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フェブラリーステークス 2020【回顧】結果は大事だけど「内容」も見逃すな!

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】フェブラリーステークス 2020 における勝負の明暗

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
6 12 モズアスコット 牡6 57 ルメール 1.35.2      08-08 35.4 1 2.8 494 0 (栗)矢作芳人
8 15 ケイティブレイブ 牡7 57 長岡禎仁 1.35.6 2 1/2    09-09 35.6 16 142.6 524 +4 (栗)杉山晴紀
5 9 サンライズノヴァ 牡6 57 松山弘平 1.35.8 1 1/4    12-13 35.3 3 6.8 534 +10 (栗)音無秀孝
8 16 ワンダーリーデル 牡7 57 横山典弘 1.35.8 ハナ    12-11 35.5 7 28.0 530 0 (栗)安田翔伍
2 4 タイムフライヤー 牡5 57 フォーリ 1.36.1 1 3/4    03-03 37.0 10 30.3 472 -2 (栗)松田国英
4 8 キングズガード 牡9 57 秋山真一 1.36.5 2 1/2    14-13 35.9 14 111.5 470 -8 (栗)寺島良
6 11 モジアナフレイバー 牡5 57 繁田健一 1.36.5 同着    14-13 36.0 11 45.4 516 -3 [地]福永敏
5 10 ノンコノユメ セ8 57 真島大輔 1.36.6  1/2    11-11 36.3 9 29.1 446 +3 [地]荒山勝徳
1 2 アルクトス 牡5 57 田辺裕信 1.37.0 2 1/2    02-01 38.3 4 9.0 548 +8 (美)栗田徹
10 4 7 ヴェンジェンス 牡7 57 幸英明 1.37.0    07-06 37.5 5 17.0 496 -4 (栗)大根田裕
11 7 14 ミューチャリー 牡4 57 御神本訓 1.37.1  1/2    14-16 36.4 15 112.9 464 -1 [地]矢野義幸
12 2 3 ワイドファラオ 牡4 57 福永祐一 1.37.3 1 1/4    01-02 38.5 6 24.1 500 -8 (栗)角居勝彦
13 1 1 ブルドッグボス 牡8 57 和田竜二 1.38.3 6    06-04 38.9 13 110.3 514 -18 (栗)加用正
14 3 5 インティ 牡6 57 武豊 1.38.3 クビ    04-04 39.0 2 3.0 514 -4 (栗)野中賢二
15 7 13 デルマルーヴル 牡4 57 M.デム 1.38.6 1 3/4    09-10 38.4 8 29.1 494 0 (美)戸田博文
16 3 6 ミッキーワイルド 牡5 57 北村友一 1.38.9 1 3/4    04-06 39.3 12 48.3 508 -6 (栗)安田隆行

 

2020年のG1第一弾【フェブラリーステークス】を制したのはモズアスコット

G1という大舞台、それもマイルという比較的短い距離のレースにおける2馬身半差は圧倒的だが、抜け出す時のスピード感、ゴール前での余裕を考慮すれば、能力差は更に大きいとみるのが妥当。

これで、史上5頭の芝・ダート両G1の制覇馬となったそうだ。

本当にとんでもない馬が出てきたものだ。

 

と同時に、この馬が前走【根岸S】を制した時に浮かんだ感想と「全く同じ思い」が頭をよぎった。

当時のレース回顧にも記したが、該当部分を転載してみよう。

改めて申し上げるまでもないことだろうが、日本競馬は、元々欧州競馬に倣う形で整備されてきた。それゆえ「芝>ダート」。

殆どの生産者が「芝の王者」を夢見て馬づくりに励むと言われているし、その馬を育てることになった側も芝での活躍を目指す。

その上で、現実的に芝での活躍が難しいと関係者が判断した時、第2の選択肢としてダートを選択する。(一部の例外はあるだろうが)

そういった背景があるのだから、芝でG1を勝つほどの馬がダートに転向すれば、ある程度活躍するのは当たり前。

だが!それにしても強かった!

 

地力を超えた適性あり

レース後、ルメール騎手は以下のようなコメントを残している。

ゲートの中で座って出遅れたけど、すぐハミをとってくれて流れに乗れました。ダートは初めてでしたが手応えが良かったし、いつも通りいい脚を使ってくれました

「手応えが良かった」という通り、確かに道中のフットワークは軽快で、芝のレースに出走していた時と、全く変わらない雰囲気だった。

砂を被っても動じなかった精神面や、直線で見せた力強い動きを含め

(芝G1馬という)地力の違いを超越したダート適性がある

と考えて間違いあるまい。

 

上にもあるように、そもそも芝でG1を勝つような馬は性能が違う。

そしてダート適性も示した!

ましてや今回は、昨秋G1【チャンピオンズカップ】の1&2着馬が不在。

となれば、好走して当然だったのかもしれない。

 

気になるのは未来の話

だから、今回のレースぶりを改めて振り返る必要はないと思う。

それより、個人的に気になるのは未来。

それも次走ではない。次走も楽しみだが、それ以上にいつの日か訪れる種牡馬になった時の話だ。

ダート2戦目での2連勝&G1制覇といえば、やはりクロフネを思い出す。

クロフネの代表産駒モズアスコット

現役時代の彼の走りは素晴らしかったが、より讃えられるべきは、引退後、アエロリットやカレンチャンなど、複数のG1馬を輩出した点だろう。

モズアスコットもそれに続いてほしい。

父フランケルの血統背景からも、可能性は無限だ!

そのためにも!今後も怪我なく、走り続けてほしい。心から祈っている。

 

厳しい流れになったからこそ

ここからは、その他の馬たちについて、簡単に振り返っていきたい。

御存知の通り、レース前半から4番人気アルクトスと、6番人気ワイドファラオがやりあって飛ばす流れに。

(共に逃げたいという意思があり、それを貫いたのだろうが、馬にとっても一世一代のG1だからこそ、あそこまで無理をする必要があったのかという気が個人的にはする。ましてやそれなりに人気を集めた馬たちなのだから。)

タフな流れになると!問われるのは底力(スタミナ)やコース適性ではないか。

上位2~4着馬は、皆そういったタイプの馬たちだった。

 

全盛期でも好走できなかったレースでの激走

例えば2着馬ケイティブレイブは、2000M前後の交流G1などで何度も好走してきた馬。

本質的にはマイルは短い。

そのため、全盛期と思われた2018年の【フェブラリーステークス】でも11着に敗れている。

そんな馬が2着に来られたのは、やはり長い距離で鍛えてきた底力があればこそ。

もちろん、苦労人・長岡騎手も落ち着いて良い騎乗をしていた。最低人気の馬がG1で2着に入るなんて、夢があるじゃないか!

また、3着馬サンライズノヴァと、4着ワンダーリーデルは、共にここ東京ダートマイルの重賞で勝利を経験している。

2頭には抜群の適性があった。

 

今回の結果をそのまま鵜呑みにするのは危険かも

2着馬~4着馬は本当に頑張った。

G1での上位好走は価値がある。祝福したい。

それを大前提として!

やはり逃げた2頭が作った流れが追い風になった部分も少なからずあると個人的には考えている。

したがって、モズアスコットを別格にすれば、今回の結果だけで上位馬は強い!下位馬は弱いと決めつけすぎるのは、危険な気がするのだ。

 

常々申し上げている通り

競馬は着順も大事だが同じくらい内容も大事

今回敗れた馬の中でも、今後に期待を抱かせてくれるような走りをした馬もいた。

中でも!特に魅力を感じた馬を、引き続き「未来の主役」としてお伝えしたい。

 

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今回こそ敗退するも未来で期待が持てる穴馬は必ず埋もれている!!近い将来に高確率で爆走するだろう穴馬をお知らせしています。

「やはりそうきたか!!」

と思われる方も多いだろうが、G1なので奇をてらわずに素直に

5着・タイムフライヤー

の走りには可能性を感じた。

逃げた2頭に続いて好位3番手でレースを運ぶ展開に。

直線で一時先頭に立った時は、本当にそのまま突き抜けるではないかという手応えだったが、無念の失速をしてしまったのは、速い流れについていった分のスタミナロスが影響したのだろう。

それでも、大崩れすることなく掲示板を確保した点が立派。

そう言えば、この馬もモズアスコットと同じく

芝のG1馬だった!

ダート馬として突き抜ける可能性も十分にあるだろう。

今後の展開を見守りたい。

 

【フェブラリーステークス 2020】のレース後の関係者のコメント

1着 モズアスコット(C.ルメール騎手)
「ついに(自分自身)フェブラリーSを勝てました。今までたくさん2着がありましたが、今日はビッグチャンスだと思っていましたし、勝てて嬉しいです。
今日はいいスタートを切って、インティの後ろにつけて、直線はすごくいい脚で加速しました。素晴らしい脚でしたね。彼はダートで新しい面が出ました。彼のような血統のダートホースもいますし、すぐにダートに慣れて能力を発揮してくれました。強かったです。是非またGIで応援してください」

(矢作芳人調教師)
「状態も良くなっていましたし、芝スタートで1600mと条件が好転していましたし、自信はありましたが、その分、緊張もしました。
レースについてルメール騎手と特に話はしていません。道中の位置取りも良く、直線、外に出せば必ず伸びると思っていました。抜け出した後も、府中の直線は長いので最後まで気を抜けませんでしたが、嬉しかったです。
連闘でGIを勝ったり、ダートでもGIを勝ち、すごい馬です。年を重ね、適性が変わってきたところがあり、芝なら時計の掛かる馬場が、それかダートが合っています。
この後は、オーストラリアのドンカスターマイルに向かいます。秋は、アメリカのブリーダーズCダートマイルを視野に入れています。本格的に、芝・ダートの二刀流として育てていきたいと思います」

2着 ケイティブレイブ(長岡禎仁騎手)
「よく伸びてくれました。外枠でしたから、内の馬を見ながら道中はラストの脚を残して、伸びるのを信じて乗りました。馬が応えてくれました。本当にいい伸びで、勝てるかと思ったほどでした」

3着 サンライズノヴァ(松山弘平騎手)
「本当にいい脚を使ってくれました。4コーナーで外を回される形になりましたが、強い競馬をしてくれました」

4着 ワンダーリーデル(横山典弘騎手)
「馬は頑張ってくれました。よく走っています」

5着 タイムフライヤー(S.フォーリー騎手)
「4コーナーまでもう少しスタミナをセーブしたかったのですが、うまく抑えることが出来ませんでした。馬はGIでよく走ってくれました」

6着同着 モジアナフレイバー(繁田健一騎手)
「芝スタートで滑ってしまい、進んで行きませんでした。もう2列前でレースがしたかったんですが…。2列前だったら、また違った結果になったと思います」

8着 ノンコノユメ(真島大輔騎手)
「ゲートは上手に出てくれました。現状、1800mから2000mの方がレースはしやすいと思います。マイルは忙しいです」

10着 ヴェンジェンス(幸英明騎手)
「今日はゲートも出て、前でレースが出来ました。3、4コーナーで砂を被って、精神的に嫌がっていました。そこで走る気をなくしてしまいました」

11着 ミューチャリー(御神本訓史騎手)
「軽いダートの経験値がないので仕方ないです。いい経験になったと思います」

14着 インティ(武豊騎手)
「全然、この馬らしさがありませんでした。馬場に出て、返し馬はうなるほどの感じだったのですが…。初めて全然走らない感じになりました。走りのバランスが良くありませんでした。何ともなければいいのですが」

(via ラジオNIKKEI 

 

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