こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】有馬記念 2018 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 8 | ブラストワンピース | 牡3 | 55 | 池添謙一 | 2.32.2 | 06-06-07-04 | 35.7 | 3 | |
2 | 6 | 12 | レイデオロ | 牡4 | 57 | ルメール | 2.32.2 | クビ | 09-09-09-08 | 35.4 | 1 |
3 | 8 | 15 | シュヴァルグラン | 牡6 | 57 | ボウマン | 2.32.4 | 1 1/4 | 13-11-11-10 | 35.5 | 9 |
4 | 6 | 11 | ミッキーロケット | 牡5 | 57 | マーフィ | 2.32.7 | 1 1/2 | 02-02-02-02 | 36.6 | 8 |
5 | 7 | 14 | キセキ | 牡4 | 57 | 川田将雅 | 2.32.8 | 3/4 | 01-01-01-01 | 37.5 | 2 |
6 | 3 | 6 | サトノダイヤモンド | 牡5 | 57 | アヴドゥ | 2.32.8 | クビ | 08-08-07-08 | 36.2 | 6 |
7 | 8 | 16 | サクラアンプルール | 牡7 | 57 | 田辺裕信 | 2.32.9 | クビ | 13-14-14-12 | 35.6 | 15 |
8 | 2 | 3 | モズカッチャン | 牝4 | 55 | M.デム | 2.33.0 | 3/4 | 06-06-04-04 | 36.7 | 4 |
9 | 1 | 1 | オジュウチョウサン | 牡7 | 57 | 武豊 | 2.33.0 | 頭 | 03-03-02-02 | 36.9 | 5 |
10 | 2 | 4 | マカヒキ | 牡5 | 57 | 岩田康誠 | 2.33.0 | 頭 | 09-09-09-10 | 36.3 | 12 |
11 | 5 | 10 | ミッキースワロー | 牡4 | 57 | 横山典弘 | 2.33.1 | 1/2 | 16-16-16-16 | 35.4 | 10 |
12 | 5 | 9 | リッジマン | 牡5 | 57 | 蛯名正義 | 2.33.4 | 2 | 13-14-14-14 | 36.1 | 13 |
13 | 7 | 13 | スマートレイアー | 牝8 | 55 | 戸崎圭太 | 2.33.5 | クビ | 11-13-12-14 | 36.4 | 16 |
14 | 3 | 5 | パフォーマプロミス | 牡6 | 57 | C.デム | 2.33.7 | 1 1/4 | 11-11-12-12 | 36.7 | 7 |
15 | 1 | 2 | クリンチャー | 牡4 | 57 | 福永祐一 | 2.33.8 | 1/2 | 03-05-04-04 | 37.5 | 11 |
16 | 4 | 7 | サウンズオブアース | 牡7 | 57 | 藤岡佑介 | 2.34.5 | 4 | 03-03-04-07 | 38.2 | 14 |
お蔭さまで、先週のキングスポーツは「平成最後の有馬記念的中」もちろん、無料で公開していた直前の10R【フェアウェルステークス】でも3連単8万馬券を射止めるなど(日)中山競馬で怒涛の4連勝を達成!
有馬記念ウィークという、競馬ファンにとっては最も重要な日に結果を出すことができ、ご会員の皆さまと勝利の雄叫びをあげられたこと、誇りに思うと同時に、改めて支えて下さる皆さまに御礼申し上げたい。
とはいえ、このページはあくまでもレース回顧だ。
的中云々とは別に、冷静に振り返っていきたい。
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全ての出走馬に感謝と拍手
もうひとつ、レース回顧の前に語っておきたいことがあった。
今回は「平成最後の有馬記念」ということで、例年以上に世間の注目度も高かった。それ故、厩舎関係者やジョッキーにかかるプレッシャーの大きさは、これまでとは比較にならないレベルだったかもしれない。
繊細、敏感なサラブレッドは、そんな「人」の重圧を感じ取っていただろう。心中穏やかではなかった筈。
そんな状況の中、最後の最後まで激闘を繰り広げてくれた全ての出走馬に感謝したいし、拍手を送りたい。本当にお疲れ様!
その上で、今回は、優勝馬を含め、レースのキーとなった3頭について振り返っていきたい。
ブラストワンピースの勝因は?
まずは優勝したブラストワンピースから。
【ジャパンカップ】のアーモンドアイに続いて3歳馬が古馬王道のG1を制覇!改めて世代のレベルの高さを見せつけてくれた。
年が明ければ4歳となる彼らは、名実共に競馬界の中心となる。
そんな期待さえしている。
さて、ブラストワンピースの勝因。
能力の高さは大前提として「鞍上が上手く乗った」とか「馬場が向いた(道悪得意のハービンジャー産駒)」といった声もあるようだ。それはもちろんそうだろうが、個人的には
「大竹調教師の信念」
が最大の要因だったのではないかと思っている。
信念を貫ける男
大竹正博調教師は1969年生まれの49歳。調教師デビューは2009年だから、今年で10年目になる。
率直に言って、これまでは「ルージュバック(重賞4勝)を管理していた調教師だな」といった程度の印象しかなかった。
しかし、今年に入ってからクラシックの主役候補・ブラストワンピースを管理していることで注目を始めた。すると、とにかく信念を貫く男だということがわかってきた。
レース後に
ずっと言ってきたことですが、背中とトモ(後肢)の弱さを抱えていて、そこをとにかくケアしながら、かつ調教に耐えられるようなプロポーションにつくってきた。それを貫いたことで、G1タイトルを取れたのでは、と思います。(via スポーツ報知)
と、馬作りについての考え方を語っていた。そのあたりは、ダービーの後は復帰戦として【新潟記念】を選択するなど3歳馬としては異例ローテーションを組んで馬を大事にしていた点からも伝わってくる。
だが、信念はそれだけではない。
デビュー戦から、全てのレースで池添騎手とコンビを組ませていた点も見逃せない。
時代に抗う姿勢こそが
ブラストワンピースは、ノーザンファームの生産で、馬主はシルクレーシング。
外国人ジョッキーを乗せたがりそうな人たちがたくさん後ろにいるのだ。笑
ましてや早い段階でクラシック候補と言われていただけに、騎手変更を求める声もあっただろうことは想像に難くない。
どれだけ池添の実力を認めていたとしても、外からの声を跳ねのけたのは、並大抵の信念ではできない。その上で結果を出したのだから、本当にうれしかっただろう。
先日まで、11週連続で外国人騎手がG1を制してきたように、間違いなく彼らの実力は素晴らしいのだ。馬主側にとってはビジネスの世界である以上「まず外国人騎手」となるのは当然だろう。
そういった時代の流れに抗うほどの強い信念があるからこそ、競馬の神様はそれを認め、平成最後の有馬記念勝利という歴史的な瞬間をプレゼントしたのではないだろうか。
ブラストワンピースはもちろんだが、大竹厩舎のこれからにも注目していきたい!
レイデオロは悲観する必要なし
続いて1番人気を背負っていたレイデオロ。2着に敗れた以上、単勝や1着固定の3連単で勝っていた人からすれば「裏切られた」ということになるのだろうが、内容的には全く悲観することはない。
レース後、ルメール騎手はこんなことを語っている。
完璧なレースでした。ただ、3~4コーナーで馬場が軟らかく、反応が遅くなってしまいました。ハービンジャー産駒の勝ち馬は楽に動いていました。この馬もまた最後に頑張ってくれました。
恐らく、ブラストワンピースと比べれば、道悪適性はないというのは事実なのだろう。
とはいえ、上がり3ハロンでは最速タイムを使っていたように、見ている側からすると、それほどレイデオロが苦しんでいるようには思えなかった。
それよりも、位置取りだろう。レース前の段階から「ハービンジャー産駒は道悪が強い」ということはわかっていたはず。ならばもう少し早い段階でブラストに並ぶなどの動きができなかったか。
ルメールほどの名手をも迷わせてしまうのが、有馬記念というビッグレースの魔力なのかもしれない。
とにもかくにも、馬は改めて強さを見せたと思う。来年に期待しよう。
【 #有馬記念 】1番人気のレイデオロは首差届かずの2着 ルメール「馬場が悪くて反応が遅かった」 https://t.co/1bTCyE0k2i #競馬 #keiba #スポーツ報知
— スポーツ報知 競馬取材班 (@hochi_keiba) December 23, 2018
キセキは余力がなかったか、、、
最後は、レースの流れを作る存在として注目を集めたキセキ。前半から楽に先頭を進んでいたかのように見えたが【天皇賞秋】や【ジャパンカップ】の時のように、直線で粘りを見せることはできなかった。
その要因は2つあると思う。
1⇒秋4戦目でお釣りがなかった
2⇒ほんの僅かだがペースが速かった
秋のローテーションには注意したい
1の「余力」ということに関しては、今回のレースのキングスポーツの軸馬だったレイデオロについての解説(ご会員様に公表したもの)でも少し触れたので、転載しておきたい。
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平成最後の有馬記念
夢はこの馬に託す!
12番◎レイデオロ
━━━━━━━━━━
(略)
それほどの馬のさらなるパワーアップを確信したのが、昨今の調教で見せる圧倒的な動き!鞍上の動向により【ジャパンカップ】には出走しなかったが、それ故の「余力」が良い方向に向いている。
【ジャパンカップ】のアーモンドアイの世界レコードには驚かされたし、逃げてそれを演出したキセキも同等の評価をしてよいと思う。だが、あれだけのタイムで走った馬に、反動がないことなどありえない。
調教ではまずまず動いていたが、やはり【ジャパンカップ】の時ほどの覇気がなかったように見えた。
その点、優勝したブラストワンピースは【菊花賞】から、2着レイデオロも【天皇賞秋】からの直行ということで、ローテーション、体調にはかなり余裕があった。
【有馬記念】予想の際は「秋のローテーション」に注意してほしい。
枠も厳しかったか
キセキの敗因「2」のペースについて。
私は、例年の【有馬記念】の傾向から、前半1000Mの通過が61秒かかればキセキが粘り込むかもしれないとみていた。だが、実際には60秒8。稍重の馬場を考慮すれば、かなり速いペースになってしまった。
ペースについては、川田騎手なら十分に承知していたはずだが、やはり外の14番枠が痛かった。内にオジュウチョウサンなどがいたから、先頭を確保するためにペースが上がってしまったのだ。
つまり、厳しい言い方をすれば
枠順抽選が終わった段階からキセキの結果は決まっていたのかもしれない。
それでも、古馬王道の秋3戦全てで掲示板を確保した活躍、MVP級だ。来年も大きな活躍が見込めるだろう。まずはしっかり体を休めてほしい。
それと同時に、皆様が来年以降の【有馬記念】を予想する上で
前半61秒
というのを一つの目安として覚えておいてほしい。イメージを膨らませるのに大きく役立つはずだ。
次走こそ狙え!この馬が未来の主役だ!
今回の「未来の主役」としてご紹介するのは
8着モズカッチャン
【 #有馬記念 】モズカッチャンは8着に終わる Mデムーロ「距離が長かった。坂の上で止まった」 https://t.co/FsFTVBU0yi #競馬 #keiba #スポーツ報知
— スポーツ報知 競馬取材班 (@hochi_keiba) December 23, 2018
鞍上が絶好調のミルコデムーロ、更に3番という好枠も魅力的だったのか、牝馬ながら4番人気の高い評価を受けたのがモズカッチャン。
結果は8着。だが理由は明確。レース後にデムーロ騎手自身も語っていた通り「距離」だろう。
良い手応えで道中を進みながら、直線半ば以降は全く伸びず。G1に限らず目にすることの多いシーンだが、こういったケースのほとんどは「距離が長い」と見てよい。
そんな中でも、勝ち馬から0.8秒差。さすがであり、得意とする2000M前後なら、今後も期待が持てそうだ!
【有馬記念 2018】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【みんなのKEIBA 次回2019年1月6日 】
平成最後の有馬記念は3番人気⑧ブラストワンピースが勝利!池添謙一騎手は歴代最多の4勝目!単勝は890円。2着は1番人気⑫レイデオロ。3着は9番人気⑮シュヴァルグラン。3連単は2万5340円。 pic.twitter.com/awu9rgnqrq— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) December 23, 2018
【有馬記念 2018】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 ブラストワンピース(池添騎手)
「最高です。ずっとこの馬はGIが取れると言っていながら、ダービー、菊花賞と勝てなくて、やっとそれを証明することが出来て本当に嬉しいです。レースは真ん中の枠だったので、閉じ込められるのに気をつけながら行きましたが、攻めて行きたいと思っていたので、ゲートを出てから出して行ってあの位置になりました。道中、上手に走ってくれました。逃げた前の馬はしぶとい馬で、後ろにはレイデオロがいるのも分かっていましたが、このタイミングだと思って行きました。坂を上がってレイデオロが詰め寄って来たのが分かりましたが、”頑張ってくれ、頑張ってくれ”と思いながら何とか凌ぎ切ってくれました。気分は最高です。これから成長してくれると思いますし、来年は古馬のチャンピオンとして頑張れると思うので、また応援して下さい」
(大竹正博調教師)
「今までGIを取れる馬は(厩舎に)たくさんいました。ようやく大きなハードルを越えられました。表彰式でスタンドの照明が当たって、見たことがない景色だと思いました。人気になって勝ち切れないレースもたくさんありましたが、ようやくファンに恩返しが出来ました。(+4キロで)パドックで見た時には、体は出来ていて力強さを表現出来ているシルエットだなと思いました。レースはジョッキーに任せていましたが、ポジションを意識的に取りに行っているのが分かったので、折り合いがついてくれればと祈るだけでした。ゴールに入った瞬間は泣くかなと思いましたが、やったという気持ちの方が強かったです。まだここがゴールではありませんし、馬を見て今後のことは考えたいと思います」
2着 レイデオロ(ルメール騎手)
「完璧なレースでした。ただ、3~4コーナーで馬場が軟らかく、反応が遅くなってしまいました。ハービンジャー産駒の勝ち馬は楽に動いていました。この馬もまた最後に頑張ってくれました。ゴール前は惜しかったです。この馬も精一杯走っていました。馬場と斤量の差が出た印象です」
3着 シュヴァルグラン(ボウマン騎手)
「すごくいいレースが出来ると思っていて、自信を持って乗りました。スタートして、キセキが前に出てきたところで掛かってしまいました。今日はこの馬場でも走れることが証明出来ました。中山でこの枠順でも乗り方一つでクリア出来ると思います」
4着 ミッキーロケット(マーフィー騎手)
「先生から”乗りたいように乗っていい”と言われていました。リラックスしていて、力を出し切ってくれました。キセキが行った時に誰かついて行ってくれれば良かったのですが…。初めて有馬記念に騎乗することが出来、感謝しています」
5着 キセキ(川田騎手)
「馬の状態が非常に良かったです。自分のリズムでレースをしながら、前に行く気持ちがより強かったです。秋の4戦で頑張り続けた馬に敬意を表したいです」
7着 サクラアンプルール(田辺騎手)
「やはり枠がアダになりました。出来れば流れに乗りたかったです。直線はしっかりと反応して、状態は良かったと思います」
8着 モズカッチャン(M.デムーロ騎手)
「距離が長いです。いいところには行けましたが、伸びませんでした。一生懸命走っていいレースをしてくれましたが、かわいそうでした」
9着 オジュウチョウサン(武豊騎手)
「いいレースが出来たと思います。自分としてやりたいレースが出来ました。状態も良く、馬は一生懸命走って頑張ってくれました。1枠なので、スタート次第ですが、好スタートなら先行したいと思っていました。今日のような馬場で少し走りにくそうにしていましたが、よく頑張ってくれて、今日のこのメンバーに入って見せ場を作ってくれました。障害の絶対王者が平地に挑戦して有馬記念にまで出走出来ました。ファンの後押しあっての出走ですし、ありがたいです。2番手から堂々と走って、すごい馬だと改めて思います。今後はどうするのか分かりませんが、今年の有馬記念を盛り上げたナイストライだったと思います」
15着 クリンチャー(福永騎手)
「いいところでレースは出来たのですが…」
(via ラジオNIKKEI )
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