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秋華賞 2019【回顧】伝わってきた「名手の考え方」

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】秋華賞 2019 における勝負の明暗

馬 名 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
3 5 クロノジェネシス 北村友一 1.59.9   06-07-05-05 36.1 4 (栗)斉藤崇史
4 8 カレンブーケドール 津村明秀 2.00.2 2 06-08-08-07 36.2 2 (美)国枝栄
7 14 シゲルピンクダイヤ 和田竜二 2.00.4 1 1/2 14-14-14-11 35.6 10 (栗)渡辺薫彦
5 9 シャドウディーヴァ 松山弘平 2.00.5  1/2 12-10-10-07 36.3 13 (美)斎藤誠
4 7 ビーチサンバ 福永祐一 2.00.5 クビ 02-01-01-01 37.0 6 *(栗)友道康夫
3 6 ローズテソーロ 横山典弘 2.00.7 1 10-11-12-13 36.1 14 (美)金成貴史
2 3 ブランノワール 浜中俊 2.00.9 1 1/4 06-05-03-04 37.2 11 (栗)須貝尚介
1 1 ダノンファンタジー 川田将雅 2.01.0  1/2 03-03-03-02 37.3 1 (栗)中内田充
8 17 エスポワール シュタル 2.01.0 12-12-11-10 36.8 3 (栗)角居勝彦
10 8 16 パッシングスルー 戸崎圭太 2.01.1 クビ 03-03-05-05 37.3 9 (美)黒岩陽一
11 5 10 シェーングランツ 武豊 2.01.7 3 1/2 17-17-15-13 37.0 12 *(美)藤沢和雄
12 2 4 トゥーフラッシー 幸英明 2.01.8  1/2 15-15-17-16 36.8 17 (美)高市圭二
13 7 13 サトノダムゼル M.デム 2.01.9  1/2 10-12-12-11 37.4 7 (美)堀宣行
14 8 18 シングフォーユー 藤岡佑介 2.01.9 クビ 15-15-15-17 37.0 15 (美)牧光二
15 7 15 コントラチェック ルメール 2.02.0  3/4 01-02-02-02 38.4 5 *(美)藤沢和雄
16 6 11 フェアリーポルカ 三浦皇成 2.02.4 2 1/2 06-08-07-07 38.5 8 (栗)西村真幸
17 6 12 レッドアネモス 藤岡康太 2.05.1 大差 05-05-08-13 40.9 16 *(栗)友道康夫
1 2 メイショウショウブ 池添謙一           (栗)池添兼雄

 

突然だが、今年4月の【桜花賞】回顧において、私は以下のような内容を記した。

一部、転載しておきたい。

簡単に申し上げると、かつての名牝ウオッカの素晴らしさは、64年ぶりのダービー制覇という歴史を作ったこと。そして「年明け初戦での桜花賞制覇」という新たな歴史を作ったグランアレグリアも、それに負けないくらい素晴らしいのだ、といった内容だ。(お時間に余裕のある方は、全文をチェックしていただきたい)

競馬に限らず、他のスポーツでも一般の社会でもそうだが、他人に続くことは、さほど難しいことではない場合もある。道を切り開いたり、歴史を作ったり、誰にも真似のできないことをするから価値があるのではないだろうか。そういった意味では、私たち競馬を愛する人間は、ウオッカ&管理する角居調教師をいつまでも語り継ぐべきだと思う。

新たな歴史が生まれた

前置きが長くなって申し訳なかった。

なんでこんな話をしたかといえば、今回の【桜花賞】を勝ったグランアレグリアも「年明け初戦での桜花賞優勝」という、史上初の偉業を達成したからだ!

先週のG1【大阪杯】において、実績上位の「久々組」を押さえて、年明け2戦目の伏兵アルアインが優勝した点からもわかるように、調教技術が進化したといわれる現代の競馬界においても、やはり「一度叩かれる」ことでの優位は変わらないと思う。

 

だが、グランアレグリアは勝った!

昨年の勝ち馬アーモンドアイの時計を上回るレコース勝ち&2着馬に2馬身半という決定的な差をつけて。

奇しくもウオッカの2007年からひと回り、再び歴史的な瞬間に立ち会えたことを感謝したい。

 

歴史的な偉業を成し遂げたグランアレグリアに出会えた喜びを素直に記したつもりだ。

それから半年、まさか同じ世代に、またも大仕事を成し遂げる馬が現れるとは思わなかった。

言うまでもなく、G1初勝利を達成したクロノジェネシスだ!

 

実は昨年までの10年(2009年~2018年)、夏競馬あるいは秋競馬で一度も叩くことなく【秋華賞】を制した馬は昨年のアーモンドアイ一頭だけ。

史上最強クラスの牝馬であるアーモンドアイを別格と考えれば、秋初戦がいきなりG1というローテーション自体が異例中の異例。

ましてや、そこで勝利を収めるなんて想像できるだろうか。

だからこそ、実績最上位にもかかわらず4番人気にとどまったのだろう。

そういった苦しい条件をものともせずに、クロノジェネシスは勝ったのだ!

グランアレグリアのように歴史を作ったとまでは言えないかもしれないが、偉業、大仕事であることは間違いない。

本当に、凄まじい世代だ。

 

例え古馬相手でも

偉業を目撃できた喜びと共に、その強さも文句なし!

2着馬に2馬身差という数字上からも圧勝であることがわかるが、レースぶりを見る限り、それ以上の余裕が感じられた。

しかも、陣営いわく

まだ8割だった

というのだから、驚くしかない。

次走は【エリザベス女王杯】へ出走する可能性が高そうだが、強さに加えて脚質の自在性もあるから、展開不問。古馬相手でも凡走するシーンは想像しにくい。

優勝候補として迎える来月の大一番でどんな走りを見せてくれるのか、期待したい。

 

ジョッキー同士の評価がよくわかった

クロノジェネシスの強さには文句のつけようがない。

とはいえ、その強さを引き出した要素のひとつが「展開」だったことも確かだろう。

前哨戦の【ローズステークス】で2着に激走したビーチサンバが、まさかの先頭を引っ張る形に!同じく前を走ったコントラチェックとの兼ね合いで、ややペースが上がってしまった。

前の馬には苦しい流れとなり、中団・後方の馬には追い風となった。

 

 

もちろん、ビーチサンバは6番人気という伏兵の立場だったから、一か八か勝負をかけたことに関しては、全く問題ない。

というより、福永騎手の攻めの騎乗に対しては「さすがダービージョッキー」というのが率直な思い。

少し気になったのは、ダノンファンタジー&川田騎手だ。

 

以前から「本質はマイラー」と言われてきた馬。

それだけに、ペースが速くなった今回、スタミナが求められる好位抜け出しより、中団で待機して脚を溜めて直線懸ける形もあったと思うのだが。ましてや、ライバルとみられた2~4番人気あたりの馬は後ろにいたのだし、、、

となると、答えはひとつしかない。

川田騎手は前にいた2人の騎手が怖かったのだと推測する!

 

福永&ルメールの存在感

前にいた2人とは、もちろん福永&ルメールだ。

恐らく、自身の馬の適性よりも、後続にいる上位人気の馬たちよりも、名手2人の腕が怖かったのではないだろうか。

彼らなら、そのまま残してしまうかもしれない

だから、迷わずついていく決断をしたのではないだろうか。

 

いつも、共に調教を行い、共にレースを戦っているライバルたちだからこそわかる

騎手の本当の実力

リーディングを走る男がどういった考え方で周囲を見ているかがわかったようで、非常に面白かった。

当然、名手の考え方は、私自身の今後の予想にも役立てさせてもらうつもりだ。

 

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5着・ビーチサンバ

上でも名前を挙げたビーチサンバ。

【オークス】が終わった時点では、まさか秋になってここまで走ってくるとは想像していなかった。

 

牡馬とは違い、繊細なタイプが圧倒的に多いのが牝馬。

どれだけ力のあっても、一度リズムを崩すとガタガタとどこまでも沈んでいくケースが少なくない。

昨年の【スプリンターズS】で2着に好走しながら、その後、苦戦しているラブカンプーなどがその典型だろうか。

 

ビーチサンバも、今春前半は活躍したものの【オークス】では15着に惨敗。

もうダメかとも思ったが、秋初戦の【ローズS】で2着に入ると、今回も見どころタップリの5着。

誰もが認める走力に、牡馬顔負けの骨太の精神力を備えているだけに、これから先、まだまだ進化を遂げそうな気がするのだ!

 

【秋華賞 2019】のレース後の関係者のコメント

~レース後のコメント~
1着 クロノジェネシス(北村友一騎手)
「ずっとコンビを組ませていただいて、春はなかなか結果を出せなかったので、ここで絶対勝つんだという気持ちで乗っていました。ある程度は流れに乗っていきたいと考えていて、理想的なポジションで運べました。いつでも抜け出せる手応えがあったので、自信を持って追い出すことができました。ここまで乗せ続けていただいたことに感謝ですし、結果を出せたことが良かったです。斉藤崇史調教師にもこの馬で初GI勝利を届けられて良かったです。自分にとっても、クロノジェネシスにとっても、斉藤先生にとっても、大きな一勝になったと思います。これを弾みにもっとがんばりたいですし、馬もこのまま無事にいってほしいです」

2着 カレンブーケドール(津村明秀騎手)
「1~2コーナーまで流れていましたので、ポジションはちょうど良かったですね。勝ち馬を見ながら、どこを捌くか進路を探す余裕のある手応えでした。内回りコースでも対応できましたし、オークスの時より仕掛けたら反応する体になっていました。成長しています。最後は狭いところを割ってくれましたし、根性がありますね。相手の切れ味が上でした。もう少し並びかけられれば良かったですね。こちらの想像以上に馬が良くなっていましたし、これから楽しみですね」

3着 シゲルピンクダイヤ(和田竜二騎手)
「ゲートも出てくれましたし、落ち着いていました。距離を考えて立ち回ったのですが、外に出した時はいい脚を使ってくれましたし、届くかと思いましたが、できれば内枠が欲しかったです。大人になっていると思います。この距離は微妙でしょうか……」

4着 シャドウディーヴァ(松山弘平騎手)
「今日はリズム重視でポジションはあまり気にせず、リズム良く折り合いもつきました。良い形で運べました。最後は少しモタれながらも、良い脚を使ってくれました。力のあるところは見せてくれました。これからの馬です。良くなってくると思います」

7着 ブランノワール(浜中俊騎手)
「道中はモタれていました。目に見えない部分で、苦しい部分が出てきたのかもしれません。でも、頑張ってくれました。距離は1600メートルくらいが良いのかもしれません」

8着 ダノンファンタジー(川田将雅騎手)
「2コーナーから進むことができなかったので、ある程度(馬場が)乾いてきたとはいえ、跳びのきれいなディープインパクト産駒ですから、顕著に走らなくなってしまいました」

(via ラジオNIKKEI 

 

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