こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください！
勝負の明暗 はここだった！
【回顧】アルテミスＳ 2020 における勝負の明暗
２歳・オープン・Ｇ３(馬齢) (牝)(国際)(指定) 芝 1600m 16頭立
| 着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| １ | 7 | 14 | ソダシ | 牝2 | 54 | 吉田隼人 | 1.34.9 | 02-02 | 33.9 | 1 | 3.5 | 476 | +2 | (栗)須貝尚介 | |
| ２ | 3 | 6 | ククナ | 牝2 | 54 | ルメール | 1.35.2 | 1 3/4 | 13-10 | 33.4 | 2 | 4.0 | 450 | -8 | (美)栗田徹 |
| ３ | 7 | 13 | テンハッピーローズ | 牝2 | 54 | 田辺裕信 | 1.35.3 | 1/2 | 07-06 | 33.9 | 3 | 6.4 | 438 | 0 | (栗)高柳大輔 |
| ４ | 1 | 2 | ストゥーティ | 牝2 | 54 | 石橋脩 | 1.35.3 | クビ | 06-06 | 33.9 | 11 | 38.9 | 420 | -6 | (栗)奥村豊 |
| ５ | 2 | 4 | クールキャット | 牝2 | 54 | 津村明秀 | 1.35.5 | 1 1/4 | 07-08 | 34.0 | 6 | 13.1 | 518 | +14 | (美)奥村武 |
| ６ | 4 | 7 | ウインアグライア | 牝2 | 54 | 横山武史 | 1.35.5 | ハナ | 02-03 | 34.4 | 5 | 12.7 | 450 | -10 | (美)和田雄二 |
| ７ | 4 | 8 | シャドウファックス | 牝2 | 54 | 大野拓弥 | 1.35.5 | クビ | 04-04 | 34.2 | 12 | 60.2 | 440 | +2 | (美)宮田敬介 |
| ８ | 8 | 15 | モリノカンナチャン | 牝2 | 54 | 横山和生 | 1.35.5 | ハナ | 14-14 | 33.5 | 10 | 30.9 | 442 | +10 | (美)大江原哲 |
| ９ | 3 | 5 | ユーバーレーベン | 牝2 | 54 | 柴田大知 | 1.35.7 | 1 | 14-14 | 33.7 | 4 | 11.1 | 484 | +6 | (美)手塚貴久 |
| 10 | 8 | 16 | ヴァーチャリティ | 牝2 | 54 | 横山典弘 | 1.35.8 | 1/2 | 04-04 | 34.5 | 7 | 15.4 | 454 | -4 | (栗)庄野靖志 |
| 11 | 6 | 11 | ニシノリース | 牝2 | 54 | 内田博幸 | 1.35.9 | 1/2 | 10-10 | 34.2 | 14 | 167.4 | 402 | 0 | (美)土田稔 |
| 12 | 2 | 3 | ミルウ | 牝2 | 54 | 岩田望来 | 1.35.9 | クビ | 14-14 | 33.9 | 13 | 77.4 | 434 | -4 | (栗)友道康夫 |
| 13 | 5 | 10 | ペイシャフェスタ | 牝2 | 54 | 武士沢友 | 1.36.2 | 1 3/4 | 10-10 | 34.4 | 15 | 213.0 | 486 | -6 | (美)高橋裕 |
| 14 | 5 | 9 | オレンジフィズ | 牝2 | 54 | 北村宏司 | 1.36.3 | 3/4 | 01-01 | 35.4 | 9 | 27.2 | 454 | +6 | (美)木村哲也 |
| 15 | 1 | 1 | タウゼントシェーン | 牝2 | 54 | 戸崎圭太 | 1.37.3 | 6 | 10-10 | 35.6 | 8 | 19.7 | 410 | -6 | (栗)矢作芳人 |
| 16 | 6 | 12 | ハイプリーステス | 牝2 | 54 | 柴田善臣 | 1.37.6 | 1 1/2 | 07-08 | 36.1 | 16 | 573.4 | 406 | -6 | (美)星野忍 |
美しい白毛が、いつも以上に輝いて見えた。
紛れもなく、新しいスター候補の誕生だ！
まずは重賞２連勝を決めたソダシ＆関係者の皆様に対して、心からの祝福をお伝えしたい。
２着のククナに対して１馬身3/4差だから完勝と言ってよい。
もちろん、今回の勝利そのものも素晴らしいが「今後」という点を考えても
かなりの出世が見込めそうだ
と確信している。
では、なぜ確信できるのか？そのあたりについてお話していこう。
絶賛の前走・札幌２歳ステークス
日頃から、キングスポーツのサイトをチェックして下さっている方なら覚えているかもしれない。
前走【札幌２歳ステークス】において、私たちがソダシを大絶賛したことを。
掻い摘んで申し上げると
◆厳しいペースの中、早め先頭から押し切った
◆４角で２着馬に外から来られる難しい形を凌いだ！精神的にも強い
ということなのだが、せっかくなので該当部分を転載してみよう。
興味のない方はすっ飛ばしてほしい。
▼以下、転載
さて今回のレースだが、冒頭でも記した通り
「前半から厳しい流れで底力が問われる展開に」
そんなレースを制したソダシだから、単に重賞を勝ったという事実以上の価値があるとみたい。
ご覧になっていた方ならおわかりの通り、武豊騎手のピンクカメハメハが作った流れは、この時期の２歳重賞としてはタフなものだった。
近年の【札幌２歳ステークス】と比較してみよう。
今回と同じ良馬場ということなら2016年～2018年の３年が挙げられるが
▼前半２ハロンのラップ＆５ハロンの通過タイム
2016➡12.3-11.7 61.6 （１ハロンと２ハロンのタイム差➡0.6）
2017➡12.7-12.0 62.4 （１ハロンと２ハロンのタイム差➡0.7）
2018➡12.4-11.7 60.4 （１ハロンと２ハロンのタイム差➡0.7）
今年➡12.3-11.0 59.2 （１ハロンと２ハロンのタイム差➡1.3）
開催最終週という馬場の荒れた時期、ましてや２歳限定戦での前半５ハロン通過59秒２は速い。
だが、それに加えて「１ハロンと２ハロンのタイム差」も見逃せない。
急激に上がったペース
例年、0.6秒～0.7秒差のところ、今年は1.3秒！
急激にペースが上がっているのだ。
もちろん、逃げたピンクカメハメハは辛かったと思うが、それを追っていった面々も楽ではない。
そういった流れの中、好位追走から早めに先頭に立ち押し切ったソダシ。
走力の高さはもちろんだが、もう１点、精神的な強さも見逃せない。
ここで、吉田隼人騎手のコメントを一部抜粋の形でご案内したい。
経験の少ない２歳馬にとって、外から来られるのは嫌なものだろう。
だが、全く動じることなく力を出し切っている。
走力の裏付けがあることは大前提だが、精神的な強さが光る。
こういったタイプは大舞台向き。
こんな形で絶賛した。
だが、一方で今回のレースを迎える中で、私たちには気になる点があった。
その不安は、レース内容が完璧すぎたが故に起きるもの。
競馬の世界においては、あまりに完璧なレースの場合
「その条件がドンピシャでハマっていた」
というケースが少なからずあるのだ。
完璧すぎたが故に
【札幌２歳ステークス】は、この時期の２歳重賞としては特殊な部類だったように思う。
そもそも舞台が洋芝の札幌、また、上の転載部分にもあるように底力が問われる流れ。
間違いなく「スタミナ豊富でタフな馬向き」だった。
お父さんのクロフネは言わずとしれたかつてのダート王だし、母ブチコもダートの中距離で活躍した。
レースぶりを絶賛しつつも
という考えも全くないとは言えなかった。
だが、結果的に杞憂に終わったようだ。
真逆の条件でも快勝！真の大器の予感！
前走がドンピシャでハマった、どころか「真逆の条件でも圧倒的」！
札幌と東京とでは、回りから芝の状態まで全く違う。
また厳しい流れだった前走とは異なり、スローからの瞬発力勝負！
それでも上がり３ハロン33秒台の速い脚で押し切った。
やや、前向きな気性らしいので、長い距離を戦うのは簡単ではないかもしれないが、それを除いては
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Ｇ１ウイナーへ
この分なら、近い将来、どこかでＧ１を獲得する可能性がかなり高いと思う。
血統的にはダートでも面白そうに思える。
だが、今回のラストの脚を見る限り、芝の馬としても十分に高いレベルで戦えるに違いない。
できるところまで、芝でいってほしい。
３冠馬２頭の誕生で盛り上がった2020年の競馬界。
2021年は、ソダシが主役の１頭として、私たちを楽しませてくれるはずだ！
キングスポーツ流「次走へ向けての一言メモ」
ここからは「私の独り言」だととらえていただきたい。
今後へ向けて、気がついたことをメモ帳に走り書きしているようなイメージ。
せっかくなので、それを皆様と共有してみようかと考えた。
勝ち馬以外に面白いなと感じた馬が２頭いた。
数行程度の解説にはなるが、どこかで皆様のお役に立てる内容だと思う。
頭に入れておいてほしい。
２着・ククナ
レース後、ルメール騎手は次のように語っている。
確かにもったいなかった。
上がり３ハロンでは最速タイムをマークしているように、位置取りひとつでもう少しソダシと競り合えたのではないだろうか。かなりの好素材。
これまでのレースぶりを見る限り、マイル前後が最も合いそう。
【阪神ＪＦ】に出走するなら楽しみだ。
５着・クールキャット
今回、キングスポーツが☆穴馬として指名した馬の１頭。
それだけに特に注目していたが、レース直後に私が感じたことを、ほぼそのまま津村騎手がコメントしてくれた。
私たちがこれまで想像していた以上のスタミナの持ち主であることがハッキリとわかった。
1800Ｍ～2000Ｍあたりに特化する形で育ててくれたら！
将来的に重賞くらいまで届いてもおかしくないと思う。
ということで、未来の主役に指名しておきたい。
【アルテミスステークス 2020】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
１着 ソダシ（吉田隼人騎手）
「ホッとしています。少しテンションが高くなってきているので、折り合ってリズム良く運べたらと思っていました。ゲートで若干苦しがるところも出てきましたし、気が入りすぎるところがありましたが、ゲートを出てからは鞍上の指示を待っている感じでしたし、良かったです。瞬発力勝負になるのは嫌だったので、前々で運ぶ競馬になりました。早めに抜け出すイメージで乗っていたので、そのイメーズ通りでした。初めて跨らせてもらった時から完成度が高いと感じましたし、そういう馬を任されているので、結果を出せて良かったです。このまま負けずに行って欲しいです」
２着 ククナ（Ｃ．ルメール騎手）
「向正面でトラブルがあって、位置が下がりましたが、スローペースの中、後ろから良い脚を使いました。良い瞬発力がありますし、次は楽しみです」
３着 テンハッピーローズ（田辺裕信騎手）
「ペースが落ち着いて、勝ち馬に有利になりました。こちらも食らいつきましたが、勝ち馬は強いです。これからの馬ですから成長して欲しいですね。センスの良い馬です」
４着 ストゥーティ（石橋脩騎手）
「馬場の悪い所を通っていたので、ペースが落ち着いたのは良かったです。良い感じで直線に向けましたし、外に出すより思い切って内をつきましたが、良い脚を使っています。良いものを持っています」
５着 クールキャット（津村明秀騎手）
「スタミナがありますし、ゴールを過ぎても伸びています。今日はマイルでしたが、２０００ｍに延びても良さそうです」
６着 ウインアグライア（和田雄二調教師）
「競馬に行って真面目ですし、今日は切れ味の差の分でしょうか。距離の延びた方が良いタイプです」
（via ラジオNIKKEI ）
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