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ホーム勝負の明暗NHKマイルカップ 2021【回顧】これぞG1!日本競馬に新たな可能性が!

NHKマイルカップ 2021【回顧】これぞG1!日本競馬に新たな可能性が!

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】NHKマイルカップ 2021 における勝負の明暗

2021年 5月 9日(日) 2回東京6日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第26回NHKマイルカップ
3歳・オープン・G1(定量) (牡・牝)(国際)(指定) 芝 1600m 18頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
7 15 シュネルマイスター 牡3 57 ルメール 1.31.6    09-09 34.0 2 3.7 480 0 (美)手塚貴久
5 10 ソングライン 牝3 55 池添謙一 1.31.6 ハナ    06-07 34.3 7 16.9 480 +2 *(美)林徹
4 8 グレナディアガーズ 牡3 57 川田将雅 1.32.1 2 1/2    03-02 35.1 1 3.4 460 +2 (栗)中内田充
3 5 リッケンバッカー 牡3 57 横山武史 1.32.2  1/2    15-16 33.9 11 48.0 466 -2 (栗)西村真幸
8 16 ロードマックス 牡3 57 岩田望来 1.32.3  3/4    12-11 34.5 15 148.7 446 +4 (栗)藤原英昭
4 7 タイムトゥヘヴン 牡3 57 M.デム 1.32.3 ハナ    06-08 34.9 8 23.3 478 +2 (美)戸田博文
1 2 アナザーリリック 牝3 55 津村明秀 1.32.4  3/4    09-09 34.8 10 35.4 496 +12 *(美)林徹
6 12 ランドオブリバティ 牡3 57 石橋脩 1.32.4 クビ    05-05 35.2 9 26.3 462 -2 (美)鹿戸雄一
7 13 ホウオウアマゾン 牡3 57 武豊 1.32.6 1    02-02 35.6 4 11.5 486 -10 *(栗)矢作芳人
10 2 3 ルークズネスト 牡3 57 幸英明 1.32.8 1 1/4    06-05 35.6 5 11.9 506 -4 (栗)浜田多実
11 6 11 ヴェイルネビュラ 牡3 57 戸崎圭太 1.32.9  3/4    14-14 34.8 13 72.2 492 0 (美)大竹正博
12 8 18 ピクシーナイト 牡3 57 福永祐一 1.32.9    01-01 36.0 6 15.1 532 +2 (栗)音無秀孝
13 7 14 ショックアクション 牡3 57 田辺裕信 1.33.0  1/2    11-11 35.2 14 118.3 496 0 (栗)大久保龍
14 3 6 シティレインボー 牡3 57 三浦皇成 1.33.1  3/4    16-14 35.0 17 199.1 466 -4 (栗)池添兼雄
15 1 1 レイモンドバローズ 牡3 57 浜中俊 1.33.4 1 1/2    17-17 34.7 12 70.0 482 +6 (栗)上村洋行
16 5 9 ゴールドチャリス 牝3 55 田中勝春 1.33.4 クビ    13-13 35.4 18 302.1 404 -12 (栗)武幸四郎
17 8 17 グレイイングリーン 牡3 57 武藤雅 1.34.1 4    03-02 37.1 16 183.1 482 0 (栗)池江泰寿
2 4 バスラットレオン 牡3 57 藤岡佑介 3 4.6 482 +2 *(栗)矢作芳人

 

「素晴らしいレースを見せてもらった」

これこそが、今の率直な思いだ。

もちろん、優勝を最後まで争った2頭は素晴らしい。

だが、上位人気候補の落馬というまさかの事態にも戸惑うことなく、全ての馬が死力を尽くして戦ってくれた。

さすが、3歳マイル路線の頂点を争う大一番へとコマを進めた精鋭たちだ。

着順を問わずに、各馬には胸を張ってこの先の道へと歩んでほしい。

 

各馬のこれからはどうだ?

ということで、ここからはレースについて振り返ってみよう。

通常、レースの全体像を振り返るのことの多いレース回顧だが、今回は3歳限定のG1。未来ある馬たちの戦いだけに、

「各馬のこれからがどうなのか?」

という点が皆様の最も気になるところだろう。

ということで、特に印象的だった3頭をピックアップしてご紹介したい。

まずはもちろん、優勝したシュネルマイスターから!

 

あらゆる意味で注目していた優勝馬

デビュー4戦目ので重賞初制覇がG1勝ちになったシュネルマイスター。

尚、4戦目での勝利は、レース史上最少タイ記録なのだそうだ。

関係者の皆様には心からの祝福をお伝えしたい。

 

さて、実は馬券云々の話とは別にして、シュネルマイスターにはレース前の段階から非常に注目していた。

その理由は2つある。

1⇒前走【弥生賞】からの参戦という例が殆どなかった点

2⇒手塚師曰く「ドイツ産で日本にない血統の馬」という点

まず1番について。

昨年までの直近15年では前走【弥生賞】から【NHKマイルカップ】の参戦はわずか2頭だけ。

1頭は2012年のクラレント(3着)

もう1頭は2015年のグァンチャーレ(12着)

参戦数が少ない上に、連対馬も出せてはいなかった。

2番については、詳しく解説するまでもないだろう。手塚師の言葉そのままだ。

 

可能性を広げてくれた!

見事な末脚!シュネルマイスター

要するに、あまり前例のない馬と言ってよい。

だからこそ非常に注目したし、ここでの活躍が見られたら!【弥生賞】から参戦する馬も増えそうだし、シュネルマイスターと似たの血統の馬も増えるだろう、などと考えていた。

そして結果は、改めて申し上げるまでもなく優勝!

シュネルマイスターが、ローテーションにおける可能性と、血統面での可能性を広げてくれたのだ。

特に血統面に関しては大きい。

今の日本競馬界は、一部の有力な血統に集中しすぎている傾向があるからだ。

いつの日か「2021年の【NHKマイルカップ】は日本競馬にとってポイントになる1日だったな」など振り返る日がくるかもしれない。

 

もちろん能力自体も

ちなみに、もちろんレースぶり自体も素晴らしかった。

先に抜け出したソングラインが、ほぼ勝利を掴みかけていたレース。

そうした絶体絶命の状況から差しきれるのは、1ランク上の底力があればこそだとみる。

それでいて、管理する手塚師いわく

まだ完成されていない体つきで、少しゲートの中でチャカついていたくらいで大人になり切れていないところもある

ということだから、驚かずにはいられない。

ノビシロをたっぷり備えた3歳マイル王がこの先どこまで進化していくか?

順調なら秋の【マイルCS】でも上位争いに絡めるのではないだろうか。

注目していきたい!

 

やはり強かったソングライン

そんなシュネルマイスターに惜しくも差されたが、素晴らしいレースぶりで2着に食い込んだのがソングラインだった。

今でも印象的なのが、前走【桜花賞】レース後の池添騎手のツイッターだ。

そういうのが起こるのも競馬競馬
ただ…不完全燃焼。
ソングライン応援してくれた皆さんすいません。

メイケイエールの暴走による大きな不利があったことは誰の目にも明らかだったが、メイケイに跨っていたのは競馬界の大先輩・横山典弘騎手。

 

桜花賞では大きな不利があった

「先輩を責めている」とも受け止められかねないから、黙っている選択肢もあったはず。

だが、それでも書かずにいられなかったほど

まともなら確実に馬券争いができたはず

という思いが強かったのだろう。

元々私たちもソングラインを高く評価していたが、ツイートから、一層その思いを強くした。
結果的に、ここで上位争いに絡んだことは納得だし、この先もシュネルマイスターと共にマイル界を引っ張る可能性が非常に高いと思う。

 

ただ、今回のレースを迎えるにあたっては、やはり精神的な部分が気になっていた。

 

よく立て直した!

長年の経験上、レース中に大きな不利を受けたり、気分を害した馬というのは、その後浮上できないケースが圧倒的に多い。

とにかく、牝馬は繊細なのだ。

ソングラインに関しても、走力は明らかでも、精神的な部分まではわからない部分もあった。

だが、しっかり立て直された!

もちろん、サンデーレーシングの馬だから、牧場でしっかりケアされたとは思う。

とはいえ、最終的に出走させるのは管理する林厩舎。

林厩舎の技量はお見事の一言に尽きる!

ちなみに林調教師はまだ42歳。今年で4年目の極めて若い調教師だ。

この先追いかけてもきっと損はしないと思う。覚えておいてほしい。

 

さて、最後にもう1頭、ご紹介したい馬がいるが、こちらは「次走への一言メモ」で!

 

キングスポーツ流「次走へ向けての一言メモ」

ここからは「私の独り言」だととらえていただきたい。

今後へ向けて、気がついたことをメモ帳に走り書きしているようなイメージ。

せっかくなので、それを皆様と共有してみようかと考えた。

今回は上位2頭の存在が際立っていた。

だが、そんな2頭に近い可能性、魅力を感じた馬がいる。ご紹介したい。

 

4着リッケンバッカー

早速、レース後の横山武騎手のコメントをご覧いただきたい。

「ペースが速いせいで、ついて行けない感じで後方からになりました。それでも終いは伸びてくるのですから力があります」

まさにその通りで、4コーナー通過は16番手の絶望的な位置取り。

だからこの馬の水色の勝負服が上位でゴール板を通過した瞬間を目撃した時は、何かの間違いではないかと思った。笑

さて、実は前走【アーリントンC】(10番人気ながら2着)の際、キングスポーツは☆穴馬に指名していた。

だから馬の強さ、魅力は十分に理解していたつもりだったが、どちらかといえば競馬センスを活かして戦う馬だというイメージ。今回見せたような爆発的な末脚を備えているとは思わなかった。

ずっと追いかけてきた私たちでさえ見抜けたなかった実力。
底知れなさ、奥深さは、上位2頭に匹敵すると思う!

文句なしで未来の主役に指名!

近い将来、古馬相手にも活躍を見せてくれるだろう。覚えておいてほしい。

 

【NHKマイルカップ 2021】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 シュネルマイスター(C.ルメール騎手)
「良かったです。すごく嬉しいです。私は去年(このレースで)2着でしたが、今日はハナ差で勝てて本当に嬉しいです。馬にプレッシャーはかけたくありませんでした。良いスタートを切りましたが、馬には忙しいペースでしたが、だんだん流れに乗ってくれました。呼吸も手応えも良かったです。エンジンがかかるまでに時間はかかりましたが、前に池添騎手の馬(ソングライン)がいたのも良かったです。2着馬は内にモタれたところがあったので、少しだけ交わすことが出来ました。ゴールでは届いて良かったです。まだ柔らかい馬で子供っぽいところはありますが、能力は絶対あると思います。さらにパワーアップしたらハイレベルで勝てると思います」

(手塚貴久調教師)
「ホッとしました。チャレンジでしたから、結果が出て良かったです。馬体重は変わりませんでしたが、体は締まっている印象がありました。レースはルメール騎手にお任せしたので、レース前には何も話はしていません。スタートはまずまず出てくれました。道中の位置は考えていた通りの位置でしたが、レースのペースが速く、手応えが少し余裕がないのかなと思いました。それでも騎手のアクションに応えてくれる馬なので、最後は伸びてくれるだろうと思っていました。ソングラインの2着かなとも思いましたが、よく最後の一完歩で届いてくれたと思います。ドイツ産で日本にない血統の馬ですが、GIを勝てた事はこの馬の未来にとって明るいことです。このレースが春の最大の目標だったので、今後はオーナーと相談して決めますが、まだ完成されていない体つきで、少しゲートの中でチャカついていたくらいで大人になり切れていないところもあるので、その意味で将来に向けて楽しみは大きいと思っています」

2着 ソングライン(池添謙一騎手)
「返し馬の感じは、フットワークがキビキビしていて、牧場から厩舎でしっかりケアしてくれたのが伝わってきました。良い状態でレースへ向かえました。レースでも良いポジションを取れましたし、3コーナーで外に振られるロス以外は上手くいきました。(最後の直線で)一旦は抜け出しましたが、最後の最後に左手前に戻して、そこから苦しくなりました。ハナ差だけに悔しいですが、この馬の力のあるところは見せられました」

(林徹調教師)
「桜花賞の結果(15着)は結果として、今日はこれだけワクワクできる競馬をしてもらって、池添騎手に感謝しかありません。この結果でこれからは責任重大になると思いますが、頑張っていきたいです」

3着 グレナディアガーズ(川田将雅騎手)
「馬場を選んで走らせるプランでした。良い状態で競馬を迎えることが出来て、レースでもよく辛抱して走ってくれました。よく1600mでも頑張ってくれました」

4着 リッケンバッカー(横山武史騎手)
「ペースが速いせいで、ついて行けない感じで後方からになりました。それでも終いは伸びてくるのですから力があります」

5着 ロードマックス(岩田望来騎手)
「ゲートを五分に出て勝ち馬の後ろの位置につけられました。課題だった折り合いもクリアして直線で確実に脚を使ってくれました。今後の成長に期待したいです」

6着 タイムトゥヘヴン(M.デムーロ騎手)
「スタートを上手く出て良い所を進むことが出来ました。ただ勝負どころで前が狭くなりました。まだこの馬は気持ち的に狭い所に入って行けません。その後はジリジリ伸びたのですが」

7着 アナザーリリック(津村明秀騎手)
「キャリア4戦目で、こんなに速い時計で走ったことはなかったですが、競馬は理想通りの位置で、折り合って行けました。最後も食らいついていこうとしていましたし、秋が楽しみです。距離はもう少しあっても良いと思います」

10着 ルークズネスト(幸英明騎手)
「4コーナーまではイメージ通りでしたが、直線に向いてから手応えがなかったです。こんな馬ではないのですが...。巻き返せると思います」

(via ラジオNIKKEI 

 

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