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ホーム勝負の明暗京都牝馬ステークス 2022【回顧】今後の岩田望騎手から目が離せない!気になる馬も解説

京都牝馬ステークス 2022【回顧】今後の岩田望騎手から目が離せない!気になる馬も解説

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】京都牝馬ステークス 2022 における勝負の明暗

2022年 2月19日(土) 1回阪神3日 天候 : 小雨 馬場状態 : 良
【11R】 第57回京都牝馬S
4歳以上・オープン・G3(別定) (牝)(国際)(特指) 芝・内 1400m 18頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
4 7 ロータスランド 牝5 56 岩田望来 1.19.7    02-02 33.8 5 6.9 484 +18 (栗)辻野泰之
1 2 スカイグルーヴ 牝5 54 ルメール 1.19.8  1/2    04-04 33.7 1 5.2 462 +6 (美)木村哲也
B7 15 タンタラス 牝6 54 川田将雅 1.19.9 1    03-02 33.9 2 5.6 482 -4 (栗)池添学
4 8 シゲルピンクルビー 牝4 54 和田竜二 1.20.1  3/4    05-04 33.9 4 6.2 476 +6 (栗)渡辺薫彦
B1 1 サンクテュエール 牝5 54 藤井勘一 1.20.4 2    07-07 34.1 10 39.8 476 -2 (美)藤沢和雄
6 11 ギルデッドミラー 牝5 54 福永祐一 1.20.5  1/2    09-11 34.1 3 6.1 494 +8 (栗)松永幹夫
2 4 プールヴィル 牝6 56 秋山真一 1.20.5    07-09 34.2 8 15.7 466 +20 (栗)庄野靖志
8 16 ドナウデルタ 牝6 56 松山弘平 1.20.6  1/2    09-07 34.4 6 10.4 464 +4 (栗)高野友和
3 5 コロラトゥーレ 牝8 54 酒井学 1.20.7  1/2    16-17 33.9 17 230.7 486 +4 (栗)梅田智之
10 5 10 オールアットワンス 牝4 54 藤岡康太 1.21.0 1 3/4    12-14 34.4 14 67.2 446 0 (美)中舘英二
11 3 6 アスタールビー 牝6 54 城戸義政 1.21.1  3/4    01-01 35.3 12 55.4 462 +10 *(栗)南井克巳
12 7 14 ジュランビル 牝6 54 松若風馬 1.21.3 1 1/4    09-09 35.0 13 57.2 476 0 (栗)寺島良
13 8 17 アクアミラビリス 牝6 54 藤岡佑介 1.21.4  1/2    14-11 34.8 11 48.3 436 +4 (栗)吉村圭司
14 5 9 メイショウケイメイ 牝6 54 川島信二 1.21.4 クビ    17-17 34.5 18 237.1 430 -14 *(栗)南井克巳
15 7 13 クリスティ 牝5 55 武豊 1.21.9 2 1/2    17-14 35.2 7 12.1 494 +7 (栗)杉山晴紀
16 2 3 クリノプレミアム 牝5 54 江田照男 1.22.2 2    14-14 35.5 9 19.2 480 0 (美)伊藤伸一
17 8 18 ビップウインク 牝5 54 横山典弘 1.22.4 1 1/2    05-04 36.3 15 72.7 506 -4 (栗)清水久詞
6 12 ビッククインバイオ 牝5 54 松田大作    12-11 16 130.0 490 0 (栗)新谷功一

 

馬も人も!女性が熱い1週間

突然だが、北京五輪における日本代表の活躍、特に先週は女子選手の活躍が印象的だった。

スピードスケートの高木美帆選手は1000Mで金メダルを獲得!

まだカーリングのロコ・ソラーレも、日本女子としては初めての決勝進出で銀メダルを獲得した。

決勝の結果は残念だったが、準決勝のスイス戦での激闘は、五輪史に残る名場面だったように思う。

一方、競馬でも女性(牝馬)が頑張っていた。

【京都牝馬ステークス】は、牡馬顔負けのハイレベルな一戦だった。

またG1【フェブラリーS】では、ソダシが3着に激走。それも、まだ伸びしろを感じさせてくれるような走りだった。

男だ、女だという時代ではないことは承知しているが、それでも女子選手(牝馬)の活躍を目にすると、不思議と「俺も頑張るぞ!」と燃える方は多いのではないだろうか。

そんな彼女たちに感謝しつつ、レース回顧に入っていきたい。

 

どうして、鉄板決着に?

さて【京都牝馬ステークス】といえば「波乱の重賞」

昨年までの直近5年間の3連単平均配当は35万馬券を超えていた。

それが一転、今年は3連単で2万円台。

それも、失礼ながら優勝したロータスランドは、鞍上・岩田望騎手(彼についての話は後ほど)の分、力よりは人気を落としていた気がする。

それだけに、実質「鉄板決着」と言って差し支えないだろう。

では、どうして今年に限って鉄板決着になったのだろうか?

色々な考え方は当然出てくると思うが、、、私たちの見解は極めて単純。

上位入線馬たちのレベルが非常に高かった

これに尽きると思う。

 

重賞勝ち馬らしい真っ向勝負!ライバルも引かなかった

上でも記した通り、ロータスランドは5番人気だったが、それでも昨年の夏には牡馬相手の重賞【関屋記念】を勝利しているほどの馬。

ライバル勢たちが最もマークしていたのはこの馬だったはずだし、ロータスランド陣営もそれは自覚していたと思う。

ロータスランドは昨夏の関屋記念勝ち馬

だが、それをものともせずに、好位2番手からの堂々とした真っ向勝負の競馬!

しかも、前半3ハロンの通過34秒3は、勝ち馬以外の前の馬が軒並み失速した昨年のそれ(34秒0)と比べても大きな差はない。馬場状態(今年は良馬場発表ながら小雨だった)を鑑みれば、ほぼ同水準だろう。

つまり、決して流れに恵まれた訳でもない中で、楽に抜け出して押し切ったのだ。

この勝ち方は非常に強いと考えたい。

もちろん、いくら強い勝ちっぷりでも、ライバルのレベルが低かったら評価しにくい。

だが、例えば2着の1番人気スカイグルーヴなども、ロータスランドに負けじと好位4番手からの真っ向勝負の競馬に挑み、上がり最速の脚を繰り出している。レース後、ルメール騎手が「重賞級」と語っていたが、まさに同感。

 

上位2頭は今後の活躍も大いに期待できる

重賞級のスカイグルーヴと、それを退けたロータスランド。

さらにいえば、3着タンタラスもスカイグルーヴと0.1秒差だから互角に近い実力を考えて良いはずだ。

昨今の日本競馬界は「能力拮抗の時代」だと言われる。

それでも、本当に力のある馬は、今も昔も、そう簡単には崩れないもの。

だからこそ、改めて今回の上位入線馬はハイレベルだったと確信する。

3着のタンタラスは、年齢的に引退が近そうだが、上位2頭はまだ5歳馬。
1400M~マイルなら、さらに大きな舞台で活躍する可能性も十分にあると思う。

ちなみに、ロータスランドの辻野調教師は

「馬体に余裕を残しながら勝ってくれたし、ヴィクトリアMでも結果を出してほしい」

と早くも先を見据えている。

楽しみじゃないか!

 

岩田望来騎手をどう考える?

ただし、見逃してはいけないのは、ロータスランドの鞍上・岩田望来手

望来騎手は、重賞挑戦98回目での初勝利。
本当に長かっただろうし、レース後に語った「ホッとした」というコメントは、偽らざる思いだろう。

心から祝福したいが、一方で時間がかかっただけに、まだ信用しきれないという競馬ファンは少なくないと思う。

今回の勝利は「必然」か?それとも「偶然」か?

私の感覚では「文句なしの必然」だ。

黄金世代と言われる4年目のジョッキーの中で、デビュー当時から先頭を走ってきた望来騎手。

ガッツポーズもかっこいいぞ!

もちろん、名門・藤原英厩舎の所属だけに、良質の馬が回ってきやすい側面はあるが、それだけに結果が出るほど競馬の世界は甘くはない。

菅原騎手や団野騎手ら同期にも言えることだが、望来騎手も「勝負どころでワンテンポ待てる騎手」

経験の浅い騎手は、結果を求めて早仕掛けになりがち。だが、そこで待てれば脚を溜められる。それができる、真の実力を備えた騎手だ。

 

父の言葉を胸に

だが、それでも重賞は勝手が違う。周りの騎手のレベルも高いし、結果が出ないことで、焦りも出てきたのだろう。これまでの重賞での彼は「悪い意味で若手騎手らしさ」があった。

それでも、今回のロータスランドは「力の割に人気がなかった」ことで気楽に乗れたのかも。

本来の彼らしい落ち着きが見られたし、必然の勝利だったと思う。

ひとつ勝ったことで肩の荷もおりたはずだし、今後の彼は重賞でもさらにやれるはずだ。

そもそも、望来騎手は、父・康誠騎手のお墨付きだ。

望来騎手が重賞を勝てずに苦しんでいる時、こんなアドバイスをしたそうだ。

「(うまく)乗れるんやから消極的になるな」

康誠騎手は、破天荒なキャラクターのイメージが先行するが、競馬に対しては本当にまっすぐだし、それだけに例え息子相手とはいえ、元気づけるための嘘をいうことはないはず。「乗れる」というのは、間違いなく本音なのだ。

数多くのG1を制してきた名手の中の名手を認めさせた望来騎手!

いつもは、未来の主役として期待の一頭をご紹介しているが、今回だけは特別に!
望来騎手を「未来の主役」に指名し、今後も追いかけていきたい。

 

【京都牝馬ステークス 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 ロータスランド(岩田望来騎手)
「すごくホッとしています。(重賞初勝利となるので)今回のレースはこれまでのどのレースよりも、最後の直線が長く感じました。内から行く馬を行かせて2番手からレースをしましたが、レースセンスが良く、レースがしやすい馬です。ペースは少し速いかなと思いましたが、切れる馬ではないので、早めに行きました。直線ではフラフラするところがあるので、真っすぐ走らせるようにしました。今日は馬体重がプラス18キロで、成長分だと思います。もう一段パワーアップしています」

2着 スカイグルーヴ(C.ルメール騎手)
「すごい良い競馬でした。勝った馬の後ろで、良いポジションを取れました。いつも通り少しずつ伸びてくれます。最後まで頑張ってくれました。距離はピッタリです。重賞レベルの馬です」

3着 タンタラス(川田将雅騎手)
「とても良い内容で走ってくれて、最後まで全力で頑張って、良い走りをしてくれたと思います」

4着 シゲルピンクルビー(和田竜二騎手)
「落ち着いて上手に走ってくれましたが、思ったより流れませんでした。伸び負けてもいません。チャンスはあると思います。1400mの方が競馬がしやすいですね。この条件は確実に走ってくれるので、展開さえ向けばと思います」

5着 サンクテュエール(藤井勘一郎騎手)
「今回初めての1400mで、集中がカギかなと思っていましたが、頑張ってくれました。藤沢先生も残り少ないですし、重賞の機会を頂いて、ありがたいです」

6着 ギルデッドミラー(福永祐一騎手)
「直線も含めてゴチャつくところがあって、上手く誘導することが出来ませんでした」

7着 プールヴィル(秋山真一郎騎手)
「4コーナーで上位に入った馬との間にあった差が詰まりませんでした」

15着 クリスティ(武豊騎手)
「スタートでジャンプするような形になって、出遅れてしまいました」

(via ラジオNIKKEI

 

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