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ターコイズステークス 2021【回顧】まさに「現代競馬」!大調教師誕生の予感も

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】ターコイズステークス 2021 における勝負の明暗

2021年12月18日(土) 5回中山5日 天候 : 晴  馬場状態 : 稍重
【11R】 第7回ターコイズS
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (牝)(国際)(特指) 芝 1600m 16頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
1 2 ミスニューヨーク 牝4 53 M.デム 1.32.8    16-15-14 34.6 4 6.8 462 0 (栗)杉山晴紀
5 9 アンドラステ 牝5 56.5 岩田望来 1.33.0 1 1/4  09-07-06 35.5 3 6.3 474 0 (栗)中内田充
8 15 ギルデッドミラー 牝4 54 戸崎圭太 1.33.1  1/2  09-07-06 35.6 13 38.0 486 -2 (栗)松永幹夫
2 4 フェアリーポルカ 牝5 56 三浦皇成 1.33.3 1 1/4  11-09-09 35.6 8 15.5 496 -2 (栗)西村真幸
7 13 ジュランビル 牝5 53 菊沢一樹 1.33.3  03-04-03 36.2 16 229.7 476 -6 (栗)寺島良
3 5 イベリス 牝5 56 酒井学 1.33.4  1/2  01-01-02 36.6 14 42.7 484 +12 (栗)角田晃一
4 7 スマートリアン 牝4 54 池添謙一 1.33.4 クビ  03-04-03 36.2 1 4.3 480 -14 (栗)石橋守
7 14 マルターズディオサ 牝4 56 田辺裕信 1.33.4 ハナ  11-09-09 35.7 2 6.2 456 +6 (美)手塚貴久
4 8 ムーンチャイム 牝6 53 大野拓弥 1.33.6 1  14-15-16 35.5 15 103.4 470 0 (栗)千田輝彦
10 6 11 レッドフラヴィア 牝4 53 津村明秀 1.33.7  1/2  11-13-13 35.7 11 31.4 508 -10 (栗)平田修
11 2 3 ドナウデルタ 牝5 56 鮫島克駿 1.33.8  1/2  08-13-14 35.9 7 15.3 460 +4 (栗)高野友和
12 8 16 クリノプレミアム 牝4 53 菅原明良 1.33.9  1/2  03-03-03 36.9 10 28.5 482 -6 (美)伊藤伸一
13 3 6 サンクテュエール 牝4 55 横山武史 1.33.9 クビ  03-09-09 36.3 12 34.9 478 +6 (美)藤沢和雄
14 5 10 ドナアトラエンテ 牝5 55 ルメール 1.34.1 1 1/4  14-09-09 36.4 5 7.1 468 +18 (美)国枝栄
15 6 12 スマイルカナ 牝4 56 柴田大知 1.34.2  3/4  02-02-01 37.4 9 15.8 434 -2 (美)高橋祥泰
16 1 1 アクアミラビリス 牝5 54 浜中俊 1.35.5 8  03-04-06 38.4 6 15.3 432 -4 (栗)吉村圭司

 

お見事!ミスニューヨーク

【ターコイズステークス】といえば荒れる重賞だ。

何と言っても、昨年までの直近5年の3連単平均配当が17万馬券を超えていた。

ハンデ重賞ということに加え、トリッキーな中山マイルコースが舞台。
いかにも一筋縄ではいかない条件が揃っているだけに、当然の結果なのかもしれない。

そして、今年も荒れた!

優勝したのは4番人気のミスニューヨーク!

その一方で、1&2番人気の2頭はいずれも掲示板にさえ載れず、対照的に3着には13番人気の伏兵・ギルデッドミラーが飛び込んだ。

幸い、穴のキングスポーツらしく、3連複2万馬券という高配当を射止めることができた。

参考⇒12/18.19 結果

 

上位に激走してくれた3頭、中でも私たちが1週前からご会員様やYouTubeにてご紹介していた、ミスニューヨークの激走には心から感謝している。

 

今思う、2つのこと

4コーナー14番手から、上がり3ハロン最速の末脚を繰り出して、豪快に差し切った。

ミスニューヨーク自身がマークした上がり最速のタイムが34秒6。

このタイムからもわかるように、レース全体の流れはそれなりに速く、後ろの馬に有利な流れだったことは間違い。

それでも、直線の短い中山での、14番手からの差し切りは強烈だ。

これが悲願の重賞初制覇!これまで、重賞では何度も好走しながら、勝利にまでは至っていなかっただけに、陣営の喜びは大きいだろう。おめでとう!

参考⇒ミスニューヨークをご紹介したYouTube

 

そんなミスニューヨークの走りを受けて、今思うことが「2つ」ある。

今回のコラムは、その2つの特化する形でご紹介させてもらいたい。

 

思うこと①⇒まさしく現代競馬

「まさしく現代競馬」

という結論に至る前に、まずはミスニューヨークが「どういうタイプの馬だったのか」という点を振り返っていく必要があるだろう。

シンプルに申し上げるなら

「狭いコース(直線が短いコース)でこそ本領を発揮する馬」

例えば【秋華賞】5着の際は、京都の内回りコースが舞台だった。

また、牡馬の強豪を相手に4着に好走した3走前【中京記念】の舞台は、小倉の芝1800Mだった。

対象的に、東京で戦った前走【府中牝馬S】などは、12着に惨敗している。

使える脚は長くはないが、威力そのものは超一級品!

だからこそ、中山舞台の今回、私たちは自信をもって彼女を指名できたし、案の定の激走だったように思うのだ。

 

オールマイティーを求める時代ではない

そして、ミスニューヨークがそうであるように、近年

「ある条件では圧倒的な力を発揮するけど、他の条件ではそれほどでもない」

という馬が非常に増えている。

これこそが「能力拮抗の現代競馬」の大きな特徴であり、上で記した「まさに現代競馬」という私の思いに繋がってくるのだ!

 

一昔前のように「サンデーサイレンス産駒が圧倒的」という時代ではない。

サンデー全盛時代は、トップレベルの馬と、それ以外の馬たちとの間にはレベルの差があった。だから、条件を問わずに(たとえ不得手な舞台でも)それなりに走れたのだと思う。

だが、今はサンデーの子供世代の種牡馬が大勢いて、しかも皆レベルが高い!
そこにロードカナロアらの子供たちも絡んでくるのだ。

 

アーモンドアイさえ惨敗したのだから

種牡馬が幅広くハイレベルになれば、同じように産駒達も幅広くハイレベルに。

そうなれば、力があると言われる馬でも、条件が合わなければ惨敗したっておかしくはない。

近年でわかりやすい例を挙げればアーモンドアイだろう。

アーモンドアイも惨敗した

体調面の不安があっただろうが、明らかに合わなそうな荒れ馬場の暮れの中山で【有馬記念】を戦ったことで9着に惨敗しているじゃないか。

何が言いたいかといえば

馬券を買う側の私たちの側が「オールマイティーを求める時代ではない」という思考を持つことだろう。

魅力的な馬を見れば、あっちでもこっちでも買いたくなる。

だが、冷静に「馬にとって合う条件なのか否か」を精査すること。その先にこそ、馬券における栄光の瞬間が待っているのだ!

 

思うこと②⇒大調教師誕生の予感

ミスニューヨークを管理しているのは杉山晴紀調教師。

2016年10月の初出走以来、まだ6年目の若い調教師(今度の12月24日に41歳)

浅いキャリアの中で、早くも3冠牝馬デアリングタクトを育て上げるなど、注目を集めているが、今回のレース後に残したコメントから、個人的に

大調教師が誕生する予感

を覚えずにはいられなかった。

では、一部抜粋の形にはなるが、実際のコメントをご紹介してみたい。

距離のマイルはデビュー2戦目以来ですが、デビューから乗っている加藤祥太騎手のアドバイスもあり使うことにしました

重賞初制覇の喜びは大きかっただろうが、その中でも、これまで共に歩んできた加藤騎手をたてることも忘れなかった。

 

長期的な視野で

これまでのレースにおいて、加藤騎手に対して言いたいことは山ほどあっただろうが(笑)

それでも今回のような対応をするあたり、人間的なスケールの大きさを感じるし、同時に

「馬作りを長期的な視野で見ている調教師」

であることがハッキリわかる。良い意味でぶれない雰囲気を感じる。

だからこそ、早い段階で3冠牝馬を輩出できたのだろうし、これからも期待できるに違いない。

何だか、大調教師が誕生しそうな予感がするじゃないか!

奇しくも、来年春には、一時代を築いた藤沢和雄調教師が定年を迎える。

調教師の世界にも新時代到来の予感あり!ますます、今後の競馬界が楽しみになってきたぞ!

 

【ターコイズステークス 2021】のレース後の関係者のコメント

1着 ミスニューヨーク(M.デムーロ騎手)
「馬込みを気にするので、上手くゲートを出られたらそこでジッとしていたかったのですが、出遅れてしまいました。流れも良かったのですが、馬の気持ちを一番大事にして進めました。調教でもレースでも半端ない脚を使いますが、今日は思った以上に切れてムチを持ち替える時間もありませんでした。ものすごい伸びでしたね」

(杉山晴紀調教師)
「中山は合いますね。ジョッキーがペースを上手く読んで脚を温存するのに専念していました。レース前はスタートが決まれば前でというプランでしたが、一歩目が遅れて切り替えたようです。最後はすごい脚でした。パンパンの馬場よりも今日のような馬場も味方したと思います。距離のマイルはデビュー2戦目以来ですが、デビューから乗っている加藤祥太騎手のアドバイスもあり使うことにしました」

2着 アンドラステ(岩田望来騎手)
「馬は応えてくれましたが、相手が強かっただけに悔やまれました。もう少し道中上手く御してあげられていたら、差はもう少し詰まっていたのではないかと思います」

3着 ギルデッドミラー(戸崎圭太騎手)
「外枠でしたがペースが流れてリズム良く走ってくれました」

4着 フェアリーポルカ(三浦皇成騎手)
「最後は脚色が一緒になってしまいました。それでもマイルで良い競馬をしてくれました」

6着 イベリス(酒井学騎手)
「手応え以上に辛抱してくれて、もう一回ハミを噛み直してくれました。厩舎スタッフがこの馬らしい走りに上手く持って来てくれました。地力があるなと思います。中山が向くイメージがない中でよく頑張ってくれました」

8着 マルターズディオサ(田辺裕信騎手)
「スタート自体は悪くなかったですが、ダッシュがつきませんでした。直線では全然反応してくれませんでした」

13着 サンクテュエール(横山武史騎手)
「テンが速すぎて、ついて行くだけでもつぶれて終わりというぐらいの感じでした。距離が短いと思います。距離が延びてじっくり構えたいです」

14着 ドナアトラエンテ(C.ルメール騎手)
「走りがバラバラになってしまいました。反応できませんでした」

(via ラジオNIKKEI 

 

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