こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください！
勝負の明暗 はここだった！
【回顧】中日新聞杯 2018 における勝負の明暗
| 着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| １ | 5 | 7 | ギベオン | 牡3 | 56 | Ｃ．デム | 1.59.3 | 08-08-08-07 | 35.3 | 1 | |
| ２ | B6 | 10 | ショウナンバッハ | 牡7 | 54 | 鮫島克駿 | 1.59.3 | ハナ | 10-11-11-09 | 35.1 | 12 |
| ３ | 7 | 12 | ストロングタイタン | 牡5 | 57 | アヴドゥ | 2.00.0 | 4 | 06-06-06-05 | 36.2 | 7 |
| ４ | 6 | 9 | レイホーロマンス | 牝5 | 51 | 丸山元気 | 2.00.1 | 1/2 | 13-13-13-14 | 35.5 | 8 |
| ５ | 7 | 11 | メートルダール | 牡5 | 57 | 福永祐一 | 2.00.2 | 1/2 | 09-09-09-09 | 36.0 | 3 |
| ６ | 1 | 1 | エンジニア | 牡5 | 54 | 北村宏司 | 2.00.2 | クビ | 06-06-06-07 | 36.2 | 6 |
| ７ | 4 | 5 | マサハヤドリーム | 牡6 | 55 | 北村友一 | 2.00.4 | 1 | 12-12-11-12 | 36.0 | 13 |
| ８ | 8 | 14 | マイスタイル | 牡4 | 56 | 田中勝春 | 2.00.4 | クビ | 01-01-01-01 | 37.6 | 2 |
| ９ | 2 | 2 | アメリカズカップ | 牡4 | 56 | 松山弘平 | 2.00.4 | ハナ | 02-03-04-05 | 36.6 | 10 |
| 10 | 5 | 8 | ドレッドノータス | セ5 | 56 | 中谷雄太 | 2.00.4 | 頭 | 02-05-04-04 | 36.8 | 4 |
| 11 | 4 | 6 | ハクサンルドルフ | 牡5 | 55 | 藤岡康太 | 2.00.4 | クビ | 14-13-13-12 | 35.9 | 9 |
| 12 | 3 | 4 | エテルナミノル | 牝5 | 54 | 四位洋文 | 2.00.6 | 1 1/4 | 02-03-03-02 | 37.3 | 11 |
| 13 | 3 | 3 | グレイル | 牡3 | 55 | 津村明秀 | 2.00.7 | 1/2 | 10-09-09-09 | 36.5 | 5 |
| 14 | B8 | 13 | スズカディープ | セ6 | 53 | 岩崎翼 | 2.02.2 | 9 | 02-02-02-02 | 38.9 | 14 |
３歳馬の勢いが止まらない
まずは、初めての古馬との対戦にもかかわらず、堂々の重賞勝ちを収めたギベオン、そして関係者の皆さんに対して、心から祝福したい。見事な差し脚だった。
それにしても、今年の３歳勢はレベルが高い。
実は、同日の中山＆阪神のメーンレースでも３歳馬が大活躍！それぞれワンツーフィニッシュを決めているのだ。
中山【師走ステークス】
１着テーオーエナジー＆２着チュウワウィザード
阪神【リゲルステークス】
１着パクスアメリカーナ＆２着アサクサゲンキ
改めて振り返るまでもないが、先日の【ジャパンカップ】＆【チャンピオンズカップ】と、芝・ダートの頂点にも３歳馬が立っている。
世代ごとに、突出した存在というのはいるものだが、ここまで全体のレベルが高い世代というのは見たことがないかもしれない。本当に驚きだ。
歴史的な偉業が目の前に
年が開ければ４歳世代となる彼らは、名実ともに日本競馬界の中心となる。
これまで、日本競馬界が近づきながらも手が届かなかった
「世界の頂点」
ひょっとしたら、この世代の中から、歴史的偉業を達成する馬が出てくるのかもしれない。
順当にアーモンドアイやルヴァンスレーヴなのか？あるいは別の馬が進化を遂げるのか？いずれにせよ楽しみにしたい。
今回は差し馬が勝利をおさめたが
さて、今回のレースが行われた舞台、中京芝2000Ｍは、直線の長さゆえに「差し・追い込み馬が有利」と考えている方が少なくないようだ。ましてや、今回のレースでは差し馬のギベオンとショウナンバッハがワンツーを決めたし、余計にその思いを強くされたかもしれない。
しかし、過去のデータを見る限り、必ずしもそうではない。以下のデータからも明らかだ。
中京芝2000Ｍ 脚質別の成績（2015年以降）
| 脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 18- 15- 18- 96/ 147 | 12.2% | 22.4% | 34.7% |
| 先行 | 42- 51- 47- 307/ 447 | 9.4% | 20.8% | 31.3% |
| 中団 | 59- 48- 46- 638/ 791 | 7.5% | 13.5% | 19.3% |
| 後方 | 13- 16- 18- 518/ 565 | 2.3% | 5.1% | 8.3% |
| ﾏｸﾘ | 1- 3- 6- 15/ 25 | 4.0% | 16.0% | 40.0% |
※スクロールできます
直線の長さは、どのジョッキーの頭にもある。それゆえに「じっくり構えすぎてしまうケースが少なくない」ということのようだ
傾向を後押しするのがコース形態
上記画像からもおわかりの通り、実は中京芝2000Ｍのスタート地点は、上り坂の途中にある！
当然、スピードが出にくい。スピードが出ないまま、隊列は固まる。そこをわざわざ崩そうとする騎手はあまりいないから、そのまま直線へ。当然、前にいる馬が残りやすいのだ。
田中勝春騎手自身もまさかだっただろう
今回、そんな展開の利を活かしたかったのが、２番人気のマイスタイル＆田中勝春騎手。私達も、マイスタイルが好走する可能性が高いと考えていた。
だが、レース後に「１コーナーの入りは良かったのですが、今日は上手くハミが抜けませんでした」と語っているように、馬が力んだ状態のまま走ったためペースが上がってしまった。これでは前の馬は残れない。ジョッキー自身もまさかの展開だったに違いない。
また、私達もマイスタイルがそこまで力んでしまうことを読みきれなかった。反省が必要だ。
（誤解のないように記しておくが、今回のレースで見せたギベオンやショウナンバッハのパフォーマンスは文句なしに素晴らしいものだった。例え前有利の流れであったとしても、彼らが突っ込んできた可能性は十分にある）
目の前の結果を全てだとは思わずに
とはいえ、ひとつの結果を「全て」だととらえるのは危険だ。
今日は今日。もちろん競馬は生き物だから今回のようなケースもあるし、先入観にとらわれすぎるのが良くないことは大前提。
それを認めた上で「基本」を頭に入れておくことは、競馬予想に限らず、必要なことだ。
皆さまも、基本的には中京芝2000Ｍは、好位組が有利だと頭に入れておいてほしい。その上で、様々なことが起こる競馬の世界を楽しむのが良いのではないだろうか。
次走こそ狙え！この馬が未来の主役だ！
今回の「未来の主役」としてご紹介するのは
４着レイホーロマンス
実は今回のレースが８戦連続での重賞出走となった。
格上相手、牡馬とのレース、など難しい戦いが続くが、それでも前走のＧ１【エリザベス女王杯】を除けば、最も悪いレースでも６着！その他は常に掲示板圏内にまとめているのだ。
様々な競馬場、ペースをものともせずに確実に力を出し切れるのは、要するに力あるからであり、その安定感は馬券を買う側にとっては非常に頼もしい。
今回は４着に敗れたが、牝馬限定のＧ３あたりに出走なら確実に勝ち負けになりそう！覚えておいてほしい。
【中日新聞杯 2018】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【中日新聞杯 2018】のレース後の関係者のコメント
～レース後のコメント～
１着 ギベオン（Ｃ．デムーロ騎手）
「良いポジションが取れて折り合ってレースが出来ました。良い感じで上がって行けました。直線も良い脚でよく走ってくれました」
２着 ショウナンバッハ（鮫島克駿騎手）
「なるべく風の影響を受けない位置でレースをしました。この馬の持ち味はしっかり出してくれたと思います」
３着 ストロングタイタン（Ｂ．アヴドゥラ騎手）
「スタートが良く、良いポジションでレースが出来ました。かわされた時に怯むところがありましたが、そこからまた伸びました。夏に乗った時は心房細動で力を出せませんでした。今日は本来の力の片鱗を見せてくれました」
４着 レイホーロマンス（丸山元気騎手）
「トモが入らずスタートで後ろの位置になりました。最後は５１キロもあって良い脚で伸びました」
８着 マイスタイル（田中勝春騎手）
「１コーナーの入りは良かったのですが、今日は上手くハミが抜けませんでした」
（via ラジオNIKKEI ）
勝負の明暗バックナンバーは下記をクリック
