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フィリーズレビュー 2022【回顧】魅力的な上位3頭の今後の方向性はどうなる?

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】フィリーズレビュー 2022 における勝負の明暗

2022年 3月13日(日) 1回阪神10日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第56回報知杯フィリーズレビュー
3歳・オープン・G2(馬齢) (牝)(国際)(指定) 芝・内 1400m 15頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
3 4 サブライムアンセム 牝3 54 池添謙一 1.19.9      11-11 34.2 2 7.9 476 -2 (栗)藤原英昭
2 2 ナムラクレア 牝3 54 浜中俊 1.19.9    09-09 34.4 1 1.7 466 +12 (栗)長谷川浩
4 6 アネゴハダ 牝3 54 酒井学 1.20.2 1 3/4    03-03 35.0 4 11.4 438 -6 (栗)佐々木晶
2 3 マイシンフォニー 牝3 54 武豊 1.20.3  3/4    11-11 34.6 3 9.3 464 -6 (栗)松永幹夫
3 5 ラブリネスオーバー 牝3 54 松若風馬 1.20.4  3/4    13-14 34.5 14 58.0 496 -6 (美)高柳瑞樹
5 9 ブッシュガーデン 牝3 54 富田暁 1.20.4 ハナ    06-08 35.0 12 53.2 462 -2 (美)武井亮
6 10 キミワクイーン 牝3 54 内田博幸 1.20.5 クビ    06-06 35.2 5 12.3 430 +10 (美)奥村武
1 1 アドヴァイス 牝3 54 和田竜二 1.21.1 4    03-03 36.0 9 46.2 460 0 (栗)石坂公一
6 11 ゼロドラゴン 牝3 54 横山典弘 1.21.3 1    13-15 35.3 13 53.9 434 -4 (栗)寺島良
10 7 12 スリーパーダ 牝3 54 坂井瑠星 1.21.4  3/4    03-03 36.3 8 39.1 396 -8 (栗)斉藤崇史
11 8 15 モチベーション 牝3 54 秋山稔樹 1.21.5  1/2    09-09 36.0 15 132.3 428 -6 (美)清水英克
12 4 7 コンクパール 牝3 54 泉谷楓真 1.21.6  3/4    01-01 36.7 11 48.2 478 0 (栗)中竹和也
13 5 8 テイエムスパーダ 牝3 54 国分恭介 1.21.8  3/4    02-02 36.8 6 12.8 494 +4 (栗)五十嵐忠
14 7 13 サウンドクレア 牝3 54 団野大成 1.21.9  1/2    13-11 36.0 10 47.1 430 -6 (栗)安達昭夫
15 8 14 ウィリン 牝3 54 菱田裕二 1.22.4 3    06-06 37.1 7 18.4 426 -2 (美)林徹

 

らしくない決着

【フィリーズR】の直近5年の3連単平均配当は、13万馬券を超える荒れる重賞。

本気で先を見据えられる素質馬は、桜花賞の舞台を経験しておきたいという意味で、同じ阪神マイルで行われる1週前の【チューリップ賞】に出走する。

その分、どうしてもコチラに有力馬は集まりにくい。

「成長途上で今後に期待したい馬」だったり「まだ距離適性が定まっていない馬」だったり。

そんなこともあり、一筋縄ではいかない決着が続いてきた。

だが、そんなレースが今年は一変!

何と上位4着までを、そのまま人気上位の4頭が占めた!(順番の違いはあるが)

ハッキリ言って、らしくない決着だったのだ!

 

金鯱賞も同様だが

まず、人気上位馬が上位を占めたことに関して申しておきたい。

似たような状況での決着となった、同日【金鯱賞】の回顧でも記したが

上位人気というだけで、周囲からのマークも厳しくなる。それを乗り越えるためには、ライバルたちよりも明確に1枚上の実力が必要になる。

という点だ。

そして、それをやりきったのが、今回の上位勢だということ。

今回の場合、1番人気のナムラクレアを除けば、例年の【フィリーズレビュー】と同様に、大混戦という見方がされていたはず。

だが、終わってみれば、上位4頭は、少なくとも今回のメンバーの中では

「真の上位4頭だった」

ということになる。彼女たちの能力は、しっかりと高く評価すべきだろう。

参考→金鯱賞 2022 回顧

 

別路線との比較は何とも言えないが

もちろん、例えば【チューリップ賞】組など、別の路線とのレベルの比較という部分に関しては何とも言えない面もある。

だが、少なくとも2着ナムラクレアに関しては、昨年末のG1【阪神JF】でも5着にまとめていたように、実力を評価されてきた馬。

それだけに、前後でゴールした馬たちも

【桜花賞】での勝ち負けは難しくても、掲示板圏内なら可能性あり
(あくまでも現状の話。伸び盛りの3歳馬だけに今後の成長はわからないが)

という見方をしても、差し支えないだろう。

振り返ってみれば、昨年末をもって、最強5歳(当時)牝馬3頭が引退。

ひとつの時代が終わりを告げただけに、新たなスター候補を心待ちにしている競馬ファンは多いだろうが、【フィリーズレビュー】からも魅力的な馬が出てきたことを素直に喜びたい。

 

上位3頭について解説。
まずは1着サブライムアンセムから

さて、ここまでレース全体の印象について記してきたが、後半では個々の馬について簡単に解説。

特に勝ち馬などは、まだ馴染みのない方もおおいだろうし、今後の期待、路線などについて、あくまでも独断と偏見で記してみたい。

ということで、優勝したサブライムアンセムから。
まずは重賞初勝利おめでとう!

4角11番手から、上がり最速の脚で突き抜けた内容はお見事だった。

だが、鞍上・池添騎手の評価は、決して甘いものではなかった。こんなことを言っている。

直線で手応えは十分あったのであいたところへと思っていました。狭いところでしたが抜け出してくれました。欲を言えばあれだけ溜められたら坂を上り終わっても突き抜けて欲しかったと思います

陣営から「成長過程」という言葉も出ているように、まだまだ完成していないのだ。同時に、前半でかかり気味だった影響も当然あるはず。だからこそ、突き抜けきれなかったのだろう。

まず、成長過程という部分に関しては、時間の経過を待つしかない。

だが、気性面に関しては、さすがの藤原厩舎といえど、改善は容易ではないかもしれない。

それだけに、個人的にはいずれは1200Mで見てみたい。

今日は立ち遅れたことで後ろからだったが、本来は前に行けるスピードもありそうだ。

近年、牝馬の良質なスプリンターが次々と生まれているが、続く存在になれるとみた!

 

2着ナムラクレアは安定勢力

結果的には2着に敗れたが、内容的には負けて強しだろう。

レース全体を通して、非常に落ち着いてレースができているように見えたし、また勝ち馬に競り負けたのは、走った位置どりの差もあったと思う。

実力十分!ナムラクレア

上でも記したが【阪神JF】の5着馬。

ある意味では、これくらいは走って当然という見方が正解なのかもしれない。

では、今後はどうだろう?

実はサブライムアンセムとは対照的に、こちらはマイルで頑張ってみても面白いような気がする。

重賞の【小倉2歳S】など、過去2勝がいずれも1200Mであることや、スピード豊かな点からも一見スプリンター寄りに思えるが、精神的には落ち着きがあるし、実は脚質に自在性もある。自在性は、距離が長いほど活きるというのが私の持論。

1200Mでは、この馬の真の良さが活かしきれないのではないだろうか。

マイル路線はどうしても層が厚くなるが、きっとチャンスはあると思う!注目したい。

 

3着アネゴハダはダート兼用で

今回、2着馬には0.3秒差をつけられてしまったが、ほぼ文句のないレースだったように思う。

レース後、鞍上が次のような話をしているが、全くの同感だ。

「レース前の雰囲気も良くスタートも上手く出てくれました。無理なく良いポジションでレースが出来ました。3、4コーナーで少し外へ張り気味になりましたが、よく我慢してくれました。1、2着の馬は決め手のある馬で、この馬の最高のパフォーマンスは出来たと思います」

ただ、やはり気になるのは「決め手」の部分。

その差で、今回負けてしまったことを鞍上も認めている。

スピードがあって、脚質も広いアネゴハダにとって、唯一の弱点がそこなのだ。

それをわかっているからこそ、比較的決め手が求められにくいダートでデビューさせたのだろう。(1着)

それだけに、芝でもやれる馬だが、ぜひ、改めてダート路線でも見てみたい。

芝で鍛えたスピードをもって、本格的にダートへ戻れば、どれだけのパフォーマンスができるだろう?

何だか、こちらまでワクワクしてくるようだ。

最後に未来の主役に指名して、今後も注目していこうと思う。

 

レースを見逃した方はコチラ

 

【フィリーズレビュー 2022】のレース後の関係者のコメント

1着 サブライムアンセム(池添謙一騎手)
「2回ほど調教でコンタクトを取ることが出来ましたが、女の子という感じでテンションが上がりやすく、いかに落ち着いてゲートに向かえるかということを考えていました。過去のレースを見ると行きたがるところがあったので、まずは折り合いをしっかりつけて進められればいいかなということを頭に入れていました。少し立ち遅れる形になりましたが、あまり急がせたくなかったのでちょうどいいかなと思いながら進めていました。道中は噛んでいましたが、コントロールが効く範囲で溜めることが出来たので良い形で走っているなと思いました。直線で手応えは十分あったのであいたところへと思っていました。狭いところでしたが抜け出してくれました。欲を言えばあれだけ溜められたら坂を上り終わっても突き抜けて欲しかったと思いますが、まだ体が良くなっていく成長段階でこれだけ走れたのは能力の証ですし、勝てて良かったです。外回りの1600mは今日のレースとはまた違ってきますし、折り合い面も大事になってくると思います。落ち着いて臨めればと思います」

2着 ナムラクレア(浜中俊騎手)
「落ち着きもあっていいレースが出来ました。ただ落とすわけにはいかないレースで2着。責任を果たせずに申し訳なかったです。今年の初戦としては良い状態に仕上げてくれて、これで次に向かえればいいと思います」

3着 アネゴハダ(酒井学騎手)
「レース前の雰囲気も良くスタートも上手く出てくれました。無理なく良いポジションでレースが出来ました。3、4コーナーで少し外へ張り気味になりましたが、よく我慢してくれました。1、2着の馬は決め手のある馬で、この馬の最高のパフォーマンスは出来たと思います」

5着 ラブリネスオーバー(松若風馬騎手)
「出遅れましたが割り切って終いの脚に賭けました。芝でも切れるのが分かりました。いつもと違う競馬で新しい一面を見せてくれました」

7着 キミワクイーン(内田博幸騎手)
「行きたい馬を行かせて前を見ながら良いなと思っていましたが、ちょっとわかりませんね。左回りの方が良い感触もありますし、今日は弾けませんでした」

10着 スリーパーダ(坂井瑠星騎手)
「イメージ通り折り合いもついて運べました。ただ4コーナーでは余力がありませんでした。課題の力むところはクリアできたと思います」

13着 テイエムスパーダ(国分恭介騎手)
「スタートセンスは抜けています。何もせずに競馬を進めていきました。ラップを聞いて速いかもと思いましたが、この馬のスピードを殺すわけにはいきませんし、止まり方をみるとスプリンターかもしれません。ただスピードはすごいです」

15着 ウィリン(菱田裕二騎手)
「外枠でペースが速くて後ろからになりました。今日は枠順で展開が厳しかったです」

(via ラジオNIKKEI

 

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