こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください！
勝負の明暗 はここだった！
【回顧】朝日杯フューチュリティステークス 2019 における勝負の明暗
| 着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| １ | 3 | 6 | サリオス | 牡2 | 55 | ムーア | 1.33.0 | 03-03 | 35.4 | 1 | 2.0 | 538 | -2 | (美)堀宣行 | |
| ２ | 4 | 8 | タイセイビジョン | 牡2 | 55 | 武豊 | 1.33.4 | 2 1/2 | 12-08 | 35.3 | 2 | 5.8 | 464 | +4 | (栗)西村真幸 |
| ３ | 5 | 9 | グランレイ | 牡2 | 55 | 池添謙一 | 1.33.6 | 1 1/4 | 15-15 | 34.9 | 14 | 229.3 | 452 | -4 | (栗)池添学 |
| ４ | 7 | 14 | タガノビューティー | 牡2 | 55 | 和田竜二 | 1.33.6 | クビ | 14-12 | 35.2 | 9 | 61.6 | 508 | +6 | (栗)西園正都 |
| ５ | 7 | 13 | プリンスリターン | 牡2 | 55 | 原田和真 | 1.33.8 | 1 1/4 | 09-08 | 35.7 | 15 | 347.1 | 444 | +4 | *(栗)加用正 |
| ６ | 1 | 1 | ジュンライトボルト | 牡2 | 55 | 岩田康誠 | 1.33.9 | クビ | 09-12 | 35.6 | 10 | 66.8 | 454 | -4 | (栗)友道康夫 |
| ７ | 1 | 2 | ビアンフェ | 牡2 | 55 | 藤岡佑介 | 1.33.9 | 頭 | 01-01 | 36.7 | 5 | 12.6 | 538 | +4 | (栗)中竹和也 |
| ８ | 8 | 16 | ラウダシオン | 牡2 | 55 | ルメール | 1.34.0 | 1/2 | 08-06 | 36.1 | 6 | 18.0 | 490 | 0 | *(栗)斉藤崇史 |
| ９ | 4 | 7 | ウイングレイテスト | 牡2 | 55 | 松岡正海 | 1.34.3 | 2 | 05-06 | 36.5 | 8 | 43.5 | 492 | +4 | (美)青木孝文 |
| 10 | 6 | 12 | レッドベルジュール | 牡2 | 55 | スミヨン | 1.34.3 | ハナ | 12-12 | 36.0 | 3 | 5.9 | 476 | -2 | (栗)藤原英昭 |
| 11 | 2 | 4 | トリプルエース | 牡2 | 55 | ビュイッ | 1.34.4 | クビ | 03-03 | 36.9 | 7 | 37.9 | 468 | -10 | *(栗)斉藤崇史 |
| 12 | 6 | 11 | カリニート | 牡2 | 55 | 幸英明 | 1.34.9 | 3 | 16-16 | 35.8 | 16 | 453.0 | 460 | -6 | (栗)大根田裕 |
| 13 | 3 | 5 | マイネルグリット | 牡2 | 55 | 国分優作 | 1.35.8 | 5 | 09-08 | 37.7 | 13 | 174.2 | 484 | +4 | (栗)吉田直弘 |
| 14 | 5 | 10 | エグレムニ | 牡2 | 55 | 福永祐一 | 1.35.8 | クビ | 05-05 | 38.1 | 12 | 146.8 | 472 | +6 | *(栗)加用正 |
| 15 | 8 | 15 | メイショウチタン | 牡2 | 55 | 松山弘平 | 1.36.5 | 4 | 02-02 | 39.1 | 11 | 117.0 | 460 | -6 | (栗)本田優 |
| 16 | 2 | 3 | ペールエール | 牡2 | 55 | マーフィ | 1.37.0 | 3 | 07-08 | 39.0 | 4 | 8.8 | 492 | -2 | (栗)安田隆行 |
まずは優勝したサリオスと関係者の皆様に心からの祝福をお届けしたい。
前走の【サウジアラビアＲＣ】を快勝した後、生産者であるノーザンファームの吉田勝己氏が
「来年のダービーは決まったね」
と冗談めかして語っていてほどだから、ひょっとしたら「ここは通過点」という捉え方かもしれない。
それでも、世代の牡馬としては最初のＧ１ウイナーだ。価値ある勝利には違いない。
ぜひ、今夜は勝利の美酒にひたってほしい。
サリオスとリアアメリアは違う
さて、優勝したサリオスの単勝オッズは「200円」。
受け止め方は様々かもしれないが、前走【サウジアラビアＲＣ】の勝ちっぷりに驚いた私たちからすると
「こんなにつくんだ」
というのが正直な感想だった。
恐らく、先週のＧ１【阪神ジュベナイルフィリーズ】において「単勝180円の１番人気」リアアメリアが６着に飛んだことで、ビビった方が多かったんじゃないかな。笑
だが、サリオスとリアアメリアは「全く違う馬」だ。
そのことは、レース前に公開したコラムでも記した通り。
「人気３強の中で単勝を買うならサリオス」
という結論と共に、その理由を記した。該当部分を転載してみよう。
では、今日は早速結論にいこう。
３強の中で単勝で指名するならどの馬か？
という点だが、、、
では、その理由について簡単に解説しよう。
先週G1【阪神JF】リアアメリアとの違いとは？
恐らく、今回は単勝１番人気に支持されだろう。確かに前走【サウジアラビアＲＣ】のレース内容は桁違い。ハッキリ言って３強の中でも抜けていると思う。まるで古馬一線級を見ているかのようだった。
一方で、頭によぎるのは先週Ｇ１【阪神ＪＦ】の１番人気・リアアメリアの敗戦ではないか。
断然の１番人気という立場は一緒だがリアアメリアは６着に敗戦。
「ひょっとしたらサリオスも、、、」という考えを持つ方も出るだろう。
だが、両者には「精神面」という部分で決定的な違いがある。
サリオスは「精神面」のレベルも高い
実は【阪神ジュベナイルフィリーズ】のレース前に公開した「狙い」において、以下のようにリアアメリアを紹介させてもらった。
該当箇所を一部抜粋で転載してみよう。
【短所】⇒上でご紹介したクラヴァシュドール同様、多頭数を経験していない点は気になる。（６頭、９頭）
決して大人びた気性の持ち主ではないようだし、どうなるか。
また【指定買い目】をお伝えする際に以下のように会員様にも伝えている。
15番リアアメリアは勝てない！前走の【アルテミスＳ】を制し「超怪物」とマスコミでは騒がれているが、そんな唯一の欠点があった。それは「気性」。前２走共に遊び遊びの競馬でレースには集中していなかった。それでも勝ってしまった事実は凄いのだが、デビュー戦では６頭立て、【アルテミスＳ】は９頭立てとまだ多頭数の競馬を経験していないのは気がかりだ。そういえば15年の【桜花賞】で断然１番人気だったルージュバックが９着に敗れたが、この時が初めての多頭数の競馬で揉まれ精細を欠いてしまったことが大きな原因だった。今回はペースも速くなり、これまでのように楽な競馬をさせてくれないのは確実！「まだこの馬がＧ１を制するのは早い」というのが私たちの決断だ！
精神面における「懸念」は思わぬ「惨敗」に繋がるのだ
大一番では精神面がレースにもたらす影響は大きいと考えるし、だからこそ私たちはリアアメリアの評価を下げていた。
だが、サリオスはそうではない。
前走時も鞍上が抑えようとした時は素直にそれに応じるなど、心身共に２歳馬のレベルを超えている。
したがって、迷いなし。繰り返すが
ということになる。
モノの違う走力の持ち主が「その走力を確実に出し切れる精神力」も兼備しているとなれば、勝って当然。
改めて思う。
２歳戦の勝負の決め手は精神力
なのだと。
各馬の精神力はどこで判断する？
さて、今回のコラムにおける「キモ」はここからだ。
「精神力に優れた馬が強いことはわかった。ではそれをどこで見抜くのか？」
というのが、皆様が最も知りたい点だと思う。
実戦経験の少ない２歳馬だから、馬券を買われる皆様が得られる情報が非常に限られているはず。
調教を見ても、判別しきれないことも多い。
ならば頼るのは
ジョッキーのコメント
ジョッキーのコメント（特にレース後）は情報の宝庫
これはあくまでも一例になるが、リアアメリアの前走【アルテミスＳ】のレース後、鞍上・川田騎手は次のようなことを語っている。
ハッキリと不安要素を漏らしていた。
数いる騎手の中でも、特に川田騎手は正直且つ誠実な面があるのだろう、ストレートに思いを語ってくれる人だなという印象を持っている。
馬が有力であるにしろそうでないにしろ、彼のコメントは見逃さない方が良いだろう。
その他の騎手に関しても「特にレース後」のコメントは必見！
レース直後は良くも悪くも興奮状態にあるから、本音が出やすい。
逆に週中の調教の後などは冷静だから、濁している部分もある。参考にしすぎない方が良い。
今ご紹介した内容を活かして、今年の残り、そして来年以降の２歳戦に挑んでほしい。
レースを見逃した方はコチラからどうぞ
【みんなのKEIBA 次回12月22日(日)拡大SP午後2時30分】
2歳王者決定戦「朝日杯FS・GⅠ」は⑥サリオスが人気に応え勝利
レースレコードVというスケールの違いを見せつけ
無傷の3連勝で2歳最強マイラーの座に輝きました！
2着は⑧タイセイビジョン、3着は14番人気⑨グランレイ
3連単は9万260円の払い戻し pic.twitter.com/HZN2hS29zy— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) December 15, 2019
４着・タガノビューティ
過去２戦、いずれもダートで走っていた馬が、初芝のＧ１でいきなり４着に好走するのだから、大したものだ。
率直に言って、上位２頭の力の差は現状では大きいような気がする。
だが、ラストで３着馬に差されたのは、４コーナー過ぎ、鞍上が「勝ちにいこうとして」溜めすぎず、早めに仕掛けた分ではないか。
結果は惜しいが、経験豊富なベテラン和田騎手に
勝ちにいってみたい
と思わせるだけの馬だという点は見逃したくない。
今後の路線はどうだろう。今回の結果とは別に、個人的には、やはりベストはダートではないかと思う。
ダートで大きな花を咲かせる日を楽しみに待ちたい。
【朝日杯フューチュリティステークス 2019】のレース後の関係者のコメント
～レース後のコメント～
１着 サリオス（Ｒ．ムーア騎手）
「いい馬に乗せてもらえて光栄です。コーナーでは幼さを見せてのレコードタイムですから、まだ速くなる可能性があると思います。馬体がしっかりしていて距離も大丈夫だと思いました。出来上がっている感じがありますし、これを維持できれば将来は楽しみです」
（堀宣行調教師）
「少し余裕を持って帰厩させました。落ち着きがあって平常心でいい状態で臨めました。レース前にジョッキーと話した通りのレースができました。安心して見られました。しかし、ジョッキーの指示を待っている感じなので、もう少し自分からという感じが出ればいいですね。元々、総合力が高くて目に見える進化はありませんが、今後も変な方向に行かず順調にいってほしいです」
２着 タイセイビジョン（武豊騎手）
「思った通りの競馬はできましたが、勝った馬が強かったです。ペースも速く前が止まるかと思ったのですが、出来は抜群でしたしマイルでも折り合っていました」
３着 グランレイ（池添謙一騎手）
「後方からになりましたが、長くいい脚を使ってくれました。頭が高く上へ上へという感じでしたが、力のあるところを見せてくれました。これからの馬だと思いますし、来年がまた楽しみになりました」
４着 タガノビューティー（和田竜二騎手）
「ゲートも出ましたし、やれそうな雰囲気はありました。展開が向いたところもありますが、通用するものはあると思います」
５着 プリンスリターン（原田和真騎手）
「スムーズさに欠ける競馬でしたが、自在性がありますし馬はもう一度伸びてくれました」
６着 ジュンライトボルト（岩田康誠騎手）
「直線は盛り返していますが、右にもたれながら走ってのレースでした。それでここまで来ているのですから能力は高いと思います」
７着 ビアンフェ（藤岡佑介騎手）
「出もスムーズでしたし、思い通りに運べました。けっこうないいペースになりましたが頑張っています。スピード能力は優れたものがありますし、それを生かしてまた来年大きいところを目指していけたらと思います」
８着 ラウダシオン（Ｃ．ルメール騎手）
「１６番ゲートからいい位置が取れましたが、直線狭い所に入ってリズム、バランスが悪くなってしまいました。また伸びてくれましたが、距離は少し長いかもしれません」
９着 ウイングレイテスト（松岡正海騎手）
「いい位置を取れましたが、タフな競馬になると完成度が低い分苦しくなります」
１０着 レッドベルジュール（Ｃ．スミヨン騎手）
「スタートも良くなかったですし、フォームがバラバラでスムーズに走れていませんでした」
１４着 エグレムニ（福永祐一騎手）
「距離が長いかもしれません」
１６着 ペールエール（Ｏ．マーフィー騎手）
「枠も良くいい位置が取れましたが、コーナーに入るところで急に止まるようなところがありました。理由はよくわかりませんが、こういう結果になり残念です
（via ラジオNIKKEI ）
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