こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください！
勝負の明暗 はここだった！
【回顧】フェアリーステークス 2020 における勝負の明暗
| 着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| １ | 1 | 1 | スマイルカナ | 牝3 | 54 | 柴田大知 | 1.34.0 | 01-01-01 | 35.0 | 3 | 8.4 | 420 | +4 | (美)高橋祥泰 | |
| ２ | 4 | 8 | チェーンオブラブ | 牝3 | 54 | 石橋脩 | 1.34.4 | 2 1/2 | 06-10-09 | 34.4 | 7 | 17.7 | 458 | -10 | (美)小笠倫弘 |
| ３ | 3 | 5 | ポレンティア | 牝3 | 54 | 池添謙一 | 1.34.6 | 1 1/4 | 10-05-05 | 35.0 | 5 | 12.1 | 492 | +4 | (美)田中博康 |
| ４ | 5 | 10 | シャインガーネット | 牝3 | 54 | マーフィ | 1.34.6 | 頭 | 02-02-02 | 35.3 | 2 | 3.9 | 460 | 0 | (美)栗田徹 |
| ５ | 2 | 3 | ソーユーフォリア | 牝3 | 54 | 武藤雅 | 1.34.7 | 1/2 | 06-02-02 | 35.4 | 9 | 74.0 | 444 | -12 | (美)高柳瑞樹 |
| ６ | 6 | 11 | アヌラーダプラ | 牝3 | 54 | ルメール | 1.34.8 | 1/2 | 06-08-07 | 35.0 | 1 | 2.0 | 464 | 0 | (美)萩原清 |
| ７ | 5 | 9 | ウインドラブリーナ | 牝3 | 54 | 鮫島良太 | 1.35.3 | 3 | 10-09-09 | 35.4 | 13 | 127.7 | 414 | -2 | (栗)飯田雄三 |
| ８ | 6 | 12 | フルートフルデイズ | 牝3 | 54 | 木幡巧也 | 1.35.4 | クビ | 14-14-13 | 35.0 | 16 | 484.2 | 452 | -6 | (栗)浜田多実 |
| ９ | 3 | 6 | セイウンヴィーナス | 牝3 | 54 | 野中悠太 | 1.35.4 | ハナ | 13-16-15 | 34.6 | 12 | 126.3 | 446 | +8 | (美)本間忍 |
| 10 | 7 | 13 | メイプルプレゼント | 牝3 | 54 | 横山和生 | 1.35.4 | 頭 | 14-13-12 | 35.1 | 15 | 396.1 | 444 | -4 | (美)高市圭二 |
| 11 | 7 | 14 | カインドリー | 牝3 | 54 | 田辺裕信 | 1.35.4 | 頭 | 04-05-05 | 35.8 | 8 | 33.2 | 440 | -4 | (美)田村康仁 |
| 12 | 8 | 16 | ハローキャンディ | 牝3 | 54 | ミナリク | 1.35.5 | 1/2 | 16-15-13 | 34.9 | 10 | 92.6 | 434 | +6 | *(美)久保田貴 |
| 13 | 2 | 4 | ダイワクンナナ | 牝3 | 54 | 北村宏司 | 1.35.7 | 1 1/4 | 02-02-02 | 36.5 | 4 | 11.3 | 494 | +16 | (美)国枝栄 |
| 14 | 4 | 7 | ペコリーノロマーノ | 牝3 | 54 | 吉田隼人 | 1.35.8 | 3/4 | 04-05-07 | 36.3 | 6 | 14.6 | 438 | +2 | *(美)久保田貴 |
| 15 | 1 | 2 | ウィーンソナタ | 牝3 | 54 | 大野拓弥 | 1.36.3 | 3 | 10-10-09 | 36.3 | 14 | 351.3 | 486 | -2 | (美)伊藤圭三 |
| 16 | 8 | 15 | ニシノステラ | 牝3 | 54 | 藤田菜七 | 1.37.3 | 6 | 06-12-16 | 37.1 | 11 | 99.1 | 430 | -2 | (美)小西一男 |
おかげさまで、前日に行われた【シンザン記念】に続いて、今週行われた２つの重賞を「完全制覇」することに成功した。
特にこの【フェアリーステークス】では、７番人気の伏兵ながら２着に激走した☆チェーンオブラブを軸馬に指名していたこともあり、結果以上に
競馬が見えている
ことを会員様にはお見せできたのではないだろうか。
では、どうして【フェアリーステークス】を射止めることができたのだろうか？
実は、それほど特別なことはしていない。
基本に忠実に、そして丁寧に勝負！
これが勝利を生んだ最大の要因だと確信している。
稀にみる大混戦をどう考えた？
今回のレースで断然１番人気に推されたのは、ルメール騎手のアヌラーダプラ（2.0倍）
魅力的な素質馬であることは間違いないが、それでもここが重賞初挑戦。
そういった馬が１番人気に推されるあたりで「混戦」であることがわかる。
改めて申し上げるまでもなく「混戦＝難解」。
では、こういったレースを射止めるにはどういった考え方をすればよいだろう？
混戦の時はポイントを絞るんだ！
恐らく、多くの競馬ファンは、様々なデータ・材料を持ち出すのではないだろうか。
血統、騎手、前走着順、コース適性、、、
難解なレースを制するためには、難解な考え方をしたくなる気持ちはわかる。
だが、逆なのだ。
混戦の時ほどポイントを絞って勝負すること！
これが創業40年におよぶキングスポーツの経験から導き出した「予想における基本」だ。
データ通りの決着に
そして、今回の【フェアリーステークス】における絞るべきポイントは「３つ」だと考えた。
レース前に公開した「狙い」の中でも公開済みだが、該当部分を転載してみよう。
１）逃げor差し馬で勝負！
早速だが、過去10年の「脚質別成績」を確認しておこう。
フェアリーステークス 脚質別成績（直近10年）
| 脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 平地・逃げ | 3- 0- 1- 8/ 12 | 25.0% | 25.0% | 33.3% |
| 平地・先行 | 0- 6- 5- 28/ 39 | 0.0% | 15.4% | 28.2% |
| 平地・中団 | 7- 3- 3- 46/ 59 | 11.9% | 16.9% | 22.0% |
| 平地・後方 | 0- 0- 1- 48/ 49 | 0.0% | 0.0% | 2.0% |
| 平地・ﾏｸﾘ | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
勝ち馬が出ているのは「逃げ馬と差し馬」のみ。
好位でレースを運べる「先行馬」は、本来かなりの勝率を残しそうな脚質なのだが【フェアリーステークス】においてはかなり苦しんでいることがわかる。
同時に後方待機の追い込み馬は勝ち馬どころか連対馬さえ出せていない。
よほど買いたい馬でない限り、追い込み馬は馬券から外すことが正解かも！
２）ノーザンファーム一辺倒のレースではない
近年の競馬界における特に大きな流れのひとつが
ノーザンファーム生産馬の大活躍
ではないだろうか。昨年【有馬記念】も１着～４着まではノーザンファームだ。
そんなこともあり、最近は競馬ファンの方の中にも「とりあえずノーザン買っとけ（とりあえず生みたいなノリだろうか！？）」という方が多いようだ。
だが【フェアリーステークス】に関しては、必ずしもそうではない。
フェアリーステークス 生産者別成績（直近10年）
| 生産者 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| ノーザンファーム | 2- 2- 6-21/31 | 6.5% | 12.9% | 32.3% |
| 社台ファーム | 2- 2- 3-19/26 | 7.7% | 15.4% | 26.9% |
| 富田恭司 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
| 千代田牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
| 三城牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
| 絵笛牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
| カミイスタット | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
| エスティファーム | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
近10年の【フェアリーステークス】で勝ち馬を輩出した生産者は上の８つ。
ノーザンファームは２勝だが、勝率6.5％は決して大きな数字とはいえない。
ハッキリとした理由はわからないが、スケールの大きな馬を生産するノーザンファームだけに、トリッキーな中山マイルに合うような馬（器用な馬）が少ないのだろうか。
ぜひ、参考にしてほしい。
３）東京芝1400M組＆1800組に勝利なし
最後に「前走の条件」だ。
フェアリーステークス 前走の条件別成績（直近10年）
| 前走コース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 東京・芝1600 | 6- 3- 3-36/48 | 12.5% | 18.8% | 25.0% |
| 阪神・芝1600外 | 2- 0- 3-15/20 | 10.0% | 10.0% | 25.0% |
| 中山・芝1600 | 1- 1- 0-18/20 | 5.0% | 10.0% | 10.0% |
| 中山・芝1800 | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
| 東京・芝1400 | 0- 1- 1-17/19 | 0.0% | 5.3% | 10.5% |
| 中山・芝1200 | 0- 1- 1- 5/ 7 | 0.0% | 14.3% | 28.6% |
| 中山・芝2000 | 0- 1- 0- 5/ 6 | 0.0% | 16.7% | 16.7% |
| 京都・芝1600 | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% |
| 中京・芝2000 | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
| 小倉・芝1800 | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
| 中山・ダ1800 | 0- 0- 1- 3/ 4 | 0.0% | 0.0% | 25.0% |
| 阪神・芝2000 | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
| 東京・芝1800 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
主な条件の前走別成績を調べてみた。
上の表の中で赤いアンダーラインを引いているのが、前半でご紹介した２頭の前走条件。
シャインガーネット ➡ 前走・東京芝1600Ｍ
アヌラーダプラ ➡ 前走・東京芝1400Ｍ
東京芝1400Ｍ組は、19頭も出走していながら、１勝もできていない点が気になるが、、、アヌラーダプラは悪い流れを打ち破れるか？
注目してみたい。
結果はどうだったか？
レースをご覧の方ならおわかりの通り、多くの部分が上記データ通りの結果になっている。
ちなみに、軸馬に指名した☆チェーンオブラブは、これまた混戦の時の重要ポイントである「仕上がり」がメンバー中で最も良かった。（会員様にもイチオシとして公開）
その上で上記データと照らし合わせてもバッチリだったので、迷うことなく軸の指名した。
繰り返しになるが、変に奇をてらわず、基本に忠実に丁寧に予想に向き合ったことが、勝利を生んだと確信している。
競馬はこの先も続いていく
恐らく、このコラムをご覧の方の中には、今回のレースで悔しい思いをされた方も多いと思う。
そういった方に申し上げたいのは
競馬はこの先も続いていく
ということだ。
私達がそうであるように「混戦の時ほど基本に忠実に」という点を重視しつつ予想に臨めば、これまで以上に数多くの勝利をつかめるはずだ。
そして「基本」になりそうなデータは、私達キングスポーツのコラムでしばしば紹介している。
最後に宣伝になるようで恐縮だが（笑）これからもキングスポーツのサイト、あるいはYoutubeチャンネルを忘れずにチェックしてほしい。
実は、ここまで勝ち馬について全く触れてこなかった。
別に忘れていた訳ではないよ。
レースを制したが、今後への期待も込めて、敢えて「未来の主役」としてご紹介することにしたのだ！
１着・スマイルカナ
まずは、勝利を掴んだスマイルカナ、そして関係者には心からの祝福を送りたい。
一方で、馬の今後に対する評価はわかれそうだ。
レース後、柴田大知騎手が残した
というコメントからもわかるように、まだまだ課題は少なくないからだ。
だが、私達は課題を差し引いても「魅力あり」と考えたい。
これは根拠というより「予想家としての感性」になるが、レース全体を通してのフットワーク（鞍上いわく身体能力が高い）の軽快さ＆力強さから、輝かしい未来を予感する。
まずは次走、楽しみにしたい。
【フェアリーステークス 2020】のレース後の関係者のコメント
～レース後のコメント～
１着 スマイルカナ（柴田大知騎手）
「レース前は不安が大きかったのですが、馬の力を信じて乗りました。身体能力が高いので、どんなレースをするかは出てから決めようと思っていました。スタートも良く、あとはこの馬のリズムで運びました。前向きで、ギアがあるのが、この馬のいいところです。テンションが高くなりがちなので、その点が今後の課題になってくると思います」
（高橋祥泰調教師）
「装鞍所でも落ち着いていて、体も増えていたので、今日は行っても大丈夫かなとジョッキーにも話していました。スピードがあってバネのある馬です。前回のレース内容もよかったのですが、今回はさらに内容のあるレースだったと思います」
２着 チェーンオブラブ（石橋脩騎手）
「もたれるところはありましたが、乗りやすくていい馬です。スタートを気をつけていて、うまく出てくれて、アヌラーダプラを目標にじっとしていました。最後の反応もよくていい競馬でした」
３着 ポレンティア（池添謙一騎手）
「一勝馬でもいいものを持っているので楽しみにしていました。夏以来のレースということもあり、ゲートの出が今ひとつだったことが一番悔やまれます。勝ち馬の後ろのポジションを取りたかったのですが、取ることができず、その後はリカバリーして、揉まれる競馬にも対応してくれました。ただ３着だと賞金加算もできないので悔しいです。夏から成長を感じれたので今後に期待します」
４着 シャインガーネット（Ｏ.マーフィー騎手）
「競馬自体上手でリラックスしていました。ただ直線は伸び切れませんでした。まだ身体が成長途上という感じですので、休ませて成長を促したほうが良さそうです。能力はあると思いますので使ってよくなるタイプでしょう」
６着 アヌラーダプラ（Ｃ.ルメール騎手）
「距離が長かったです。坂をのぼるころには疲れていました。スピードはあるので距離は短い方がいいかもしれません」
８着 フルートフルデイズ（木幡巧也騎手）
「出たなりでいいといわれていて、その通りになりましたが思ってたより後ろのポジションになりました。ただためはきいていて、脚を使ってくれました」
９着 セイウンヴィーナス（野中悠太郎騎手）
「マイルは忙しく、ついて行けませんでした。それでも最後はきていたので距離を延ばすといいと思います」
（via ラジオNIKKEI ）
勝負の明暗バックナンバーは下記をクリック
