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ホーム勝負の明暗【先週の重賞回顧】チャンピオンズカップ 2023 など3重賞⇒勝ち馬に対しての率直な思い&今後が楽しみな「未来の主役」のお話も

【先週の重賞回顧】チャンピオンズカップ 2023 など3重賞⇒勝ち馬に対しての率直な思い&今後が楽しみな「未来の主役」のお話も

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、私たちなりの視点で、レース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

チャンピオンズカップ 2023 の回顧&未来の主役

2023年12月 3日(日) 4回中京2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第24回チャンピオンズカップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) ダート 1800m 15頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
8 15 レモンポップ 牡5 58 坂井瑠星 1.50.6 01-01-01-01 37.3 1 (美)田中博康
4 7 ウィルソンテソーロ 牡4 58 原優介 1.50.8 1 1/4 13-13-13-13 36.6 12 (美)小手川準
3 5 ドゥラエレーデ 牡3 57 ムルザバ 1.50.9 クビ 02-02-02-02 37.5 9 (栗)池添学
3 4 テーオーケインズ 牡6 58 松山弘平 1.50.9 クビ 04-03-04-03 37.3 4 (栗)高柳大輔
2 2 メイショウハリオ 牡6 58 浜中俊 1.51.3 2 1/2 10-10-10-10 37.3 6 (栗)岡田稲男
6 11 ハギノアレグリアス 牡6 58 岩田望来 1.51.4 クビ 09-09-07-07 37.6 5 (栗)四位洋文
1 1 メイクアリープ 牡4 58 幸英明 1.51.4 08-07-07-07 37.6 11 (栗)大根田裕
6 10 ノットゥルノ 牡4 58 松若風馬 1.51.5  3/4 12-12-10-11 37.5 14 (栗)音無秀孝
5 8 アーテルアストレア 牝4 56 横山武史 1.51.6  1/2 13-13-15-13 37.3 13 (栗)橋口慎介
10 7 12 セラフィックコール 牡3 57 M.デム 1.51.9 1 1/2 15-15-13-13 37.7 2 (栗)寺島良
11 5 9 クラウンプライド 牡4 58 川田将雅 1.52.0  1/2 04-05-04-05 38.4 3 (栗)新谷功一
12 B7 13 ケイアイシェルビー 牡5 58 藤懸貴志 1.52.1  3/4 02-03-02-03 38.7 15 (栗)平田修
13 B4 6 グロリアムンディ 牡5 58 ルメール 1.52.1 クビ 04-07-07-07 38.3 8 (栗)大久保龍
14 8 14 アイコンテーラー 牝5 56 モレイラ 1.54.1 大差 10-10-10-11 40.2 7 (栗)河内洋
15 B2 3 ジオグリフ 牡4 58 ビュイッ 1.55.0 5 04-05-04-05 41.4 10 (美)木村哲也

 

勝ち馬に拍手!

レース前の段階から

「レース史上でも稀にみる大混戦」

だと言われた【チャンピオンズカップ】。

1番人気が確実視されたレモンポップには距離面の不安があり(週中には、そこに外枠の不利も追加された)、2番人気候補セラフィックコールは、どうしても差し一手の脚質面が不安視された。

大波乱を想定された方も多かっただろうし、私たちなどもそう読んで、攻めの予想に挑んだ。

結果、3連単で超特大の190万馬券が飛び出しているから「やはり」といったところかもしれない。

ただし、レースの中身、各馬の走りという部分でいえば

「レモンポップが圧倒的な強さを見せたレース」

ということになると思う。

 

印象的な鞍上のコメント

レースぶりについては、皆様もご覧になっていただろうから、簡単にまとめておこう。

とにかく強かった!

前身のジャパンカップダートから名称変更し、舞台も現在の中京ダート1800Mにかわった2014年以降、勝ち馬の出ていない8枠をものともせずに、自慢のスピードを活かしてあっさりと先頭を確保。

その一方で、結果的に3着だったドゥラエレーデや、積極的に突いてきた伏兵・ケイアイシェルビーがすぐ後ろで終始プレッシャーをかけてきた分、楽なレースではなかったはずだ。

それでも、直線でも止まらない。

いや、厳密に言うと、坂井瑠星騎手曰く「最後はこの馬としては、止まった感じでした。距離はギリギリでしたとのことだが、それでいて、2着馬には1馬身1/4差!

坂井騎手は、こんなことも言っている。

距離、枠、明らかに不利な状況でしたがこの馬には関係ありませんでした。素晴らしい能力を持った馬です。馬が強かった、その一言に尽きます。

上で「レモンポップが圧倒的な強さを見せたレース」と記したが、このコメントからも皆様にご納得いただけるのではないだろうか。

 

時代は当分続きそうだ

ちなみに、今回の勝利により

・史上4頭目の春秋ダートG1制覇(同一年度)
・前身のジャパンカップダート時代を含め、史上3頭目の逃げ切り勝ち

という大記録を達成。名実共に、歴史的なダートホースになったといえるだろう。

だが、素晴らしいのは、これだけの走りをして、これだけの記録を達成しながら、坂井騎手から

今後が楽しみになる内容だったと思います

というコメントが出ていること。来年6歳になるトップホースが、まだノビシロを感じさせるというのは、並大抵のことではない。

その潜在能力に改めて衝撃を受けるし、デルマソトガケやウシュバテソーロといった海外で活躍した面々が、仮に来年国内で走ったとしても、少なくとも東京マイル(フェブラリーS)なら互角以上の戦いができるのではないだろうか。

混迷が続く国内ダート路線に、久しぶりに「圧倒的な主役候補」が生まれたことに感謝&陣営に拍手!

 

2着馬はフロックではない

ただ、いくら強くても、今さらレモンポップを「未来の主役に指名します」と言われても、皆さん困ってしまうだろう。

それよりも12番人気ながら2着に激走したウィルソンテソーロについて、簡単にお話させてほしい。

ご存知の方もいるだろうが、実は私たち、この馬の前走【JBCクラシック】の際に軸馬に指名していた(5着)。少々、時代を先取りしてしまったようだね(笑)

それはともかく、当時から最大の魅力として評価していたのが、瞬発力と息の長さを兼備した末脚の破壊力。(2走前以前には、3走続けて、上がり3ハロンで最速タイムをマーク)

そして、今回も、見事に上がり最速をマーク。

それも、私たちが「差し馬の能力評価の物差し」として非常に大事にしている「上がり2位の馬との上がりのタイム差」は、驚きの0.7秒!

参考までに、諸条件の違いがあるとはいえ、今年4月の【桜花賞】において、リバティアイランドが、上がり2位の馬につけた差が同じ0.7秒。

いかに、今回のウィルソンテソーロの数字が価値のあるものか、おわかりいただけると思う。

そんなウィルソンテソーロの持ち味を理解し、しっかりと脚を溜めることに専念したのが、若手の原騎手。彼については、競馬ライターの平松さとし氏が、素晴らしい記事を書かれていたので、ぜひ紹介したい。

記事からもわかる通り、あらゆる面で覚悟が違い、尚且つ肝も据わっている騎手。この先、もっともっと活躍するだろう。

今回は、この人馬を未来の主役として、締めくくりたい。

 

 

参考⇒先週の成績速報

 

チャレンジカップ 2023 の回顧&未来の主役

2023年12月 2日(土) 5回阪神1日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第74回チャレンジカップ
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝・内 2000m 13頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
4 5 ベラジオオペラ 牡3 57 横山和生 1.58.8 04-06-05-05 34.7 3 (栗)上村洋行
4 4 ボッケリーニ 牡7 57 モレイラ 1.58.8 ハナ 08-07-07-09 34.4 2 (栗)池江泰寿
2 2 イズジョーノキセキ 牝6 55 岩田康誠 1.59.0 1 1/4 10-09-07-05 34.8 9 (栗)中村直也
6 8 エピファニー 牡4 57 ルメール 1.59.0 08-10-10-05 34.7 4 (美)宮田敬介
8 12 マテンロウレオ 牡4 57 横山典弘 1.59.1  3/4 05-07-07-09 34.8 6 (栗)昆貢
5 6 ガイアフォース 牡4 57 西村淳也 1.59.2  1/2 03-03-03-03 35.3 1 (栗)杉山晴紀
3 3 リカンカブール 牡4 57 藤岡康太 1.59.3  1/2 13-13-12-12 34.7 7 (栗)田中克典
7 10 フリームファクシ 牡3 56 川田将雅 1.59.4  3/4 02-02-02-02 35.6 5 (栗)須貝尚介
B1 1 ウインマイティー 牝6 55 和田竜二 1.59.6 1 05-04-03-03 35.6 10 (栗)西園正都
10 5 7 アドマイヤビルゴ 牡6 57 ドイル 1.59.6 クビ 10-10-10-13 35.0 13 (栗)友道康夫
11 B6 9 フェーングロッテン 牡4 57 ムルザバ 1.59.8 1 1/4 12-12-12-09 35.2 8 (栗)宮本博
12 8 13 テーオーシリウス 牡5 57 斎藤新 2.00.1 1 1/2 01-01-01-01 36.4 12 (栗)奥村豊
13 7 11 エヒト 牡6 57 松山弘平 2.00.3 1 1/2 05-04-05-05 36.2 11 (栗)森秀行

 

改めて痛感した「競馬の基本」

今回の【チャレンジカップ】、恐らく多くの競馬ファンが

「単勝1番人気・ガイアフォースがどんな勝ち方をするのか」

という点に注目されていたと思う。

もちろん「ギャンブル優先」で、敢えてガイアフォースの評価を下げた人もいただろうが、それでも、能力そのものを低く見ていた人はほぼいないはずだ。

何と言っても「伝説の天皇賞秋」の5着馬なのだから。

だが、それほどの馬が掲示板にさえ載れなかった(6着)

しかも、レース後に西村騎手が「スムーズな競馬はできました」と語っていたように、特にレース中にどうこうという場面もなかったのだから、驚かずにはいられない。

では、敗因は?色々と検証してみたが、やはり「目に見えない疲労があった」としか考えられない。

ここで改めて痛感させられたのが、競馬予想の基本ともいうべき「レコード決着の次走は反動には気をつけろ」という考え方だ。

 

王者は別格視すべきだった

わかりやすい一例を挙げるなら、あのキタサンブラックは、天皇賞春でレコードを出した次走の【宝塚記念】で9着に惨敗したことがある。

そして、ご存知の通り【天皇賞秋】はイクイノックスがスーパーレコードを叩き出して優勝!(1分55秒2)

一方、ガイアフォースも5着だったためにあまり目立たないが、実は従来のレコードと、コンマ1秒しか違わない「1分56秒2」という非常に速い時計で走っている。

時計が出やすい高速馬場だったとはいえ、反動がないはずがないのだ!

ただ、イクイノックスが先週の【ジャパンカップ】を圧勝したため、恐らく誰もが、反動のことを忘れ「天皇賞秋はハイレベルなレースだった」という部分だけが頭に残ったのだろう。

しかし、王者は別格視しなくてはいけなかった。

実は今回の【チャレンジカップ】、同じ【天皇賞秋】に出ていたエヒトも最下位に沈んでいる。

エヒトも【天皇賞秋】ではこの馬としてはかなり速い1分57秒4で走っている。(ヒシイグアスやノースブリッジといった重賞ウイナーに先着)同じように、目に見えない疲労が残ったのだろう。

そういった意味では年末の【有馬記念】に出てくる【天皇賞秋】組も、フラットな目、いや少し厳しい目で評価する必要があるだろう。(もちろん、中2ヶ月になるので、【チャレンジカップ】とは少々状況が違うとは思うが)

 

来年こそが勝負だ!

そうした中で、未来の主役を1頭挙げるなら

5着マテンロウレオ

春の段階では【大阪杯】&【天皇賞春】で連続好走していた馬が【札幌記念】&【オールカマー】で連続二桁着順。

どうしたのかなと思っていたが、結局のところ、状態面に問題があったようだ。

前走から間隔を開けてしっかりと態勢を整えてきた今回は、この馬本来の軽快な動きが蘇っていた。

本来なら、勝ち負けしても驚けない動きだったが、敗因は実にシンプル。

そのあたりをしっかりと表しているのが、レース後に昆師が残した

「もう少し上の着順を目指していましたが、他馬が内へ行くなか、外を回されることになり、そのぶん損をしました」

という悔しさ全開のコメント。確かにレース映像をご覧いただくと、直線の進路取りが理想通りにいっていないことがわかる。

昆師と横山典弘騎手の間に大きな信頼関係があることは皆様もご存知のはず。それにもかかわらず、こうしたコメントが出たのは、よほど思うところがあったのかもしれない。

だが、名手だってこのままでは終わらせないはずだ。このコンビの次走、逆襲の一撃に期待する!

ステイヤーズステークス 2023 の回顧&未来の主役

2023年12月 2日(土) 5回中山1日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第57回スポーツニッポン賞ステイヤーズS
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(特指) 芝 3600m 16頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
4 7 アイアンバローズ 牡6 57 石橋脩 3.45.4 01-01-01-01 35.6 8 (栗)上村洋行
6 11 テーオーロイヤル 牡5 57 浜中俊 3.45.8 2 1/2 06-06-07-07 33.9 2 (栗)岡田稲男
3 5 マイネルウィルトス 牡7 57 横山武史 3.45.9 クビ 08-06-06-05 34.2 3 (栗)宮徹
B1 2 ワープスピード 牡4 57 荻野極 3.46.1 1 1/4 05-05-05-05 34.5 4 (美)高木登
1 1 キングズレイン 牡3 55 ビュイッ 3.46.3 1 1/4 06-06-07-07 34.5 1 (美)手塚貴久
5 9 ダンディズム セ7 57 富田暁 3.46.5 1 1/2 09-09-10-10 34.4 9 (栗)野中賢二
5 10 シルブロン 牡5 57 マーカン 3.46.7 1 14-13-11-11 34.4 5 (美)稲垣幸雄
3 6 メロディーレーン 牝7 55 菅原明良 3.46.7 クビ 09-09-11-12 34.4 12 (栗)森田直行
2 4 ヒュミドール セ7 57 津村明秀 3.47.3 3 1/2 04-04-04-04 36.2 11 (美)小手川準
10 7 14 グランオフィシエ 牡5 57 吉田豊 3.47.4  1/2 11-09-07-07 35.6 13 (美)久保田貴
11 8 15 アフリカンゴールド セ8 57 国分恭介 3.47.7 1 3/4 02-02-02-02 37.8 6 (栗)西園正都
12 4 8 レッドジェネシス セ5 57 小崎綾也 3.47.8  3/4 11-12-13-14 35.3 16 (栗)友道康夫
13 6 12 セファーラジエル 牡5 57 松岡正海 3.47.9  3/4 03-02-03-03 37.9 7 (栗)高柳大輔
14 8 16 アケルナルスター 牡4 57 丹内祐次 3.48.4 3 15-15-14-13 35.8 10 (美)清水英克
15 B2 3 フジマサインパクト 牡5 57 野中悠太 3.48.9 3 1/2 11-13-15-15 36.1 15 (美)菊川正達
16 B7 13 ジェットモーション セ7 57 戸崎圭太 3.49.0 クビ 16-16-16-16 35.7 14 (栗)藤岡健一

 

シンプルに「ジョッキーが上手かった」

レース途中から先頭に立った8番人気の伏兵・アイアンバローズが見事な逃げ切り!

全国の競馬ファンの度肝を抜く形にはなったが、勝因は唯一つ。

「石橋脩ジョッキーが上手かった」

これに尽きるのではないだろうか。さすがは【天皇賞春】の勝利ジョッキーであり、まさにその時、ビートブラックで勝利した2012年を思い出させるレースぶりだった。

では具体的にどこが上手いのか?考え方は人それぞれあるだろうが、私が考える上手さは

「後続の騎手たちの判断を狂わせるペース配分」

にある。

ということで、レース後の、2人の騎手のコメントをご紹介したい。

3着マイネルウィルトスの横山武騎手

「前の3頭よりも後ろの馬が相手だと思っていました。この馬の武器を生かして2周目からポジションを上げて、しっかり脚を使い切ってくれました。想定外だったのは前が止まらなかったことです」

続いて4着ワープスピードの荻野極騎手

「自分からラップを上げる形にすれば良かったです。今日は大事に乗りすぎました」

 

石橋脩を侮るな!

上位に入線した2人のジョッキーは、いずれもアイアンバローズが止まると思っていたのだ。

後ろから見ていて、そういった走り、ペース配分に見えたのだろう。

だが、実際にはそうではなかった。馬のスタミナを残しきれるラインを見極めて、そのペースを維持して(実際には途中からペースアップしているが)後続の騎手の判断を狂わせ、優勝を決めた。

お見事!石橋脩騎手

競馬は「馬7人3」。あくまでも、馬の能力が基本だ。

だが、馬の力だけで全てが決まるなら「人3」という話が出てくるはずがない。馬の力を「最大限に引き出してあげる」ことができるのは、やはり人の技術なのだと思う。

特に長距離戦は、距離が長い分だけ駆け引きも多く、騎手の技術による部分も大きい。

このレース、実は横山典弘騎手が、過去10年で最多の4連対をしているのだが「やはり」という感じかも。

昨今、なかなか目立っていない石橋脩騎手だが、やはり上手い。今回の勝利をキッカケに、再び大きく浮上するかも?ということで、今回は敢えて未来の主役として、石橋脩騎手を推奨しておきたい。頑張れ!

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