 | 3 | 4 | エポカドーロ | 牡4 | 57 | 戸崎圭太 | 2.02.0 | 2 | 01-01-01-01 | 36.5 | 8 |
11 | 7 | 11 | ペルシアンナイト | 牡5 | 57 | M.デム | 2.02.0 | クビ | 09-09-06-04 | 36.1 | 3 |
12 | 5 | 8 | サングレーザー | 牡5 | 57 | ミナリク | 2.02.1 | クビ | 13-13-11-11 | 35.8 | 7 |
13 | 6 | 10 | ステイフーリッシュ | 牡4 | 57 | 藤岡康太 | 2.02.4 | 1 3/4 | 11-10-11-11 | 36.1 | 12 |
14 | 7 | 12 | ステルヴィオ | 牡4 | 57 | 丸山元気 | 2.02.5 | 3/4 | 04-05-06-04 | 36.7 | 6 |
既に皆様もご存知だとは思うが、大阪杯が行われる約15時間前、ドバイで行われた国際G1【ドバイターフ】において、日本競馬界のエース・アーモンドアイが堂々の優勝を収めた。
一言で表すなら「強かった」これに尽きる。
今年初戦ということもあり、さすがに【ジャパンカップ】で見せた時のような爆発的な走りとまではいかなかったが、それでもライバルたちとの力の差は明らか!
あのルメールが
「この馬は人生で最高の一頭になる」
と語るのも当然だろう。
今後、海外を転戦するという話もあるらしい。
最終目標になりそうな【凱旋門賞】に関しては、どうしても馬場の向き不向きの問題があるため、何とも言えないが、単純な「走力」だけで言えば、間違いなく世界でもトップクラスだとみる。
今後の走りを楽しみにさせてもらいたい。
日本でも最強世代!かと思いきや、、、
世界の舞台をアーモンドアイが制した。恐らく、多くの競馬ファンは
「アーモンドアイがあれだけの走りを見せてくれたんだし、日本でも最強4歳世代が激走するはずだ」というストーリーを描いたのではないだろうか。
だが!大一番【大阪杯】を制したのは、4歳馬どころか、古馬でしかも9番人気の伏兵・アルアインだった。
物事はそんなにうまくは運ばない。これこそ、競馬の難しさであり、面白さなのかもしれない。
さて、通常は複数の馬を絡めてご紹介することの多いレース回顧が、今回に関しては有力馬が多く「あの馬も、この馬も」となったら、かえって焦点がぼやけそうだ。
そこで、敢えて優勝したアルアインに対象を絞って記したい。ご了承いただきたい。
まずは、人気薄という評価を覆して優勝をおさめた陣営に、心からの祝福を申し上げたい。
スローの中、好位追走&内枠を活かしてラチ沿いを走れたという恵まれた面はあったにせよ、これだけのメンバーを相手にG1を勝ったという事実は揺るがない。
冷静に考えると【皐月賞】ウイナー&昨年のこのレースの3着馬ということで芝2000Mという条件を最も得意とし、また昨秋も【天皇賞秋】4着&【マイルCS】3着と、最近もG1で好走を続けていたほどの馬が9番人気というのは、不思議なものだ。
恐らく、人気を下げた要素は次の2つだ。
1⇒前走の【金鯱賞】で0.9秒差の5着に敗れた点
2⇒鞍上の北村友騎手が先週のG1で人気を裏切る&斜行をしたことで精神的なダメージを抱えていると思われた点
特に「1」に関しては、5歳という年齢を迎えて、力が衰えたのかと感じた人も多いだろう。
だが、実はレース後の柴山騎手(今回は北村友)のコメントをじっくりと読めば、決してそうではないことがわかる。
「勝負どころでモタつく感じがありました。最後の直線ではまた盛り返してくれました」
勝負どころで最もたついたのは、久々の実戦だから当たり前。ここからズルズルといくようなら確かイに力の衰えだが、アルアインは盛り返していた。
相変わらず、高いレベルの能力の持ち主であることを柴山のコメントは証明していたのだ。
レース直後のコメントは必見だ!
以前から「レース回顧」の中で申し上げていることではあるが
レース後のジョッキーのコメントには本音が出ていることが多い
例えば、レース数日前の調教後の会見などでのコメントは「作戦をばらせない」ことや「オーナーに気を遣う」などの理由からか、多くの場合は建前だと思って良い。
だが、レース直後は違う。
何故なら、良くも悪くも、レース後は熱くなり、興奮しているから。
そんな精神状況の時に話を聞かれたら、思わず本音が出てしまうものだ。
「レース回顧」においては、記事のラストに、レース直後の主要馬のコメントを載せているが、それは皆さまに見て頂きたいことと同時に、私たち自身の「学び」のためでもあるのだ。
コメントを活用して、これまでに何本の勝利馬券を掴んだことか。笑
ということで、レース直後のコメントは必見だ!
経験は財産になる
アルアインの不安要素の「2」だと思われた北村友一。
言うまでもなく、実力のある騎手だ。そうでなければ、年間90勝(昨年)などできるはずがない。
但し!G1を勝った経験がない、それゆえ大一番での自信がもてなかった。
そんな騎手が【高松宮記念】のように大本命に騎乗すれば、上手くいかなかったのは当然かもしれない。
だが、競走馬の世界で
「10本の調教より、1本の実戦」
という格言があるように、北村友もG1でしか得られない経験をしたのだろうか。今回はとにかく落ち着いて騎乗していた。
馬の実力を信じ、自分の位置取りも信じているように見えた。だから結果がついてきた。
信じること
こそ【高松宮記念】の敗戦から得た教訓であり、掴んだ財産だったのかもしれない。
北村友は、今回の経験を機に、更に上のレベルへと上っていくだろうし、アルアイン自身も、マイル~2000Mあたりなら、引き続きG1でも馬券争いに絡めると思う。
大一番の主役となった彼らに、引き続き期待しようじゃないか!
次走こそ狙え!この馬が未来の主役だ!
今回の「未来の主役」としてご紹介するのは
3着のワグネリアン
やはりダービー馬は違うな
という一言に尽きるのではないだろうか。
久々の実戦どころか、昨年秋のG1を一度も走れなかったほどの大きなブランク。そんな馬が、鞍上の見事な手綱捌きがあったとはいえ、いきなり3着に突っ込んでくるのだから驚いた。
3歳時、陣営から「恐らく2000M前後がベスト」というコメントが出たことがあったが、距離適性に後押しされた面があったのかもしれない。
まともなら、今後の日本競馬界を主役として引っ張れる素材。とにかく、体調にだけは気をつけてほしい。「普通に」競走馬生活を送る事さえできれば、今後、複数のG1を勝てるだろう。
レースを見逃した方はコチラから
【みんなのKEIBA 次回4月7日(日)】
芝2000m「大阪杯・GⅠ」を制したのは9番人気③アルアイン!
北村友一騎手はデビュー14年目にしてGⅠ初勝利!
2着は2番人気の⑥キセキ、3着は4番人気②ワグネリアン。
3連単は93560円の払い戻し。#フジテレビ競馬 pic.twitter.com/ISdrKFsapS— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) March 31, 2019
【大阪杯 2019】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 アルアイン(北村友一騎手)
「枠が良くて展開も組みやすい、理想的な流れでレースが出来ました。それでも、馬の気分を害さないように運びました。4コーナーまでいい手応えで追走して、追ってしっかり伸びてくれました。ブリンカーも2戦目で慣れもあったでしょうし、良いタイミングで良い条件で勝たせてもらうことが出来ました。一瞬ソラを使うようなところもありまして、気を害さないようにしながらゴールまで追いました」
2着 キセキ(川田将雅騎手)
「折り合いもすごく良く、リズム良くいけました。最後まで頑張ってくれました。何とかこの馬でGIを取りたいと思っているのですが」
3着 ワグネリアン(福永祐一騎手)
「ペースは緩く出して行って道中我慢もしてくれて脚がたまり、最後はジリジリと伸びてくれました。久々でも精神状態は良く、よく仕上がっていたと思います。タフな馬場でしたが、よく頑張っていたと思います」
4着 マカヒキ(岩田康誠騎手)
「前回より数段良くて、上がりもしっかり脚を使ってくれています。4コーナーで内を突きたかったです」
5着 エアウィンザー(浜中俊騎手)
「初めてのGIで5着ですから、メドの立つ内容だったと思います」
6着 ブラストワンピース(池添謙一騎手)
「返し馬の状態は良いと感じました。ゲートの中で馬は我慢できてスタートも出てくれたんですが、1コーナーに向かう所で内と外から馬が来て押し込まれるようになってしまいました。それでポジションが思ったより後ろになりました。ペースが遅くて緩い馬場で上がり勝負は厳しかったです。3コーナーで内を突いていれば良かったのですが……」
(大竹正博調教師)
「ゲートは中にいても落ち着いていて、出ていました。ペースが遅く流れて欲しかったですね。最後は伸びていましたが……。次は様子を見てから決めたいと思います」
10着 エポカドーロ(戸崎圭太騎手)
「前回の中山記念より状態は良くなっていました。枠順もよく、リズム良く行けました。自分の競馬は出来ました」
12着 サングレーザー(F.ミナリク騎手)
「4コーナーで前脚がスリップしてしまいました。展開も向きませんでした」
14着 ステルヴィオ(丸山元気騎手)
「ポジションを取るつもりで行って絶好の位置を取れました。最後は距離が長いかなと思える止まり方でした」
(via ラジオNIKKEI )
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