こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください！
勝負の明暗 はここだった！
【回顧】阪神カップ 2020 における勝負の明暗
３歳以上・オープン・Ｇ２(定量) (国際)(特指) 芝・内 1400m 16頭立
| 着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| １ | 3 | 6 | ダノンファンタジー | 牝4 | 55 | 藤岡佑介 | 1.19.7 | 03-04 | 34.1 | 4 | 9.6 | 476 | +6 | (栗)中内田充 | |
| ２ | 8 | 16 | マルターズディオサ | 牝3 | 54 | 田辺裕信 | 1.20.0 | 1 3/4 | 03-02 | 34.5 | 6 | 19.8 | 450 | +4 | (美)手塚貴久 |
| ３ | 6 | 12 | インディチャンプ | 牡5 | 57 | 福永祐一 | 1.20.1 | クビ | 11-11 | 34.0 | 1 | 1.5 | 482 | +10 | (栗)音無秀孝 |
| ４ | 5 | 9 | サウンドキアラ | 牝5 | 55 | 松山弘平 | 1.20.1 | クビ | 08-07 | 34.2 | 5 | 17.5 | 456 | 0 | (栗)安達昭夫 |
| ５ | 1 | 1 | クリノガウディー | 牡4 | 57 | 幸英明 | 1.20.2 | クビ | 08-07 | 34.3 | 7 | 19.9 | 502 | +12 | (栗)藤沢則雄 |
| ６ | 2 | 3 | イベリス | 牝4 | 55 | 酒井学 | 1.20.2 | 頭 | 01-01 | 34.8 | 9 | 113.5 | 478 | +2 | (栗)角田晃一 |
| ７ | 1 | 2 | レインボーフラッグ | 牡7 | 57 | 岩田望来 | 1.20.2 | ハナ | 11-11 | 34.1 | 10 | 196.2 | 468 | +4 | (栗)小崎憲 |
| ７ | B6 | 11 | ジャンダルム | 牡5 | 57 | 荻野極 | 1.20.2 | 同着 | 05-04 | 34.5 | 8 | 44.2 | 510 | +10 | (栗)池江泰寿 |
| ９ | 4 | 8 | フィアーノロマーノ | 牡6 | 57 | 団野大成 | 1.20.5 | 1 1/2 | 08-10 | 34.5 | 3 | 8.2 | 560 | +6 | (栗)高野友和 |
| 10 | 7 | 13 | ブラックムーン | 牡8 | 57 | 和田竜二 | 1.20.5 | 頭 | 16-13 | 34.1 | 16 | 544.9 | 500 | +2 | (栗)西浦勝一 |
| 11 | 5 | 10 | タマモメイトウ | 牡4 | 57 | 藤岡康太 | 1.20.8 | 1 3/4 | 14-13 | 34.5 | 15 | 541.0 | 490 | 0 | (栗)藤岡健一 |
| 12 | 4 | 7 | ステルヴィオ | 牡5 | 57 | 池添謙一 | 1.20.8 | ハナ | 11-13 | 34.6 | 2 | 5.9 | 494 | 0 | (美)木村哲也 |
| 13 | 2 | 4 | ヤマカツマーメイド | 牝3 | 54 | 斎藤新 | 1.20.8 | クビ | 02-02 | 35.4 | 12 | 345.1 | 496 | +20 | (栗)池添兼雄 |
| 14 | B3 | 5 | クラヴィスオレア | セ4 | 57 | 木幡育也 | 1.21.3 | 3 | 05-07 | 35.5 | 11 | 219.4 | 480 | +2 | (美)藤沢和雄 |
| 15 | 7 | 14 | キングハート | 牡7 | 57 | 小崎綾也 | 1.21.3 | ハナ | 14-13 | 35.0 | 14 | 511.5 | 500 | +2 | (美)星野忍 |
| 16 | 8 | 15 | ミッキーブリランテ | 牡4 | 57 | 松若風馬 | 1.21.9 | 3 1/2 | 05-04 | 36.3 | 13 | 354.4 | 478 | +4 | (栗)矢作芳人 |
新型コロナ問題に揺れた2020年に日本列島。
誰もが前例のない日々に戸惑い、苦しむ一方で、競馬界は私たちに希望を与えてくれた。
◆牡牝揃っての無敗の３冠馬が誕生！
◆史上初の３冠馬３頭の対決が見られた！
◆白毛馬のＧ１馬も史上初の出来事だった！
激闘と続けてくれた全ての競走馬たちに、心から感謝を申し上げたい。
再認識した牝馬の強さ
それと同時に、ハッキリと認識させられたことがある。
それは、現代の日本競馬界における
牝馬のレベルの高さ！
実は、先週までの段階で、今年に入ってからの古馬王道Ｇ１は、牝馬が５戦４勝！
また、スプリント＆マイルＧ１の４レースも全て牝馬が制した。
◆古馬王道Ｇ１ 2020
大阪杯 ⇒ ラッキーライラック
天皇賞春 ⇒ フィエールマン
宝塚記念 ⇒ クロノジェネシス
天皇賞秋 ⇒ アーモンドアイ
ＪＣ ⇒ アーモンドアイ
◆古馬短距離G1も牝馬一色！
高松宮記念 ⇒ モズスーパーフレア
安田記念 ⇒ グランアレグリア
スプリンターズS ⇒ グランアレグリア
マイルCS ⇒ グランアレグリア
そして極めつけは【有馬記念】をクロノジェネシスが勝った！
ちなみに２着のサラキアも牝馬だった。
そんな牝馬のレベルの高さを最終週の阪神でも感じることになったのだ。
2020年、阪神競馬ラスト重賞【ファンタジーステークス】を制したのは、４番人気の４歳牝馬ダノンファンタジーだった。
強いけど難しい馬
ダノンファンタジーは、早い段階から圧倒的な素質を示してきた。
何と言っても一昨年末の２歳Ｇ１【阪神ＪＦ】の優勝馬。
４コーナー16番手からの差し切りは今振り返ってみても強烈だ！
また、昨年９月の【ローズＳ】快勝時には、上がり最速33秒１の脚を繰り出している。
３冠レースこそ勝てなかったが、コースや距離を問わず、常にハイレベルなレースを続けてきた。本当に魅力的な馬だ。
▼参考⇒ローズＳ 2019 回顧▼
だが、一方で陣営はかなり悩まされてきたと思う。
あらゆる条件をこなすだけに
ベストの条件はどれなんだ？
客観的な立場にいる私たちから見ても、なかなか答えは見えにくかった。
だが、今回の完璧なレースぶりを見たら、もう異論の余地はないだろう。
これしかない！
どこを切り取ってもスキがない！
実は彼女が1400Ｍを走るのは、２年前の【ファンタジーＳ】以来２回目。
ハッキリ言って、慣れた条件とは言い難い。
それにもかかわらず、スタート直後の楽な好位確保から、道中での軽快なフットワーク＆リズム、そして４コーナーで前が開いてからの鋭い伸び脚まで！
レースのどの部分を切り取っても全くスキがなかった！
まるで、これまでに何度も1400Ｍを走っている馬のようでさえあった。
退けた相手も簡単な面々ではない。
ベスト条件ではなかったかもしれないが、かつてのマイル王インディチャンプにも先着したのだ。
それだけに、1400Ｍに特化すれば、恐らくかなりの勝ち星を挙げるだろう。
だが、1400ＭにはＧ１がない。これほどの逸材をＧ２までの馬で終わらせる訳にはいかないはずだ。
だとすればどうする？
ぜひ、1200Ｍで見たい
結論としては、ぜひスプリント戦でみたい。
もちろん、1200Ｍと1400Ｍでは、同じ短い距離のレースとは言っても道中の流れが全く違う。
決して簡単ではないかもしれない。
だが、この馬の前半の楽な行きっぷりを見ると、スプリンターに近いものを感じるし、特に【高松宮記念】の場合は、舞台がタフな中京。
むしろ1400Ｍ寄りのスタミナが活きてくるのではないだろうか。
スプリント路線には同期のグランアレグリアという大物がいるが、ぜひ、チャレンジしてほしい！
期待も込めて、未来の主役に！
今後に注目だ。
キングスポーツ流「次走へ向けての一言メモ」
ここからは「私の独り言」だととらえていただきたい。
今後へ向けて、気がついたことをメモ帳に走り書きしているようなイメージ。
せっかくなので、それを皆様と共有してみようかと考えた。
勝ち馬の魅力が抜けている印象はあるが、１頭気になる馬がいたのでご紹介してみたい。
数行程度の解説にはなるが、どこかで皆様のお役に立てる内容だと思う。
４着サウンドキアラ
今年５月の【ヴィクトリアマイル】ではダノンファンタジーらに先着する形での２着。
現役牝馬ではトップクラスのマイラーになった。
一方で、秋の２戦は相手が強かったこともあるがいずれも二桁着順。
牝馬は、一度リズムを失うとそのまま浮上してこないケースも少なくないだけに、気になっていた。
だが、今回、見事に復調をアピールする激走！
鞍上の松山騎手が
と語っていたが、その通りだろう。
これなら、次走以降、特に牝馬限定戦ならかなり期待が持てそうだ！
【阪神カップ 2020】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
１着 ダノンファンタジー（藤岡佑介騎手）
「成績的にもタイミング的にもチャンスのあるレースだと思っていたので、結果を出せて良かったです。道中はリズムが良かったので、前がスムーズに開いてくれればと思っていました。４コーナーで進路ができた時点で行けると思いました。良いレースができました」
２着 マルターズディオサ（田辺裕信騎手）
「スピードがある馬だから１４００ｍは心配ありませんでした。直線まで溜めが利くかどうかという感じでしたが良かったですね。競馬は２着になりましたが、スムーズでかかる心配もなく、馬も気分良く走っていたので、１４００ｍから１６００ｍをこなしてくれると、この馬の持ち味が一番活かせると思います」
３着 インディチャンプ（福永祐一騎手）
「今日は馬の感じも良かったし、スタートも五分に出て、１４００ｍの分、あのような（中団より後ろの）位置になりましたが、良い形で脚は溜まっていましたし、１４００ｍになったことで、いつも以上の切れ味を見せてくれるのではないかと期待をしていました。伸びてくれてはいましたが、前も止まらなかったですし、１４００ｍでも、もう少しポジションを取りにいった方が良かったのかなとも、今日のレースで思いました。４コーナーを回る時は、悪くなかったのですが、思っていた以上に外に持ち出されたこともありましたが．．．。展開が向かなかったと言えば、前残りで向かなかったのですが、一番人気でしたから、結果は出したいところでした」
４着 サウンドキアラ（松山弘平騎手）
「状態も良いところに戻ってきたと思います。今日は枠的にもう少し内が欲しかったと思います。勝ち馬のような競馬が理想でした」
５着 クリノガウディー（幸英明騎手）
「勝ち馬の後ろで、良い手応えで運べました。初めて乗った分、比較はつきませんが、坂でちょっと止まり気味になってしまいました。もうひと伸びできれば勝てそうでした」
７着同着 レインボーフラッグ（岩田望来騎手）
「内枠でロスなく良い感じで運べました。直線も追うごとに伸びています」
７着同着 ジャンダルム（荻野極騎手）
「ポンとスタートも切れて、馬群の近くで取りつくことができました。直線もスムーズに向くことができました。初めての左回りの１４００ｍでそんなに差のない競馬をしてくれているので、この先も楽しみです」
９着 フィアーノロマーノ（団野大成騎手）
「状態は良かったのですが、不甲斐ない競馬になり、申し訳なかったです。スタートの一歩目が良く、リズムよく行けたらと思ったのですが、結果的にもう少し馬に気合いをつけて、ハミが出てきているところで、レースを進められたらと思ったのですが．．．。もったいない競馬でした」
１２着 ステルヴィオ（池添謙一騎手）
「ゲートの中でガタガタしていました。スタートしてからも進んでいきませんし、終いも反応がなく、伸びませんでした」
（via ラジオNIKKEI ）
勝負の明暗バックナンバーは下記をクリック
