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ダービー 2019【回顧】おめでとうロジャーバローズ!またも覆された常識と、変わらない常識とは?

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】ダービー 2019 における勝負の明暗

馬 名 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
1 1 ロジャーバローズ 浜中俊 2.22.6   02-02-02-02 35.1 12 *(栗)角居勝彦
4 7 ダノンキングリー 戸崎圭太 2.22.6 クビ 05-05-05-03 34.5 3 (美)萩原清
7 13 ヴェロックス 川田将雅 2.23.0 2 1/2 07-07-07-08 34.3 2 (栗)中内田充
3 6 サートゥルナーリア レーン 2.23.1  1/2 11-11-11-11 34.1 1 *(栗)角居勝彦
5 9 ニシノデイジー 勝浦正樹 2.23.1 13-12-11-09 34.3 13 *(美)高木登
5 10 クラージュゲリエ 三浦皇成 2.23.2 クビ 05-06-05-07 34.7 7 *(栗)池江泰寿
7 14 ランフォザローゼス 福永祐一 2.23.2 クビ 08-09-09-09 34.4 5 (美)藤沢和雄
6 11 レッドジェニアル 酒井学 2.23.4 1 1/4 15-14-13-13 34.2 11 (栗)高橋義忠
8 16 タガノディアマンテ 田辺裕信 2.23.8 2 1/2 15-15-16-13 34.6 15 (栗)鮫島一歩
10 4 8 メイショウテンゲン 武豊 2.24.0 1 17-17-18-16 34.4 10 (栗)池添兼雄
11 3 5 マイネルサーパス 丹内祐次 2.24.2 1 1/4 08-07-07-05 35.8 18 *(美)高木登
12 2 3 エメラルファイト 石川裕紀 2.24.3  3/4 04-04-04-05 36.0 14 (美)相沢郁
13 8 17 ナイママ 柴田大知 2.24.5 1 1/4 12-12-13-13 35.3 17 (美)武藤善則
14 1 2 ヴィント 竹之下智 2.24.5 13-15-16-16 35.0 16 (栗)千田輝彦
15 7 15 リオンリオン 横山武史 2.25.0 3 01-01-01-01 38.3 6 (栗)松永幹夫
16 8 18 シュヴァルツリーゼ 石橋脩 2.25.0 ハナ 08-09-09-11 36.1 9 (美)堀宣行
17 2 4 サトノルークス 池添謙一 2.25.8 5 03-03-03-03 37.6 8 *(栗)池江泰寿
18 6 12 アドマイヤジャスタ M.デム 2.26.9 7 17-17-15-16 37.4 4 (栗)須貝尚介

 

結果に対する感想、思いはひとまず置いておいて、まずすべきは勝者を称えることだろう。

おめでとう!ロジャーバローズ&浜中騎手!!

12番人気という低評価を覆しての「令和最初のダービー馬」ましてや、走破時計・2分22秒6というレコード決着だ!!

紛れもなく「歴史的な勝者」として後世に語り継がれるに相応しい。

 

管理する角居調教師だけは、断然の1番人気だった僚馬サートゥルナーリアが4着に負けているだけに、やや複雑な部分もあるかもしれないが、、、

とにかく、おめでとう!

 

それと同時に、ロジャーバローズを含め、出走した18頭が無事にゴールを迎えられたことに対して、心からの拍手を送りたい。

1着馬だろうが、18着馬だろうが、彼らは2016年に産まれた数多くの馬の中から、18頭という狭き門にまでたどり着いた精鋭なのだ。

生産者、関係者、何より馬自身の今日までの頑張りに敬意を表す必要があるだろう。

皆、お疲れ様。新しい戦いに備えて、ゆっくり休んでほしい。

 

オークス回顧を覚えているだろうか?

ところで、先週私が記した「オークス 2019【回顧】」を読んで下さった方はいるだろうか。

 

オークスの結果を受けて、私は「現代の競馬にはこれまでの常識など通用しないんだ」ということを痛感させられた。

該当部分を抜粋し、再掲してみよう。

現代の競馬には過去の常識など通用しない

それと同時に驚かされたのが、2着に12番人気のカレンブーケドールが食い込んだこと。

人気の低さもそうだが、ポイントは

ラヴズオンリーユーと共に、桜花賞を走っていない馬

だという点。

これまでのオークスにおいては、圧倒的に有利だと言われてきた桜花賞組だが、3着に入るのがやっとだった(クロノジェネシス)

 

それにしても、今年の競馬界は、過去の常識がいとも簡単に覆されるケースが多い。

まずは何と言っても4月の【桜花賞】だ。

圧倒的なスピードを見せたグランアレグリアの姿は記憶に新しいが、年明け初戦での【桜花賞】制覇は史上初めてだった。

 

そして「休み明けでも関係なし!」という傾向はその後も続いた。

桜花賞を含め、G1において、3戦続けて休み明けの馬が優勝を収めている。

桜花賞 → グランアレグリア(年明け初戦)
皐月賞 → サートゥルナーリア(年明け初戦)
天皇賞 → フィエールマン(1月以来)

少なくとも、現時点で

1 → 休み明けのぶっつけは不利
2 → オークスは桜花賞組が有利

という常識、先入観は壊された。恐らく、この先も次々とこういった事態が起こるだろう。

言うまでもないが、悲観すべきことではなく、大歓迎の状況だ。何と言っても、業界が進化を遂げていることの証なのだから。(特に休み明けの馬を仕上げる技術の進歩は凄い)

 

とはいえ、予想する側にとっては楽ではない。

自らの思考を時代の先へともっていくだけの覚悟がなければ、勝負していけないぞ!!

 

そういった思いの中で迎えたのが今回の【日本ダービー】。

だが、それでもこれまでの予想家としての経験から

ダービーだけは皐月賞組が順当に上位を占めるだろう

という思いが拭えなかった。

恐らく、このコラムを読んで下さった方のほぼ全員も同じだと思う。事実、1~4番人気の4頭は皐月賞組だったのだから。

 

またも常識は覆された

しかし、またも

ダービー ➡ 皐月賞組が有利

という常識は覆された。

優勝したのは【皐月賞】を走っていないどころか、重賞勝ちさえ収めたことのない馬だったのだから。

 

【ダービー】【オークス】という「競馬の象徴」ともいうべき2つのビッグレースが結果で示してくれた教訓、改めて心に刻みたい。

 

それでも変わらないものもある

但し、冷静に考えれば、全ての常識が覆された訳ではない。

答えは1番人気サートゥルナーリアの敗戦にある。

結果こそ4着に終わったが、上がり3ハロンでは最速タイムをマークしているように、決して悪い内容のレースではない。

それでも勝てなかった。【皐月賞】で倒した2頭に先着を許してしまった。

 

なぜだろう?

もちろん、細かく掘り下げていけば色々な要素はあるのかもしれない。

だが、実は最も大きかった理由は意外とシンプルで「乗り替わり」だったのではないだろうか。

 

大一番での乗り替わりは難しい

馬のレベルにかかわらず、頻繁に乗り替わりが行われる現代の競馬において、デビューから全てのレースで同じ騎手が跨るというケースは稀だ。

それでも、【ダービー】などの三冠レース、あるいは古馬王道の中長距離線のようなビッグレースくらいは、せめて前走と同じ騎手に任せたい。

 

ビッグレースであればあるほど、馬の能力は高いレベルで拮抗する。わずかなロスが命取りとなる。少しでも馬を知っている騎手の方が、何かがあった時に対応できるはず!

また、慣れない鞍上だと馬が敏感になり、入れ込みやすくなることもあるという。そういえば、レース前からサートゥルナーリアはかなり入れ込んでいた。

これは昔からの競馬の常識

 

色々なことが変わる中、この常識だけは変わることはなかった。

そういえば、平成最後のダービーを制したのは、デビューから常にコンビを組み続けた、ワグネリアン&福永だったね。

 

サートゥルナーリアの場合は、主戦・ルメールの騎乗停止というまさかの自体があったから、陣営には可哀想な面もあるが、結果的には、騎乗停止の時点で流れは決まっていたのかもしれない。

騎手の乗り替わりだけが難しいという点だけは、引き続き大事にしていこう。

 

さあ前を向いて

覆された常識もあり、変わらないこともあり、色々な意味で考えさせられる【ダービー】だった。

だが、いつまでも過去を振り返ってばかりはいられない。

目の前にはG1【安田記念】が迫っているのだから。

 

この2週で掴んだ教訓を早速「結果」という形にすべく、前を向いて積極的に攻めようと思う。

ご期待いただきたい。

 

今回こそ敗退するも未来で期待が持てる穴馬は必ず埋もれている!!近い将来に高確率で爆走するだろう穴馬をお知らせしています。

次走こそ狙え!この馬が未来の主役だ!

今回の「未来の主役」としてご紹介するのは、、、

6着のクラージュゲリエ

上位陣は皆、能力の高さを示したダービーだったと思うが「まだノビシロがありそう」という意味でクラージュゲリエを指名したい。

まだ良くなる

デビュー当時から、素質を評価されながら、やや気性的な若さが見られていた。

そのため、なかなか実戦での走りが安定せずにいたが、実は【皐月賞】から【ダービー】にかけて、その気性面の弱点が随分解消されたように見えた。

案の定、落ち着いたレースぶり。この馬なりに、現時点の力はキッチリと出し切ったのではないか。

後は、まだ少し馬体に子供っぽさを感じる。この夏、ガンガン鍛えられたら、秋、そして来年以降は覚醒するかもしれない。

楽しみにしている。

 

レースを見逃した方はコチラから

 

【ダービー 2019】のレース後の関係者のコメント

1着 ロジャーバローズ(浜中俊騎手)
「びっくりしています。少し残っているのではと思いましたが、必死でしたし、分からない感じでした。(勝っていることが分かった時は)本当に無というか、頭が真っ白で、びっくりしすぎて、分からない感じでした。ロジャーバローズとしては、ある程度ペースが速くなった方が良いと思っていたので、展開としては自分が思っていた中で一番良い展開でした。あとは後ろを待たずに、差されても仕方ないという気持ちで直線は追いだしていきました。坂を上るところで逃げ馬(リオンリオン)を交わして、そこからもう一段馬が辛抱して、一生懸命走ってくれました。長く持久力を生かす形が得意だと思いますが、そういうタフなところは、ひとつの武器だと思います。ダービー馬になりましたので、このあとも当然期待できる馬だと思います。多くの方に声をいただきましたが、それでも実感が湧かない、ふわふわしているのが正直なところです。勝ったということは頭では分かりましたから、これから余韻に浸りたいと思います」

(角居勝彦調教師)
「ダービーは2度目の制覇ですが、嬉しいです。ウオッカで初制覇の時は何が何だか分からない状態でしたが、2度目の今回はまた違った嬉しさがあります。ロジャーバローズはセレクトセール出身の馬で、初めて見た時はいい馬だと思いました。デビューしてから思った通りに成長してくれましたが、前々走のスプリングSでは初めての関東への遠征で、大きく負けてしまったので、2度目の輸送は意識しましたが、今日は落ち着いていました。この馬は先行しして長くいい脚を使うのが良さです。これでお休みに入って、夏を越して秋ということになります。オーナーが凱旋門賞に出したいと言われたそうですが、そうなったらその準備をしたいと思います。サートゥルナーリアが4着となり、少し複雑なところがありますが、違う馬で皐月賞と日本ダービーの二冠を制したことになるので、それは嬉しいです」

2着 ダノンキングリー(戸崎圭太騎手)
「馬の雰囲気はダービー仕様でゆったりしていると感じましたし、返し馬も良かったので距離は大丈夫だと思いました。道中もゆったりと走れていて、思ったように走れていました。あそこまで行けましたし悔しいですが、本当に頑張ってくれました」

3着 ヴェロックス(川田将雅騎手)
「すごく良い雰囲気でレースを迎えられて、全力の競馬をしてくれました。目標としてたサートゥルナーリアには逆転できたのですが……」

4着 サートゥルナーリア(D.レーン騎手)
「時間が経つごとに気持ちが上がってしまいました。ゲートでガタガタして一旦は落ち着きましたが、開く時にまたガタガタしてしまいました。早めに仕掛けざるを得なくなったぶん、最後に響きました。今日は雰囲気や緊張感でテンションが上がってしまいました」

5着 ニシノデイジー(勝浦正樹騎手)
「この距離は良いですね。折り合いもついてスムーズに行けました。最後の踏ん張りは凄かったです。また頑張ってくれると思います」

6着 クラージュゲリエ(三浦皇成騎手)
「この馬にとっては淡々とした良い流れでした。直線坂を上がるまでは良い走りでしたが、1コーナーまでに前の位置を取りに行ったぶんと勝負に行ったぶん、5着の馬に最後交わされてしまいました。しかしまだ成長力を残している馬で、今日の経験は大きいと思います」

7着 ランフォザローゼス(福永祐一騎手)
「4コーナーを回るときの手応えも良く、これならという感じでした。最後も差を詰めていますし、これからどんどん良くなると思います」

(藤沢和雄調教師)
「外枠でしたからね。上手に好位で競馬をしてくれました。若い馬でこれからだと思います。休養してから考えます」

9着 タガノディアマンテ(田辺裕信騎手)
「外枠だったのが……。少し口向きが悪くて外へ張るところがあります。本当は壁を作ってもぐりこみたかったのですが、理想の位置が取れませんでした。1~2コーナーで引っ張って走ったぶん、そこで流れに乗れなかったのが響きました。ただ、後半は馬群を縫って上がって行けて、終いも伸びてきてくれました」

10着 メイショウテンゲン(武豊騎手)
「自分の競馬をして、よく伸びてくれました。秋にはもっと良くなると思います」

14着 ヴィント(竹之下智昭騎手)
「スタートは普通に出ましたが、馬が進んで行かず、無理はしなくていいと思ってあの位置からになりました。今日は良い経験になったと思います。秋にさらに力をつけてきてくれればいいですね」

17着 サトノルークス(池添謙一騎手)
「積極的に行った結果ですから……。仕方がありません」

18着 アドマイヤジャスタ(M.デムーロ騎手)
「この馬らしくありませんでした。普通に出ましたがハミを取らなくて、気合を入れるとハミを取ったのですが、そこでがっと頭を下げてしまいました。向正面で終わってしまった感じです」

(via ラジオNIKKEI 

 

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