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ホーム勝負の明暗天皇賞春 2022【回顧】ドラマはどこまでも続いていく

天皇賞春 2022【回顧】ドラマはどこまでも続いていく

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】天皇賞春 2022 における勝負の明暗

2022年 5月 1日(日) 2回阪神12日 天候 : 晴  馬場状態 : 稍重
【11R】 第165回天皇賞(春)
4歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝・内 3200m 18頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 PCI 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
8 16 タイトルホルダー 牡4 58 横山和生 3.16.2 51.3* 01-01-01-01 36.4 2 4.9 474 -2 (美)栗田徹
8 18 ディープボンド 牡5 58 和田竜二 3.17.3 7 49.6* 04-04-04-03 37.1 1 2.1 504 -6 (栗)大久保龍
4 7 テーオーロイヤル 牡4 58 菱田裕二 3.17.4 1 48.7* 04-04-02-02 37.4 4 9.9 460 +4 (栗)岡田稲男
5 9 ヒートオンビート 牡5 58 池添謙一 3.18.0 3 1/2 50.4* 09-11-09-07 37.0 5 12.4 478 -2 *(栗)友道康夫
1 1 アイアンバローズ 牡5 58 石橋脩 3.18.3 2 48.3* 06-06-06-04 37.7 3 7.8 496 -2 (栗)上村洋行
6 11 マイネルファンロン 牡7 58 松岡正海 3.18.7 2 1/2 47.9 09-09-07-07 37.9 14 82.9 478 -12 (美)手塚貴久
7 13 ロバートソンキー 牡5 58 伊藤工真 3.18.8  3/4 49.3* 12-12-12-11 37.5 10 45.4 470 -12 *(美)林徹
7 14 ヴァルコス 牡5 58 三浦皇成 3.18.9  1/2 49.0 09-09-09-11 37.6 17 126.1 518 0 *(栗)友道康夫
3 6 メロディーレーン 牝6 56 岩田望来 3.19.0 クビ 47.8 07-08-07-10 38.0 16 123.3 352 +6 (栗)森田直行
10 5 10 トーセンカンビーナ 牡6 58 藤岡康太 3.19.4 2 1/2 48.7 17-17-17-14 37.8 18 146.7 472 -2 (美)加藤征弘
11 3 5 マカオンドール 牡4 58 松山弘平 3.20.2 5 44.5 13-14-09-09 39.3 6 13.6 488 -4 (栗)今野貞一
12 2 3 ディバインフォース 牡6 58 田辺裕信 3.20.2 ハナ 46.3 16-15-16-14 38.7 12 67.9 462 -2 (栗)寺島良
13 2 4 ユーキャンスマイル 牡7 58 藤岡佑介 3.20.7 2 1/2 44.5 14-12-12-11 39.4 13 78.6 516 +2 *(栗)友道康夫
14 4 8 クレッシェンドラヴ 牡8 58 内田博幸 3.21.1 2 1/2 40.9 02-02-02-04 40.7 15 117.2 496 -10 *(美)林徹
15 B6 12 ハヤヤッコ 牡6 58 武豊 3.21.1 クビ 44.1 14-15-12-14 39.6 11 58.1 476 -8 *(美)国枝栄
16 1 2 ハーツイストワール 牡6 58 ルメール 3.22.2 7 39.1 07-06-05-04 41.6 7 31.7 480 -10 *(美)国枝栄
17 7 15 タガノディアマンテ 牡6 58 幸英明 3.24.1 大差 40.4 03-03-12-17 41.5 9 41.6 484 0 (栗)鮫島一歩
8 17 シルヴァーソニック 牡6 58 川田将雅 8 35.8 454 +6 (栗)池江泰寿

 

まず初めに、、、反省から

今回の【天皇賞春】に対しての私たちの考え方ということで、レース前の段階から、コラムなどで次のように述べてきた。

「伏兵台頭のチャンスあり」

人気馬の全てが崩れるというイメージはなかったが、一方で少なくとも1頭は、人気馬の中に割って入れる馬がいると考えていた。

だが、終わってみれば、、、

着順に少々違いはあったものの、上位人気5頭が、そのまま5着までを占める結果になった。

マークを集めやすく、また違いに意識することの消耗の化膿世が高い人気馬が、キッチリと上位を確保するということは、それだけしっかりとした実力の持ち主であることの裏返し。

だから、今回の上位5頭は、間違いなく「本物のトップステイヤー」なのだ。

その判断をレースに前にできなかったこと、予想家として素直に反省したいし、同時に上位5頭に対しては「力を低く見積もって申し訳なかった」と言いたい。

 

良い意味で「あまり語ることのないレース」

さて、本来であれば、ここから勝ち馬を中心に、レースを回顧するところだが、正直に言って、今回はあまり語ることがないんだ。

というのも、レース回顧の目的が

「レースを客観的に振り返る中で、明日の夢馬券につながるような材料を見つけたい」

というものだからだ。

例えば、力のある馬が惨敗したとしよう。その馬は、次走で大きく人気を落とすことになるはず。

だが、その馬に「明確な敗因」があれば、ひょっとしたら「次走で買いの馬」へ変わる可能性もある。

そういった部分を回顧で見つけたいのだ。

それだけに、今回のように、力のある馬がしっかりと出し切り、力上位を示したレースでは、語ることがなくなってしまう(苦笑)

見方を変えれば、それだけ見応えのあるレースを堪能できたということかもしれない。

 

勝ち馬に驚かされた理由とは?

とはいえ、やはり勝り馬タイトルホルダーに「驚かされた」ことについては触れなくてはいけないだろう。

ただ、誤解のないように申し上げておくが、私が「驚かされた」のは、今回の結果についてだけの話ではない。

もちろん、今回の結果は凄まじかった。

2番手追走(?)の空馬シルヴァーソニックの存在が、後続の仕掛けを難しくした部分もあったかもしれないが、それでも7馬身差は簡単につくものではない。

正直に言って、今回の走りは私の想像を超えていた。

しかし、タイトルホルダーが私の想像を超えたのは、今回が初めてではないのだ。

ということで、前走【日経賞】の「回顧」を振り返ってみたい。

参考→日経賞 2022 回顧

 

2回続けて、想像を超えていった

優勝したものの、2着ボッケリーニにクビ差という厳しいレースだった【日経賞】

それだけに、レースぶり、あるいはタイトルホルダーの能力に対して、様々な声が飛び交ったレースだったが、私は以下の通り記した。

読んでくださった方もいらっしゃるかもしれないが、一部抜粋でご紹介したい。

2着ボッケリーニにクビ差だけに「僅差」という見方もできるのかもしれない。

だが、私たちの率直な考え方を申し上げると

「想像していた以上にタイトルホルダーの潜在能力は凄い!」

ということになる。

完全に差される展開だと思ったが、、、

改めてレースを振り返ってみるが、今回のタイトルホルダーは、直線に入る前あたりから、既にバテているような雰囲気を感じた。

やはり叩き台の完全な仕上がり途上だったのだろう。

ましてや直線では、内からも外からも追われるという厳しい流れ。

長年の経験上、相手のレベルどうこうにかかわらず、今回のタイトルホルダーのような状況におかれた馬の殆どが差し切られている。

ハッキリ言って、絶体絶命の状況だった。
そこをタイトルホルダーはしのいだのだ!

タイトルホルダーの場合、例えば昨年の【菊花賞】では5馬身差の完勝を収めている。確かに、この時のように相手を突き放す勝ち方にはインパクトがある。

だが、個人的には

「差されそうでも差されない」

こうした姿にこそ、真の底力と凄みを感じるのだ。

 

「3回目」もあるかも!?

上の抜粋からもわかるように、タイトルホルダーは【日経賞】の段階から、私の想像を超える走りを見せていた。

そして今回。何と「2回連続の想像超え」!そこに私は驚いたのだ。

というのも、新馬や未勝利馬の話をしている訳ではない。

タイトルホルダーは、既にG1を制しているほどの馬。

これまでに何度も、競馬ファンに衝撃を与えるような走りを披露してきているのだ。

そこから、さらに2回続けて「想像を超える」というのは、並大抵ではない!
タイトルホルダーは、稀に見る大物なのかもしれない。

「2度あることは3度ある」という言葉がある。

それだけに「もう一度の想像超え」の場面があってもおかしくはないだろう。決して長距離だけでの馬ではないだけに、今後のローテーションも含めて、注目していこうじゃないか!

 

親子三代制覇、おめでとう!

最後になったが、横山家の、親子三代での【天皇賞・春】制覇に対して、心より祝福を申し上げたい。

1971年→横山富雄(メジロムサシ)
1996年→横山典弘(サクラローレル)
2004年→横山典弘(イングランディーレ)
2015年→横山典弘(ゴールドシップ)
2022年→横山和夫(タイトルホルダー)NEW

お見事というしかない。

特に今回の後続に大きな差をつけての勝利は、レース運びや人気こそ違うが、2004年のイングランディーレを見ているかのようだった。

ところで、2004年のイングランディーレのレースぶりに感動し、ジョッキーを目指した男が、今回の【天皇賞・春】に騎乗していたことをご存じだろうか?

実は、自身24回目のG1挑戦で、初めての【天皇賞・春】出走となった、菱田裕二騎手(3着テーオーロイヤル)だ。

大逃げを決めたイングランディーレの姿を見て「ものすごく鮮明に覚えているわけではないが、雰囲気に圧倒されてジョッキーってかっこいいなと思った。その日1日、僕は感動していた」

当時サッカー少年だった彼にとって、まさに運命の一戦。ここから、彼の騎手人生は始まったのだ。

 

ドラマは続いていく

そんな彼は今回、タイトルホルダーの届かない背中を、どのような思いで見つめていただろう?

思い入れの深いレースだったからこそ、誰より悔しかったはずだし「次こそが俺が!」と奮い立ったはず。菱田騎手は、今日の結果で必ず一皮剝けるはず。

また、かつての菱田騎手のように、今日のタイトルホルダーの強さに感動し「ジョッキーを目指したい!」と思った少年少女も、必ずいるはずだ。

つまり、今日のドラマチックな【天皇賞・春】

新たなドラマの始まり

でもあるのだ。

こうして、競馬のドラマはいつまでも続いていく、だから、競馬は私たちをとらえて離さないのだ。

こんな素晴らしい世界に携われていることに感謝を持ちつつ、引き続き予想家として精進を重ねていきたい。

 

レースを見逃した方はコチラ

【天皇賞春 2022】のレース後の関係者のコメント

1着 タイトルホルダー(横山和生騎手)
「返し馬から雰囲気の良さは感じていました。タイトルホルダーと仲良く走ろうという気持ちで、タイトルホルダーに教えてもらいました。ゴールの瞬間は嬉しかったです。自分がGIを勝ったというよりタイトルホルダーと勝てて嬉しかったです。前走乗せて頂いて、今回を踏まえての競馬と思っていたので、しっかり出して行って折り合いも不安がありませんでしたので、後はこの馬を信じてリズム良くと思って運びました。タイトルホルダーが自分でレースを分かっているようで息を入れたいというタイミングで、すっと息が入ってくれました。直線はGIなので甘くはないと思っていましたが、馬はしっかりとしていたので大丈夫だと思いました。親子3代でこのレースを勝てたのは嬉しいです。まず結果を残せたことが今回の仕事を果たせたと思います。タイトルホルダーはまだグッと良くなります。これからも応援よろしくお願いします」

2着 ディープボンド(和田竜二騎手)
「良いスタートを切れてリズムを崩さずに内へ入れられました。ロスなく行けましたが、向正面から手応え的にはしんどくなりました。前を追いかけようというところで身体が浮いてきました。今日は相手が強かったです」

3着 テーオーロイヤル(菱田裕二騎手)
「改めてすごい馬だと思います。理想のポジションが取れて直線は捕まえるだけのところまでは行きましたが...。今日は初めて疲れたところを見ました。また成長できると思います」

4着 ヒートオンビート(池添謙一騎手)
「返し馬では覇気があり、メンコを着けたことで集中していました。これなら勝負になるなと思いました。スタート後、外から入られて取りたい位置を取れませんでしたが道中の折り合いはつきました。ただ勝負どころで前にずっと1頭いて、動くに動けなかったのが痛かったです。最後には踏ん張って伸びてGIでもやれるところも見せてくれました」

5着 アイアンバローズ(石橋脩騎手)
「すごく良い状態に仕上げてもらいました。一度使っていて、良い意味での前向きさが出ていました。すごく良い競馬でした。スタートを切って馬のリズムで折り合えばどのくらいの脚を使えるのかもやってみました。ディープボンドの動きに合わせて行きましたが自分の仕掛けができていれば違ったかもしれません。上手な競馬をしてくれましたし、成長を感じました」

6着 マイネルファンロン(松岡正海騎手)
「思った位置が取れましたし、折り合いもつきました。ただ距離が長かったです。3コーナー過ぎから疲れてしまいました。2500mくらいなら重賞でも勝負できると思います」

11着 マカオンドール(松山弘平騎手)
「向正面からポジションの良い所で上がっていけました。もう少し伸びてくれると思ってましたが馬場が合わなかったのか、この馬の脚は使えませんでした」

12着 ディバインフォース(田辺裕信騎手)
「流れが向きませんでした。落鉄もしていて、途中から脚がバラバラになってしまいました。今日は能力を出し切っていません」

13着 ユーキャンスマイル(藤岡佑介騎手)
「もう少し先行したかったのですが、ゆるい馬場に脚を取られた面もあります」

14着 クレッシェンドラヴ(内田博幸騎手)
「先行して前を見ながら行きましたが、GIは甘くなかったです。良い競馬はしています。距離を縮めて、良い形でいければいいですね」

15着 ハヤヤッコ(武豊騎手)
「残り800mで力がつきました」

16着 ハーツイストワール(C.ルメール騎手)
「2400mまで頑張ってくれました。こういう馬場で突然止まってしまいました。4コーナーで一杯になりました。スタミナが足りませんでした」

(via ラジオNIKKEI

 

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