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ホーム勝負の明暗ダービー卿チャレンジトロフィー 2022【回顧】混戦だからこそ「腹を括れる騎手」&今後に期待の馬とは?

ダービー卿チャレンジトロフィー 2022【回顧】混戦だからこそ「腹を括れる騎手」&今後に期待の馬とは?

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】ダービー卿チャレンジトロフィー 2022 における勝負の明暗

2022年 4月 2日(土) 3回中山3日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第54回ダービー卿チャレンジT
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 1600m 16頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
2 3 タイムトゥヘヴン 牡4 55 大野拓弥 1.32.3  15-14-14 33.7 11 27.4 488 +4 (美)戸田博文
1 1 フォルコメン セ6 54 M.デム 1.32.3  14-14-11 33.8 12 27.5 512 +8 (美)堀宣行
5 10 ダーリントンホール 牡5 56 横山武史 1.32.5  3/4  08-06-07 34.6 1 4.3 544 +6 (美)木村哲也
4 8 グラティアス 牡4 56 三浦皇成 1.32.5  05-04-03 34.9 2 5.6 498 -4 (美)宮田敬介
3 5 ギルデッドミラー 牝5 53 石橋脩 1.32.7 1  05-09-07 34.7 8 13.9 484 -10 (栗)松永幹夫
1 2 インテンスライト 牡6 54 菊沢一樹 1.32.7 クビ  08-12-11 34.6 9 15.8 502 +2 (美)菊沢隆徳
B6 11 カイザーミノル 牡6 56 横山典弘 1.32.8  3/4  08-06-04 35.0 5 10.4 454 -12 (栗)北出成人
7 13 ミッキーブリランテ 牡6 56 内田博幸 1.32.8 ハナ  12-09-07 34.8 13 30.0 480 -2 (栗)矢作芳人
8 15 カテドラル 牡6 57 戸崎圭太 1.32.9 クビ  16-16-14 34.1 6 12.3 494 0 *(栗)池添学
10 4 7 ザダル 牡6 58 田辺裕信 1.33.0  3/4  12-13-14 34.8 4 7.5 504 +2 (美)大竹正博
11 7 14 インターミッション 牝5 52 嶋田純次 1.33.0 クビ  08-09-11 35.0 14 91.1 418 -2 (美)手塚貴久
12 6 12 トーラスジェミニ 牡6 57.5 原優介 1.33.1 クビ  02-02-02 35.7 15 99.4 468 -1 (美)小桧山悟
13 2 4 ボンセルヴィーソ 牡8 56 藤懸貴志 1.33.3 1 1/2  02-04-04 35.6 7 12.9 492 -2 *(栗)池添学
14 8 16 ノルカソルカ 牡5 54 藤岡佑介 1.33.4 クビ  05-06-04 35.6 10 25.5 490 -8 (栗)藤岡健一
15 3 6 リフレイム 牝4 53 野中悠太 1.33.7 2  01-01-01 36.6 3 6.7 514 0 (美)黒岩陽一
16 B5 9 サトノフェイバー 牡7 57 津村明秀 1.36.7 大差  02-02-07 39.4 16 128.0 510 0 (栗)南井克巳

 

京都金杯以上の衝撃

改めて申し上げるまでもないだろうが【ダービー卿CT】と言えば「荒れる重賞」

直近5年の3連単平均配当は、12万馬券を超えている。

冷静に考えれば、ハンデ重賞、さらにはトリッキーと言われる中山マイルが舞台など、一筋縄ではいかない条件が揃っている。

当然の波乱ということなのかもしれない。

それだけに、今年に関しても簡単な決着にはならないだろうと見ていたが、、、案の定だった。

優勝したタイムトゥヘヴン、さらに2着のフォルコメンは、いずれも単勝二桁人気。

ゴール直前でガラリと展開が変わる瞬間などは、いかにもこのレースらしい場面だったように思う。

同じ「マイルのハンデ重賞」で、キングスポーツが3連複2万馬券を射止めた(軸馬は11番人気ながら2着のダイワキャグニー)1月の【京都金杯】も驚きの結果だったが、それ以上の衝撃度だった。

参考⇒今年1月【京都金杯】の回顧

 

上位2頭には共通点があった

さて、波乱の重賞の主役になったのは、上でも名前を挙げた伏兵2頭だった。

実はそんな2頭、タイムトゥヘヴンとフォルコメンには「ある共通点」がある。

それは「内側の枠(3番と1番)&後方からレースを運んだ」という部分だ。

実は優勝したタイムトゥヘヴンの鞍上・大野騎手は、レース後に次のような話をしていた。

芝は午前中から外が伸びる傾向にあると感じでいたので、内枠から一旦下げて外に出すという選択をしました。

確かに、外の芝がよく伸びていたように思う。

とはいえ、せっかくの内側の枠を引いたのだ。多少スタートで気合をつければ、好位でロスなく競馬をすることも、選択肢としては考えられたはずだ。

 

混戦だからこそ光った「勝負師ぶり」

タイムトゥヘヴンの場合は元々差し脚質とはいえ、近走は結果が出ていなかっただけに、仮に前にいって上手くいかなくても、文句は言われなかっただろう。

また、フォルコメンの場合は、元々先行策を得意とする馬でもあるのだ。

だが彼らは、迷うことなく、距離ロスよりも「良好な馬場」を選択。

スタート直後から後ろに下げて、4角では、この2頭が最も大外を回していた。そして突き抜けた。

春の中山に衝撃!まさにダービー卿らしい荒れ方だ

もちろん、大野騎手や、フォルコメンのデムーロ騎手の選択が仮に失敗に終われば

「せっかくの内枠を活かせないなんて」

と酷評するファンもいただろう。

だが、私は結果をそのものよりも、彼らの勝負師的な部分に対して非常に感心したし「混戦の時には非常に頼れるジョッキーだな」と率直に感じた。

 

忘れられないチャンピオンズカップ

例えば大野騎手でいえば、忘れられないのは2016年のダートG1【チャンピオンズC】。

直前の【JBCクラシック】では4角5番手からの競馬で3着に好走していたサウンドトゥルーを、前が速くなりそうだと見るや、迷わず後方待機させた。

結果、上がり最速の末脚を繰り出して4角13番手から差し切りを決めた。

このように「こう」と決めたら迷わないのが大野騎手。

腹を括れるのが大野騎手

またデムーロ騎手に関しても、2011年の【ドバイワールドカップ】(ヴィクトワールピサ)での、衝撃的な向こう正面でのマクりから押し切りを決めたように、レースの流れ次第で、何でもやれる臨機応変さを備えている。

もちろん、無難に、堅実に乗ってキッチリと結果を出す騎手は素晴らしい。

それを前提に、上でも記したが、今回のような何が起きても驚けない混戦の時は、彼ら2人のように、腹を括って乗れる騎手は買いだなと感じる。

今年は、1月からの競馬を見ていてもわかるように、どの路線は比較的混戦。

今後もますます荒れる重賞(もちろんその他のクラスも)は増えるだろう。ますます、大野騎手とデムーロ騎手からは目が離せなくなりそうだ!

 

率直に言って、今後はどうだろうか

改めて2人の騎手は素晴らしい。

また、それに応えた2頭も素直に評価すべきだと思う。
特にタイムトゥヘヴンの場合は、近走こそ調子を落としていたものの、3歳時には重賞でも好走していたほどの素材なのだから。

とはいえ!「じゃあマイル路線の最高峰【安田記念】でも期待できるの?」と問われたなら(あくまでも現段階の評価だが)容易ではないと感じざるを得ない。

というのも、決して彼らが悪いということではなく【ダービー卿】にはそういった歴史があるのだ。

以下、直近5年の【ダービー卿】の勝ち馬と、同年【安田記念】の結果だ。

▼過去5年の優勝馬▼

17年ロジチャリス⇒安田記念14

18年ヒーズインラブ⇒安田記念13

19年フィアーノロマーノ⇒安田記念14

20年クルーガー⇒安田記念14

21年テルツェット⇒安田記念は出走せず

見事なまでに苦戦をしている。

 

本番を見据えるのであれば

やはり混戦の重賞で好走するような馬は、皆余力を残さず、しっかりと仕上げてくる。

だから、僅か2ヶ月の間にしっかりと回復させ、立て直すのは容易ではないのかもしれない。

そういった背景なども鑑みて、もしこの組から本番に出走して面白そうな馬がいるとしたら

4着グラティアス

ではないだろうか。(賞金の都合などもあるだろうから、本番に出られるかはわからないが)

4角3番手通過という、いわゆる直球勝負の競馬にもかかわらず、直線でも大崩れすることなく4着を確保。

それも、今回はマイル挑戦2度目という経験の浅さも見逃せない。

今回が今年3走目だったが、まだガッツリ仕上げているようにも感じない。

元々3歳頭には重賞【京成杯】を勝っているような素材でもあるだけに、もう少しマイルに慣れたら、一気に弾ける可能性もあるのでは?

未来の主役に指名して、引き続き追いかけてみたい。

 

【ダービー卿チャレンジトロフィー 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 タイムトゥヘヴン(大野拓弥騎手)
「芝は午前中から外が伸びる傾向にあると感じでいたので、内枠から一旦下げて外に出すという選択をしました。(自身3年ぶりの重賞勝ちに)久々に勝てて嬉しいです。戸田先生もキストゥヘヴンの仔ということで感慨深い様子でしたし、喜んでもらえて嬉しいです。切れる脚を持っているので、それを活かして、レベルの高い相手に頑張ってもらいたいです」

1着 タイムトゥヘヴン(戸田博文調教師)
「乗り難しいところはありますが、ジョッキーが手の内に入れてくれて上手に乗ってくれました。内容のあるレースでした。母のキストゥヘヴンが京成杯オータムハンデキャップを勝った時と似た競馬をして、同じくらいの時計で差し切ってくれて感慨深いです。タイトルを獲れましたし、自信を持ってGIIやGIに向かっていきたいです」

2着 フォルコメン(M.デムーロ騎手)
「3~4コーナーの手応えも良く、抜け出してからは勝てると思いましたが、勝ち馬の脚が違いました」

3着 ダーリントンホール(横山武史騎手)
「スタートがもう一つで、もう少し良いポジションを取りたかったです。それでもグラティアスの後ろで脚を溜めることが出来ました。ただもう少し切れると思っていましたが、思ったほど切れてくれませんでした」

4着 グラティアス(三浦皇成騎手)
「一度マイルを使っていたので、上手く対応してくれました。展開的に流れてくれて、前を見ながら上手く運ぶことが出来ました。ただ坂を上がってからは、併せ馬で勢いのついた馬に交わされてしまいました」

5着 ギルデッドミラー(石橋脩騎手)
「馬の雰囲気は良かったです。内の枠からある程度出していきました。最後力んでいましたが、途中から落ち着いて走っていました。最後は内を捌いていきましたが、馬場的には外の馬に有利でした。よく頑張っています」

10着 ザダル(田辺裕信騎手)
「追走が楽という感じではありませんでした。タメがきかなかったです。内を通りましたが、緩い馬場がよくなかったのかもしれません」

(via ラジオNIKKEI

 

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