こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】毎日杯 2021 における勝負の明暗
【11R】 第68回毎日杯
3歳・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝・外 1800m 9頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | C | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
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1 | 6 | 6 | シャフリヤール | 牡3 | 56 | 川田将雅 | 1.43.9 | 04-04 | 34.1 | 2 | 2.9 | 448 | 0 | (栗)藤原英昭 | ||
2 | 7 | 7 | グレートマジシャン | 牡3 | 56 | ルメール | 1.43.9 | クビ | 06-06 | 34.0 | 1 | 1.9 | 474 | -8 | (美)宮田敬介 | |
3 | 1 | 1 | プログノーシス | 牡3 | 56 | 藤岡佑介 | 1.44.2 | 1 3/4 | 09-07 | 34.1 | 4 | 11.8 | 474 | -6 | (栗)中内田充 | |
4 | 4 | 4 | ルペルカーリア | 牡3 | 56 | 福永祐一 | 1.44.4 | 1 | 02-02 | 34.8 | 3 | 5.4 | 500 | 0 | (栗)友道康夫 | |
5 | 3 | 3 | レヴェッツァ | 牡3 | 56 | 池添謙一 | 1.45.1 | 4 | 07-07 | 35.0 | 6 | 32.7 | 470 | +6 | (栗)斉藤崇史 | |
6 | 8 | 8 | ウエストンバート | 牡3 | 56 | 国分優作 | 1.45.9 | 5 | 01-01 | 36.4 | 8 | 77.3 | 528 | -6 | (栗)吉岡辰弥 | |
7 | 5 | 5 | ダディーズビビッド | 牡3 | 56 | 浜中俊 | 1.46.3 | 2 1/2 | 02-03 | 36.6 | 7 | 39.3 | 486 | -6 | (栗)千田輝彦 | |
8 | 8 | 9 | ロジローズ | 牡3 | 56 | 団野大成 | 1.46.6 | 1 3/4 | 08-07 | 36.5 | 5 | 23.5 | 454 | -6 | (美)大竹正博 | |
9 | 2 | 2 | ディープリッチ | 牡3 | 56 | 藤井勘一 | 1.46.7 | 頭 | 04-04 | 36.9 | 9 | 134.5 | 496 | -2 | (美)小島茂之 |
【毎日杯】といえば、誰もが認める出世レースだ。
13年キズナ (同年の日本ダービー優勝)
17年アルアイン (同年の皐月賞優勝)
18年ブラストワンピース(同年の有馬記念優勝)
彼ら3頭を筆頭に、数多くの後の名馬を輩出してきた。
当然、今年の出走馬の中からも、明日のスターが生まれることを期待した。
では、レースが終わった今、どのように感じているか?
結論は極めてシンプルで
未来のG1馬を予感させてくれる馬が2頭もいた!
兄弟制覇!おめでとうシャフリヤール
まずはもちろん、優勝したシャフリヤールだ。
2017年に優勝した兄アルアインに続く兄弟制覇。
関係者の喜びは大きいだろう。本当におめでとう!
そのアルアインだが、今回のレースにおける私たちの軸馬の1頭だった。
それだけに、勝つ可能性が高いことは十分にわかっていた。
では、どのような理由で指名していたのか?
実際に有料会員様にご案内した解説文を、一部抜粋の形で転載したい。
とにかく前走の【共同通信杯】は素晴らしかった。
優勝したエフフォーリアは今や世代最強クラスと言われる。また2着だったヴィクティファルスが先週の重賞【スプリングS】を優勝!そんなレースの3着馬だったのがシャフリヤールだが、単に3着だったわけではない。
ペースが落ち着く中で後方から、しかも外々を回されるロスの多い競馬にもかかわらず追い込んでいるのだ!結果はともかく、内容では上位馬と遜色なしと判断!
ハイレベルだった【共同通信杯】で上位馬と差のない走り
となれば、今回の【毎日杯】での結果は当たり前かもしれない。
だが!「レース内容」は、私の想像を上回るものだった!
驚くべき競馬センス
2走前の新馬戦を上がり最速の脚で快勝!
また前走【共同通信杯】でも上がり2番目の脚で追い込んでいる。
こういった点から「末脚の爆発力を活かす形がベストの馬なのかな」というイメージを持っていた。
確かに、今回のレースでも直線で良く伸びていた。
だが!決してそれだけではない。
レース後、川田騎手は次のような話をしている。
まさにその通りだなと納得するコメントだ。
道中での位置取りから直線も含めて、完璧な立ち回り。
もちろん、鞍上川田騎手の手綱さばきも素晴らしいのだろうが、それに応えるだけのセンスがあればこそだろう。
しかも「成長途上」
抜群の競馬センスを示しながら、実は「成長途上」だという点も見逃したくない。
川田騎手は次のような話もしていた。
完璧な立ち回りに見えたが、鞍上にいわせれば、まだ動ききれない。
いったい、どこまで良くなる馬なんだろうか?
ぜひダービーへ!
今後はどうなるのだろう?
当然、兄アルアインに続いての「毎日杯⇒皐月賞の連勝」が視野に入るはず。
だが、今回のダメージは?
レコードタイムの1分43秒台は、少々異常すぎやしないだろうか。
ちなみに、兄アルアインが勝った時の走破時計は、同じ良馬場で1分46秒5。今回に当てはめれば8位相当の時計。いかに今回の時計が速いか、おわかりいただけるはず。
馬場がかなり固いのだろう。当然、ダメージも大きくなると思うが、、、
個人的には、素晴らしい素材だけに無理をさせず【ダービー】へ直行してほしい。
管理する藤原調教師が
と語っている点からも、2400Mはかなり向くのではないだろうか?
もちろん【ダービー】は今回とは相手のレベルが違う。
決して簡単な戦いにはならないだろうが、それでも!
このように確信し、未来の主役に指名したい!
キングスポーツ流「次走へ向けての一言メモ」
ここからは「私の独り言」だととらえていただきたい。
今後へ向けて、気がついたことをメモ帳に走り書きしているようなイメージ。
せっかくなので、それを皆様と共有してみようかと考えた。
今回のレースでは、やはり1&2着馬が抜けていると思うし、将来的に大きいところが狙っていけると思う。
そこで2着馬グレートマジシャンについて、簡単にご紹介しよう。
2着グレートマジシャン
単勝1倍台の1番人気を裏切っただけに、関係者はファンは納得できない部分もあるかもしれない。
だが、全くの第3者である私のような立場の人間に言わせれば
やはりG1級の好素材!
ということになる。
どうしても、直線での爆発的な末脚が目立つが、実は道中での走りのレベルも高い。
前半こそかかってしまったが(その分、ラストで伸びきれなかったが)その後は軽快なフットワークを披露。スピードの持続能力も高そうだし
シャフリヤールと共に、この世代でトップクラスの1頭だろう。
今後はどうか?賞金の都合もあるだろうから何とも言えないが【ダービー】に出走できるようなら、再びシャフリヤールと上位を争う場面も!
楽しみにしている。
【毎日杯 2021】のレース後の関係者のコメント
1着 シャフリヤール(川田将雅騎手)
「ゲートはあまり速くなかったですが、位置取りはスムーズでしたし、道中リズム良く走ってくれました。まだしっかり動き切れませんが、そのあたりはこれから成長すると思いますし、今日は勝たなければいけなかったので動いてもらって何とかしのいでくれました。もともとポテンシャルの高い馬ですし、タイトルを取れて良かったです。ここを勝ち切ったことで次に向けてしっかり準備できることになると思いますので、なによりここを勝てて良かったと思います」
(藤原英昭調教師)
「1800mはギリギリ短い距離なので賞金を取りたかったので、そういう意味ではこれから2000m以上を使えます。今回のレースは上位2頭の能力が高かったようですね。それが今回の時計に現れました。まだ成長できる馬です」
2着 グレートマジシャン(C.ルメール騎手)
「最初の300mぐらいまでは少し引っ掛かりました。その後は冷静に走れていました。直線では良く伸びたのですが、最後に少し疲れた感じでした」
3着 プログノーシス(藤岡佑介騎手)
「スタートであまり前に出て行かなかったので、後方からじっくりレースを進めました。直線では馬群のどこを割ろうかという反応でしたが、そこからふらついて2着馬の後ろに入るなどして最後は伸び負けする形でした。センスの良い馬ですし、今後成長してくれれば楽しみです」
4着 ルペルカーリア(福永祐一騎手)
「馬場がかたいのがそれほど得意ではありません。道中はリズム良く上手に走ってくれましたが、馬場の分でしょうか、ラストまで踏ん張れませんでした」
5着 レヴェッツァ(池添謙一騎手)
「ペースも流れていましたし、ポジション的には折り合いもついていたし、良いと思いました。リズムも良かったです。ペースも上がって上位4頭とは離されたので、今のところそことは差があるのかなという感じもします。ただ馬はこれからの馬なので、体つきも良くなってくるでしょう。そのあたりにも期待です」
6着 ウエストンバート(国分優作騎手)
「あのペースになりましたが、それでもバッタリ止まったわけではなく、ずっと同じ脚で走っています。少頭数で展開が向くと思いましたが、上位はきっちり来ましたね」
7着 ダディーズビビッド(浜中俊騎手)
「返し馬では前走より落ち着いていました。この馬自身の本質が1200から1400mでこそのような気がします。そのような舞台でまた期待です」
8着 ロジローズ(団野大成騎手)
「ペースが速い中で後方からいい感じでレースを進めました。しかし4コーナーで前に追い付いてから最後はまた離されてしまいました。道中少し力む面もありましたし、これから成長して行く馬だと思います」
(via ラジオNIKKEI )
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