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福島牝馬ステークス 2022【回顧】馬を一番見ているのは「騎手」

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】福島牝馬ステークス 2022 における勝負の明暗

2022年 4月23日(土) 1回福島3日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第19回福島牝馬S
4歳以上・オープン・G3(別定) (牝)(国際)(指定) 芝 1800m 16頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
2 4 アナザーリリック 牝4 54 津村明秀 1.47.0 15-15-14-09 34.6 3 6.9 494 -6 (美)林徹
1 2 クリノプレミアム 牝5 54 松岡正海 1.47.0 クビ 05-05-05-03 35.7 6 10.4 486 +4 (美)伊藤伸一
4 8 サトノダムゼル 牝6 54 丸山元気 1.47.1 クビ 08-09-10-09 35.0 5 8.2 468 -2 (美)堀宣行
5 9 シンハリング 牝5 54 西村淳也 1.47.2  3/4 05-05-06-05 35.6 13 49.3 502 -10 (美)国枝栄
8 15 ルビーカサブランカ 牝5 54 武豊 1.47.2 16-16-16-14 34.6 2 5.6 474 +2 (栗)須貝尚介
6 11 ホウオウエミーズ 牝5 54 丸田恭介 1.47.3  1/2 13-13-12-12 35.1 8 11.0 452 -8 (美)池上昌和
3 6 スライリー 牝4 54 石川裕紀 1.47.4  1/2 12-11-10-08 35.4 7 10.9 436 -8 (美)相沢郁
2 3 フェアリーポルカ 牝6 55 三浦皇成 1.47.7 1 3/4 13-14-14-14 35.4 9 16.5 508 +4 (栗)西村真幸
6 12 アブレイズ 牝5 54 菅原明良 1.47.7 ハナ 10-09-08-05 35.9 1 5.5 494 +6 (栗)池江泰寿
10 1 1 シャーレイポピー 牝4 54 鮫島克駿 1.47.9 1 1/4 08-07-09-09 36.0 4 7.2 436 -2 (栗)石坂公一
11 7 13 エヴァーガーデン 牝5 54 丹内祐次 1.48.1 1 1/4 07-07-06-05 36.4 12 45.4 482 -2 (美)深山雅史
12 3 5 ジュランビル 牝6 54 松若風馬 1.48.1 10-11-12-14 35.9 14 55.0 464 -4 (栗)寺島良
13 B5 10 サンクテュエール 牝5 54 荻野極 1.48.1 03-03-03-03 37.0 11 29.5 472 -4 (美)田中博康
14 4 7 ハギノリュクス 牝5 54 菱田裕二 1.48.1 03-03-02-02 37.1 15 70.3 470 +2 (栗)高野友和
15 8 16 キタイ 牝6 54 古川吉洋 1.49.1 6 01-01-01-01 38.5 16 123.0 518 +2 (美)杉浦宏昭
16 B7 14 ロザムール 牝6 54 武藤雅 1.51.4 大差 02-02-03-12 40.3 10 28.9 488 -6 (美)上原博之

 

驚いたことがある

レース回顧といえば、普通は勝ち馬の話題からレースを振り返るべきなのだろうが、、、

今日はそれ以上に印象的なことがあったので、お話させてほしい。

それは、単勝2番人気ルビーカサブランカの鞍上だった武豊騎手について。

ここで、1週前のG1【皐月賞】を思い出してほしい。

単勝1番人気に支持されたドウデュースに騎乗したが3着に敗戦。

だが、その結果以上に、競馬ファンの注目を集めたのが「位置どり」だ。

上位5頭のうち4頭が4角を好位で通過した馬たち。それに対して、武騎手は4角14番手通過。

あくまでも結果論ではあるが、前有利の流れとは真逆の位置どり。

武騎手にしてみれば、好走ではなく「勝利」を狙ったからこそ、一か八かの勝負に挑んだのだろう。

とはいえ、結果が全ての世界でもある。ファンからはかなり厳しい声がでたようだ。

 

しかし、ぶれない武豊!

当然、そうした声は武豊騎手にも届いていたはず。

だから【皐月賞】後の初重賞であり、尚且つ上位人気馬にまたがる【福島牝馬ステークス】では、手堅い位置どりをするのかなと考えていた。

武騎手&ドウデュース

しかし!全くぶれない武豊。

スタートが良くなかったこともあるが、何と、スタートから3角まで最後方追走&4角も14番手通過!

まさに1週前を彷彿とさせるような位置どりだったね(笑)

しかも、結果は5着だから、武騎手のファンとしてはもどがしいところかもしれない。

それはともかく、何があろうとも、決して周囲の雰囲気に流されることなく、自らを貫く武豊騎手の精神的な強さには恐れ入る。

さすがは、日本競馬界の至宝。

日本競馬界には魅力的な実力派ジョッキーは数多くいるが、それでもこの人と横山典弘騎手だけは「別格」だなと感じずにはいられない。

 

馬を1番見ているのは「騎手」だ

では、武騎手はどうして自分を貫けるのだろう?

もちろん、技術的な部分においての自信は大前提だろう。

それと同時に、長年競馬界の先頭を引っ張ってきたトップジョッキーだからこそ

「自分が一番、騎乗馬のことを1番見ている。理解している」

という思いがあるのではないだろうか。

 

わかりやすくお話してみよう。

専門家であろうが、ファンであろうが、我々馬券を買う側の人間は、ひとつのレースを予想する際「レース全体の流れ」そして「出走全馬」をチェックした上で、結論を出し、馬券を買う。仮に出走馬が18頭いるとすれば、1頭ずつを考える時間は決して多くはない。

だが、ジョッキーの場合、レース全体の流れをチェックするところまでは同じだろうが、馬に関しては「自分の騎乗馬の力を出し切ること」にだけ集中し、ひたすら考えているはずだ

ましてや、武騎手は、若い頃に「歩く競馬四季報」とまで言われた勉強家!第一人者になっただけに、決して表立っては努力を見せないが、裏では今でも相当な勉強をしているに違いない。

そういった背景、そして自負があるからこそ、決してぶれないのだと推測する。

 

結果は結果として、ジョッキーの選択を信じたい

例えばドウデュースの場合も、武騎手以上にわかっていた人はいないはず。

そんな武騎手が「勝つめには後ろ」と選択したのだ。

結果は結果として、プロだから批判をされることもあるだろう。

それでも、私個人のことを言えば「信念を持って、腹を括っているな」と思えるジョッキーのくだした決断は、どういった結果になろうと基本的には受け入れたいと思う。

だからこそ、予想はあくまで馬優先であることを大前提に
「迷った時は信念を感じられるジョッキーの騎乗馬」
に期待することが大事になってくるのかもしれない。

武騎手や横山典弘騎手、また福永騎手や川田騎手といったトップジョッキーは言うまでもない。

だが、それ以外にも、例えば黄金世代と言われる4年目の騎手たち(団野騎手など)からも信念を感じるケースは多い。

ぜひ、皆様もご自身の目でこうしたジョッキーを見つけて、悔いのない勝負をしてほしい。

 

最後に、勝ち馬についてのお話も

ここまでが、今回の回顧で最も言いたかった部分になる。

とはいえ、これで終わってしまったら勝ち馬に対してあまりにも申し訳ないね(苦笑)

素晴らしい結果を出したアナザーリリックについて、簡単ではあるがご紹介させてほしい。

まず、今の率直な感想としては

非常に中身の濃いレースだったし、仮に次がヴィクトリアMでも面白おい存在に!

ということになる。

3歳時から強かったアナザーリリック

振り返ってみれば、昨年5月のG1【NHKマイルカップ】では、あのホウオウアマゾンに先着する形で7着でゴールしているような馬だから、そもそもの潜在能力が高い。

一方で【秋華賞】【愛知杯】という近2走ではスムーズさを欠いたり調子が上がりきらなかったりと不完全燃焼が続いたが、今回は違った。

スタートこそ立ち遅れたが、途中からまくり気味に上がっていく姿、直線での伸び脚共に、これまでの彼女には見られなかったもの!4歳春を迎えて、いよいよ本格化の予感なのかも!

 

やはり東京でこそ

上で記した3歳春の実績に加え、成長を始めているのであれば、当然【ヴィクトリアM】でも、チャンスは出てくるはず。

だが、単なる実力以上に大一番で面白いと思える理由は、彼女の「持ち味」にある。

今回、まくり気味に位置をあげながらそのまま押し切ったように、かなり息の長い脚を使っていた。

直線の長い東京には、まさにピタリとはまるのではないだろうか。

鞍上の津村騎手が、デビュー以来の全てのレースで騎乗するなど、彼女のことを完璧に把握している点も、大一番では大きな武器になると思う。

【福島牝馬ステークス】に「先につながるイメージ」をお持ちの方は決して多くはないだろが

「ひょっとしたら今年は!?」

今、はっきりとそんなことを感じている。もちろん、未来の主役に指名しよう。

 

【福島牝馬ステークス 2022】のレース後の関係者のコメント

1着 アナザーリリック(津村明秀騎手)
「スタートは一歩目の出が良くなく、後ろからの競馬になりました。腹を括ってじっくり行き、長くいい脚を使うことに専念しました。3コーナーから4コーナーで上がって行くときの脚も良く、4コーナーではこれなら前を捕まえられそうという感じでした。この馬とは新馬戦からずっとコンビを組ませてもらって、タイトルを獲りたいと思っていたので嬉しいです」

2着 クリノプレミアム(松岡正海騎手)
「外差しの馬場になっていそうだったので早目に上がって行きました。ただ結果的にはワンテンポ早かったかもしれません」

3着 サトノダムゼル(丸山元気騎手)
「もう一列前に行ければ良かったです。着差が着差だけに結果が違ったかもしれません」

4着 シンハリング(西村淳也騎手)
「依頼をもらってから、騎乗するのを楽しみにしていました。思っていた通り良い馬でした。厩舎スタッフの方々のお陰で状態も良かったです。惜しかったです」

5着 ルビーカサブランカ(武豊騎手)
「スタートはいつもこんな感じなので仕方ありません。良い展開だと思いじっくり乗りました。勝った馬の後ろから良い感じで伸びてはいるのですが、もうワンパンチですね」

(via ラジオNIKKEI

 

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