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サウジアラビアロイヤルカップ 2022【回顧】「2歳戦あるある」を学んでおこう

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】サウジアラビアロイヤルカップ 2022 における勝負の明暗

2022年10月 8日(土) 4回東京1日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第8回サウジアラビアロイヤルカップ
2歳・オープン・G3(馬齢) (国際)(特指) 芝 1600m 9頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
7 ドルチェモア 牡2 55 横山和生 1.33.4      02-02 33.4 2 (栗)須貝尚介
1 グラニット 牡2 55 嶋田純次 1.33.6 1 1/4    01-01 35.8 7 (美)大和田成
8 シルヴァーデューク 牡2 55 戸崎圭太 1.34.0 2 1/2    03-03 33.9 3 (栗)西村真幸
5 ノッキングポイント 牡2 55 ルメール 1.34.1 1    07-06 33.6 1 (美)木村哲也
4 マイネルケレリウス 牡2 55 石川裕紀 1.34.3 1 1/2    09-09 33.6 4 (美)奥村武
2 ブーケファロス 牡2 55 菅原明良 1.34.4  3/4    04-04 34.1 6 (美)清水英克
3 ミシェラドラータ 牡2 55 大野拓弥 1.34.5  1/2    07-08 33.9 9 (栗)清水久詞
9 フロムナウオン 牡2 55 津村明秀 1.34.6 クビ    06-06 34.2 5 (美)手塚貴久
6 レッドソリッド 牡2 55 三浦皇成 1.35.0 2 1/2    04-04 34.8 8 (栗)音無秀孝

注目の出世重賞がまさかの結果に

【サウジアラビアロイヤルカップ】の過去の勝ち馬、あるいは好走馬を見渡してみると

後の活躍馬(グランアレグリアやサリオスなど挙げ始めたらキリがない)

たちの名前がズラリと並んでいることがわかる。

それだけに、今年に関しても

「後の活躍馬候補(上位人気馬)たちが、順当に結果を残してくれるだろう

と、多くの競馬ファンが考えていたに違いない。だが、競馬はそんなに甘く」はなかった。

優勝馬こそ2番人気馬だったが、何と2着には7番人気の伏兵が突っ込んだ!

しかも、単勝1.4倍という圧倒的な1番人気馬だったノッキングポイントが4着に沈んだ。

いったい、何があったのだろうか!?

 

これぞ「2歳重賞あるある」

グランアレグリアもここを勝った

レース展開に関しては、実際にレースをご覧の方ならおわかりの通りだ。

7番人気ながら2着に激走したグラニット(嶋田騎手)が序盤から単騎先頭を走る。

離れた2番手追走となったのが(実質、先頭的な位置)優勝したドルチェモア(横山和騎手)

さて、私たちが外からレースを見ていたからという部分もあるかもしれないが、それでも、大半の方は中盤から直線にはいるあたりにかけて

「グラニットは随分手応えが良さそうだけど、後続は追いかけなくても大丈夫なのかな!?」

と思われたのではないだろうか。

それでも、後続はなかなか動かなかった。

こういった展開を、私は「2歳重賞あるある」と呼んでいる。

 

互いの馬のことをよく知らないだけに

2歳重賞に出走してくる馬というのは、皆1戦1勝だとか、2戦1勝といった馬ばかり。

結局、ジョッキーたちも、ライバルたちのことをよく把握しきれていないのだ。

いや、場合によっては自分の馬のことさえ、理解しきれていないケースも少なくないらしい。

(実際に今回のレース後、ノッキングポイントで敗れたルメール騎手は「もっとピリッとした脚を使えると思ったが、直線はギアアップできずにジリジリとしか伸びなかった」と語るなど、イメージと違ったことを認めている)

2歳戦はとにかくデータが少ない

だから、各馬を「騎手や単勝人気」で判断するしかない。

失礼ながら、グラニットは単勝7番人気であり、また嶋田騎手も実績豊富な騎手とは言い難い。

だから、ライバルたちは「大丈夫だ」と感じてしまったのだろう。
(似たような立場の人気薄でも、何戦も経験している古馬だったら「前に単騎逃げで粘ったことのある馬だな」などの想像もできるが)

そして結果は、、、これがまさに「2歳重賞あるある」なのだ。

 

まず、シンプルに勝ち馬は強い!

さて、無欲で逃げることのできたグラニットをキッチリととらえ、勝利を収めたドルチェモアは当然素晴らしいと思う。

これで2戦2勝での重賞初制覇。心からの祝福を申し上げたい。

レース後、鞍上の横山和生騎手は次のように語っていた。

血統馬ですし、新馬の頃から期待していて、返し馬で馬の良さが伝わってきていました。これから順調にいけば、まだまだ頑張ってくれると思います

現状の手応え、そして今後への期待の大きさもコメントから伝わってくる。

私たちが見る限り、現状で特に感じる魅力は、行きっぷりの良さと反応の良さ。

特に反応の良さは、これから先、上を狙っていく上での必須条件だと思えるだけに、過去の偉大な先輩たちに続いて、期待は大きくなる。

騎手自身、先週の【凱旋門賞】では非常に悔しい思い(騎乗停止の件を含めて)をしたはずだが、これで良い意味でリセットできたのではないだろうか。

 

だが、2着馬も侮るなかれ

ただし、2着馬も決して侮ってはいけない。

確かに、無欲&後続からのノーマークの逃げが結果的にハマった部分はあったかもしれない。

とはいえ、どんなにマークが少なかろうが、舞台はタフな東京のマイルなのだ。

それ相応の底力がなければ、出世重賞での2着という結果が得られるはずがない。

行きっぷりの良さ、淡々とマイペースで走れる落ち着きは2歳馬離れしていて素晴らしいと思うが、それ以上に評価すべきは、ラストの直線だろう。

嶋田騎手が「バタバタになって」と語っているように、確かに最後は苦しそうで、もがいているようにさえ感じた。

だが、それでも致命的な崩れ方をしないあたり、真の実力を感じる。

G1での好走のイメージまでは現段階ではわかないが、G2、G3ならいつ勝っても驚けないというのが率直な印象。

ストレートに高く評価するなら勝ち馬だが、穴党としては、この馬を「敢えての未来の主役」に指名して、今後も注目してみようと思う。

 

ノッキングポイントは、よくわからない

最後に、圧倒的な1番人気を裏切ってしまったノッキングポイントだが、、、

「よくわからない」というのが正直な感想だ(苦笑)

今振り返っても、今回と同じ東京マイルでの新馬戦での価値っぷりは素晴らしかった。

ルメール騎手も絶賛していたが、それも納得。

当時は、マイルの距離も合っているなと感じたが、今回のレース後、ルメール騎手は

「直線ではギアアップしてくれませんでした。ジリジリという感じになってしまいました。走り方は綺麗ですが、長い距離の方が良いみたいです」

実際に跨っている鞍上も、まだまだ理解しきれていない様子だ。

なんでダメだったの?

その上で、強いて申し上げるなら、個人的には、単純に「仕上がりきっていなかった」のかなという気がする。

調教の際にはそれほど感じなかったが、レースが始まってみると、やや動きが重いように感じられた。先も狙える大器ゆえの、余裕残しの仕上げだったのだろうか。

改めて、上でも記した通り新馬戦の内容には「本物感」があった。

仮に、次走で少しでも人気を落としてくれたら!美味しく狙おうじゃないか!

 

【サウジアラビアロイヤルカップ 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 ドルチェモア(横山和生騎手)
「リズムは良かったです。ドルチェモアの力を信じていましたし、直線に向いた時に前と差はありましたが、捉えられると思っていました。手応えも良かったです。血統馬ですし、新馬の頃から期待していて、返し馬で馬の良さが伝わってきていました。これから順調にいけば、まだまだ頑張ってくれると思います」(須貝尚介調教師)
「思った以上に強かったです。もう少し僅差になるかと思いましたが……。まだ自分の中では未知な部分が多すぎる馬です。新馬も太かったのですが、それであれだけの競馬をしてくれましたからね。ジョッキーも上手く乗ってくれました。今後は、無事なら朝日杯に向けて調整したいと思います」2着 グラニット(嶋田純次騎手)
「切れ味勝負は分が悪いので、内枠でしたし、淡々と行こうと思いました。直線に向いた時、後ろとの距離が開いていたので、一瞬おっと思いました。バタバタになって、最後まで頑張ってくれましたが、勝った馬にはサッと交わされてしまいました。悔しいです」3着 シルヴァーデューク(戸崎圭太騎手)
「乗りやすい馬です。これぐらいの距離が良いので、もう少し力を付けてくれれば良いですね」

4着 ノッキングポイント(C.ルメール騎手)
「直線ではギアアップしてくれませんでした。ジリジリという感じになってしまいました。走り方は綺麗ですが、長い距離の方が良いみたいです」

5着 マイネルケレリウス(石川裕紀人騎手)
「スタートが勿体なかったです。スタートしてから挟まれてしまいました。道中の走りは良かったですし、元々、あのポジションで競馬をするつもりはなく、中団で競馬をしたいと思っていました。ハナに行った馬が速いペースを作ってくれて、しっかり流れると思っていました。結果的に能力の分からない競馬になってしまい申し訳ないのですが、馬は良かったです」

6着 ブーケファロス(菅原明良騎手)
「ゲートを出てある程度の位置に付けて、折り合いは問題ありませんでした。終いは脚を使ってくれましたが、休み明けの分もあるかもしれません。時計の速いパンパンの良馬場よりも渋った馬場の方が良いと思います」

7着 ミシェラドラータ(大野拓弥騎手)
「内枠でしたし、じっとしていました。5着辺りとは差がありませんでしたし、マイルでも対応できるなと思いました」

(via ラジオNIKKEI

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